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2016年11月14日月曜日

【仕事】 勤務時間中のBGMとBGVについて

さて、久しぶりのエントリーですね。今年は毎月1回更新すると公言したにもかかわらず、、、この有様です(^^;

さて、本日のエントリーは先日、ツイッターなどでも少し話題になったBGMとBGVについてです。
僕の持論、結論から言えば

「残業せずに、納期守ってクオリティを担保してくれれば、どんな働き方をしてもらっても問題ない!」

っと思っています。

しかし、この働き方だと諸々問題が出てきます。作業中のBGMやBGVに関しては国内外問わず、規制していないスタジオもあれば、規制しているスタジオもあります。これは考え方、色々な意見、賛否両論あるかと思いますが、僕個人としての考え方は上記で述べた通りです!

とにかく福岡オフィスでは、個々人に最高のパフォーマンスを限られた時間で出してもらうようにしています。では、実際に私が管理しているモデリングカフェ福岡支社ではどうしているか???
  • 作業中はヘッドホンで音楽聴くのはオッケー。ただし、呼ばれて返事が出来る音量。
  • 作業中の映像見ながらの作業は原則禁止。
  • 作業中はBGMがわりに適度な音量でスタッフの選曲でスピーカーから音楽流す。
スピーカーからの音楽は日によって流れない日もあったり、なかったりとランダムですが、基本的には何かしら音楽がスタジオ内を流れている上体です。

え!?言ってることとやっていることが違う!!!矛盾してる!っと思った方も多いと思います。
そこで、なぜBGMがOKで、BGVがNGか?を少し僕の経験を交えて説明させて頂きます。

BGMがNGという会社は国内外通じて、僕は経験がありませんので、BGMも禁止しているスタジオは少ないと思います。
では、海外でもBGVがOKで、ながら見作業がOKなスタジオとNGなスタジオがあります。
僕の経験の範囲内ではAnimalLogicはNG(もしかしたら僕のチームだけ?かもしれませんが、実際に見ながら作業してて、コーディネーターに注意されたアーティストが居た)でしたし、DNEGでも作業中のBGVは原則としてNGでした。(実際には、お構い無しで映画とか見ながら作業してるアーティストも多々居た。僕も時々、見ながら作業してました。。。。そして注意された。。。)
Dr.Dに関しては特に規制はなかったです。その代わり、毎日、タップダンスの音がうるさすぎで、、、ノイズキャンセラーのヘッドホンが無料配布されたりしてました(笑

詳しくはこちらの「シンパパ孤立むえん!」 番外編 海外の残業 をご参照下さい。

なので、国内だけでなく海外でもBGVに関しては、意外とスタジオとして禁止しているスタジオも多いのかもしれません。それと同じぐらい許容しているスタジオもあるかもしれません。
ただ、海外の場合は結果が出ない場合は、レイオフと言う可能性もあり、色々な意味で働き方は個人の裁量に委ねられている場合が多いと思います。ただし、海外大手スタジオの場合は、残業できないのでビデオたれ流しで作業してても、定時には帰宅しなければいけない。(クランチタイムを除く)

では、日本での労働環境、就労状況を考えた場合はどうでしょうか???多くのスタジオで残業や休日出勤が行われていると思います。私自身は国内での自身の経験から、生産性の低い働き方、労働環境に疑問を持っていました。
私自身は日本で働いていた時は、BGMもBGVもたれ流しで、非常に生産性が低い働き方としていたと自覚しています。特にBGVは著しくパフォーマンスを低下させます。これは個人差あるかもしれませんが、私の経験談からです。
私たちの仕事は視覚を使います。やっぱり視覚を使う仕事で、視覚の妨げ(ながら見作業)になる事してたら、絶対にパフォーマンスは落としてしまいます。

それが顕著に出たのが、私が初めて海外就労したAnimalLogicでの経験からです。慣れない英語環境、慣れないソフトウェアと言うのもありましたが、ビデオをながら見している余裕はありませんでした。周りのアーティストのスピード、生産性に、ビデオ見ながらの作業では、まったく追いつけませんでしたし、僕よりも若いアーティストがガンガンアセットを完成させて行きます。必然的にBGVは見なくなりました。こういった経験も踏まえて、僕はBGMはOK、BGVは原則禁止にしています。

※誤解がないように言っておきますが、映像見ながらのながらみ作業でも、凄いスピードと生産性でガンガンアセットを仕上げるアーティストが居ますが、、、そういう人は本当に稀です。

さて、話を戻して以上の経験から、僕が自分なりに導き出した答えが、冒頭に述べた


「残業せずに、納期守ってクオリティを担保してくれれば、どんな働き方をしてもらっても問題ない!」

です。でも、実際に僕が管理している福岡オフィスでは、ある程度、ルールを設けて規制しています。それはなぜか?1個1個説明しますね。

【作業中はヘッドホンで音楽聴くのはオッケー。ただし、呼ばれて返事が出来る音量】
BGMについては、作業に集中するための手段、雑音を防ぐための手段として認めています。
実際にオフィスでも音楽を流しています。ただ、業務の妨げにならないように呼ばれて返事ができる状態を保ってもらっています。人によってはヘッドホンの音量を控えめにしたり、方耳のヘッドホンを外して、呼ばれた時に対応できるようにしたり、色々です。


【作業中の映像見ながらの作業は原則禁止】
これは上記でも述べたとおり、パフォーマンスの低下に繋がると考えているからです。
そして、僕の経験上、国内であるある「どうせ終電まで作業やらないと」みたいな感じで、チンタラ仕事してる風景を将来有望な若い子が古い風習に感化されて、同じような働き方をしてほしくない。そういうメンタリティで仕事してほしくないと言うのが一番にあります。成長スピードに影響出るし、勿体ないというか時間を無駄にしてるんじゃないかっと思うからです。

ただし、ソフトを習得するためのチュートリアルや案件のためのリファレンスであれば、勤務時間中に見る事を許可しています。ただし、作業しながらのながら見は禁止。出来る限り、作業する、見るを分けてもらっています。

【作業中はBGMがわりに適度な音量でスタッフの選曲でスピーカーから音楽流す】
これも賛否両論あるかと思いますが、私は会社の雰囲気作りとして、スピーカーから音楽を流しています。どうしても〆切前や作業が立て込んでいる時は、人間イライラしがちです。なので、スタッフの選曲で、色々な音楽を流しています。それでスタッフ間の会話(雑談)のきっかけになればよいと思っていますし、お客さんが来社した時にカフェっぽい雰囲気を感じてもらえれば良いかなっと。

※矛盾するかもしれませんが、雑談することでスタッフのパフォーマンスの向上や業務におけるストレス緩和を狙っています。


まー、会社規模が数名~10名未満であれば、何の規制もなく個々人に裁量を委ねるのですが、会社規模が大きくなるにつれて、個々人に裁量を委ねてしまうと、多くの場合がダラダラ働く人が殖えて、どんどん夜型に移行してしまうという日本特有の現象が起きるのと、定められた時間できっちりと結果を出すと言う働き方を一度、身に着けてもらいたいと言う思いもあり、BGVに関しては、福岡オフィスでは禁止しています。
要はとにかく残業をさせないための手段の1つ、パフォーマンスを向上させるための手段としてBGVを禁止している訳です。本音を言えば、そういったこと全て踏まえて、自立独立してくれれば、言うことないのですが、働き始めて2年未満のスタッフにそれらを求めるのは酷だと言う僕の判断で、規則として禁止しました。全てのスタッフがフリーランス(自分を自分で経営できる状態)になって、自立できれば禁止する必要もなくなるかもしれませんし、そうなってほしいと思っています。

まー、BGM、BGVに関しては人それぞれ、色々と考え方あると思いますが、私自身は自身の経験と国内外の文化、習慣などを考慮して、現状、最良の選択をしているつもりではいますが、、、さてさてどうなりますか(^^;

作業中のBGMやBGVに関しては、色々と意見や考え方があると思いますので、この場が意見交換のきっかけになれば良いなっと思っています。実際に福岡以外の支社ではBGVの扱いに関しては、私自身結果を出せていない部分でもあり、色々な方の意見を参考にしたいと言うのもあります。

2016年9月19日月曜日

【CG】 SQUARE ENIX BD2 × modelingCafe「KingsGlaive Final Fantasy15のアセットができるまで!(仮)」

さて、今年もCGWORLD主催によるクリエイターのための大勉強会「CGWORLDクリエイティブカンファレンス2016」が開催決定です!!!!


弊社、ModelingCafeも今年もカンファレンスに参加させて頂きます!!!そして、今年はSQUARE ENIX BD2とのコラボ企画です!!!題して!!!

