2011年2月23日水曜日

【仕事】 渡豪一ヶ月経過して

ご無沙汰しております。早いもので、渡豪して一ヶ月が経過しました。はじめてきた時よりも、一度訪れた国ということもあり、非常に心にゆとりがある状態で仕事に取り組めています。

ただ、仕事の方は今年の冬に公開される映画だけに、いまは公開に向けたトレーラーの制作に追われる日々です。今週からOverTimeもしないといけないし、休日出勤もありますが、それでも仕事の方はかなり順調だといえると思います。(個人的に順調なだけで、グランドスケジュールは???ですがw)

日本での公開は決まってないと思いますが、4月か5月ぐらいにはアメリカの劇場などでCMが見れるんではないでしょうか?映像的には目新しさという部分では、あまり新鮮さはありませんが、よい感じにまとまっているとは思いますので、劇場公開された日には、ぜひ映画館で見ていただければと思います。

色々と日記のネタはあるのですが、最近は忙しくてなかなか時間を取れないので、また次回。
次回はオーストラリアでCGを学べる学校を紹介できればと思っていますが、別のネタも色々とたまってきているので、様子を見ながら更新していければと思います。

2011年2月8日火曜日

【CG】 California visual effects firms facing a bleak landscape 続編

さて、少し時間が空いてしまいましたが、前回の続きです。アメリカから仕事がアウトソーシングされることで、アメリカ以外の国ではチャンスであり、自国の産業を発展させるための大きなチャンスです。というメリットの話をしましたが、今回はアメリカからアウトソーシングされることでのデメリットを私見ですがご紹介できればと思います。

まずは、そもそもなぜアメリカからアウトソーシングされるか?と言うことを考えた時に、他国にアウトソーシングすることでコストが安く抑えられる!というメリットが根底にあります。
つまりアメリカ国内で制作するよりも、他国で制作したほうが、予算を安く押さえることができるのです。

なぜ、予算が安く抑えられるのか?それは税制優遇処置で税金を安くしたり、もともとアウトソーシングされる国の物価その物が安かったりっと、とにかく色々な要因は考えられますが、アメリカ国内で作るよりは、遥かに安い予算で映画を作ることができます。

しかし、予算が安くなると言うことは、それだけアーティストのサラリーにも直接影響してきます。
予算の少ない映画だと当然、雇えるアーティストの数にも限界がありますし、高給で働いていたアーティストも自分のサラリーを維持できなくなってきたりします。

そうすると、アーティスト同士が、お互いに仕事を得るために自分のサラリーを下げないと仕事を得ることができなかったり、仕事を得るための算段を色々と考えないといけません。

また仕事が世界中にアウトソーシングされたことで、今まで継続して、毎年大きな仕事を受注していたプロダクションが、プロジェクトとプロジェクト間が数ヶ月から半年と空きができたりして、常に一定数のアーティストをプロダクションが維持できなくなってきたりします。

その結果、アーティストの契約期間が極端に短くなってきているのが、現状です。FeatureAnimationの場合なら1年から2年の契約が見込めますが、LiveActionの場合、ほとんどが半年契約、長くても一年未満と言うのが、シドニーの現状です。

これはシドニーに限ったことではないと思いますが、世界中に仕事がアウトソーシングされたことで、映画の予算低下のために、仕事の継続的な確保、ある一定数の人員を確保できないと言う制作プロダクションが増えてきました。

当然ですが、プロダクションが閉鎖されれば、アーティストの働く場が更に無くなってしまいます。そうすると、また仕事を得るために色々な算段を立てなければならなくなります。

今の映画業界において、一つの会社で長く働くと言うのが、非常に難しくなってきているように感じます。これは僕が実際に就職活動、転職活動をして、実際に肌で感じたことですね。

今後、数年後がどうなっているかは、まったく想像できませんが、当分はアウトソーシング、予算低下、プロダクション、アーティストの価格競争は、当分続くのではないでしょうか???
実際に就職活動を通じて、僕はそう感じました。。。。。

