2010年5月31日月曜日

【質問】 質問にお答えします! その3

本日は皆さんから頂いた質問に対して、僕が答えさせていただくコーナー第三回目になります。

色々な人から質問を頂くのですが、質問される方も色々と考えさせられる質問もあり、僕自身、非常に勉強になってます。
さて、それでは早速、答えさせていただきます。

12.北田さんも映像プロダクション出身とのことですが、どのようにしてSurfacerになろうと決めたのでしょうか?
これは僕がなりたくてなったと言うよりも、ならざるをえなかったという方が正解かもしれません。
実はALにコンタクトをとった時点ではモデラーでの応募だったんですが、モデラーの仕事がほとんど終わっている為、Surfacerとしてならオファーを出すという話に途中からなったので。

僕はSFやロボットが大好きなので、できればそういったSF映画のモデラーになりたかったんです。
でも、textureの作業も嫌いじゃなかったし、何より海外で働けるなら!という事でオファーを承諾しました。
海外ではモデリングとテクスチャーと言うのは分業されていますが、僕はどちらの作業も好きなので、特に嫌と言う気持ちはありませんでした。今ではむしろモデリングよりもテクスチャー作業の方が好きなくらいです。

以前いた映像プロダクションで一通りの作業は経験しましたが、やはり僕に向いているのはモデリングとテクスチャーだと言う事をスクウェアで再確認できました。それ以降は、モデリングとテクスチャーと言うプロセスに拘りを持って仕事をするようになりました。
今後もモデラー、テクスチャーアーティストとして働ければ本望ですね(笑

13.海外の企業で使用されるアプリケーション(Photoshop、Mayaなど)と、日本の企業で使用されるアプリケーションの違いについて教えて頂きたいです。
これはなかなか鋭い質問だと思います。ジェネラリストが多い日本と、スペシャリストが多い海外では使用されるソフトウェアも若干違います。

メインで使用されるソフトウェアに関しては、MAYA、3ds MAX、XSIと同じですが、海外の映画の場合はほぼMAYAだと考えていただいて良いと思います。
TVCや一部のプロダクションではMAXやXSIなども使用していると聞きますが、ほぼMAYAメインだと思います。BlurStudioなどは昔から3dsMAXを使用していることで有名ですね。

モデリング関しては、基本的にどのソフトウェアで作成しても、コンバートしてしまえば大差ないので、特に問題ないと思いますが、ALではモデリングはMAYAです。

スカルプティングに関しては、海外プロダクションの多くはサブディビジョンサーフェースを使用するので、MuboxやZbrushなどのスカルプトソフトウェアと併用して、ディティール作ってます。

テクスチャーに関してはPhotoshopメインですが、最近ではZbrushやMudboxなどの3Dペイントツールで、でそのまま仕上げてしまう事も少なくないです。その他にはBodyPaint3Dなども使用します。
海外の主流は3Dペイントが主流になりつつあり、Photoshopで最初から最後まで仕上げると言うのが、少し困難な状況になりつつあります。

アニメーションに関してもALではMAYAが主力です。他のプロダクションでは、どういったワークフローになっているのかわかりませんが、おそらくMayaを使用していると思います。すいません専門外なのでなんとも言えません。

VFXに関しては、各プロダクションで多種多様なソフトを使用していると思います。Houdini、RealFlow、AfterBurn、など。その他にはWetaのように流体シュミレーターを独自に開発するところもあります。
海外プロダクションの多くはレンダリング出力(EXR)の関係から、ハードウェアレンダリングを使用しているところは少ないと思います。

レンダリングに関しては、最近でこそVrayやMentalRayといったレイトレースベースのレンダラが注目を集めて、映画のショットによっては使われたりしていますが、やはりいまだに海外プロダクションの多くがRenderManをベースにしたレンダラを使用しています。
ちなみにALではMayaManという自社開発のMaya to R見たいなのを使用しています。HayperShadeでmayaのshaderを作るようにRendermanのshaderを作ったりできます。これは市販されていて購入可能です。たしかヴァージョンは2008ぐらいで止まっていますが。。。。

コンポジットに関しては、海外と日本では大きく違うと言えます。レイヤーベースのAEが主力の日本国内に対して、海外のプロダクションの多くはShakeやNukeなどのノードベースのコンポソフトを使用しているところが多いです。
AEが海外で主力コンポソフトでない理由の一つが.EXRのマルチレイヤに対応していない点や映画などの高解像度の画像を取り扱った場合、非常にレスポンスが悪い。
日本ではあまりなじみのない.EXR出力によるマルチレイヤですが、海外の映画の多くはリアニアレンダリングによる.EXRのマルチレイヤで出力されます。それに対応していない時点でAEは海外で主力コンポソフトとなりえなかったのでしょうね。。。最近のバージョンでは対応しているのでしょうか?
詳しい方がいればフォローお願いします。

っと言ったように、モデリング、テクスチャー、アニメーションあたりまでは日本とさほど変わらないソフトウェアを使用していますが、それ以降の工程が日本と海外では少し異なるのではないでしょうか?
僕自身、まだ多くの海外プロダクションを経験した訳ではないので、多少、現実と異なる部分もあるかと思いますが、概ね遠からずという感じだと思います。参考程度に読んでいただければ良いかと思います。

今回は専門用語が多数出てきたので、学生さんなどには少し内容が難しかったかもしれません。。。
またメールフォームより質問して頂ければ、わかる範囲で対応はして行こうと思います。

次回は海外プロダクションで就職しやすい(人材不足)な職種について少しだけ紹介できればと思っています。

2010年5月30日日曜日

【CG】 ジェネラリストとスペシャリスト

こんばんは。帰国の準備と面接の準備に飽きてきたのでブログ更新です。
今日はジェネラリストとスペシャリストに関して紹介させて頂きます。最近、日本の業界でも馴染みのある言葉になりつつあるジェネラリストとスペシャリスト。
ご存知の方も多いと思いますが、ジェネラリスト、スペシャリストに関して紹介させて頂きます。

ジェネラリストとは、主にモデリング、テクスチャー、セットアップ、アニメーションからコンポなど、ある程度のプロセスを一人で行う万能なArtistのことを言います。もしくは複数のプロセスに精通しているArtistのことをジェネラリストと呼びます。
(主にTV系のプロダクションに多いです。TV系のプロダクション、プロジェクトは納期も短く、少数精鋭で作成する事が多いので、分業制だとかえって効率が悪くなるからです。)
ジェネラリストは多くのプロセスを一人でこなさないといけないので、幅広い知識を得ることができ、非常に多くのことを勉強できます。その反面、広く浅くという傾向が強いです。
一つのプロセスに対する技術、知識を深く学ぶ事が出来ません。

逆にスペシャリストとは、モデリングに特化した人、テクスチャー、アニメーション、セットアップなど一つのプロセスに特化したAtistのことスペシャリストと呼びます。
(主に映画、長編アニメーション系のプロダクション、プロジェクトに多いです。映画は制作期間が長くブ物量がTVCMなどに比べて遥かに多いので、分業する事で効率も上がり、クオリティも上がるからです。)
スペシャリストは一つのことに特化するため、高い技術、深い知識を得ることが出来ます。逆に一つのことに特化したために、潰しが利かない事が多いです。また、自分以外のプロセスに関心がない人も多く、広い知識を得ることが出来ません。

海外の映像プロダクションでは多くの場合が、分業制をしいているのでほぼスペシャリストの集まりと言っても良いと思います。(TV系は除く)

逆に日本は分業制をしいていないプロダクションが多いので、ジェネラリストがほとんどの割合を占めると思います。ただ、中には分業制をしいているプロダクションもありますが、海外のプロダクションほど細分化されていないのが現状です。

皆さんが海外就職を目指すうえで、どちらを目指すのかは目指す会社や業界によって異なります。海外就職には自分が目指す業界、プロダクションがどういった人材を求めているのか?自分自身がしっかりしておく必要があります。

簡単にですが、ジェネラリストとスペシャリストに関して説明させていただきました。
次回は質問にお答えします その3を予定しています。
例によって、質問がある方はお早めにメールフォームよりご連絡ください。

2010年5月29日土曜日

【仕事】 電話面接にむけて準備することは?

こんにちは。3週間ぶりに週末を過ごす事ができたので、久しぶりの更新です。
前回のブログでは質問に答えさせていただきましたが、今回は電話面接までに準備しておかなければならない事を紹介させて頂きます。
これはあくまでも僕個人が電話面接に向けて、準備している事なので、参考程度に読んでいただければ幸いです。

まず、僕が英語も喋れないのに、なぜALの電話面接をクリアできたのか?それは多少の運も含まれているかもしれません。
しかし、海外就職、特にCGに関しては”時と運”というのは非常に重要になってきます。

以前のブログでも書きましたが、海外プロダクションの多くはプロジェクト契約、もしくは6ヶ月~12ヶ月が常です。プロダクションが人材募集をしていないのに、応募しても不当りになる可能性が非常に高いです。
何処のプロダクションがどういった職種、人材を募集しているのか?これからどんなプロジェクトを始めるのか?常に情報収集しておかなければなりません。
やみくもにApplyしても、おそらくはほとんどが不当りになることが多いと思います。そういう意味で”時と運”は海外就職にとって非常に重要なのです。

少し本題から外れましたが。。。。そんな運も味方につけながら、僕がどのようにALの電話面接をクリアできたかを紹介させていただきます。

まず、第一に英語に慣れることから始めました。具体的にどういうことかというと、英語の環境に身をおくという事です。土日を利用して、毎週末英語のプライベートレッスン(喫茶店などで1対1で3時間ほど会話の特訓。1時間1000円~2000円程度)を受けたり、外国人の友達とランチに行ったり、外人バーでお客さんと喋ったり。とにかく解らなくてもいいので、英語(外国人)に慣れることを第一にしました。

次に英語の文法、特に読み書きそこそこできるように勉強しました。文法と言っても中学生が勉強する程度のものです。自己紹介文を翻訳サイト、電子辞書などを使い書いて見る。そして、間違いをプライベートレッスンの英語の先生と一緒に直したり、書き加えたりする事で徐々に英語の読み書きにも慣れてきました。