SQUARE ENIX BD2 × modelingCafe

「KingsGlaive Final Fantasy15のアセットができるまで!(仮)」
SQUARE ENIX BD2のアセットチームとModelingCafeアセットチームがどのように連携してハイエンドなアセット制作をおこなったのか?SQUARE ENIX BD2から提供されたコンセプトアートを基に、ModelingCafeでどのような手順、ソフトウェアを使用して、アセットが作成されたのか?その流れとノウハウの一部をご紹介出来ればと考えております。

登壇予定者はSQUARE ENIX BD2よりEnvironment Directorの鈴木 重徳 氏をお招きし、弊社からはEnvironment Modeling Supervisorの北田 栄二とCharacter Modeling Supervisorの北野 修平で登壇予定です。

内容に関してはまだまだ2社間でまとめている最中なので、詳しくはお伝えできませんが、キャラクター、背景に分けて、各アセットがどのように制作されたのか?そのワークフロー、HOW TOの一部をご紹介できればと考えています。海外のスタジオに負けないように、日本のスタジオも頑張っていると言うことをお伝えできればっと思っています。ご興味がある方は、こちらよりお申し込み頂ければと思います。皆様のご来場、ご参加、心よりお待ちしております。

※内容は登壇者の都合により、変更になる場合がございます。その点は、ご留意いただければと思います。

2016年8月18日木曜日

【CG】 KLab Creative Fes'16を終えて

さて、今回のエントリーは8月6日に行われた「KLab Creative Fes'16 君の作ってるそれ、案外凄いかも」についてです。どういったコンテストかは、こちらの動画をまずはご覧下さい。



昨年に続き、今回も審査員として参加させていただきました。昨年とは違い、今年は静止画部門、動画部門に分けての審査となりましたが、昨年の応募作品と比べても、今年の応募作品、特に静止画部門のレベルは格段に上がっていました。

結果は静止画部門の優勝がクレメンス・ベルガーさんの「ARIES - Flower of the Battlefield」

2位が井上拓哉さんの 「victorian interior」

3位が矢部聖思郎さんの 「chivalric_order」
 

動画部門の優勝が太田杏奈さんの「Initial Enthusiasm」

2位が今川真史さんの「traveler」

3位が米山一美さんの「影月巨神グライナー」

という結果でした。入選できなかった応募者の作品も非常にクオリティの高い物が多く、審査員みんなで選び抜いた結果が上記結果となっています。

実際にコンテストを終えてみて、感じたことは「KLab Creative Fes」が回を追うごとに良いコンテストになってきているということ。また、応募者のレベルも年々確実にレベルアップしてきています。
本当に素晴らしい学生のためのコンテストとなってきています。

特にこのコンテストの一番良いところは、審査員、応募者、見学者が訳隔てなく交流でき、住んでいる地域に関わらず、同世代の学生が一同に会し、友人関係を気づける点にあると思います。

友人関係を築いた友人同士が違う会社に就職し、お互いが切磋琢磨する。若い力のレベルアップは業界全体の活性化、レベルアップにもつながると、僕自身は考えています。学生にもコンテストで入選するという作品づくりのためのモチベーションにも繋がると思います。


そして、今回個人的に審査員をしていて、、、感じたこと。。。。ですが。。。。

はっきり言って本戦出場者の身内感が強すぎて、、、、非常に審査がしずらかったですね(苦笑

本戦審査員は、予選審査には一切関わっていないのですが。。。。

特に静止画部門は、僕が講義に行っている九州デザイナー学院の井上くん、矢部くん。。。
ModelingCafeで開催しているセミナーを通じて、アドバイスを受けて作品をブラシアップして来た岡田くん。。。(実は大会前日までしらなかった。。。)
そして知人の弟っと、、、、静止画部門本戦参加者5名のうち4名が直接的、間接的に僕と関わりがある状態での審査員。。。。知人が本戦に上がってくるという嬉しさ半分、審査のしづらさ半分と言う感じでしょうか???そして優勝者が知人、関係者じゃなかった安堵感と悔しさの交わる変な感覚。。。。

正直、審査はしずらかったです。。。そして、ごめんなさい。身内には非常に厳しい審査結果となりました(苦笑

※優勝者のクレメンスさんとは面識がありません。

優勝できなかった知人、関係者の皆様は、この悔しさをバネに今後のスキルアップ、就職活動につなげて言って頂ければ、僕個人としては凄くうれしいです。

開催、運営するKlabの皆様は本当に大変だと思いますが、今後の業界のため、これからの学生のためにも、コンテストは続けていってほしいっと思っています。

また、最後になりましたがこんな素敵なコンテストを開催してくれたKlabの皆さま。本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

2016年7月13日水曜日

【CG】 KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV 鑑賞してきました! (ネタバレなし)

こんばんは。毎月1回は更新すると公言して、前回の更新から1ヶ月半が経過してしまいました。。。(^^;

本日のエントリーは題名の通りですね。皆さんご存知だと思いますが、僕を含めてModelingCafe「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」に関わらせて頂きました。
現段階では、どこをどういったふうに関わったか?詳細を明かすことは出来ませんが、1年間以上に渡りキャラクター、背景を含めて、膨大な量のアセット制作に関わらせて頂きました。



このプロジェクトには色々と運命めいた物を感じており、私が某S社を退職する直前、当初は「FF13 VERSUS」と言われていた時から、初期のプロジェクトメンバーとして関わっていたプロジェクトでした。それが海外就労や色々な経験を経て、10年の歳月が過ぎた中で、再びこのプロジェクトに戻って来て、劇場でこの作品を見終えたときは、本当に感慨深い物がありました。
(同じ時期に退職して、同じ時期に帰国して、同じ時期にプロジェクトに戻ってきた人も多く、僕と同じような思いをした人は他にも多かったと思います。)

帰国してしばらくしてから、このプロジェクトに戻ってくることになたのですが、開始当初は本当に終われるのか?って言うのが正直な気持ちでしたね(笑

本当にこの映画は数秒のカットに、世界中のアーティストが何週間、何ヶ月という手間と時間をかけて制作しています。
そんな中で世界でも著名なスタジオであるDigic PicturesImage EngineUnit ImageThe Third Floorなどや、日本国内の著名スタジオとModelingCafeが肩を並べて、同じプロジェクトに関われたということ、最後までやり遂げたことは若いスタッフの自信にも繋がったと思います。

本当に多くを語る事が出来ませんが、僕が見た、関わったフォトリアル系のフルCG長編映画としては、過去最高の出来栄えだと思います。映像的なクオリティ、ストーリーなども含めて。本当に関係者の皆さんお疲れ様でした!まだ見ていない人は、ぜひこの映画を劇場で楽しんで頂きたいと思います!!!BlueRayやDVDではなく、劇場で大きなスクリーンで見ていただきたいですね!

そして、近い将来、ModelingCafeが担当したキャラクターや背景アセットについて、色々と発表できる場があるかもしれません!?ただ、そういった機会があるといいな~っと個人的には思っています♪

もし、そういった場があれば、映画を見た時と同じくらい、皆さんをはじめ、業界関係者の方に衝撃!?を与えられるんじゃないかと思っています♪ 何度も言いますが、今は多くを語れません(笑

それでは、皆さんも「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」を楽しんでください!










最後になりますが、本当にこのプロジェクトに戻って来れたこと!やり遂げられたことを心から嬉しく思います!BD2の皆様!本当にお疲れ様でした!

2016年5月18日水曜日

【CG】 ディレクションについて 中編

さて、少し間が空いてしまいましたが前回の「ディレクションについて 前編」の続きです。
前回はプロジェクトの性質を見極める事が大事だと言う話でした。

そして、僕の経験上、プロジェクトを炎上させる要因の多くは外的要因ではなく、内的要因で起こる事が多いです。今回はどういったことでプロジェクトが円滑に進まずに混乱してしまうのか?その原因について、今回は僕の経験からいくつかの事例を紹介したいと思います。

プロジェクトが炎上、混乱する要因はいくつもありますが、今回はスタジオ制作現場内、ディレクション(スーパーバイズ)と言う部分にのみフォーカスして紹介したいと思います。

まず、外的要因というのは、具体的な例で言えばクライアントや監督からの要望、クライアントとプロデューサー間のやり取りなど、制作現場以外での問題だと思ってください。

内的要因というのは、制作現場でのチェック体制やスーパーバイザーの指示、制作担当者のミスなど、制作現場内での問題だと思ってください。

最初にも述べましたが、僕の経験上、炎上する案件の多くは、内的要因で起こる事の方が多いですし、正直、外的要因に関しては、制作現場ではどうすることも出来ない部分も多々あるので、今回は内的要因を中心に話を進めたいと思います。


まず内的要因の中で、混乱する原因の多くが制作現場での情報の統制が取れていない案件は制作現場、制作担当者へ混乱を招きます。図の用にクライアント、もしくは決裁権者からの情報統制が出来ていないために、色々なプロジェクトの情報がプロデューサーやコーディネーター、スーパーバイザーなど、各方面から違った情報、同じ情報が別の人からバラバラに制作現場に下りてくるなどは、その典型だと言えます。誰がどういった情報を持っているか?誰も把握できていない状態ですね。

<色々なプロジェクトの色々な情報が入り乱れて制作者に降りてくる状態> 

情報統制を行う場合は、下図の様にマネージメント部門でクライアントからの情報をまとめて、制作に必要な情報を制作現場を統括、仕切るアートディレクターやスーパーバイザーに下ろす。仕様やクオリティなど、制作に直接関係する情報は現場スーパーバイザーが統括し制作担当者へ。スケジュールやタスクの工数などマネージメントに関する情報はコーディネーターに集めて制作担当者に下ろす。っというような体制が理想に近い状態だと思います。

<情報統制が確立され、情報の流れが明確な状態>


また、チェック体制がきっちり確立されていない場合も同様です。社内でのチェック体制が図のような伝言ゲームの様になっていると、決裁権者の意図、ニュアンスが伝わらず、情報や指示が迅速かつ正確に制作者に届かない事が多いです。もちろんプロジェクトの仕様やプロジェクトの方向性を制作現場に示すため、作業を円滑に進めてるため、クオリティラインを統一するためにスーパーバイザーは必要部可決な存在ですが、下図の様な多重ディレクション、多重チェックは制作現場に良い影響を与えません。また、前回のエントリーでも述べましたが、チェックする担当者がそれぞれの主観、趣味趣向だけでチェックを行った場合、制作担当者はチェックのたびに振り回され、クオリティの維持もままならなくなるでしょう。
よく言われるチェックの度に「ちゃぶ台を返される」というやつです(笑
個人的な見解ですが決裁権者以外のチェック、ディレクション(スーパーバイズ)はほとんど意味をなさないし、不毛です。
<多重ディレクションによる無味なチェック>

決裁権者はスタジオやプロジェクトにより異なります。クライアントであったり、社内アートディレクターであったり、スーパーバイザーであったりと異なりますが、下図のような形で決裁権者からの情報、指示を統制するスーパーバイザーを通して、情報の行き来をシンプルにする方が、混乱を招きませんし、必然的に情報がスーパーバイザーに集まるので、制作担当者はスーパーバイザーとのやり取りのみで作業を進められますし、チェックの回数、情報の行き来も必要最低限で抑えられるので、無駄な時間、やり直しがなく、効率的に作業を進められます。制作担当はよりクオリティアップ、作業に集中できる環境を整える事が出来ます。最終的なチェックを行う場合も決裁権者、スーパーバイザー、制作担当者が一同に会してチェックできるのが理想です。また、決裁権者からの修正内容、指示内容を記録として残すこと(ノート)も、プロジェクトを円滑に進めるためには有効な手段だと思います。

