2012年3月17日土曜日

【CG】 モデリング基礎編 その1 モデリングの種類 前編

今回は”モデリング基礎編”と題しまして、何回かに分けてモデリングの基礎知識、基礎技術を紹介していければっと思っています。

まず今回はモデリングの種類について。
モデリングには大きく分けて3種類(MAYA限定)の方法があります。
左からNURBS(Non-Uniform Rational B-Splines)モデリング、POLYGONモデリング、SUBDIVISIONモデリングの3種類です。




■NURBS(Non-Uniform Rational B-Splines)モデリング
NURBS((Non-Uniform Rational B-Splinesの略)曲線と言われる曲線を元に面(サーフェース)を作成していくモデリング方法です。
このモデリング方法は綺麗な曲面を持つ車や工業製品を製作する時に向いているモデリング方法です。

■POLYGONモデリング
これは現状、最もスタンダードなモデリング方法の一つです。ポリゴンモデルはポリゴンと呼ばれる面を面単位、または頂点単で編集して、形状を作っていくモデリング方法です。
もちろん向き不向きはありますが、ほとんどの形状をこの方法で作成することが出来ます。
またナーブスモデリングと違い、他のソフトへの形状移行が正確に行えるのもポリゴンモデルの特徴の一つです。

■SUBDIVISIONモデリング
ポリゴンモデルにベクトル情報を加えて、少ない頂点で綺麗な曲面を作るモデリング方法です。
基本的には頂点、面を編集するポリゴンモデルと考え方は同じですが、得られる結果が異なります。
分割方法は各ソフトウェアで微妙に異なります。


上記の3種類が主なモデリング方法ですが、実際に制作現場で使われているのは8割がポリゴンモデルで、残りの2割程度がナーブスモデリングです。
ただ、最終的にはナーブスで作成された形状もポリゴン化してしまうことが、ほとんどなので
制作現場で使われるモデリング方法は、ほぼポリゴンモデルだと思って頂いてかまわないと思います。
一部の会社などではナーブスモデリングを主にしている会社もあると聞きますが、僕の経験上では、ほぼすべてのモデルがポリゴンで作られていました。
そして、僕自身もうねったチューブやパイプ、スプリングなどの特殊な形状以外は、ほぼ100%ポリゴンモデルで作成します。

海外プロダクションの多くは基本的にはポリゴンモデリングでモデルデータを作成しますが
レンダリング時にサブディヴィジョン※1(再分割曲面)を使用するプロダクションがほとんどなので、実際のポリゴンモデルよりも滑らかな曲面でレンダリングされます。

※1再分割曲面
簡単に言うとレンダリング時にポリゴンを再分割(スムース)する様なニュアンスです。
厳密に言うと、MentalRaySubdiveやRendermanSubdiveなどレンダリングで使用するソフトウェアによって、ポリゴンの分割方法は微妙に異なります。


日本のプロダクションでは多くの会社がMentalRayやVrayなどのレイトレーサーをレンダリングに使用していますが
海外プロダクション(特に大手の映画系プロダクション)は、RenderManなどのRays系を使用している会社がほとんどです。
レンダラーの違いから、日本ではあまり馴染みがないサブディビジョンですが、海外プロダクションの場合は、多くのプロダクションが
レンダリング時にサブディヴィジョンをかける事を前提にモデリングデータを作成します。
そのため、僕の知る限りでは、日本のプロダクションと海外プロダクションでは、モデリングの方法が大きく異なります。


Raytracer系とReyes系ではレンダリング時にSubdivesionを使用した際のレンダリング負荷は圧倒的にRaytracerの方がレンダリングに負荷が掛かるため、日本ではサブディヴィジョンは、あまり使われていないのだと思います。

特にサブディヴィジョン+ディスプレイスメントを使用した時の負荷はRaytoracerの方が負荷は圧倒的に大きいです。
これはレンダリングのアルゴリズムに根本的な違いがあるのが原因なのですが、この当たりはモデリングの基礎の話とは少し外れるので割愛。

もしかすると、キャラなどは日本でも、すでにサブディヴィジョンありきのモデリングになっているかも知れませんが。。。
この辺は僕の専門外な部分なので、日本でキャラモデリングを専門にされている方のフォローアップに期待したいところですね。(^^;

今回は少し小難しい基礎理論的な話になってしまいましたが。。。次回からはもう少し具体例、図解をまじえながらモデリングの基本的な面取りの方法や
穴のあけ方、曲面の作り方、日本のモデリングと海外のモデリングの違いについて紹介していければと思います。

次回はモデリング基礎編 その2 正しいトポロジー!です。

3 件のコメント:

  1. いつも興味深く拝見しております。
    気になった点がございましたのでコメントさせて頂きます。
    「レイズ」アーキテクチャは、「Renders Everything You Ever Saw」の略で、綴りはReyesとなります。

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  2. どうも~「Rays系」と書かれてますがRendermanの「REYES」でしょうか?
    ちょっと気になったので…。

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  3. marupuraさん
    すいません。綴り間違いですね(^^;
    ご指摘ありがとうございます。修正しておきました→Rays→Reyes。

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