次は僕が最も大事にしている事です。電話面接のためのカンペ(?)を作る事です。カンペというと響きが良くないですが、要は自分の中で何が質問されて、どう答えるかを頭の中でシュミレーションして、文章でまとめる事です。これは日本の面接などでも、大学生がよくやっている事だと思います。
例えば、なぜ●●●に就職を希望したのですか?などの答えを自分であらかじめ用意しておいて、文章にしてまとめておきます。
また、受ける会社に対しての質問もいくつか用意しておきます。質問しないという事は、興味がないと判断されかねません。必ず受ける会社、プロダクションに関しては質問をするようにしてください。

文章としてまとめたら、次はそれらをプリントアウトして、上手に読む練習をします。日本語でも、面接は困難な試験の一つです。頭の中で何度もプリントを読み返しながら、電話面接をシュミレーションしてください。

僕が電話面接のために、準備した事は以上です。え?これだけ?っと思うかもしれませんが、日本語でもアドリブで質問に対して、すぐに答えるのは難しいです。あらかじめ答えを用意しておくだけでも全然違います。ただ、自分が予想していなかった質問をされた時は、頑張ってアドリブで答えてください。
この時、大事なのが”黙らない”事です。解らなければ、何度も聞きなおすようにして下さい。
Can you please repeat that?っとわかるまで聞き返してください。英語が第一言語ではないので、リクルーターもゆっくり丁寧に解るまで説明してくるはずです。
どうしても理解できない場合はI'm sorry. I can not understand. っと正直に答えます。
(英語が出来ないから不採用と言われたら、割り切って諦めてください。もしくは英語が喋れるようになるまで努力するしかないです。これだけは言葉の問題なので本人の努力次第かと思います。)

自己紹介や質疑応答を30分ほど続ければ、大体1回目の電話面接は終了すると思います。
ちなみに僕はALとの電話面接は3回行いました。1回目はリクルーターだけと自己紹介、軽い質疑応答。二回目はスパーバイザーとリクルータと技術的な話。3回目にマネージャー、スパーバイザー、リクルーターと契約内容、業務開始時期、賃金などの具体的な契約の話をしました。

この時、僕は相手の言っている事がほとんど理解できませんでした。。。。それでも自分が伝えなければいけないことや、質問しなければいけないことなどを一方的に喋りました。(読み上げました)

今思うと、契約できたのが不思議に思うほどに。。。。ただ、僕は英語が喋れなくても、多少の読み書きが出来たので、電話面接の後に、必ずリクルーターに電話面接の内容、確認をメールで行いました。
そして、重要事項は必ず口頭ではなく、メールで文章として残るようにリクルーターにお願いしました。

そして、無事に契約書が届いて、サインをすれば契約完了です。
こんな方法でよく電話面接をクリアできたな?っと自分でも思いますが。。。。
この時の僕の幸運はスーパーバイザーも第一言語が英語ではなかったので、僕の下手な英語に対して理解を示してくれた事。あとスーパーバイザーの趣味がゲームだったので、面接の質疑応答以外でも共通の話題が持てたことですね。
環境の面で幸運だったのは、プロジェクトの進行が遅れていて、大量にSurfacerをALが必要としていたこと。この3つの幸運が重なったからこそ、僕の採用がされたのだと思っています。

え?運だけでは?っと自分でも思いますが。。。運も実力のうちと言いますから。
そして、今の僕の英語力は?と言うと。。。おそらく中学生程度だと思います。読み書きはそこそこで、Hearing、Speakingはシドロモドロです。

それでも何とか海外で仕事をしているので、皆さんも諦めずに頑張って欲しいと思います。
技術的な話をすれば、僕よりもモデリング、テクスチャーが上手い人は日本にも大勢いると思います。
日本の技術は海外アーティストから見ても、十分に通用すると思います。英語に挫けることなく海外就職を目指して頑張ってください。

2010年5月26日水曜日

【その他】 締切直前につき数日休載

すいません。やはり今週が締切直前ということもあり、またインタビューの準備などもあり、ブログの更新は数日滞りそうです。。。。

再開した際にはツイッターなどでつぶやくと思いますので、それまでしばしのお休みを頂きます。
例によって、質問などは随時承っていますので、メールフォームよりご連絡ください。

Eiji

2010年5月24日月曜日

【質問】 質問にお答えします! その2

今日は皆さんから頂いた質問に答えるコーナーの第二回目です。

前回の日記でコーディネイターに触れましたが、なぜコーディネイターに触れたかというと、実は日記を読んでくれている方から、海外でのコーディネイターについて教えて欲しいという質問があったからです。
質問をブログで公開することで、皆さんと情報共有が出来ればと思っていますので、些細な事でもかまいませんので、ドシドシ質問していただければと思います。
それでは早速、質問に答えさせていただきます。

8-1.海外に興味はあるもののデザイナーとしてではなく全体をまとめる立場としてどう言った職業があるのでしょうか?
前回の日記で紹介したコーディネーターがまず一つあります。そして、プロダクションマネージャーという職種もあります。その他にはプロデューサー、デパートメントマネージャーなど多種多様にあります。
デザイナーと同様に、管理する職種についても色々な事を分業しています。

8-2.やはりCGの専門的知識、英語の知識は必須なのでしょうか?
職種によると思いますが、無いよりはあった方が良いと思います。必ず必須という訳ではないとおもいますが、広く浅く知っている事で、デザイナーとのコミュニケーションは捗ると思います。

8-3.クライアントとのやり取り、スケジュールの管理等はコーディネーターさんがやられているのですか?
詳しくはわかりおませんが、クライアントとのやり取りは別の窓口です。スケジュールに関しては、全体のスケジュールはプロデューサーやプロダクションマネージャーなどが管理していると思います。
デザイナーのスケジュールに関してはコーディネイターが管理しています。プロダクションマネージャーが全体の管理、コーディネイターが現場の管理と考えていただければわかり易いかと思います。

9.テクスチャーの命名規則は具体的にどのようになっているのでしょうか?
これは正確に答えることはできません。(守秘義務契約で口外出来ない事になっています。)
プロダクションや会社によっても違うと思います。ただ、例を挙げるなら単純です。オブジェクト名_パーツ名A_パーツ名B_属性_ヴァージョン情報などのようになっています。
属性というのはカラーマップとかバンプマップとかの事です。

10.In House Shaderとは社内で作成しているシェーダーのことでしょうか?
その通りです。海外プロダクションの多くは自社でtoolやshaderを開発しているところが多いと思います。

11.ターンテーブルが想像つきにくいのですが、なにか動画や図のようなものはありませんでしょうか?
この辺はWeb検索しても、すぐに見つかると思いますが、最もポピュラーなmodeling、surfacingのチェック方法です。もしモデラーやテクスチャーアーティストとして、海外プロダクションに作品を送る場合は、デモリールの中に最低でも2個から3個ぐらいは入れておいたほうがよいでしょう。
もし、入っていない場合は、追加でターンテーブルを要求される事もあるので、準備しておくと良いと思います。
動画だとこんな感じです↓(Youtubeで検索したらでてきたヤツです)
http://www.youtube.com/watch?v=KBHAjZ8-eQE
http://www.youtube.com/watch?v=ptczjNoeSDY

今回紹介したのはモデルが回っているケースですが、逆に環境(光源)が回っているケースもあります。
前者はmodelingチェックで多く用いられます。後者はSurfacingのチェック時に多く用いられます。

さて、今回もこのような形で答えさせていただきましたが、参考になったでしょうか?
次回は英語の話せない僕が、どうやって電話インタビューを通過できたかについて紹介したいと思います。

2010年5月23日日曜日

【予告】 質問にお答えします! その2

先々週、先週、今週と締切直前で、残業、休日出勤続きだったので、なかなか皆さんからの質問にお答えできなくてすいません。


今日は36時間ぶりに家に帰ってこれました。さすがにクタクタなので、今日は明日の予告だけ。
次回は「質問にお答えします その2」です。

質問がある方は早めにメールフォームにてご連絡ください。明日まとめた形で、お答えいたします。

それにしても、初めて経験する海外プロダクションでの締切直前、いっぱい伝えたい事があるのですが、順次ご紹介していければと思います。

2010年5月21日金曜日

【CG】 海外プロダクションにおけるコーディネイターの役割

今日はコーディネイターという職種について紹介させていただきます。

日本だとあまり聞きなれないかもしれないですが こちら(世界共通?)にはコーディネイターという職業があります。
日本だとプロダクションマネージャー(プロマネ)という呼び方をする場合もありますが、海外でプロダクションマネージャーというと、少し違った意味になるので、あえてコーディネータと呼ぶことにします。

コーディネイターとはどういった職種なのか?具体的な役割としてはスパーバイザーと現場のパイプ役になる職種です。そのなの通り、仕事をコーディネートするのが仕事です。

ALでのコーディネイターの具体的な仕事の内容としては、各アーティストの作業管理、スケジューリング、作業割割りふり、勤怠管理などです。
日本のコーディネイターというと、雑務係、何でも屋という感は否めませんが こちらのコーディネイターは現場とスパーバイザーとの間のやり取り スケジューリング、進捗、勤怠などの管理を一手に行います。
またスーパーバイザーからの指示を的確にメールで知らせる ”Note”と呼ばれるメールを送るのもコーディネーターの大事な仕事です。 だから、当然CGの知識やソフトに関しても多少は知識を持っていないといけません。 そして、コーディネイターが機能していない現場は仕事が絶対に回りません。そんな大事な職種です。

日本ではアーティストやスパーバイザーがスケジュール管理を作業の合間に行いますが、ALではすべてコーディネイターが管理しています。作業が遅れそうな時もスパーバイザーに直接報告せず、いったんコーディネーターを通して報告します。
するとコーディネーターがスーパーバイザーの下へ行き、スケジューリングの再調整、人員補充などを行ってくれます。

デザイナーは詳細を報告するだけで、後はコーディネーターからの返事を待つだけです。その間、本作業とはまったく関係がない事務作業に時間をとられることなく作業を進めておくことが出来ます。
また、アートチェックやスパーバイザーのチェック時には、必ず同伴して、ノートパソコンで修正内容を記録しておきます。
記録された修正内容はサーバーにUPされ、その日うちに各アーティストに”Note”としてメールされます。(サーバーやメールで情報を共有する事で、間違いを防ぐ役割もあります。)
実は、僕が海外で仕事が出来ているのは、このコーディネイターの存在が非常に大きいです。チェック時は、アートやスパーバイザーが時には興奮して、早口になったり、会話の内容が把握出来ない時があります。
(実は僕の場合、ほとんど把握できていません。。。。)

しかし、会話の内容、修正内容をコーディネーターが端的にまとめた”Note”を後でメールしてくれるので、これを読めば自分が何を修正しないといけないか?どういったオーダーが出たのか?などを把握する事が出来ます。
良い仕事をするためには、まずはコーディネーターとコミュニケーションをとる事が大切です。
意外に思うかもしれませんが、作業の割り振りを決めているのは実はコーディネーターなのです。
もちろん最終的な判断はスパーバイザーが下すのですが、大まかにコーディネーターが割り振った物を参考に、スパーバイザーが調整します。
この時、大体のスケジュール、人員配置が決められ、誰と組んで仕事をするのかなどが決められます。

このようにアーティストは本作業以外で、時間をとられるのは、ミーティング、チェック、食事休憩ぐらいな物で、一日のほとんどの時間を作業時間に割り当てる事ができる仕組みになっています。
コーディネイターと良い関係を持つ事で、良い仕事がもらえるのです。

日本では多くの場合、午前中に会議、チェックなどが詰まっていて、作業開始するのが昼を過ぎていた?なんて事はよくありませんか?
コーディネーターの役割は、各プロダクションで微妙に違ってくると思いますが、大きな流れは世界共通なのではないでしょうか?