<チェック体制をシンプルに!>
このときのスーパーバイザーの役割は主観的、趣味趣向でチェックバックを出すのではなく、決裁権者からの要望を理解して、プロジェクトの方向性(クオリティラインの統一、仕様に沿った作業か?)を示し、制作現場を円滑に回す(適正な作業担当者へのタスク分配、工数確認)ための潤滑油のような役割を担います。そこに主観的趣味趣向が入る余地はほとんどありません。また、制作担当者が疑問に思っていること、作業に行き詰っている時などに、アドバイス(具体的な解決方法、解に導くための作業例、作業手順を紹介する。リファレンスを見せるなど)をするのも重要な仕事です。
しかし、せっかく情報統制やチェック体制がしっかり確立されても前章でも述べたように、クライアントやアートディレクターなど決裁権者からの情報、指示、要望をくみ取れず、主観的な趣味趣向に走ったチェックバックを出したのでは本末転倒です。スーパーバイザーは自分に課せられた役割をしっかりと理解して、案件の性質をしっかりと見極める必要があります。


<補足>
スーパーバイザーの役割はスタジオやプロジェクトにより異なります。また分業されたスタジオでは、各デパートメントでスーパーバイザーに求められる役割も変ってきます。ここで紹介した例は、僕が経験してきた中で、ほんの一例にしか過ぎません。プロジェクトを混乱させ、円滑に進められない要因は外的要因、内的要因を含めて多種多様で複合的に絡んできます。そういったことを理解して頂いたうえで、このエントリーが少しでも皆様の問題解決にお役に立てればっと思い書きました。

さて次回は、僕がディレクション(スーパーバイズ)する上で、実際に行っていること、注意していること、絶対にやらないことなどをご紹介できればと思います。

2016年4月29日金曜日

【書評】 MAYA キャラクタークリエ-ション プロが教えるフォトリアル人体制作術 読破

さて、本日は前回の続きではなくて、Born Digitalから4月28日に発売される「MAYA キャラクタークリエーション プロが教えるフォトリアル人体制作術」というキャラクターアセット制作に特化した書籍をご紹介したいと思います。



本書は『Beginner’s Guide to Character Creation in Maya』の日本語翻訳版です。キャラクターモデリングに関するフォトリアル向けの書籍としては、僕の知る限り久しぶりの良書だと思っています。

特に僕がこの書籍を読んでいて特徴的だなっと感じたのは、僕の書籍「Maya実践ハードサーフェスモデリング」でも紹介していますが、アセットをパイプラインやワークフロー、実際のスタジオで作業されるであろう流れで紹介されている点です。キャラクターモデリングにフォーカスした本は多くあると思いますが、パイプラインを意識したキャラクターアセットの作成という流れで、各工程を紹介している非常に、日本語書籍としては珍しい本だと思います。

「すべてに適応する万能なパイプラインはありません」

などとパイプラインの概要からメリット、デメリット、仕事を効率化させるためにはどうすか?令名規則の重要性などにも触れられています。もちろん、これらのすべてが日本のワークスタイルにすべてが、はまるとは思いませんが、学ぶべきことは多々あるかと思います。





そして、単純なツールに依存したキャラクターモデリングの方法に留まらず、しっかりとアナトミーの重要性、創造された物でも、現実に基づいて、創造されていると言うことを解説しています。





そして、モデリングだけにとどまらず、UVの重要性や具体的なUV展開の実例など




また、リグ、アニメーション、ライティング、レンダリングっと多肢にわたり解説されています。ただ、リグにしても、アニメーションにしても、リグの組み方、アニメーションの方法と言うよりは「考え方」を解説した書籍となっています。具体的なリグの組み方やアニメーションの具体的な方法を知りたい方は、少しターゲットが異なるかもしれません。



ライティングやレンダリングの項目では、現実世界の色や光について。ガンマやリニアワークフローについても、触れられていてキャラクターのモデリング本と言うよりは「実際の作業フローに乗せたキャラクターアセットの制作方法とそれに必要な予備知識」を集約した書籍という印象を持ちました。

そして、この書籍で説明に使用されたデータや動画がダウンロードできます。学ぶ側からすれば、これ以上のサンプルはないと思います。キャラクターの書籍としては、本当に良書だと思いますし、キャラクターモデラーだけではなく、リグに関わる人やパイプラインに関わる人などにもぜひぜひ読んで頂きたい1冊です!!!本当に良書だと思います。

詳しくは3Dtotal.jpでも紹介されていますので、購入前に検討してみてはいかがでしょうか?

2016年4月25日月曜日

【CG】 ディレクションについて 前編

皆さんこんにちは!!!本当にこの一年は忙しくて子作り以外は仕事しか出来ませんでした(笑)
今年は育児に仕事に更に励みたいと思います!!!!

さて、新年のご挨拶から4ヶ月が経過してしまいました。。。本当にすいません。そして、年明けてからの4ヶ月は本当に激動でした!!!それでも長く続いた案件を無事に終わらせて、二日後にはじめての女の子出産!!!いやー、めでたいです!!!っと私事ばかり報告してもアレなので、本題ですw

さてさて、今日のお題は「ディレクションについて」です!!ディレクションと一言で言っても色々あるのですが、VFX業界、CGを扱う現場での「ディレクション」について、自分が経験してきたことを元に、僕なりの考えをまとめてみたいと思います。

僕の経験上、ディレクション(スーパーバイズ)する立場の人で炎上案件に陥る傾向は「自分の趣味趣向をディレクションに反映させたがる傾向にあること」これが地味に炎上するきっかけになることが多いです。

ディレクター(Director)とはVFX、CGを扱う海外の現場では、主に監督という意味合いで使われる事が多いです。ところが日本国内では現場のスーパーバイザー(Supervisor)の立場の人に対して、「ディレクター」という使われ方をする場合があります。ここではディレクター(Director)を監督スーパーバイザー(Supervisor)を管理者として表現していきます。

監督と管理者では、そもそもその役割は異なります。そして、現場の多くでは、この役割を混同することで、ディレクション(スーパーバイズ)は方向性を見失う事があります。

どういうことかというと、スタジオや会社によって異なりますが、多くのスタジオや会社は仕事を受注することで運営しています。要は自社コンテンツではない物を作っている訳です。

そうすると、必然的に制作する物の多くは、自分たちの物ではなく、産業、商業的にはクライアント、映画の場合は監督などのために物を作るわけです。その場合、制作現場でディレクションを行う人の立場の人は、ディレクター(監督)ではなくスーパーバイザー(管理者)となります。

ここでスーパーバイザー(管理者)が自分の作品を作る監督のように指示を出し、監督のようにふるまうと、その案件は、炎上する傾向にあると思います。この場合、クライアントや監督と現場責任者で意思疎通が上手く言っておらず、ダブル(2重)ディレクションに陥る場合が多いからです。これは実際の僕の経験による物で、他ではどうか解りません。

※ダブル(2重)ディレクションとは?
制作者が上司、スーパーバイザーの指示通りに制作して、いざクライアントチェックを受けると、全く正反対のことを言われたり、自分の作っていた物が、全く違う方向に向かっていたりする事。



それではスーパーバイザーは、まず最初に案件を炎上させないために、どういったことを考えなければいけないのでしょうか???それは案件の性質です。

①その案件はコンセプトやデザイン画もなく、仕様も無い。全てにおいて方向性を任される案件。
例)映画やゲームのプリプロダクション、デザイン込みのモデリング、コンセプトモデリングなど。


②その案件にはコンセプトアートやデザイン画、仕様があり、作らなければいけない物がある程度明確な案件。
例)映画やCMなどのポストプロダクション、産業系、商業系のCG映像など。

まずは、どちらが求められている案件か?と言うことを最初に判断する必要があります。ここで判断を誤ると、今後のディレクションに大きく影響を及ぼします。

そして、たとえ①の案件だったとしても、自社コンテンツのオリジナル作品でもない限りは、我々の仕事には②の案件の要素を多く含んでいます。このことを忘れてはいけません。
このことを踏まえた上で、次回は自分なりの炎上しないディレクション方法、哲学をご紹介できればと思っています。

本日はここまでw 後編に続く♪



2015年11月18日水曜日

【CG】 LAST KNIGHTS 見て来ました!

さてさて、久しぶりのエントリーです。今回はどうしても個人的に劇場で見たかった紀里谷監督の「LAST KNIGHTS」を仕事終わりのレイトショーで見てきました。



僕がどうしても見たかった理由は、いくつもあるのですが一番の理由は日本人監督がメガホンを取った世界配給の作品であること。
そして、紀里谷監督のバックボーン(日本での経験から海外へ)が非常に興味があり、そんな監督がどういった映画を作るのか?非常に興味があったからです。

失礼な言い方かもしれませんが、日本で干され、色々な経緯を経てハリウッド映画を撮り、そして凱旋帰国。私も監督ほどスケールは大きくありませんが、どうしてもハリウッド映画に携わりたくて、会社を辞め、1歳の長男と妊婦の妻を連れて、オーストラリアへ家族で移住した時のこと、その時の決意や気持ち、そういう自分と照らし合わせながら、「LAST KNIGHTS」を鑑賞させていただきました。

<以下ネタバレ注意です>

内容は、物語は非常にシンプルです。忠臣蔵を中世の騎士に置き換え、クライブ・オーウェンとモーガン・フリーマンをメインキャストに、悪を打倒するお話です。ただ、僕自身がこういった中世を舞台にした騎士の話が大好きと言うこともあり、冒頭から映画にのめりこみ、モーガン・フリーマンが裁かれる際のクライブ・オーウェンとのやり取りに涙し、映画のラストでもほろりと涙を流しました。。。


演出や音楽も素晴らしく、特に日本の殺陣を意識したかのようなアクションシーンは本当に素晴らしかったです。
普段は仕事の延長で映画を見る事が多く、なかなか話しにのめり込めない事が多いですが、「LAST KNIGHTS」は最後の最後まで話の展開に夢中になりました。

「1つの信念をもって、物事をやり遂げる!」そんな強いメッセージが込められた作品だと、私は感じたし、凄く 勇気をもらう事が出来ました。本当に素晴らしい映画をありがとうございました。


そして、ここからが僕の本音。映画を見終わった後に悔しくて悔しくて仕方がありませんでした。。。
なぜなら日本人監督ハリウッドデビュー作にも関わらず、VFXなどに日本のスタジオが関わっておらず、メインスタジオはカナダのRefuge VFX and Animationと韓国のMofac Studioでした。

ここ近年、VFXでは完全に韓国に遅れを取っている日本ですが、監督が日本人であるにもかかわらず、日本のスタジオが関わっていなかったのが、本当に悔しくて悔しくて仕方がありませんでした。。。

この悔しさを糧に、また明日から自分を高めて行きたいなっと思います。
日々精進ですね!!!