2011年2月3日木曜日

【CG】 California visual effects firms facing a bleak landscape

さてさて、非常に興味深い内容を今泉さんのブログで紹介されていたので、すでに色々なCGサイトでも紹介されていると思いますが、ここでも読んでいない人のためにご紹介させて頂きます。

今泉さんのブログより以下引用

"California visual effects firms facing a bleak landscape"
「カリフォルニアのVFX業界は干からびた大地に直面している」

日本語訳
CG英会話 特別編:"LA Times -アメリカVFX業界の危機" 日本語訳

原文
California visual effects firms facing a bleak landscape



これらの記事の内容を要約すると、アメリカのVFX産業の危機的状況、国外への仕事の流出などのことが書かれています。
確かに、この記事だけを読むとアメリカのVFX業界の危機と読み取れますが、僕のようにアメリカ以外で働いている人にとっては、アメリカ以外でハリウッド映画に携わるチャンスでもあると考えられます。

この記事でも紹介されているように、ロンドン、カナダをはじめ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、インドなど現在のハリウッド映画は、世界中で制作されています。

アメリカでは確かに仕事が減少傾向にあるかもしれませんが、世界的にみてもCGの需要と言うのは間違いなく増えていると思います。
もちろん、映画だけに限らず、CMやイベント映像、テレビドラマ、ゲームなども含めてですが。

そう考えると、すべてを悲観的に考える必要もない気がします。仕事が世界的に減っていると言うのなら、それはまさにVFX業界の危機ですが、現状だと働く国をアメリカに制限しない限りは、仕事を得られる可能性がある訳です。

また、アメリカでの就労ビサの取得と言うのは、非常に困難なため、なかなかハリウッド映画に携わることができなかった人でも、カナダやオーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどは、会社がスポンサーにさえなってくれれば、まず間違いなく就労ビザを取得することができるでしょう。

一部の国では就労ビザ取得の際に、英語のスコアが必要になる国もありますが、それでもアメリカでビザを取得するよりは、遥かに安易にビザが取得できると思います。

この記事であげられた内容で問題視されている一つが、国外への技術流出、アウトソーシングされることでの、国内での雇用の確保ですが、逆説的に考えれば、これはアメリカ以外の国にとっては非常に大きなチャンスだと言えるのではないでしょうか???

僕の個人的な意見としては、当分はこのアウトソーシングの流れは変わらないと思います。また、すでにVFXという分野において、今までアメリカの独壇場であった物が、いまはそうではないと言う象徴が、この記事に書かれている気がします。

現に僕の現在勤めている会社でも僕のデパートメントだけで15人のアーティストがいますが、10カ国からの出身者で構成されています。
これは僕のデパートメントだけでなく、他のデパートメントでも同じです。同じく国の人たちだけで構成されたデパートメントと言うのは存在しません。
そして、僕が一番驚いたのは、極少数ではありますが、アメリカ人が家族を本土に残して、オーストラリアにまで働きに来ているという事実です。

こういったことから、現段階の流れとしては、アメリカ資本の映画の仕事が世界中に流れ出ていると言うことが言えます。
もし、これらのアウトソーシングされた仕事の一部でも受注することができれば???それはその国の産業にとっても、会社にとっても大きなチャンスに繋がると思います。

ただ、アウトソーシングされることで、アーティストにとっての大きなデメリットもありますので、次回はそのデメリットについても、ご紹介できればと思います。

2011年2月2日水曜日

【宣伝】 ガフールの伝説 本日発売

とりあえず、僕の脱サラ(嫁いわく)第一作目!Legend of the Guardians(邦題:ガフールの伝説)が本日発売です。

http://wwws.warnerbros.co.jp/guardiansofgahoole/

映画館で見れなかった方、映画館で見た方も!ぜひぜひご興味ある方はお買い上げ頂ければと思います。

ガフールの伝説 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

ストーリーはともかく、映像は非常に綺麗で、クオリティ高いと思うのでで(笑