コーディネイターはアーティストが作業に集中できる環境を作る大事な仕事です。

2010年5月20日木曜日

【CG】 海外就職のススメ

以前の日記でお伝えしましたが、海外就職にはかなり大きなリスクを伴います。しかし、僕はあえて海外就職をススメたいと考えています。それが日本のCG業界の発展に繋がると思っているからです。

それはなぜか?単純です。海外プロダクションのワークフロー、パイプラインの知識や制作技術を経験することが出きるからです。
僕が海外に出て感じたのは、日本とまったく違った作り方をしているという事です。データの保存場所はすべてサーバで管理。ローカルには一切作業ファイルが存在しなかったり、各デパートメントでしっかりとワークフローがあったり、日本で手作業で行っていた地道な作業が、ボタン一つで実行できたり、本当に日本とはまったく違った環境、作業手順で仕事をします。
(僕はこのことに驚いたんですが、アメリカから来ている同僚は、アメリカはもっとパイプラインやワークフローがしっかりしているそうで、ALやイギリスなどは、まだまだ発展途上だそうです。恐るべしアメリカです。)

そういった知識や経験は絶対に日本では獲る事ができません。それではその経験を得るために大きなリスクを背負うのか???それは個人の価値観や判断になると思います。
しかし、Melonさんの日記でも取り上げられていたように、僕たちは日本人です。日本人である以上、ほとんどの人が最終的には日本へ帰国します。

そうすると海外から戻った人は、今まで学んだ技術や知識を日本に還元する事ができます。還元された知識、技術はどんどん蓄積されて、日本のCG業界の発展にも繋がり、海外プロダクションの誘致にも繋がります。

良い例がインドやシンガポールです。多くのアーティストを海外進出させて、自国に戻ってきたアーティストが技術や知識を還元して、海外プロダクションのノウハウを蓄積させていった結果、海外プロダクションの誘致に繋がったのだと思います。
(もちろん、それだけでは実現は不可能だったかもしれません。税制優遇やその他の色々な条件があってこそ実現したことだと思います。)

インドはアニメ、映画産業だけで394億円もの市場規模があり、それは年々増え続ける傾向にあり、その多くが北米やヨーロッパからの受託である。

394億円。。。市場規模について詳しくはわかりませんが、ニュージーランドのWetaにしても、アメリカから映画の受注をすることで多くの外貨を国に持ち込んでいます。

日本とアメリカでは映画産業の規模時代が違うので、産業そのものをまねる事は出来ませんが、制作フローやパイプライン、技術は真似ることが出来ます。
目の前に大量の物量を短時間で運用でき、かつクオリティを損なわない制作フローが存在するのですから、これを真似しない手はないと思います。

しかし、残念なことに現在日本には、海外で働いていた人を受け入れるだけの器となる会社は多くは存在しません。Melonさんの日記でも上げられていたように、海外で働いている人でも日本に戻りたいっと思っている人は多く存在します。
しかし、日本に戻っても働く場所が存在しないので、得た知識、経験を還元する場所がないのです。
まずは、日本に海外の知識、技術を蓄積させていくだけの受け皿となる会社の整備が必要だと感じました。そんな今日、この頃です。

2010年5月19日水曜日

【CG】 Surfacing Artistとはどういった職種か?

Sarfacing Artisってどんな仕事?ということで今回はSurfaing Artistについて紹介したいと思います。

日本ではあまり聞きなれない職種だと思いますが、仕事の内容はほぼTexture Artistと同じで、Textureを描くことが主です。それではなぜTexture Artisと呼ばないのだろうか?

これは僕の推測ですが、ZbrushMudboxでスカルプトもするからだと思います。スカルプトという作業は2.5Dと表現される事が多く、まさにモデリングとテクスチャーの中間に位置する作業です。
会社やプロダクションによって違いますが、スカルプトをModelerが行うケースと、Texture Artistが行うケースがあります。
ALの場合は、後者でmodelerは本当にモデリングしか行いません。UVを開くのもSurfacerの大事な仕事の一つです。

Surfacing Artistと一言でも言っても、2種類に分けることが出来ます。Hard SurfaceとSoft Surfacerです。
Soft Surfacer(Character Surfacer)はその名の通り、やわらかい物を主にします。キャラクターやモンスターなどです。キャラクター専属と理解していただいた方がわかりやすいと思います。
Hard Surfacer(EnvSurfacer)は逆に硬いものを主にします。石、木、鉄、鉱物、植物など様々です。環境(背景)専属と理解していただければ良いと思います。
人によっては、その両方をこなす人もいます。

僕はこの10年間、背景一筋です。Hard Surfacingのみを仕事にしてきました。根っからの背景やです。逆にキャラ作ってくださいと言われた、モデリング含めて無理ですね。断言できます(笑

それではSurfacingの仕事内容について、紹介していきたいと思います。
1.まず、第一の仕事はモデラーからモデルをもらって、UVを展開します。
UVを展開してる最中にモデルに不正ポリゴンや多角形ポリゴンが含まれてたりすると、一度モデルをモデラーに返して修正してもらいます。
そして、再びUVを展開します。モデラーからもらったモデルが常にクリーンアップされてる訳ではないので、不正なポリゴンがないかを見つけるのもSurfacerの仕事の一つです。

2.UVを展開し終えると、次にZbrushMudboxで表面の形状をモデリング(?)していきます。これは主にDsplacementMapなどに使う事が多いですが、カラーマップのベースにしたりもします。

3.スカルプトが終われば、いよいよTextureをPhotoshopで描き始めます。人によって描き方は多種多様ですが、特にルールはないので自由にやってます。ただ、Textureの名前付けにはルールがあり、名前を見れば、大体、どこのパーツで何のマップか判断できるようになってます。

この辺は日本だと明確にルール化されていないプロダクションが多いのではないでしょうか?意外と名前付けは面倒くさいですが、ルール化されてると考える必要がないので、作業短縮にもつながります。

4.ある程度、テクスチャーを書き上げていくと、今度はMayaでShaderNetworkを組みます。海外プロダクションの多くが、InhouseShaderを社内で作っている所が多いと思います。ALに関しても、ほぼ100%インハウスですね。

5.後はレンダリングと修正を重ねながら、細かい調整をしていきます。調整が終わればスパーバイザーのチェックを受けるためにターンテーブルを作成します。

※1ターンテーブルとは、モデルを中心にカメラを360度、モデル、カメラ固定でライトを360度回転させて、モデルの形状、質感をチェックするための画像です。
主に晴天、曇り、夕暮れ、夜などのライトセットが組まれており、セットされたライトのみでチェックを行います。シーンカメラでチェックする事はあっても、シーンのライトでSurfacerがチェックする事はありません。
Surfacerの仕事は、あくまでもセットライトの中で、正しい質感設定を作るだけです。

6.スパーバイザーの承認があられれば完成です。完成したAssetに関しては、Lighting Departmentに渡され、初めてシーンのライトでレンダリングされます。

7.ライティングされたAssetに問題がなければ、これで一つの流れが終わりです。問題があった場合は、5に戻って問題解決と再調整を行います。

大体、Surfacing Artistの仕事の流れはこんな感じでしょうか???

あと良くありがちな事なのですが、最終的に出来上がった絵が、自分が設定した質感と全然違う事があります。良い意味でも悪い意味でも。
しかし、それに対してSuparviserやArtistがLightingやCompoに文句を言う権限はありません。
せっかく苦労して作ったのに!っと思うかもしれませんが、LigtingやCompoの時点で、質感、見え方が違うのは、ディレクターや演出家の意図でそうしているので、質感ではなく演出に属する事になります。
(この時、実際にshaderの設定が変えられるのでなく、Compoで上から素材を重ねた結果、違った見え方をするだけであって、実際に設定したshaderを作り変えられている訳ではないので、基本的に誰も文句は言いません。)
演出に対して文句をつけれるのはプロデューサーやスポンサー、監督だけです。

だから、良い意味でも悪い意味でも、最終的なルックが自分の設定した物と違う事もしばしば存在します。

今回はかなり多くの専門用語が出てきたと思いますが、もしわからない事など在れば、メールフォームからご質問頂ければ、日記か個別でお答えさせて頂きます。

2010年5月18日火曜日

【質問】 質問にお答えします! その1

ふ~~、最近はめっきり帰りが遅くなってきました。。。さて、本日は皆さんから頂いた質問に対してお答えさせて頂きます。

1.日本の会社を辞めてまで、海外に行った理由はなぜですか?
一言ではいえませんが、一番大きな理由は二つあります。一つは長編映画の制作に携わるのが、ここ数年の夢だったからです。
もう一つは、家族と過ごす時間を多く持ちたかったからですね。実際にシドニーでは家族と時間を共に過ごせたし、夢だった映画の制作にも携わることが出来ました。他にも、理由がないわけではないですが、一番大きな理由はこの二つです。

2.よく海外は日本の安い映像業界に比べて賃金がいいと聞きます。日本にいらっしゃったころと比べてどうでしょうか?
賃金に関しては判断が非常に難しいと思います。賃金は現地の通過で支払われるのがほとんどです。日本円で賃金をもらう訳ではないので、色々な条件を考慮しなければなりません。国の物価、為替のレート、税金などです。