2015年10月7日水曜日

【CG】 3D.SKのご紹介と日本語サイトオープンのお知らせ

こんにちは。相変わらず前回の更新から、ずいぶんと時間が経過してしまいましたが、今日は「3D.SK」という3DG向けの画像集の販売を行っているスロバキアの会社のサイトをご紹介したいと思います。

テクスチャー素材の販売サイトと言うのは、色々とあると思いますが、今回3D.SKでは日本語のサイトを先日オープンしました。

実はこのサイトは私が執筆した「Maya実践ハードサーフェスモデリング:プロップと背景から学ぶワークフロー」でも紹介しているサイトで、私が勤めているModelingCafeでも、こちらのテクスチャーを使用しています。

人物用テクスチャー素材から、多種多様な写真素材を提供しています。日本では馴染みがあまりないかもしれませんが、私が海外就労している時から、お世話になっているサイトなので、本日はブログのエントリーとして紹介させていただきました。

特に僕がお世話になっているのは、英語のサイトではあるのですが「Environment Texture」はその名の通り、背景用の素材専門のサイトです。しかも素材の数は約150000枚!

自分たちで現物を見て、撮影するのも大切ですが、実際に撮影にいけないものも多く存在します。ぜひ、個人、企業でもこういったサイトをご利用してみてはいかがでしょうか?作業の効率化につなげれればと思います。

2015年8月31日月曜日

【CG】 9月のセミナーのご連絡

気がつけば、、、ほぼ3ヶ月ほどブログ更新してませんでした。。。><;

動機の変動の途中ですが、今回は僕が9月に行うセミナーについてのご紹介をさせて頂きたいと思います。

1つは9月4日(金)に開催される福岡クリエイティブキャンプの一環として
制作環境をテーマにしたお話がメインの「業界歴5年目からのプロダクションワークフロー講座」です。

このセミナーでは軽く海外プロダクションの動向を解説しつつ、メリット、デメリットについて解説します。
それらを知って頂いた上で、ModelingCafeが現在取り組んでいるプロダクションワークフローの現在と未来(将来)について解説します。こちらは現在の取り組み、将来的なパイプラインの完成形などについてもお話させて頂きますので、どういった取り組みを行っているのか?パイプラインの構築やワークフロー、プロダクションマネージメントなどに興味がある方は、ぜひぜひご参加ください。また、現実問題として、なぜ直ぐにパイプラインが構築できないのか!?などなども自分なりの解釈で解説させて頂きます。

参加できない方はニコ生でも中継を予定しております。こちらをご覧下さい。
イベント配信】業界歴5年目からのプロダクションワークフロー講座/ModelingCafe 北田 栄二氏


業界歴5年目からのプロダクションワークフロー講座

内容
第一部:プロダクションワークフロー講座
-海外に学ぶプロダクションワークフロー
 ・最先端のワークフローを知ろう!
 ・海外と国内の違い、それぞれのメリットとデメリットを知ろう!
-ModelingCafeの考えるプロダクションワークフロー
 ・ModelingCafeのプロダクションワークフローの現在と未来

第二部:ModelingCafe × 福岡市
福岡という環境がもたらすメリット

開催概要
開催日:2015年9月4日(金)
時間:18:00〜20:00
会場:デジタルハリウッド東京本校
参加費:無料 ※事前登録制
主催:福岡クリエイティブキャンプ事務局
協力:デジタルハリウッド東京本校

ゲスト
山下 龍二郎 氏
福岡市役所 経済観光文化局 創業・立地推進部 企業誘致課

参加申し込みはこちら


もう1つのセミナーは9月13日(福岡)、10月18日(広島)、来年2月20日に開催される
ヒューマンアカデミー主催「北田流CGモデリングテクニック講座!」です。
こちらのセミナーでは地方の学生を対象とした構成となっており、モデリングにおける
国内と海外の技術的な違いや、モデリング以前の準備についての解説させて頂きます。
こちらのセミナーは前者のセミナーに比べて、エントリーレベルを対象としたセミナーですので
CGに興味がある!これからCGをはじめたい方でもお気軽にご参加して頂けるような内容で構成を考えています。なかなか地方ではCGセミナーが開催されませんが、これを機会に、ぜひご参加頂ければと思います。

「北田流CGモデリングテクニック講座!」

開催スケジュール
日程:9月13日(日)
時間:13:00~
場所:福岡校0120-49-1055
費用:無料

日程:10月18日(日)
時間:13:00~
場所:広島校0120-2640-78
費用:無料

日程:2月20日(土)
時間:13:00~
場所:仙台校0120-050-459
費用:無料

今後も引き続きセミナーや講義での学生や現役アーティストとの交流、親交を深めていくことが出来ればと思っています。また講義やセミナーは学校、スタジオ、学生、現役アーティストを問わず、引き続き継続させていきたいと思っています。 もちろんSNSやWEBなどを通じてのTIPSや情報発信も時間の許す限り継続させていきたいと思っています。ぜひぜひ、皆様もお気軽に語参加して頂ければと思います!!!


次回は動機の変動を少し中断しまして、私自身がなぜ学生に対して、学校に対して講義やセミナーなどを行い続けるのか?SNSやWEBを通じて技術発信、情報発信をつづけるか!?僕なりの考え、意図を説明させて頂ければと思います。それでは次回の更新もお楽しみください(いつ更新できるのか。。。。)

2015年6月16日火曜日

【CG】 動機の変遷 中編

さて、前回に引き続き、働く動機の変遷についてご紹介したいと思います。
前回までは学生時代から就職、転職を経て国内での動機の変遷について紹介させて頂きました。

【CG】 動機の変遷 前編

今回は国内を飛び出して、海外就労時の動機の変遷を紹介したいと思います。

ヴィジュアルワークス在籍時の退職直前時期は、とにかく家族と仕事の両立を実現でき、なおかつよりレベルの高い環境、アーティストと働きたい!!!そういう思いが本当に強かったです。 そして、そんな思いが実現できるのは海外しかない!!そう思い込んでいました。また、日本で働くよりも家族で海外に住む方が、家族、僕自身にも良いことだと当時は思っていました。

しかし、実際に海外に出てみると、問題は山積みです。1歳2ヶ月の長男に妊婦だった妻を連れての海外移住。
文化の違いや英語の壁。働く以前に安定して生活をするということが、そもそも大変でした。しかし、そんな大変な生活も徐々に環境になれ、馴染むことができれば、海外に出てきて本当に良かった!シドニーの素晴らしい住環境、労働環境、技術力の高いアーティストに新しい出会い。何もかもが日本では絶対に経験できない素晴らしい経験でした。

僕は今後もずっとシドニーで働ければ、、、そんな淡い期待を抱いていました。しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。プロジェクト終了と同時にスーパーバイザーも含めたチームの解散。就労先を探すための就職活動。VISA依存による契約のため、契約の終了は強制帰国を意味します。

しかし、僕はそれでも海外で働きたい!!そう思っていました。理由は単純です。とにかく一緒に働く同僚のレベル、スキル、知識が高い。
(誤解してほしくないのですが、皆がすべてレベルが高い訳ではなく、ごく一部の人がとてつもなく優秀なのです。)
日本ではありえない経験の連続。 労働環境。価値観の違いなどから、僕はどうしても海外就労を続けたいと思うようになっていました。
しかし、妻は第二子を出産直後でしたし、たとえ海外就労が決まっても、次は単身での海外移住と言うことはわかっていました。そして、そんな中、シドニーのDr.D Studiosからオファーが届きました。

僕は海外就労と家族との時間を天秤にかけ、海外就労を選びました。この時点で、私が目指したワークライフとファミリーライフのバランスは完全にワークライフ一色となり、本来の海外就労の目的であったファミリーライフとワークライフの両立という目標からは大きくかけ離れる結果になりました。

もちろん、短期契約だったということもあり、単身での移住を決断したのですが。。。このころから僕は漠然と海外で働きたいという目標から、WETAやILMなど世界で最高のアーティスト、技術者が集まる環境で働きたいと思うようになります。

無事にDr.Dとの契約を終え、数ヶ月家族と日本で過ごすこととなりました。この期間、フリーで少し仕事をしていましたが、実質的には無職です。この時期はいままで過ごせなかった家族との時間を過ごす、そして応募した海外スタジオからのオファーを待つ状況でした。そして、自分の中で期間を設け、年内に海外スタジオからオファーが得られなかった時は、国内で家族と一緒に過ごそう。その代わり、海外スタジオからオファーが来れば、どんな国であれ、家族で一緒に再度、海外移住をするという決断を妻に認めてもらい、ひたすら海外スタジオからのオファーを待つ日々でした。。。。

応募したいくつかのスタジオから連絡があり、インタビューすることになったのは無職を続けて2ヶ月目ぐらいでしたね。念願のWETAからのインタビューです。後を追うようにDNEGからもインタビューの連絡が来ました。この当たりは、こちらのエントリーを読んでいただき、ここでは割愛させて頂きます。

【仕事】 SingaporeとDouble Negative  

そして、結果的に家族でのシンガポール移住を決意し、結婚後、もっとも長い3年間という期間をシンガポールで過ごすことになります。

<前編の動機の変遷まとめ>
単純に興味がある→ 3DCGが好きになる→自分で作ってみたいと思う→仕事にしたいと思う→安くて辛くても好きなこと出来れば満足→現状に満足できなくなる→エンターテイメントの仕事がしたい→日本で最高峰とい言われる職場で働けて満足→徐々に満足できなくなり、より自分が納得できる環境を捜し始める→中編に続く

<中編での動機の変遷まとめ>
自分が捜し求めていた環境にめぐり合う→新しい出会い、理想の環境、海外就労の継続を望む→ VISAの問題による海外就労の中断→家族との時間を犠牲にした海外就労継続の決意→WETAを筆頭にした海外大手プロダクションへの憧れ、就労を目指す→家族での国内残留か家族での海外移住かの決断を迫られる→海外就労の継続、家族でのシンガポールへの移住を決意→理想に近いワークライフとファミリーライフのバランスを実現させる→後編へ続く

っト言うことで中編の終了です。後編は理想に近いワークライフとファミリーライフのバランスを実現させ、目標でもあった実写映画、大手海外スタジオでの就労などを経て、海外就労の大きな目的を達成した私自身が、どういった気持ちの変化で帰国を決断し、福岡でオフィスを開くことになったのか?後編ではその当たりの変遷について、ご紹介出来ればと思っています。


2015年6月2日火曜日

【CG】 動機の変遷 前編

さてさて、毎度の事ながら前回のエントリーから、ずいぶんと時間が経過してしまいましたが、久しぶりのエントリーです。
今回のネタはすごく前から、書きたかったネタなんですが、本当に4月以降は時間が作れず、なかなか書く機会がなかったのですが、今回は少し時間を割いて、書いてみたいと思います。

お題は「動機の変遷」です。何をするにも「動機」と言うものがあると思います。例えば、この業界に入って大作に関わりたいとか、クレジットに名前を載せたいとか、海外で働きたいとか、本当に千差万別、色々な動機が、それぞれにあると思います。

そして、それらの動機は人それぞれだと思いますが、どんどん変っていきます。今日は1つの例として、僕のCGに対する動機がどのように移り変わっていったのかを紹介したいと思います。

まず、CGをはじめる最初のきっかけは単純に、これからはパソコン触れないと食べていけないだろう!!!っていう単純な動機からコンピューター総合学園HAL大阪校に通うことを決意しました。

その後、ファイナルファンタジー7(PS)をプレイし、そのムービーに衝撃を受け、3DCGをはじめて自分で作ってみたいと思う。(この時点では趣味の領域を出ることなく、仕事にしたいという思いはない。)

その後もどんどんクオリティが上がるCGムービーを目にすることで、3DCGでご飯が食べたい!これを仕事にしたいっと決意することになった。

働き始めた当初は、好きな仕事でお金がもらえる(当時は大阪の小さな映像プロダクションで賃金も決して高いといえなかったし、エンターテイメントCGとは程遠い建築パースの仕事をしていた。)それだけで、満足できていいました。

しかし、勤続して2年が経過し、徹夜もしばしばある、賃金もそれほど高くない環境に満足できなくなってきている自分が居ました。そんな時、同級生の同僚が会社を辞めて、別のエンターテイメント系の会社に転職したのをきっかけに、当時勤めていた会社から、よりエンターテイメント性の強いゲーム会社や映像会社で働きたいと思うようになりました。

当時は必死で仕事の合間に個人作品をつくりためていましたね。ただただエンターテイメント系の会社で働きたい一心でしたね。エンターテイメント系の会社であれば、賃金は関係ない。とにかくエンターテイメントの仕事がしたい!!ただ、それだけでした。そして上京を決意しました。よりエンターテイメント性の強い会社は東京に集中していたからです。

いくつかの会社に応募して、いくつかの内定を得ることが出来ました。働き始めて初めて自分が選択できる立場になったのです。そして、当時、ファイナルファンタジームービーやファイナルファンタジー10などで、プリレンだリングを主体とした映像専門の部署があるスクウェアエニックスに転職することを決意しました。

当時は何もかもが新鮮で、周りにはレベルの高い人たち。新しいソフト。新しい土地、新しい環境、初めての1人暮らし。ほんとうに右も左もわからない状態で必死でした。特に仕事は他らしいソフトを覚えたり、周りとのレベルの差に危機感を覚えつつ、本当に大変でしたが、すごく辛くも楽しい日々でした。僕がもっともデジタルアーティストとして成長できたのはこの時期だったっと思います。
収入も年々上がっていきましたしね(^_^;)

しかし、そういった状況にすら満足することは出来ませんでした。。。徐々に仕事に慣れ、結婚や出産と言う転機を得て、一度きりの人生、とにかく自分のやりたいことがやりたい。やっておきたい!っていう気持ちが強くなりました。
(正直、職場を変えたいという気持ちも当時はありましたが。。。。このころは本当にいま思うと色々なことで葛藤していました。)

そんな中、色々な人から海外の話を聞き、世界最高峰(技術的に)とされる、ハリウッド映画に関わってみたいという気持ちが強くなる一方で、家族のために生活を安定させ、収入を安定させないといけないという葛藤が生まれまじめたのもこの時期からでした。。。。 (後編へ続く

っという感じで、長くなりましたが動機の移り変わりについて、前半をまとめてみました。

単純に興味がある→ 3DCGが好きになる→自分で作ってみたいと思う→仕事にしたいと思う→安くて辛くても好きなこと出来れば満足→現状に満足できなくなる→エンターテイメントの仕事がしたい→日本で最高峰とい言われる職場で働けて満足→徐々に満足できなくなり、より自分が納得できる環境を捜し始める→後編へ続く


ここまででも動機がどんどん変っていっていることが解ると思います。後編は海外に出て、帰国して、自分がオフィスを運営する立場に至るまでの変化を紹介できればっと思っています。

2015年4月18日土曜日

【書評】 アート本 4冊をご紹介!

前回のエントリーからはやくも1ヶ月が過ぎてしまいました。。。(^^;
3月末から4月初旬にかけては福岡オフィスの開業準備なかなか時間が取れず、更新できませんでしたが、久しぶりの更新です。

さて、今回は4冊のアート本を紹介したいと思います。今まではけっこうガッツリ読む本を紹介してきましたが、今回は眺めてるだけでテンションがあがってしまうアート設定画集を紹介させていただきます。

「ホビット 決戦のゆくえ 設定画集」
「The Art of Destiny 設定画集」
「アサシン クリードIII原画集」
「The art of legend of the guardians」

の4冊です。お買い求めはリンク先をクリックしてくださいね!どれも見てるだけでテンションがあがってくるすばらしいアート本です。設定、デザイン、モデリングや質感、ライティング、見ているだけで創作意欲が掻き立てられること間違いなしです!!(大げさ?

これらの本はずっと以前から気になっていたんですが、仕事が忙しくなかなかじっくり見る事が出来ませんでした。今回は少しだけ時間が出来たので、少しづつですが読み進めました。
アート本や設定画集というのは、いざ仕事が始まって、慌てて購入しても、それでは少し手遅れです。

どんなことでも前準備が非常に大事です。普段からこういった資料になりえる本は手元においておき、気が向いた時に読み眺めて、自分の中の引き出しに少しずつ、アイデアやデザインを貯めていくようにすることで、いざ、似た世界観の仕事はじめる時にも、どこかしらに本の内容が頭に残っているはずです。アート本は参考書の用に常日頃から常用する物ではありませんが、読みたい、見たいっと思ったときに手元にある事が大事です!

さて、それでは内容を少しだけですが、紹介させていただきますね。

「ホビット 決戦のゆくえ 設定画集」
これは言わずと知れたホビットの設定画集です。キャラクターや背景設定など、細かく描かれています。僕が設定画集を読んでいて非常にためになる部分は、絵の美しさや設定画の細かさよりも、どのような世界観で、どういった物か?映画では語られない「設定」を読み解く事が出来るからです。
これらの設定はモデリングやテクスチャーを描く上で非常に重要な情報です。これらの情報はクライアントやディレクターから与えられることもありますが、逆に自分で設定を考えないといけない場合もあります。普段からこういった設定、自分が作る物にストーリーを持たせられるようにするためには、こういったアート本や設定画集は非常に参考になります!!この一冊はなんど見てもあきません(笑


「The Art of Destiny 設定画集」
こちらの設定画集はホビットとはうって変わってSIFI系の設定画集です。設定画集やアート本に共通することですが、こういった本を眺め読むことで、写真ではない、絵からイメージを具現化して、実際にモデリングやテクスチャーを描く際に役立てるのが目的です。絵では描ききれないディティールや設定を自分なりに読み解き、実際にモデリングしたり、テクスチャーを描いたりするのは、モデラー、テクスチャーアーティストにとっての醍醐味の一つです。こちらの本も眺めているだけで、SIFI系の背景やロボット、戦闘機や戦艦などが作りたくなってきます(笑



「アサシン クリードIII原画集」 
こちらの本も上記2冊と同じ設定画集です。僕自身あまり本タイトルのゲームをした事がないのですが、世界観が非常に好きで、いつも本タイトルのシネマティクスには驚かされていたので、ずっと設定画集が気になっていたので、これを機会に読んでみました。シネマティクスほどのインパクトはありませんが、背景やとしては中世のお城や宮殿など、創作意欲が掻き立てられる1冊でした。最近はめっきり作らなくなってしまった武器や小物類のモデリングがしたくなる1冊でした(笑




「The art of legend of the guardians」
これは僕が初めて海外に出て、初めて携わったハリウッド映画のアートブックなので、眺めていると当時の思い出が蘇ってきました(笑
当時はここに描かれているコンセプトアートを基に必死に試行錯誤をして制作していたのを覚えています。いわば、海外就労の原点とも言える作品のアート本です。この本を購入されてご覧になった方はわかると思いますが、細かいディティールやデザインと言うのはほとんど描かれていません。どちらかと言えば、大きなシルエットが主です。これらの絵を基に細かいディティールを実世界のディティール起こしていく作業は本当に勉強になりました。皆さんもこの本を見ながら、一度、絵から3Dに起こす練習をしてみてはいかがでしょうか?