日本にいた時のお給料より1.2倍多くもらったとします。しかし、国によっては税金や物価が非常に高い国もあります。
逆に物価の安い国では、現地通貨事態が安いので、日本円に換算する場合、ほぼ2倍の賃金をもらわなければ、収入アップとはいえません。
その結果、手取りが日本より少なくなる事もめずらしいことではないと思います。
また、最近はCG制作にかかる人件費の単価が下がってきていると聞いています。
(単価が下がった理由の一つは、イギリスやアジアなどの制作費が安い国に制作を委託するようになったためだと言われています。制作費が少ないと、当然ですがアーティストのお給料も下がりますから。)
それでも、現在の日本のCGデザイナーの単価よりは、海外で働く方が単価は高いと思います。今現在はの話ですが。。。

3.学位がなければ、就労ができないともよく聴くのですが本当でしょうか?
これに関しては半分本当、半分嘘と言うことになります。極端な話ALでは学位がなくても仕事をすることは可能です。
しかし、昨日の日記にも上げましたが、Visa取得に関しては学位があると有利に働きます。
例えば、本来なら就労Visa申請に、実務経験が5年以上必要だとします。しかし、大学や専門学校で専門知識(この場合、就労する職種と同じ知識、専修)を学んでいた場合には、3年の実務経験から、Visaの申請が出来たりします。
この時、注意して欲しいのは、あくまでも申請できるだけであって、取得できるとは限らないと言う事です。

実際にプロダクションで働くのに学位が必要かどうかは、詳しく調べて見ないとわかりません。もし、詳しい方がいらっしゃれば、フォローお願いします。

4.米国なら大学でもCGの勉強ができますが、オーストラリアにもCGの学校があるのでしょうか?
CGを専門にしている学校があるかどうかはわかりませんが、オーストラリア人のアーティストも多く居るので、おそらくあると思います。

5.デモリール作成時に気をつけていることや、作り方のノウハウなどはありますか。また、レジュメを書くときの方法なども気をつけていることがあれば教えてほしいです。
デモリールに関しては、出来のよい物から順番に見せるのが最良の策だと思います。月に何十、何百という応募があるなかで、デモリールを最後まで見てくれるケースは、よほどのことがない限りないでしょう。
始めの十数秒みたら、次を見ると言うケースもあると聞きます。できるだけ、出来がよい作品から見せるようにしてください。

Resumeに関しては、枚数は1枚から2枚程度にまとめるのが良いと思います。長くてもほとんど読んでもらえないので、自分の経歴、スキル、関わった作品が解りやすくまとまっているのが良いと思います。
そのあたりも鍋潤太郎さん就職の手引きに詳しく書かれているので、ぜひ一度、読んでみてはいかがでしょうか?

6.CGの作業量の多さを解消するために日本とは違うと感じたことがあれば知りたいです。よく言われる分業のありかたなども思うところがあればしりたいです。
海外の大きなプロダクションは、ほぼ間違いなく分業制をしいていると思います。(TVC部門などは、逆にジェネラリスト制が多いと聞きます。現にALのTVC部門はジェネラリスト制です。)
分業項目を大きく分けると企画アートモデリングサーフェーシング(テクスチャー)アニメーションセットアップキャラクターFXマットペインティングVFXライティングコンポです。
他にもテクニカルな部分だとハードウェアエンジニアソフトウェアエンジニアShaderWriterR&Dなどもあります

他のデパートメントについては、わからないですが、僕が所属しているSurfacingに関しては、後日の日記で詳しくお伝えできればと思います。

7.やはり英語や技術よりも、お酒が飲めた方がいいでしょうか?
英語や技術も大事ですが、シドニーではお酒が飲める事も大事です。僕は残念ながらお酒は飲めないのですが、こちらでは交流の場の多くがPUBやBARです。お酒は、普段話をしない職場の仲間と知り合うよいきっかけになります。たしなむ程度ののめるとよいのではないでしょうか?

8.英語能力はどの程度必要なのでしょうか?
英語能力はとても大事です!!!しかし、英語が話せないから海外で仕事が出来ないわけではありません。僕も英語能力に関しては、中学生程度の能力しかありません。読み書きはそこそこですが、ヒアリング、スピーキングに関しては、まったくと言っていいほど駄目です。
(スーパーバイザーと修正のやり取りをメールや社内Chatでやらないといけないほど、ダメダメです。)
職種によって英語の必要度がわかってきますが、ライティングやコンポジットの人は、相当英語のスキルは必要になると思います。
逆にモデリングやテクスチャーなどは、比較的英語スキルが低くてもやっていく事は可能です。
ただ、ここ近年、Visa取得に英語のスコアを必要とする国が増えてきているので、いずれは英語のスキルは海外で働く上で必須になると思います。


以上ですね。本日も参考になったでしょうか?明日は僕が担当しているサーフェーシングという仕事について紹介したいと思います。

2010年5月17日月曜日

【仕事】 海外就職のデメリットとリスク

僕も現在、直面している海外就職のデメリットとリスクに関して紹介したいと思います。
これは僕が個人的に感じたことなので、すべてのケースにおいて適合する訳ではありません。
あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

デメリット
・雇用問題
・Visa問題
・海外医療

リスク
・帰国後の雇用確保


雇用問題
海外の多くのプロダクションは、正社員を雇わずフリーランスのデザイナーを雇用します。
したがって、プロジェクトが終了すると、多くのフリーランスは他の会社へ行くか、別の会社を探さなければいけません。
プロジェクトが継続して受注できているような大きなプロダクションなら、フリーランスとしても数年働けるケースもあると思います。
また人材難なLighting TD、VFX TD、Shader Writer、MattePainterど職種によっては継続して働ける場合もあります。
多くのプロダクションが仕事を断続的にしか受注できていません。そのためプロジェクトが終わると、蜘蛛の子を散らしたように、バラバラになっていきます。
(こちらでは派遣切りやレイオフという表現はあまり使わず、むしろ契約が終了するのは当たり前という感じです。)

そして、数ヵ月後に始まるプロジェクトのために、またフリーランスを各国から集めるのです。
この時に、再び出戻りで元のプロダクションに戻ってくる人も多いようですが、プロジェクトの予算、規模によって雇用人数も変わってします。必ずしも戻ってこれるとも限りません。

僕自身も例外ではありません。
僕はALと7ヶ月契約(契約延長オプション付)を結びました。プロジェクトの兼ね合いから3ヶ月の延長オファーを受けましたが、第二子出産で7月に一時帰国しなければならないので、1ヶ月だけ契約を延長しました。
僕のように延長のオファーを受ける人もいれば、延長のオファーすらないまま契約終了する人も多く存在します。
これは海外では当たり前の事です。また、僕のように家族を従えての移住には収入にも大きく影響してきます。
家族を養わなければならないので、必然的に給料の最低ラインというのが、独身者よりも高くなります。
独身者が有利というわけではありませんが、独身者の方が交渉の幅は広いと思います。
海外で雇用を確保し続けるのが最も困難な問題です。 特に初めての海外就職だった場合は、なおさら大変だと思います。

Visa問題
雇用の確保につながる話ですが、外国人である以上Visaは必ず必要になります。国によって取得難度、有効期間など様々ですが、基本的にどの国でも例外なくVisaが失効すれば働けなくなります。
そうなると残された道は帰国するしかありません。再び海外で働くためには、また高い費用と手間を掛けてVisaを取得しなければなりません。海外で働く上でVisaは切っても切り離せない問題です。

海外医療
以前の日記でも述べましたが、医療に関しては永住権、市民権を持たない人と持っている人では天と地ほどの差があります。僕のように小さな子供(1歳7ヶ月)の子供や妊婦の妻を持ている場合は、医療問題は大きな問題です。
仮に独身者であっても、いつ事故や病気になるかわかりません。しかし、外国人である以上はすべてに保険が適用される訳ではないので、常に高額の医療費を支払うことを念頭においておかなければなりません。


帰国後の雇用確保
海外で数年、十数年働いたとして、Visaの失効やその他の理由で帰国を余儀なくされた場合、帰国後の雇用確保というもの問題になってきます。日本の場合、海外ほど完全な分業制をしいていないので
海外でスペシャリストとして働いていたからといって、雇用が確保できるとは限りません。
日本の多くのプロダクションはジェネラリスト制をしいています。モデリングしか出来ない人、テクスチャーしか描けない人、そういう状態で職を探さなければなりません。
また、日本では多くの会社が中途採用に35歳未満という条件が付きます。これはあくまでも目安なのでしょうが。
海外では当たり前のように40歳50歳近い人がモデリングやテクスチャーを描いていますが、日本ではなぜか年齢制限があります。
おそらく日本は30歳を過ぎたあたりから、管理職に就くからだと思うのですが。。。
管理職よりも歳老いた作業員は不要ということなんでしょうか?
僕はいまだに日本の中途採用、転職に年齢制限があるのが不思議です。

多くのアーティストは自国で5年~10年近く経験をつんで、海外に出て行く人がほとんどです。
5年以上の実務経験がないとVisaが下りない国もあるので、必然的に海外で働き出すのは30前後になります。実際にALでも20代の人はほとんどいません。多くが30前後、もしくは35歳前後の人がほとんどです。
海外で働いた時点で、年齢的に日本への帰国、復帰というのが難しくなります。


僕が感じた大きな問題をざっくりと挙げてみましたが、その他にも年金や手当てを老後、日本で受領できないという可能性もあります。
(年金に関しては、任意継続で海外からも支払い可能ですが、もらえる額はおそらく最低額だと思います。)
その他には、言葉の問題、制作環境、ワークフローの違い、言葉が通じないがために、自分の能力を100%発揮できない。誤った修正をしてしまい普段よりも手間がかかる。
制作環境、ワークフローの違いから、日本で働いていたように自分の能力を発揮できない。
(時間と共に慣れてくれば、この問題は解消されます。)

その他にも大小含めてデメリット、リスクが存在します。海外就職はメリットだけではありません。
メリット、デメリットを十分理解していただいて、今後も海外就職について考えて頂ければ幸いです。

番外編(デベロップメント締切直前)
昨日の日記であえて書かなかったのですが。。。。現在のライフスタイルについて紹介します。
公開直前のデベロップメント締切の最終段階だとお考え下さい。

AM08:30 出社、朝食
AM09:00 作業開始
PM14:00 遅めの昼食
PM19:00 コーディネイターと進捗確認、作業内容打ち合わせ10分程度
PM21:30 退社
PM22:00 帰宅(それよりも遅くなるケースもあり)