さて、次回は少しだけ僕が住んでいる福岡について紹介したいと思っています。お楽しみに♪

2015年2月17日火曜日

【その他】 出版記念セミナーと自分書評 その2

さて、本日はが僕が執筆した書籍「Maya実践ハードサーフェスモデリング:プロップと背景から学ぶワークフロー」についての自己書評です。

実際に製本され、手元に来て、一読者として読み返してみました。何度も何度も読み直した原稿ですが、改めて自分なりに読んでほしいポイントや本の特徴なども紹介できればと思っています。


まず本書最大の特徴は購入者特典のデータがダウンロードできると言う点です。これは私が実際にこの本のために作った生データです。

プロップ編で使用した最終モデル(リグ無し)と全テクスチャー、全マテリアル、一部PSD!
背景編で使用した最終データの一部モデル、テクスチャー、マテリアル、PSDです。
それにおまけ要素として、プリマテリアル作成に私が使用している、レンダリングオブジェクトをダウンロードして頂けます。

下記のような生データが購入者特典としてダウンロード頂けます。
本日より購入者特典ダウンロードも開始されました。(解凍にはパスワードが必要です。)



<プロップサンプルモデルとテクスチャー、マテリアル、一部PSDが付属>
<背景サンプルモデルとテクスチャー、マテリアル、一部PSDが付属>
<背景サンプルテクスチャー10001~1004 フルチャンネルで付属>
<背景サンプルモデル2とテクスチャー、マテリアル、一部PSD>


商用での利用は不可、著作権なども含めて著作はすべて制作の私に帰属しています。書面による同意なく、有償無償問わず二次配布を含めた商用利用は出来ません。あくまでも学習用にのみお使い頂けます。

ではでは、続いて本の中身です。まずは表紙です!!!INEIの富安さんのコンセプトアートを基にモデリング、テクスチャー、ルックデブを行いました。最終的な仕上げ、レタッチはFudeの原島さんが担当しました。
<表紙>

そして、なんとカバーを外し裏返してみると。。。。。カバーはパノラマポスター、裏表紙は田島君コンセプトのロボが登場します!
<表紙パノラマポスターと裏表紙>

序文では僕に強く影響を与えてくれた方々に本書を紹介して頂いています。

<序文>

本書ではツールの使い方やHOW TOなどはあまり解説せず、必要最低限に留めて言います。ツールを扱う以前の前準備や、僕自身がモデリングを行う際にどういったことに注意をしているか?などなども紹介しています。
<モデラーの考え方>

もちろん、各パーツのモデリング方法やどういったツールを使用したか?どういった考え方をして作業しているか?なども丁寧に紹介させて頂いています。
<ディティールモデルの作り方など>
<モデルのシルエットを形成する上での注意点や考え方>


日本ではあまり馴染みの薄いUDIMについても一通り紹介させて頂いています。

<UDIMについて>


UVの開き方やUVをどう組織することで、効率的にハイクオリティなテクスチャーが描けるか?なども紹介させて頂いてます。
<UVの組織化>

<UV展開例>


そしてリニアフローの基本概念やリニアフローにおけるテクスチャーの扱い方なども、基本編として紹介させて頂いています。
<リニアフローによるレンダリング結果>

膨大な情報量を含む背景アセットのアセットマネージメント事例、正しい工数を算出するための手段は?
<背景制作時のアセットマネージメント事例、工数算出例>

背景モデリング制作事例やテクスチャー制作事例、レンダリング事例など。
<モデリング制作事例>

<テクスチャー制作事例>

<レンダリング事例>

背景を効率的にクオリティアップされるためのドレスアップ方法の紹介。

<汎用パーツを利用したドレスアップ方法事例>
などなど!!!全404ページで紹介しています。ここで紹介させていた例は本の一部ですが、本編では出来るだけ丁寧に解説させて頂いています。基本的には現場目線でのシニアを対象とした書籍ですが、学生やビギナー、これから業界を目指したい方々を対象にした教科書的な書籍を目指しました。

とにかく盛り沢山の内容で各項目を紹介しています。とてもブログだけではお伝えできませんが、ぜひぜひ興味がある方は本書を手にとって読んで頂きたいです。決して安い本ではないですが、読んで頂いた方が満足して頂ける内容に仕上がっていると思います。

一部都内書店やネットショップなどでは販売、配送も始まっているようです。全国書店に並ぶのは20日以降との事です。 予約された方々にも20日過ぎにはお手元に届くのではないでしょうか?
そして、本日より購入者特典ダウンロードも開始されました。(解凍にはパスワードが必要です。)

皆様のレビューをドキドキしながら楽しみにしております。

2015年2月14日土曜日

【その他】 出版記念セミナーと自分書評 その1

さて、本日は出版記念セミナーと「Maya実践ハードサーフェスモデリング」の発売に先駆け、2回ほどに分けて、自分で書いた本を自分で書評してみたいと思います。

まずはセミナーのご紹介からです。

【大阪/福岡/東京開催】Maya実践ハードサーフェスモデリング出版記念セミナー
「プロとして活動するために必要なこととは?」

こちらのセミナーはBornDigital協力で福岡、大阪、東京で開催されます。内容に関しては書籍の内容を紹介しつつ、私自身がなぜ第一線でプロとして活動できたのか?と言う事を自分に問いかけるように皆様に紹介できればっと思っています。

発売前の事前情報として、私自身の口からこの書籍に込めた意図、何を伝え、何を学んでほしいか?そういった部分をご紹介させて頂ければと思っています。
また、少しだけですが国内と海外(アジア、オセアニア)の制作現場の違いやテクノロジーの差などを私が経験した範囲でご紹介できればと思います。

基本的に福岡、大阪、東京での講演となり、内容はどの会場でも同じです。ただ東京会場に関しては、スペシャルゲスト登壇を予定しており、最後の40分ほどを質疑応答を交えたフリートークセッションになる予定です。なかなか表立ってお話してくれる方ではないので、非常に貴重な講演となると思います。平日で参加が難しい方も多々おられると思いますが、お時間が許す限り参加して頂ければと思っています。

【以下講演内容】

・本書執筆の経緯

・本書の内容説明

・本書を通じて学べること

・私が考えるプロフェッショナルとは?

・ツールに固執しない柔軟な考え方を学ぶ

・国内と海外(アジア、オセアニア)の制作現場の違いとテクノロジーの差

・質疑応答


会場限定での先行販売会も開催されるようですので、参加される方でご購入がまだの方は、セミナー後にご購入されるのも良いかもしれません。内容を気に入って頂ければですが(笑


次回は自分で執筆した本を自分なりに書評してみたいと思います。

2014年12月28日日曜日

【CG】 帰国して感じたこと、、、モデラーとしての役割とアート、デザインの重要性

さてさて、いよいよ今年も残すところあと数日となってしまいましたね。11月末に帰国して、ここ1ヶ月ほどで、幸運にも色々な学校や色々な現場の方々とお話する機会を得る事が出来ました。本当に感謝しています。そして、そういった方々と特にお話をさせて頂いて感じたことを少しだけまとめたいと思います。


以前から薄々感じていたことですが、帰国して多くの方とお話をさせて頂いて確信に変わりました。

私自身、ブログやSNSを通じて、ワークフローやパイプライン、モデリングのHOW TOなどに関して、色々な情報を発信させて頂いていまが、私がブログで紹介していることが「解」だと思われている方が非常に多かったという事です。

これに関しては、私自身にも大きな責任があるのですが、私がここまでブログで述べてきたことの多くが「解」ではなく、多くが一つの例(ヒント)にしか過ぎません。「解」を導き出すための例(ヒント)として、私自身は情報を発信させて頂いていったのですが、私が紹介することを全て正しい「解」だというふうに認識されている事が非情に多く、正直、私自身も少し驚いています。これは私の伝え方にも問題があったと思います。

例えば、私が良く口をすっぱくするほど、紹介しているトポロジーやデータの正確性の話などは、モデリングの本質ではなく、あくまでも基本であり、モデラーであれば知っていて当たり前のことであり、しっかりと気を使う部分であるということです。それは決してアピールポイントではなく、モデラーであれば基本中の基本です。

モデラーの本質はアート的、デザイン的にかっこいい、見栄えのするモデルをモデリングする事が本質(真理)としてあるはずなんですが、そこを取り違えてしまい、デザインやシルエットの前に、トポロジー形成を優先させている。それをアピールポイントとして考えてしまっているモデラー(特に若い学生、経験が浅いモデラーに多い傾向)が非常に多いと感じました。また、色々な方とお話をさせて頂いて、モデリングアーティストではなく、モデリングオペレーターが増えつつあることに、私自身は非常に危機感を感じました。

本来、モデラーは与えられた情報(コンセプトアートやデザイン画、プロット)などから、情報を読み解き、ニーズにあったモデリングを行うというのが本来の形です。全ての情報がそろった状態(細かいデザイン画や詳細なリファレンス写真、三面図などなど)で、モデリングを開始できるプロジェクトなどほとんどありません。存在しない情報をどう読み解き保管するか?というのがモデラーの役割として非常に重要です。その上で、データの正確性、トポロジーの形成などテクノロジーとしての知識や技術も求められます。

映画の仕事に関しても、特に実写系VFXなどはフル3DCGアニメーションに比べて、与えられる情報も少なく、ショット毎のコンセプトアートがあれば良い方です。

そういった限られた情報を元にモデルを完成させるのが、モデラー本来の役割だと私は思っています。そして私の知る限り、そういったアート、デザイン能力に長けたモデラーというのは国内には多かったという印象ですし、かっこいい独創的なキャラクターや背景を作る能力はあったけど、テクノロジー、データの正確性に欠けるというのが、日本人モデラーの印象だと、私は個人的に感じていました。

だからこそ、国内で足りないテクノロジー(ワークフローやパイプライン、マネージメントの題材含む)の部分を伝えたい、学んでほしいという意図もあり、テクノロジー中心のエントリーが多いのですが。。。。そこは、上手く伝えられなかった私の責任でもあると深く反省する部分でもあります。。。。

私自身は「正しい解」を得るよりも「正しい解」にたどり着くためのプロセスが最も重要だと思っています。リアルなキャラクターを作るために、どうすればリアルになるのか?説得力ある背景を作るためには、どういう意図を持ったデザインにするのか?どういったトポロジー形成にするのがベストか?常に正しい解を導き出すために試行錯誤する事で多くの失敗や成功を体験できます。
はじめから正しい解だけを与えられると、何が駄目で何が良い事か?判断する能力が伸びません。結果的に視野も狭くなってしまいます。また「正しい解」というのは、個人やプロダクション、プロジェクトにより異なります。だからこそ、その正しい解にたどり着くためのプロセス(常に試行錯誤を繰り返す事)が重要なのだと私は過去の経験から学びました。

私自身、そういう意図を自分なりに皆さんに上手く伝える事ができていないという確信を、ここ1ヵ月程で得たので、今回はこういったエントリーを書くことを決めました。

今後も私のスタンスは変わりません。常に自分で良い思ったこと、正しいと思った事、間違っているっと思ったこと、悪いっと思った事も同様に情報として発信し続けるつもりです。ただ、私が紹介することの多くがヒントでありほんの一例にすぎません。必ずしも個人やスタジオ、プロダクションにとっての正しい「解」ではないという事はご理解下さい。


年の瀬に話題としてはあまり相応しい話題ではなかったかもしれませんが。。。私自身も新年を気持ちよく向かえ、新しい挑戦に専念するためにも、今年感じたことは今年のうちに!!!文章として残したかったので、ご容赦下さい。

それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。そして、新年からも「北田栄二の武者修行」をよろしくお願い致します。

北田 栄二

2014年11月30日日曜日

【CG】 CGWORLD クリエイティブカンファレンス補足

さて、久しぶりのブログ更新です。色々とクリエイティブカンファレンス通じて発表させて頂きましたが福岡の件に関しては、また後日という事で、今回はカンファレンスでお話させて講演内容に関しての補足をさせて頂きたいと思います。

まずは、カンファレンスでは多くの方に来て頂き、本当にありがとうございました。また、カンファレンスに協力してくださった運営の皆様、スペシャルゲストとして、登壇していただいた帆足さん、鈴木君、皆さんの協力のもと非常に有意義な1時間だったと思います。

さて、補足と言うことで色々と書き足さなければならないのですが、まず僕がこのカンファレンスを通じて伝えたかった物は以下の3つです。

  • プロダクションフローにおけるモデリング作業の一般的な流れ
  • モデラーに求められるアート、デザインの重要性
  • モデラーに求められるテクノロジーの知識や技術の重要性

この3点をまずは伝えたかったと言うのが一番にありました。特に今回私が最も伝えたかったのはアートとテクノロジーの重要性です。 私はどうしてもテクノロジーの分野が得意なので、話がそちらに偏りがちなのですが、CGにはアートという側面もあり、テクノロジーという側面もあります。CGの進化はテクノロジーの進化なくして語る事ができません。

しかし、アート、デザイン、見栄えという点で、キャラクターや背景に魅力がなければ、元も子もありません。逆にいかに魅力的なデザインだったりキャラクター、背景であっても、レンダリングして絵に出来なければ、結果は同じです。

CGで求めらるのは、こういったアートやデザインの知識と技術と同様に、テクノロジーに対する知識や技術も同様に必要になり、どちらか一方だけでは成り立ちません。私が今回のカンファレスンで伝えたかったのは、そういう部分です。そう言う意味で、私よりもアートやデザインのセンスに秀でたお二方にゲスト登壇してもらいました。

そして、今後のモデラーに求めらるスキルとして、デザインできる能力というのは非常に重要になってきます。カンファレンスでも紹介しましたが、全ての情報がそろった状態で作業を始められることはほとんどありません。与えられる情報を繋ぎあわせて、自分で解釈し、自分でデザインする事が今まで以上に求められます。また、今後はモデラーという域を超えて、テクスチャーやシェーディングの知識もモデラーには求められることになります。シェーディングの知識=レンダリングの知識に直結します。また、時にはマットペイントの知識や技術も必要になってるでしょう。

今後、CGを生業としていくうえで、ワールドスタンダードで戦うなら、個人のジェネラリスト化と言うのは避けては通れない道だと思います。

もちろん各部門により、よりスペシャリストが求めらる部門もあれば、よりジェネラリスト化する部門も出てくると思いますが、ソフトウェアの発達により、全体的にジェネラリスト化の傾向にあります。

そして、今後は今まで以上にアートやデザインの知識、技術が求められますし、テクノロジーにおいても同様です。今回のカンファレンスでは、CGはアートとテクノロジーのバランスが大事ですということを伝えたかったのですが、僕の話し方、伝え方の不味さもあって、テクノロジーの話が先行しがちだったので、この場をかりて補足とさせて頂きます。

最後に、登壇にご協力頂いた帆足さん、鈴木君!本当にご協力感謝です!ありがとうございました!!!
写真は最後に会場の皆さんと記念撮影!!!



※また、会場で質問できなかった皆様、質問はメールフォームより受け付けております。お気軽にメールフォームよりご質問ください。

2014年10月15日水曜日

【CG】 CGWORLD クリエイティブカンファレンス2014 お申し込み開始

CGWORLD クリエイティブカンファレンス2014の申し込みが本日より開始されました。僭越ではありますが、有名企業、有名スタジオ、著名な方々に混じり、個人として当日は登壇させていただくことになりました。


お申し込みはこちらから
CGWORLD クリエイティブカンファレンス2014 お申し込み

講演内容はこちらから
現場で役立つプロダクションワークフロー モデリング編


講演内容に関しては題して「現場で役立つプロダクションワークフロー モデリング編」と銘打ちまして、コンセプトモデリングとプロダクションモデリングの違いや、コンセプトアートを元にどのように立体化、具現化し、プロダクションモデルに落とし込んでいくのか?今後のモデラーの役割はどうなっていくのか?実際の私の作ったモデルデータを基にモデリングの基本的な流れを紹介します。

紹介するデータは 、私が現在、執筆のために制作しているモデルデータを使用して、コンセプトアートを基にした細部のデザインのおこし方から、実際にプロダクションで扱われるモデルデータへの落としこみまでの流れを紹介予定です。また先行して一部、執筆内容を当セッションで紹介予定です。




※1 この画像はアセットビルド(モデリング、UV、テクスチャー、Look Dev、エラーチェック、レンダリングの保証)が完了した画像です。(クリックで拡大)



※2 この画像はモデリング、UV、テクスチャーを終え、シェーダー調整中のテスト画像です。(クリックで拡大)


これらのデータを用いて、モデリングとは何ぞや!?と言うことについて熱く語りたいと思っています(笑

<講演詳細(仮)>
  • 自己紹介
  • モデラーに求められる役割
  • コンセプトモデリングとプロダクションモデリングの違い
  • コンゼプトアートを基にプロダクションモデリング完了までの流れ
  • 執筆内容を先行で一部紹介
  • 質疑応答、フリートークセッション
  • 参加者限定プレゼントコーナー(2名限定)

1時間という限られた時間ですので、詳細な部分、テクニックなどに関しては紹介できない可能性があり、モデリングのみにフォーカスを当てたセッションです。セッション内容はどちらかと言えば、就職を控えた学生や将来モデラーになりたい、モデリングに興味がある方、働き始めたばかりの新人モデラーさんを対象とした内容を予定しております。モデラーとして既に活躍されている方には少々物足りない内容になってしまうかもしれませんが、デジタルアーティスト志望の学生や、将来モデラーやテクスチャーアティストになりたい方などお気軽にお立ち寄り頂ければと思います。

また、セッションの最後に参加者限定で、2名様限定ですがプレゼントをご用意しています。そちらも楽しみにして頂ければと思います。




2014年6月18日水曜日

【CG】 SHOWREEL 2014

さて、本日は3年ぶりにデモリールを更新しました。
詳細は下記リンクのVIMEOをご覧ください。 (画像クリックしてください。)


 Eiji Kitada Show Reel 2014



不特定多数、業界に全く関係ない方が自由に閲覧できるのは好ましくないというスタジオからの要請により、デモリールにパスワードを設定させて頂きました。閲覧希望される方は、メールフォームよりご連絡ください。スタジオからの話では、基本的にデモリールの作成はリクルートのみに使用可で、WEBなどにUPする場合も原則としてリクルート活動のみ対象とするそうです。(2014/07/07 追記)

今回のリールは現スタジオとの契約の都合上、ブレイクダウンを画像で公開する事が出来ません。ここで公開されているDNEGのショットはファイナルのみとなります。しかし、それだとお前どこ担当したんだよ!!!!!ってなると思いますので、こちらのブログにて日本語のブレイクダウンを掲載させていただきます。

※制作時間は1日の労働時間を9時間と換算し、ファーストパスまでの制作期間であり、リテイクを含む完成までの制作期間ではありません。


The Hunger Game : Chatching Fire Avenue Shot (0m0s ~ 0m22s)
このショットの背景は5人のモデラーによって手分けして作られました。僕が担当したのは中央半円系の建物と中央大通りの左右にあるメインの両建物です。これらの建物はこのシーケンスにおいて、最もクローズアップになる重要な建物です。遠方の建物は他のモデラーによって作られています。

Modeling: 5 days for 1 hero modeling
UV layout: 3 days for 1 hero building

Godzilla las Vegas Destruction Shots (0m23 ~ 0m26s)
このショットのモデリングは二人のモデラーによって作られています。一人がラフモデルで建物の位置を配置しレイアウトし、僕がそれらのラフの建物をレンダリング用のハイモデルに作りかえ、壊すという作業をしています。ただ、このショットはマットペイントによってペイントオーバーしているので、プレート、3Dオブジェクト、デジマットの混成ショットになっています。とはいえ、建物の壁面以外はほぼ3Dオブジェクトです。このショットはトレーラーにも使われているキーショットです。