というように労働時間だけで言うと、日本とさほど大差ない感じになります。
そして、このライフスタイルを週6勤~7勤で1ヶ月~2ヶ月ほど続けます。
(日本のように全員に近い状態で出勤という訳ではなく、締切が近い人が入れ替わりで作業する感じです。)
締切前はどこの国も似たような感じになります。ただ、日本との違いは残業代がきちんと支払われる。
もしくは、有休として変換されるという事ぐらいでしょうか。


本日は海外就職のデメリット、リスクに関して紹介させていただきましたが、参考になったでしょうか?
明日は幾人かの人から、質問を頂いているので、答えられる範囲でお答えしようかと思っています。

2010年5月16日日曜日

【その他】 お気軽に質問してください。

昨日からカウンターを設置したんですが、一日で300近いアクセスがありました。まさか始めたばかりで、これほどのアクセスをいただけるとは思っていませんでした。
アクセス頂いた方がには参考になっているのでしょうか?海外転職や日本での就職についての質問などありましたら、お気軽にメールフォームより質問してください。直接、お返事を出すか、日記でまとめた形でお返事したいと思います。

今後も微力ながら日本の映像業界に貢献できればと思います。

【生活】 海外生活 理想のライフルスタイル

シドニーでのライフスタイル。それは僕が理想にしていたライフスタイルに限りなく近かった。そんなシドニーでのライフスタイルを本日は紹介したいと思います。

平日(平常業務時)
AM07:00 起床後、子供や妻と、朝のひと時。

AM07:30 家を出て徒歩で40分掛けて会社へ

AM08:10 出社。会社のキチンで朝食を調達。(朝食は会社で無料で食べれます。トースト、フルーツなど軽食程度ですが。)

AM08:30 自分のデスクで朝食を食べながら、メールチェック、その日の作業内容確認。

AM09:00 作業開始

大体、午前中から昼過ぎの間にRoundというスパーバイザーのチェックを週に2、3回行います。
デパートメントによってはDailyという毎日、試写室でチェックする場合もあります。Lightingなどはこの方法ですね。

PM01:00 昼食(毎週木曜日のみ会社から無料で全員にビュッフェはふるまわれます。)

PM02:00 作業再開 

PM06:00 コーディネイターによる毎日の進捗報告、次の日のための軽い打ち合わせ10分程度

PM06:30 退社

PM07:10 帰宅、夕食を食べながら家族の時間を楽しむ。

PM07:30 家族で子供のための時間を過ごす。主におもちゃや絵本などで子供と遊ぶ。

PM08:00 子供の入浴。我家では父親の仕事。この時だけは妻が育児から開放される大事な時間。

PM08:30 夜のおやつタイム。シドニーでは美味しいフルーツが日本よりも格安で帰るので、基本フルーツを食べる。

PM09:00 子供を寝かすため家族で寝室へ。日によるが、子供が寝付くまで一緒に過ごす。

PM10:00 子供が寝たら、妻と二人でお茶をしながら、映画見たり、ゲームしたり、談笑したり。子供が起きてると何も出来ないので、この時だけは夫婦の時間。

AM00:00 就寝

というのが、基本的な一日の過ごし方です。それでは仕事の過渡期はというと?


平日(締切前などの過渡期)

AM07:00 起床後、子供や妻と、朝のひと時。

AM07:30 家を出て徒歩で40分掛けて会社へ

AM08:10 出社。会社のキチンで朝食を調達。(朝食は会社で無料で食べれます。トースト、フルーツなど軽食程度ですが。)

AM08:30 自分のデスクで朝食を食べながら、メールチェック、その日の作業内容確認。

AM09:00 作業開始

大体、午前中から昼過ぎの間にRoundを週2、3回。締切が近いと作業が終了した時点でスーパーバイザーに報告、個別にチェックする事がほとんどになります。

PM01:00 昼食 木曜日のビュッフェ以外は、基本的にデスクで作業しながら昼食。

PM07:00 コーディネイターによる毎日の進捗報告、次の日のための軽い打ち合わせ10分程度。締切が近づくと最も忙しくなるのはコーディネイターだと思います。

PM07:30~08:30 退社。自分の残り作業によりますが、1時間から2時間程度の残業が発生します。 残業する場合は、会社から夕食がふるまわれますが、僕は基本的に家で夕食を食べていました。

PM20:30 帰宅、一人で夕食を食べながら家族の時間を楽しむ。

PM21:00 少し遅めの子供とお風呂。

PM09:30 子供を寝かすため家族で寝室へ。日によるが、子供が寝付くまで一緒に過ごす。

PM10:00 子供が寝たら、妻と二人でお茶をしながら、映画見たり、ゲームしたり、談笑したり。

AM00:00 就寝

という感じです。
休日の過ごし方は、ほぼ家族で出かけたり、家でのんびりしたりですね。シドニーでの生活は限りなく僕が理想にしているライフスタイルに近いです。

しかし、海外生活はメリットだけではありません。今まで海外生活の良い部分ばかりを述べてきましたが、明日は僕も現在直面している、海外就職、海外生活のデメリットについて紹介していきたいと思います。

2010年5月15日土曜日

【その他】日英豪仏 比較

連日堅苦しい話が続いているので、今日は以前、各国に努めている友達と日本の比較をしたものをまとめた日英豪仏比較です。
テキストは友人のアベキヨさんの日記から引用しています。

天気の移り変わり

日: だいたい西から変わっていく

英: 東西南北どの方向からも変わる 天気予報が全く当たらない 空を見てると1日のうちでいろんな方向に雲が流れる

豪: 都市によって微妙に気候が違う。

米: 場所によって全然ちがうけど、カリフォルニアは基本快晴。冬は10度くらいまで下がるんで、思ったより寒かった。ちなみに海水は夏でも結構冷たい。

仏: 梅雨は無く、まとまった雨は降らないので基本傘をささない人が多い。春夏秋冬=2:1:2:5な感じ

人種構成

日: ほぼ日本人で構成。外国人が少ない。

英: いろいろなところから来た人が多い。最近は東欧から来ている人が多いそうだ。携帯ショップは何故かいつもイラン系の人が接客担当だった。会社はやはりブリティッシュが一番多いが、西欧からの人も割と入る。

豪:移民が多く、特にインド人、中国人、韓国人が多い。

米: 人種のるつぼと言われるが、実はミックスサラダ状態。数多くの人種がいても基本的に、人種ごとで固まっている。

仏: アフリカ系(セネガル、コンゴやマリなど)黒人、カリブ海(グアドループ、マルチニーク)系黒人、北アフリカのマグレブ系(モロッコやアルジェリア)、ベトナム系など。

最近は東ヨーロッパ系(ユーゴスラビアやルーマニア)、中国人も増加





日: 左側通行

英: 左側通行

豪: 左側通行

米: 右側通行

仏: 右側通行



エスカレーター

日: 左による(東京)

英: 右による

豪: 右による

米: 寄ってるの見たことない・・・

仏: 右による



歩行者信号

日: 赤なら止まる

英: 止まらない、機をみて渡る

豪: 止まらない、機をみて渡る

米: ってか、うちの辺りでは歩行者自体をあまり見ない・・・

仏: 止まらない、機をみて渡る



電車

日: きっちり営業

英: なんとなく営業。しかも土日は結構の路線で営業してない。これはオリンピックまでのリフレッシュ工事のせいらしい。

豪: なんとなく営業。かなりabout。

米: ほぼ車移動オンリー。LAは地下鉄も走ってるけど、あまり乗ったって聞いた事ないなぁ。

仏: 営業。数ヶ月おきにストで利用困難。



長距列車

日: 始発の駅ならば10分位前には所定のホームに入ってくる。

英: 5分前まで、どのホームに入ってくるか分からないので、駅入口でたくさんの人が待機 分かった途端に一斉にホームに向かう。

豪: 乗ったことが無いので、わかりません。。。

米: 長距離列車って貨物専用だけ??

仏: 基本、最低5分前くらいには案内板に出発ホーム番号が記載される



バス

日: 主要駅から電車を補う形に営業

英: いろんな所を通ってるので便利、24時間営業、ちなみに僕はバス通勤 ただし、いきなり途中で止まってあとから来てるバスに乗り換えてとかいわれたりする。

豪: いろんな所を通ってるので便利。かなりの地域をバスがフォローしている。トラベル10という専用プリペイドだと少しお得。

米: バスもあまり乗ったって聞かないです。基本的には公共交通機関は学生やお年寄りや低所得者層の移動手段って位置づけになってるかも。

仏: 地下鉄並みに便利。ただし土地勘ありの人が主に利用。



道路

日:車がスムーズに走れるように舗装がきれい。

英: 凸凹や車線を狭くしてスピードができないようにしている。 舗装も継ぎ接ぎだらけでボッコボコ。

豪:日本とそれほど違わないが、ガードレールが無いので、少し怖い。

米:高速道路でも道路がデコボコ。運転も荒いし、あまり上手じゃない人が多い印象。車線変更の時はウインカー出して欲しい…

仏: 場所によっては石畳



運転免許

日: 有効期間がある

英: 一度発行されるとずっと有効(英国は70歳になるまで有効。)

豪: 日本の免許書を専門機関で翻訳すれば、オーストラリアの免許に切り替え可能。

米: 日本の免許持ってても筆記&実技試験受けました。カナダはいらなかったのに… 基本は5年だけど、就業ビザで働いてるとビザの期間分しか出ません。これは不便!

仏: 無期限みたいです



インターネット

日: 光ケーブル、もしくは40MbなどのADSLが主流、モバイルでも20Mb以上出る

英: ADSL(最速20M)が主流、モバイルは3.6Mbか7.2Mb(7.2Mbは期間契約が必要)

豪: ADSL2+(最速50M)が主流、モバイルは3.6Mbか7.2Mbのダイアルアップ)日本に比べて5、6年は遅れてるかも。

米: 一番多いのはケーブルテレビのインターネット。スピードはいくつか選択肢があって、うちのやつは15Mb。アメリカはインフラあんまり強くないです。

仏: よく知らない。多分ADSL。光ケーブルとか聞いたことない。



ATM

日: 50万円まで引き落とし可能、駅前やコンビニでは24時間営業も

英: すべてのATMが24時間営業 特にブースはないので、ちょっと危険 一度に降ろせるのは£590(約7万円)が限界、£250も結構ある。

豪: すべてのATMが24時間営業 特にブースはないので、ちょっと危険。一日におろせる限度額は$1000まで。

米: 知ってる限りは大体のATMが24時間営業 基本は$500までだけど、銀行に言えば制限外せます。

仏: すべてのATMが24時間営業 ブースはない。引き出し金額はカードの種類による



支払い

日: 現金かクレジットカード

英: 殆どのところで銀行キャッシュカードによるVISAデビットカードが使える

豪: ほぼカード払いが主流。もしくは現金。

米: 人によるだろうけど、ほとんどどこでもカード使えるんで、現金を持ち歩かなくても大体の場合は大丈夫。

仏: 10ユーロ前後以上はカード、それ以下は現金が主流



衛生

日:きれい。しかし、公共の場で痰を吐く(男性)

英:あまりきれいではない。でも職場のある繁華街は清掃員が一生懸命掃除してくれている。バスの中はごみが結構置きっぱなし。

豪: 綺麗だと感じます。ただ、日本ほど綺麗で清潔ではないです。トイレとかは、ま~~それなりっといった感じです。電車は少し汚いかな???インド人、中国人が多い地区は、若干不衛生。

米: 公共施設は劣悪。

仏:あまりきれいではない。公共の場で唾を吐く人あり(男性)



マナー

日:あり。平均的に統一。

英: あり、人によりまばら。 でもイングランド人はマナーがいい気がする。

豪: 非常に綺麗だと感じます。ただ、日本ほど綺麗で清潔ではないです。

トイレとかは、ま~~それなりっといった感じです。

電車は少し汚いかな???インド人、中国人が多い地区は、若干不衛生。

米:

仏:あり、人によりまばら



タバコ

日: 300円、分煙されてる、人通りの多い屋外では禁煙

英: £6.4(1000円) 屋内は禁煙 屋外はどこでも喫煙可能

豪: $10~12ぐらい。(日本円で1000円前後)。禁煙スペース以外では、ほぼ自由。歩きタバコがかなり子供に危険。一部の都市では、日本のように禁煙化が進んでいる。

米: $10ぐらい。(日本円で1000円前後)。屋内は全部禁煙(カリフォルニアの州法で決まってます)歩きタバコは見たこと無いなぁ。

仏: 5ユーロ前後(600円くらい)。レストラン・カフェは禁煙。テラス席、屋外は喫煙OK



携帯マナー

日: 公共の交通機関、屋内の施設では禁止。

英: 公共の交通機関でも禁止されてない 地下鉄は電波が入らないがバスは非常にうるさい。下手すると5割近くの人が携帯で話してる。

豪: 公共の交通機関でも禁止されてない 地下鉄は電波が入らないがバスは非常にうるさい。下手すると5割近くの人が携帯で話してる。

米: カナダもそうだったけど、結構みんな気にしないで使ってる感じ。日本人はかなり携帯の会話音に敏感だと思う。

仏: 交通機関でダメマークとかあっても適当に使ってる



ドア

日: 開けたら閉める

英: 次の人がいたら開けて待ってる(特に男性)

豪: 次の人がいたら開けて待ってる(特に男性)

米: 次の人がいたら開けて待ってる(特に男性)

仏: 次の人がいたら開けて待ってる(*人による)



英会話のレッスン

日: 録音可能

英: 法律で録音禁止



電圧

日: 100ボルト

英: 240ボルト(これのせいで、バスルーム(洗面所含む)には髭剃り用の弱い電圧のコンセントしか設置してはいけないと法律で決まっている。 ケトルはその分早く沸く。)

豪: 220から240ボルト

米: 110ボルト。日本の電化製品も短時間だったら問題なし、だと思う。

仏:





日: 軟水

英: 硬水(ロンドン)、台所の金属のうえに水をこぼしてほったらかすと白くなる。ライムクリーナーなる物で除去

豪: 硬水(シドニー)

米: 西海岸の水は軟水に分類されるみたいです。

仏: 硬水(水道水は飲める)



洗たく機

日: 縦か斜めで、通常洗面所付近に設置

英: 横のドラム式、通常台所に設置

豪: 縦か斜めで、通常洗面所付近に設置

米: アパートだとコインランドリーが多い。日本に比べるとかなりイケてない印象

仏: 縦でも異様ーなタイプ。通常は横のドラム式



トイレットペーパーホルダー

日: 住居に付随

英: 居住者が準備(そのため僕はスタンド型のホルダーを買いました)

豪: 住居に付随

米: 住居に付随

仏: 居住者が各自購入、又はアパートによる



便座

日:便器に付随

英:フラットによると思うが、通常付随しているよう。居住者が各自購入の場合もありの模様

豪: 住居に付随

米:

仏:居住者が各自購入、又はアパートによる



トイレットペーパーの垂れ方向

日:前

英:前

豪: 前

米:

仏:後



風呂

日:毎日入る、主に晩

英:朝シャワー(シャンプーは時々)

豪: シャワー、主に朝。頻度は不明。

米:

仏:朝シャワー(シャンプーは時々)



お湯の出具合

日:完璧、温度調整はデジタル

英:フラットによる、ただデジタルのものを装備しているところは皆無と思われる。 電気の湯沸かし器はあまり温かくならない。

豪: 住居によって、電気、ガスとお湯の元が違います。アパート、マンションタイプの水周りはしっかりしてますが、ハウスタイプの場合は、かなり水周りのトラブルが多いようです。建物によって、まちまちな感じでしょうか?

米: 文字通り湯水のごとくお湯が季節に関係なく出る。無駄遣いの象徴。

仏:まばら、赤と青のノズルを手動で微調整



食品用ラップ

日: おさえてクルッ!

英: 切れん、一応カッターぽいものが紙製でフタについてるけど、、、役に立たない

豪: 日本の安物ラップ程度。それなりに切れます。不自由は感じない。

米: 一回アメリカのやつ使って使いづらかったんで、日本食料品店でサランラップ買ってます。

仏: へなへなしてる。取るのに苛立つ



始業時間

日: タイムカードなどで記録

英: (うちの会社)信頼、遅れても何も証拠がない

豪: うちの会社はタイムシート(webで自己申告、週50時間拘束、残業休日出社は上司の許可が必要。)

米: うちの会社はタイムシート(webでチェックイン&チェックアウトの時間を記録して勝手に後からは変えられないです、週40時間拘束、残業休日出社は上司の許可が必要。)

仏: (うちの会社)基本時間があるが20分前後でまばら *タイムカードなどあったら多分ストライキで抗議



会社での地味な仕事

日: みんなでやる

英:(放送営業業界では)ランナーと呼ばれる人たちがやってくれる。デスクにライトがないといえば持ってきてくれるし、マシンの調子悪くなると駆けつけてくれる。

業界経験と知識がない人が業界への入り口としてやることができるポストらしい。

豪: うちの会社では自分でやる。勤怠、仕事などに関してはコーディネイターがフォロー。マシン、ソフトウェア関係はヘルプデスクという部署にメールすれば迅速に対応してくれる。

米: 大体は担当のプロダクションマネージャーやコーディネーターの人がやってくれるかな。設備や機材は会社の専門部署で一括管理してるのでヘルプ連絡。

仏: 適当



給料形態

日: 月払い

英: 月払い(隔週もまだ存在しているらしい)

豪: 週、隔週、月払いと会社によってばらばら。基本的には週払いが基本。うちの会社は月払い。

米: 隔週払いが多いっぽい。うちの会社も隔週払いで、タイムシートの締め切りと給料日が週末に交互にきます。前の週に閉めた分が翌週払われるんで、この辺手続きがスピーディーな印象。

仏: 月払い



仕事上での経費の支払い

日: 現金か振り込み

英: チェック(給料は振り込みなのに、、、割と英企業では経費はチェックらしい)

豪: コーディネイターが窓口二なり、会社から口座に振り込み。

米: 小額決済だったらチェック(小切手)で渡されます。大きな金額は使った事ないんで不明。

米: 小額決済だったら振り込み。大きな金額はボスに小切手もらうか、会社が直接銀行振り込み



貯金、年金

日: 65歳ぐらいから支給。基本貯金は必須。

英: 基礎年金は、現在、男性65、女性60らしいが、2024年から2046年にかけて男女とも68歳に引き上げられるそうだ。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/eikoku-01.html

また会社の契約書にはプライベート年金については、"紹介だけはする"との記述がありました。

豪:50歳?ぐらいからもらえる?あまり詳しくないが、最低で年400万ぐらいもらえるらしい。

最高800万って雑誌に書いてました。本当ならすごい!!年金が充実してるので、貯金はしない

米:一応SocialSecurityTaxとかいう国民年金制度もあるけど、401Kと呼ばれる企業年金が主流っぽい。これは自分で投資先を選んで運用するシステムで、会社によっては毎月の個人の払った額に対して会社がいくらか上乗せしてくれる場合もあります。

仏:年金制度は、民間被用者、農業被用者、公務員、自営業者の4つの枠組みに分けられる わずか3ヶ月以上の保険期間があれば年金受給資格あり 支給開始年齢は60歳



医療保険

日: ほぼすべての医療機関で3割負担の保険が利用可能

英: NHSとよばれる保険で加入者は無料 しかし日本人経営の病院や裕福層向けのプライベートとよばれる病院はNHS対象外

豪: 豪人、永住権を持っている人はすべて無料。(プライベートホスピタルは別)外国人は主にメディバンクという保険に入っている。

米: 最近ようやく国民皆保険の法案が議会を通過しました。それまでは無保険の人もたくさん。会社が民間の保険会社と契約して、社員はそれに入る感じですが、医療費は日本人からしたら目が飛び出るほど高いです。

仏: SSとよばれる保険で加入者は3割負担。プラス、会社で保険組合みたいのに強制的に入らされ、それで会社員はほぼ無料になる。



消費税

日: 消費税は5%

英: VAT(Value-Added Tax)付加価値税 食糧品以外は17。5%(去年は不景気対策で15%だったらしい)

豪: 物品購入サービス税?というのが10%

米: 州により異なる。食料品は基本的に非課税対象。

仏:



物価

日: 不景気、現在デフレ?

英: 不景気、しかも円高ポンド安のため、物価は今のレートで換算すると日本と変わらないか、安く感じることもある。外食は日本より少し高い気がする。

豪:好景気の影響もありインフレに近い状態。物価、家賃は上がる一歩。1ドル=83円と物価は安く感じるかもしれないが。。。日本より物価は体感で1.5倍ぐらい高い?特に家賃が高い。生活雑貨、家電は日本の2倍ぐらい。贅沢品が特に高い。あと子供用品、オムツなども、日本の倍値。

米:ドン底不景気からようやく少し持ち直してきた気配。為替も少し戻して現在は1ドル約92円。食料品はそれほど高くないけど、ファーストフードも含めて外食は日本よりも高くつくかな。日用品は日本とそれほど変わらない印象。物価はともかく、とにかく税金が高い!!