Modeling: 2 days for 1 destruction modeling
UV layout: 1 days for 1 building

Godzilla las Japanese City Shots (0m27s ~ 0m33s)
このショットも前のショットと同様にプレート、3Dオブジェクト、デジマットの混成ショットです。担当したモデラーは私一人だけです。
私が担当したモデルはカメラ手前の虎ノ門ヒルズの壊れモデルと画面中央のツインタワーの壊れモデルです。これら二つのビルに覆いかぶさるつたの葉などすべて3Dオブジェクトで作られています。遠方のビルはデジマットによるペイントオーバーです。

Modeling: 5 days for 1 hero destruction modeling
UV layout: 3 days for 1 hero building

Godzilla Aircraft Carrier Shots (0m34s ~ 0m41s)
このショットでは手前ヘリコプターの後ろにある空母の艦橋とF18スーパーホーネットのモデリングを一人で担当しました。

Main bridge 
Modeling: 10 days
UV layout: 5 days

F18 super hornet 
Modeling: 7 days
UV layout: 3 days 

The Dark Knight Rises Final battle shots(0m42s ~ 0m51s)
このショットは私がDNEGで行ったはじめてのプロジェクトです。ショットの建物は5人のモデラーによって作られています。僕が担当したのはリードモデラーとして、モデリングワークフローの組織化とUVレイアウトの正しいやり方をチームメンバーに伝えることでした。5つあるヒーロービルディングの4つをモデリングとUVレイアウトの担当として、最終的な仕上げを担当しています。この頃はモデラーは二人しかいなかったので、自分が作業すると言うより、チームメンバーにノウハウを教える作業の方が多かったです。

Modeling: 15 days for 1 hero modeling
UV layout: 5 days for 1 hero building 

Legend of the Guardians(0m52s ~ 1m03s)
このプロジェクトは僕が始めて関わったハリウッド映画でした。何もかもがはじめてて、非常に苦労した記憶も良い思いでです。このシーンの背景は2人のテクスチャーアーティストによって作られました。僕が担当したのは、中央の大きな木を除く、会議室すべてです。

また、ストーンパレスと呼ばれるアセットの玉座や壁面の岩などのUV、スカルプト、テクスチャー、ルックデブを担当しました。ストーンパレスは4人のテクスチャーアーティストが作業を分担して制作しました。

Parliament Room
Software: Maya, Zbrush, Photoshop and 3D paint
Texture and Sculpt : 20 days for the parliament all walls,ceiling and some props.
UV layout: 10 days for all my asets

Stone Palace
Software: Maya, Zbrush, Photoshop and 3D paint
Texture and Sculpt : 3 days for 1 assets of rocks.
UV layout: 1 days for all rocks
 
Godzilla nuclear Submarine Shots (1m04s ~ 1m20s)
このショットに使われている原子力潜水艦は2人のモデラーによって作られています。メインシェイプを一人が担当し、僕が担当したのは後尾スクリューから艦橋にかけてのディティールアップと仕上げ、UVを担当しています。

Modeling: 5 days
UV layout: 2 days

Fast and Furious 6 Crash Car Shots (1m21s ~ 1m27s)
このプロジェクトに登場する2種類の車をモデリングしました。ロードスターとシエトロンです。
このシーケンスでは、どの部分も一瞬ですが、カメラにすごく近づくので、エクステリアはもちろん、インテリアや背面のサスペンション、タイヤの溝まで細かくモデリングされています。

Hero Road Star
Modeling: 10 days
UV layout: 3 days

Citroen Xsara
Modeling: 5 days
UV layout: 2 days

Total Recall Passenger Bay Shots (1m28s ~ 1m33s)
このショットに登場するパッセンジャーベイと呼ばれる、サイボーグたちが座っている部屋、すべてのモデリングを一人で担当しています。

Modeling: 7 days
UV layout: 3 days

The Bourne Legacy Drone Landing Shots (1m34s ~ 1m43s)
このプロジェクトでは映画前半部分で非常に重要なアセットである無人戦闘機のモデリングとUVを一人で担当しました。

Modeling: 7 days
UV layout: 3 days

The Bourne Legacy Larx Crash Shots (1m44s ~ 1m46s)
ラークスと呼ばれる殺し屋のデジダブルをモデリングしましたが、担当部分は体のみで、顔は別のモデラーが担当しています。

Modeling: 7 days
UV layout: 3 days

Happy Feet Two(1m47s ~ 1m54s)
エンペラーランド中央のハブのスカルプト、テクスチャー、シェーディングを担当しました。その他にも多くの背景のスカルプトとテクスチャー、シェーディングを担当しました。また、レンダリングのためのアセットのクリーンアップやトラブルシュート的な役割も同時にこなしました。

Software: Mudbox, Mari and Photoshop
Texture and Sculpt : 10 days

Legend of the Guardians Class Room Shots1m55s ~ 1m59s)
このショットでは主に背景の教室ではなく、教室内の椅子や机、マップボードなどのプロップのスカルプト、テクスチャー、UVをすべてを担当しました。

Software: Maya, Zbrush, Photoshop and 3D paint
Texture and Sculpt : 5 days for one prop.
UV layout: 2days for one props.
  
Godzilla Vehicles (2m00s ~ 2m13s)
ゴジラでは大小含めて40以上の小物や乗り物、建物などを担当しましたが、紹介できるのは極一部です。

Japanese Fire truck 
Modeling: 7 days
UV layout: 3 days

Monorail include interior 
Modeling: 10 days
UV layout: 4 days


以上がデモリールのブレイクダウンになります。日本語のブレイクダウンを用意していなかったので、自分で書いた英文を読みながら書き起こしたので、なにやら文面が直訳っぽくて怪しいですが 。。。。(^^; 気にしないでください。

あ。。。。本当はブレイクダウンを含めたデモリールをアップしたかった。。。ま、契約なので仕方がないのですが。

2014年6月5日木曜日

【CG】ジェネラリストの潮流 後編

前回のエントリーより随分と間があいてしまいましたが、今回はジェネラリストについて少し紹介したいと思います。

ジェネラリストの採用が海外スタジオでも増える傾向にある昨今ですが、そもそもジェネラリストとは?日本のスタジオと海外スタジオのジェネラリストの違いについて紹介したいと思います。

前回のエントリー「ジェネラリストの潮流 前編」でも少し紹介しましたが、日本で求められるジェネラリストと言うのは、モデリングからコンポまで、全てとは言いませんが、多くの作業を一人でこなすのに対して、海外大手でもジェネラリストというのは、1つのメインスキルに対して、2つ3つのサブスキルを持っているアーティストという印象です。

また、日本でのジェネラリストの運用というのは、個人にショットないしシーケンスをまるまる一任するのに対して、こちらのスタジオ(あくまでも僕の経験の範囲内で)は、分業されたワークフロー、パイプラインをベースにタスクが割り当てられるという印象です。

具体的な例を出すと、今までの海外大手のスタジオというのは、やはり分業をベースに各スペシャリストが作業に当たるというのが常でした。
いわゆる分業制です。今までは分業制で働くアーティストはスペシャリストという印象だったと思いますが、昨今では分業制というシステムを採用しながらも、働くアーティストはジェネラリストという例が出てきました。

今までは一つの背景を制作するにしても、モデリングをモデラーが、テクスチャーは別のテクスチャーアーティストが作業するという感じです。
ところが最近ではENVIROMENT TDと言われる職種やENVIROMENTアーティストと言われるような新しい職種も誕生しつつあります。

要は背景に限り、モデリングやテクスチャー、ルックデブなどを一人のアーティストがこなすという日本の様なジェネラリスト制です。

ただ、日本のシステムとは少し異なるのは、あくまでもシステム的には分業制ですので、自分が担当したモデルを、そのまま自分でテクスチャー、ルックデブまで行うというわけではありません。
他人の作ったモデルにペイントすることもありますし、自分が担当したモデルをそのまま運良く、自分で最後まで仕上げることもあります。
ここは同じようなジェネラリストという扱いでも、少し日本とは異なる部分だと思います。

こちらのスタジオではあくまでもタスク管理は分業制を主体に考え、担当するアーティストがスペシャリストからジェネラリストに変わって来ているというのが正確な表現の仕方かもしれません。

これにはツールの発達により、複雑なこともツールを覚えることで容易に誰でもできたり、今までの資産(インハウスツールやアセット)を流用、再構築して使うために、すべてを1から作り直す必要がなくなってきたなどの理由が考えられます。

特に大手スタジオの場合は、過去のノウハウや資産というのは相当蓄積されていると思います。これらをうまく流用することで、スペシャリストと同等のアセットやシーン構築をジェネラリストでも行えるようになりつつあります。

その反面、スペシャリストの採用、働き方というのは徐々に制限され始め、雇用機会も減りつつありますが、基本的に海外大手スタジオの場合はシステムとして分業制を敷いていますので、職がなくなるということは今のところないと思いますし、エフェクトやリグ、アニメーションなどは、まだまだ個人スキルに依存する部分が多いセクションだと思います。

今後はさらに海外スタジオではジェネラリストの採用、雇用機会というのは増えてくると思いますが、スペシャリストの需要も決して少ないわけではありませんし、先ほども述べましたが、大手スタジオの多くが分業制というシステムでプロダクション運営されていますので、担当するアーティストがスペシャリストか?ジェネラリストか?という違い程度でしかありません。

今後もこいいった流れはしばらくは続くと思いますが、5年後、10年後は定かではありませんし、そもそも分業制やジェネラリスト制などとは全く別のシステムになっているかもしれません。

そういった時代の流れに取り残されないためにも、常にアンテナを外に向け、どういった事態、時代の流れにも対応できるように自分を磨く努力を怠らないようにしなければいけません。

ということで、僕も背景やプロップに限定するのではなく、多少なりともオーガニック系のモデリングについて知識、技術を身につけなければいけないなっという事で、次回はいくつかの書籍を紹介できればと思っています。自分の長所は更に伸ばしつつ、短所を克服する!ように今後は努めたいと思います。

それではまた次回(笑