仏:スーパーは日本くらい、外食は高め



フルーツ

日: ま~~普通。美味しい物は高い

英: バナナしか買ってないけど、日本より少し安い気がする

豪:日本に比べてかなり安い。特にメロン、スイカが安い!夕張メロンみたいなのが2ドル前後で半玉購入可能。スイカも同様(種無しスイカ超甘い)

米:買う場所によって値段は違う。ファーマーズマーケットとかと買うと安くて美味しい。

仏:日本よりは若干安め。日本で高いようなものは安く感じる(メロンとか)



IKEA

日: イケア

英: アイケア

豪: アイケア(目的地までの電車が動いてる。)

米: アイキア(って俺は聞こえる)多分、車以外では行けない。

仏: イケア

2010年5月14日金曜日

【生活】 海外生活 オーストラリアの医療保険に関して

さて、今日は以前Melonさんから指摘があったオーストラリアの医療保険について紹介させて頂きたいと思います。

僕もそれほど長く住んでいる訳ではないので、そんなに詳しくはご紹介できないと思いますが。。。
アメリカや諸外国と同様に永住権(市民権)を持っている人と持っていない人では医療保険に雲泥の差があります。

僕たち永住権(市民権?)を持たない外国人労働者、外国籍の人たちは、大抵の場合、Medibankという会社の保険に加入しています。

ALの場合は、家族(パートナー含む)全員をMedibankに加入させてくれます。雇用者に関しては保険料の半額を会社が負担してくれます。
残念ながら、家族の分に関しては、自己負担です。給与から天引きされるので支払っている実感はあまり沸きませんが、確か保険料は月170ドル程度だったと記憶しています。

ただ、このMedibankいう保険が実に曲者で、様々な種類、条件があり、僕のように英語能力に乏しい人間にとっては実に複雑で、難解な保険です。

例えば怪我をして病院へ行くと領収書を貰います。その領収書を持ってMedibankの窓口に行くのですが
そこで怪我の内容によっては、保険が利かないケースも多々あります。そうすると医療費は全額自己負担になります。
もちろん、保険でカバーされるのであれば、医療費は戻ってくるのですが、その条件と言うのが
複雑で。。。。僕には何が保険適応で、保険適応外か理解できません。
とりあえず、病院に行って領収書を片手に、Medibankの窓口に行かないと行けない。

例を挙げるとMedibankに加入して1年経過していれば、出産にも保険が適応さえて、満額ではないにしろ、いくらかの医療費が返金されます。
Medibankに加入して一年未満で妊娠した場合、妊娠している状態で、Medibankに加入した場合は出産費用は全額自己負担になります。

このように出産に限らず、とにかく条件が複雑と言うの僕の印象です。逆に永住権(市民権)を持っている人は単純明快で、Medicareという保険が適応されます。これに加入していれば医療に関しては、ほぼ全額無料。
個人病院や医師を指名して個人的な医療を受ける場合は、医療費が発生するらしいですが、それ以外は基本的に無料です。

例えばシドニーで保険なしで出産する場合、パブリックの病院で出産しても最低6000ドル以上はかかるそうです。そして出産後の入院が長引けば長引くほど医療費はかさみます。
出産後の入院費用は一日で600ドルから800ドル程度の費用が発生します。人によっては100万円以上かかったという人も居ると聞きました。
ところが、Medicareに加入していれば、これが全額無料になる訳です。まさに天と地ほどの差があります。
Medicareは永住権を持っていなくても、加入できる条件があるそうですが、その辺は詳しくはわかりません。ただ、非常に厳しい条件だという事は聞いています。

それでは、僕自身はどういった対応策を取っているかというと、日本の長期滞在向けの海外医療保険に加入しています。これはどこの保険会社でも取り扱っている種類の保険なので加入はそれほど難しくないと思います。

費用は保険会社や保険の内容によってことなりますが、標準的な内容で6ヶ月の保険期間で一人7万円~8万円前後だと記憶しています。
僕の場合、家族3人なので21万ほどの出費がかかりました。高いか?安いか?といわれるとこの金額は安いと思います。
日本の保険は保険内容も充実しているし、海外保険の保険会社に比べればサービスも良いです。
大抵の場合、通訳サービスを解して病院の予約が出来たりもするので、英語が話せなくても安心です。

またシドニーでは日本人のコミュニティが非常に多く、日本語が通じる病院がいくつかあります。日本の海外保険に加入していればキャッシュレスで医療が受けれるというのも利点です。毎月170ドル×3を半年掛けるより、遥かに安い金額で、より良いサービスを受ける事ができます。

以上が、僕が海外で生活していく上で、入手した知識です。もっと詳しいことが言えれば良いのですが、日本の海外保険に頼りっぱなしなので、こちらの保険はほとんど利用した事がありません。
粗末な内容で申し訳ありませんが、シドニーの医療保険に関して紹介させていただきました。

2010年5月13日木曜日

【その他】 いまさらですが自己紹介 その2

スクウェアに入社したのは26歳の冬、確か2月頃だったと思います。今までは大阪の実家から会社に通っていたので、初めての一人暮らし。
初めてのMaya。以前の会社では3dsMaxを使っていたので、Mayaのことなんて、さっぱりわからず、何もかもがはじめてのことでした。
そんな中、僕がスクウェアで初めて関わったタイトルは”FinalFantasy12”でした。初めてのエンターテイメント作品が、いきなりのメジャータイトル。本当に入社当初は、何もわからず、色々な人に色々な事を教えてもらいました。

はじめの一年は、ただ会社と自宅の行き来のみで、2年目ぐらいからでしょうか、少し気持ちにゆとりが出てきたのは?
それから、3年、4年目と月日を重ねるごとに、心にもゆとりが出来、後輩も入ってきて教えられる立場から教える立場へ。
僕のCGに対する基礎知識、テクニックなどはすべてスクウェアで学んだと言っても過言ではないぐらい、本当に色々な事を色々な人から学びました。
6年間には多くの出会いもありました。そんな中、僕が本気で海外を意識したのは入社して、4年目の終わりぐらいでしょうか?
元々海外思考はあったのですが、仕事に不満があるわけでもなく、好きな仕事でお金がもらえる。それ以上の幸せはなかったんですが。。。。

節目はとあるエンジニアさんとの出会いと、結婚、出産が僕の海外思考に拍車をかけました。
そのエンジニアさんは日本人とフランス人のハーフなんですが、海外での経験の生の話。そして、メジャープロダクションで活躍している友達の話など、日本とはまったく違ったワークスタイル、ライフスタイル。
話のすべてが新鮮で、僕に多くのテクニカルな知識も教えてくれました。その頃からでしょうか、急に海外のプロダクションに興味を持ち、鍋潤太郎さんのセミナーに参加したり、海外プロダクションの友達が増えたり。

そして、僕に更に海外思考に拍車をかけたのが、結婚と出産です。今まで独身だったので、お金も時間もすべてが自分のものでした。好きなだけ仕事して、夜中に帰宅しても、誰も何も言わない。
そんな生活が一変して、妻や子供と一緒に暮らす生活に。すべての中心だった仕事が、家庭に変わった瞬間でした。
今までなんとも思わなかった残業や休日出勤で、家族との時間が持てなくなりつつあり、仕事と家庭の問題で悩み始めました。仕事も納得した仕事がしたい、育児にも参加したい、日々子供成長を見守りたい。そういった思いが日々強くなり、スクウェアでの自分のあり方に疑問を持つようになりました。
(家庭と仕事の間で、僕と同じように悩む人は、この業界には多いと思います。)

仕事自体は楽しかったし、辞める頃にはLead artistとして、ムービーの背景、プロップなどをSupervisorと共に管理させていただけるような立場になっていました。
スクウェアでもっと出世して、家族との時間はそれほど持てないが、安定した生活を望むのか?
夢であった映画制作に関わるという目標のために、スクウェアでの財産をすべて、投げ捨てて海外挑戦するのか?本当に心の底から悩みました。

そもそも就職先も決まっていないのに、英語が話せない僕たち家族が、海外で生活できるのか?
この年齢で仕事辞めて、日本に戻ってきたときに再就職先があるのか?色々な事をシュミレーションして頭を悩ませました。

でも、やっぱり一度しかない人生です。自分に嘘をつくことが出来ず、海外への挑戦を決意しました。まずは鍋潤太郎さんハリウッドCG業界就職の手引きを読み、何からはじめるべきか?海外プロダクションの友人や同じように海外挑戦していた同僚にも相談しました。

それから何社かとコンタクトを取っているうちに、オーストラリアのAnimal Logicから具体的なオファーがきました。電話面接を数回かさね、メールで何度もやり取りをして、最終的に契約書にサインするまで数ヶ月はかかたっと思います。
(英語の喋れない僕が、どう電話面接を切り抜けたかは、また後日の日記で詳細を書きます。)

そして、現在に至るわけですが、今でも自分の決断に後悔はありません。まるでスクウェアに入社したときのような新鮮な気持ち、右も左もわからない不安な気持ち。すべてが新鮮な出来事です。
この歳になって、こんなに心と時めくとは思いませんでした。

今後も海外の会社を中心に働きたいと思っていますが、鍋潤さんの本にもありますが、海外で自分のポジション、地位を確立するのは並大抵の事ではないと思います。
海外進出よりも、海外で働き続ける事の方が、より困難だと実感しています。
今後も海外で働いていけるように、皆さんに海外の生の情報が提供できるように、日々精進していければと思います。

最後に、僕の海外転職を心から応援してくれた家族に感謝しています。海外転職は家族の協力なしにはありえませんでした。皆さんの中でも、既婚者、子供もちでも海外転職を考えている人は多いかと思います。決しては不可能ではありません。諦めずに頑張ってください。

2010年5月12日水曜日

【その他】 いまさらですが自己紹介 その1

こんばんは、北田栄二です。プログの冒頭で自己紹介すべきところをフライング気味に会社紹介や海外生活の情報を先走ってしまったので、本日改めまして自己紹介させていただきます。

CGの出会いから現在までの僕の生い立ちを2部構成で紹介できればと思います。
業界を目指している専門学生や海外を目指している業界人の人の参考になれば幸いです。
決してはじめから順風満帆なCG人生ではありませんでしたから。

名:北田栄二
生年月日:1977年9月15日生まれ
出身:大阪府
現住所:Australia Sydney


僕のCGとの出会いは、高校を卒業して専門学校に入学してからでした。
単純にこれからの時代はPC使えないと!!っと安易な気持ちで入学した専門学校でした。

そして、授業で見たプロジェクトワイバーン!元々、大のSF、メカ、ロボット好きだったため
2年目のコース選択では、迷わずCG制作学科を選択。自分もこんなの作りたい!!
ただその一点だけでした。

2年生になり本格的にCG(この時点ではまだ3Dを勉強していない)を知り。3年生になりようやくはじめて3Dのソフトを触りました。
そして、僕が初めて使用したのは、ストラタ3Dでした。今でもあるのかな?
その後、ストラタ3Dの限界を知り、LightWave3Dに乗り換え、就職作品作り。僕は専門学校ではお世辞にも決して優秀な生徒ではなかったですが、CGと言う物が新鮮でたまりませんでした。

そんな専門学校で出会った多くの友達が今でも、僕の財産になっています。同級生で分野は違えど
Web業界で活躍中のSaqooshaさん。地味に同級生だったりします。
その他に多くの同級生が日本のCG業界やWeb業界で活躍しています。

同級生や知り合いが頑張っていると、自分の励みにもなるし、頑張らないとっと思います。
お互い刺激しあって、成長できるような同僚、知人が近くにいる人は幸せだと思います。

おっと、話が横にそれましたが、僕らの時代は就職氷河期と言われ、ほとんどの人が就職難に苦しんでいました。
それでも、僕と幾人かの同級生は無事に、就職を勝ち取る事が出来ました。勝ち取ったと言っても、僕が始めて勤めた会社は社員50人にも満たない印刷をな生業としていた会社の数名からなる映像部門でした。

この会社では3dsMaxを使った、建築プロモーションやTVCMもどき、建築パースなどを作っていました。
言うまでもありませんが、僕が想像していた仕事とは雲泥の差でした。サービス残業あり、徹夜あり。
土日出勤あり。初任給16万円。何より仕事にエンターテイメント性が一つもありませんでした。
それでもCGが好きだったので、就業時間の暇な時間を利用しての個人制作。それだけを楽しみに、その会社で3年半ほど働きました。

この時、自主制作の作品に荒牧伸志さんデザインのバイクをモチーフにした作品があったのですが、なんと荒牧伸志さんご本人から、メールが届いた事件がありました。モチーフというよりパクリ?というぐらいデザインが酷似していたので、注意される事件が。。。この事件も後の僕と荒巻さんとの出会いのきっかけになるとは。。。荒巻さんデザインパクってごめんなさい。)

そして、とある出来事から東京で幾人かのクリエイターさんたちとオフ会を持つ事にまります。そこから僕の人生は大きく変わる事になるのでした。

皆さんから、本気でCGをやるなら上京すべきだ、情報量もクリエイターの数も全然違う!と薦められ、これまた安易に上京を決意。
(当時のオフ会メンバー、牛山雅博さん米道智浩さんわらまあさん望月昌樹さん。当時でも皆さん有名でしたが、今では第一線で大活躍です。)

上京を決意したものの、仕事が決まらなければどうしようもありません。とにかく今まで作りためた個人作品をまとめて、転職活動です。

面接のつど上京して、カプセルホテルに泊まり、明日の朝の始発で帰阪という事を何度か繰り返したかいもあり、数社から内定を頂きました。

ナムコ(現ナムコバンダイゲームス)白組スクウェア・エニックスの3社です。
僕自身映画という選択肢を選びたかったのですが、当時Final Fantasy the MovieやFF7でゲーム業界屈指の映像技術を誇るスクウェアの存在は非常に印象深く心に刻み込まれていました。
そして、悩みに悩み抜いた末にスクウェア・エニックスへの入社を決めました。この決断が、僕の今後の人生を大きく左右する事になるとは、この時は思いもよりませんでした。

2部へ続く。。。。。

2010年5月11日火曜日

【生活】 海外生活 Sydney編

今日は僕が生活しているSydneyのことについて紹介したいと思います。

SydneyはAustraliaのNewSouthWales州に位置し、人口は約400万人です。
Australia大陸で、最も人口密集率が高い都市でもあります。

通貨はオーストラリアドルで、為替レートは1ドル約80円~90円ぐらいです。
為替のレートだけを見ると、物価が安く感じるかもしれませんが、日本より物価は高いです。
特に家賃はここ数年、上がる一方らしく安くなる気配がありません。
日本はデフレですが、オーストラリアは好景気でインフレに近い状態ですね。

こちらは家賃は週払いが基本ですが、不動産により月払い、隔週払いと選択できるところもあります。
基本的には毎週家賃を払うのが基本です。こちらの給料も週払いの会社が多いので。
ちなみにALはAustraliaの会社としては珍しく、月給制です。

市内で家族が住む事を前提にした家賃平均は1ベッドで600~700ドル/週程度だと思います。
(もしかしたらもう少し高いかも。。。)
市内から少し離れた場所で1ベットで450~550ドル/週程度ぐらいではないでしょうか。
食品に関しても、日本と同じか、日本より1.2倍ほど高いですね。

そう考えるとSydney って住みにくい街なのかなっと思うかもしれませんが、物価が高い意外は非常に住みやすい街です。
特に自然と街のバランスがすばらしく、いたる所に大きな公園があります。
また、子育て環境世界一と言う肩書きもあり、公園にはプレイグラウンド(塀で囲まれた子供の遊び場)が設置されていて
子供を遊ばせながら、側のカフェで談笑している子連れをよく見ます。本当に子育てするには最高の環境だと思います。

あと公共の乗り物では妊婦、子連れには必ずと言っていいほど、席を譲ってくれたり、ベビーカーを置かせてくれたりします。
英国紳士の移住者がおおいからでしょうかね?

現在、僕が住んでいる所は、会社まで歩いて40分ほどの場所に位置するSurryHillsというところに住んでいます。
通勤は毎日、徒歩で40分かけて出勤しています。日本だと40分も歩くの?って思うかもしれませんが
こちらの人は本当によく歩きます。
主な移動方法は日本と同じように、電車、バス、タクシー、自家用車です。自転車は勾配が多いので、日本ほど乗っている人は多くありません。
また、少し変わった交通手段として、シティライトレール(路面電車)やモノレール、フェリーなどがあります。

Sydneyは本当に自然も多く、バスで数十分の所にビーチもたくさんあるので、本当に都市と自然のバランスがすばらしい街です。

最後に僕のお気に入りスポットを何箇所か紹介したいと思います。

BondiBeach









OperaHouse









DarlingHarbour









CoogeeBeach









Tronga Zoo





2010年5月9日日曜日

【CG】 My company Animal Logic

はじめに何を書こうか考えたのですが、まずは僕が勤めているAnimal Logicについて紹介させていただきます。

Animal Logic
http://www.animallogic.com/#Home

Animal LogicはSydneyの中心地から少し南に外れたFox Studio Australiaの広大な敷地内の一部にあります。
Animal LogicはWeta(ニュージーランド)と並び、オセアニアを代表するプロダクションです。
日本ではあまり聞きなれない名前かも知れませんが、代表作としては「HappyFeet」でアカデミー賞を受賞した事もある大きなプロダクションです。
内部構成は映画部門とTVC部門に分かれており、総勢約500名ほどの人が働いています。
AnimalLogicでは分業制をしいており、Modeling、Surfacing、Animation、CharacterFX、Rigging、Mattepainte、Lighting、VFX、Compoとそれぞれ各分野のスペシャリストで構成されています。
Modeling、Surfacingに関してはキャラチームと背景チームで完全に作業分担しています。
TVC部門に関してはGenaralist制をしいています。TVC部門に関しては割愛。

現在働いている日本人は、僕を含めて4人だけです。アメリカのプロダクションなどに比べると遥かに少ない人数ではないでしょうか?
Modeler1人、SurfacingArtist1人、MattePinter1人、FXartist1人の計4人です。

働いている人の人種、国籍は多国籍で、色々な国から優秀な人が集まっています。
特にイギリス、ヨーロッパ出身者が多いようですが、最近ではインド、中国、シンガポールからも多くのartistが入社しています。
オセアニアのVisaに関しては、アメリカに比べると遥かに取得しやすいですが、年々条件が厳しくなってきています。
(Visaに関しては、改めて情報を紹介したいと思いますので、今回は割愛。)

現在制作中の"Legend of Guardians"は2010年9月24日(米)公開なので、作業は大詰めに来ています。
Legend of the Guardians' Trailer HD

僕自身はじめてのFilmなので、思い入れは非常に強いです。ただ、作業が大詰めになるにつれ多くの同僚がオーストラリアを去って行きました。
(僕も例外ではなく、6月末で契約終了です。)
Animal Logicは非常に大きなプロダクションではありますが、常に500人のartistが常勤している訳ではありません。
プロジェクトの規模、予算によって大きく変動します。そこはアメリカのプロダクションでも同じだと思います。
プロジェクトが終息に向かうに連れて、人員の入れ替えが行われます。プロジェクト初期はModeler、Surfacerが大半を占め、プロジェクトの進行と共にModeler、Surfacerが少なくなり、AnimeterやRigger、Lighterが増えていきます。最終的にはLighterとCompoだけが作業をしているような状態になります。

そういう意味では、Animal Logicで長期に働くためには、コアメンバーとして働かない限りは
長くても1年~2年、短い場合だと半年ほどの契約になります。
去っていった同僚たちは、新たに職場を見つけるか、自国に帰って数ヶ月のOFFを過ごした後、再びAnimal Logicに戻って来るのが常です。
そういう意味で、安定職というには、程遠いのかもしれません。海外で働くのはそれ相応のリスクも伴います。
しかし、悪い事ばかりではありません。海外では日本では絶対に経験できないようなことも経験できます。

生活、習慣、文化、本当に日本とはすべてがことなります。次回はそういった文化や生活についても紹介していければと思います。

【CG】 ブログ始動

こんにちは北田栄二です。

この度、自分なりに日本の業界、海外を目指している人たちの手助けが出来れば!っと思ってブログを始めることに致しました。

今後は海外転職についての情報、海外生活、日本と海外の職場環境の違いなどを紹介できればと思っています。

地道にのんびり更新していきますので、よろしくお願い致します。