2012年5月25日金曜日

【CG】 モデリング基礎編 その4 エッジループの作り方

さて今回も引き続き、モデリング基礎編です。今回はエッジループを具体的にどうやって作るか?三角形はどうやって無くす?と言うことに注目して紹介して行きたいと思います。

まずは前回のエントリーでも紹介したとおり、エッジループで面をとる場合は、基本的には面を取りたいエッジの左右に1本ずつエッジを足した、最終的にはサブディヴィジョンを適用して、面を取る方法です。

【四角形】
一番基本的な面取りは下記のような四角形の面取りですね。
四角のそれぞれの角に中心に、左右上下にエッジを1本ずつ足すことで面取りすることが可能になります。



【円柱】
続いては円柱を作る場合ですね。円柱を作る上で最も重要なのが、円を形成するための頂点数です。ただ、形状が円柱に見えれば、それでOK!という訳ではありません。円柱を作成する場合に、僕が最も多く使う頂点数は8,16,32,64の8の倍数です。続いて状況に応じて6、12、24、48、などの6の倍数を使用します。デフォルトの10の倍数も不可ではありませんが、リダクションする際に、2で割った場合、最小頂点数が5と言うことで、上面、底面の三角形を処理できなくなりるので、特定の理由が無い限り、僕の場合は10の倍数はほとんど使用しません

こんな感じで、円周の周りに1本ずつエッジを足して、上面、底面の三角形を図の様に処理してあげれば、すべてを四角形に保つことが出来ます。


【球】
球に関しては、基本的に面取りを行う必要はありませんので、頂点超過(1つのバーテックスに対して、何本ものエッジが集まっている状態)と三角形の処理方法だけを紹介させて頂きます。
 こんな感じに頂点を処理すれば、頂点超過や三角形はなくなります。



続いては円柱の応用編として、背景には欠かせないパイプの作り方ですね。パイプを作成する場合、下図左のように、円柱同士をぶっさす感じでモデリングしてもかまわないのですが、この場合、突き刺した部分の接合部に溶接跡などのテクスチャーを描くの非常に困難になってしまいます。
(遠景でそういった汚しや溶接部分を描く必要が無い場合は問題なし)そこで、下図右のように繋げて(一体形成でモデリング)、エッジを足すことで、溶接して出来たかのような、繋ぎ目を再現することが出来ます。




他にも3本のエッジを1本に減らす方法や柔らかい曲面とシャープな曲面をエッジの感覚を調整することで、車のボディの形状のような複合的な形状を作成する方法などもありますが、それらはまた次回に紹介したいと思います。

上記で紹介した様な方法はエッジループを使った面取りを行うための基本事項ですが、本日紹介した方法だけでも、色々な形状をを作るための応用がききます。ぜひ、覚えていただき、実践されてみてはいかがでしょうか???

そして、以前ツイッター限定で出題した、北田栄二のモデリングチャレンジ!!!の回答と言うわけではありませんが、課題1から4までのワイヤーフレームを公開させて頂こうと思います。

※北田栄二のモデリングチャレンジ
ルールは至って、シンプル。サブディヴィジョンを適用する前提で、課題の形状をエッジループを使い面取りを行う。ただし、多角形、三角形の使用は禁止!一体形成された形状は、同様にポリゴンでも一体形成で作ること!ぶっさしモデリングは禁止!

課題1 サイコロ




課題2 ナットとネジ(ネジ穴は螺旋状に形成すること。)





課題3 ホイール


課題4 サスペンション



っという感じで、応用させれば色々な形状をエッジループを使って(サブディヴィジョンを適用させるため)作ることが出来ます。今回はほんの一例に過ぎませんが、ぜひ一度、皆さんもエッジループを使った面取り、サブディヴィジョンを適応させる前提のモデリングにチャレンジしてみて下さい!!!

<三角ポリゴン補足>
業務上、プロダクションによっては三角ポリゴンは使用不可というプロダクションも存在しますが、僕個人の考えでは、状況やレンダラーに応じて、三角ポリゴンの使用は可能だと言うのが、僕の考えですが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースにしたレンダラーを使用しているので、三角形を使用したモデルや頂点超過があるモデルの場合、時折、レンダリング時にエラーが出たり、三角ポリゴンや頂点超過部分だけレンダリング出来きない!と言うようなこともありますので、常日頃から三角形や頂点超過を極力使用しないモデリングを心がければ!っと思います。また、正しいトポロジーはリグやアニメーション、レンダリングにも優しいく、エラーもすくなくなりますからね!


【多角形ポリゴン補足】
僕のモデリング知識において、基本的に多角形ポリゴンは使用禁止です。理由は色々とありますが、先ほども述べましたが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースとしたレンダラーを多く使用しています。そのため多角形ポリゴンはサブディヴィジョンを適用した際に、トラブルになることが非常に多いです。そのため海外プロダクションの多くは多角形ポリゴンの使用を禁止しています。

次回も引き続き、モデリング基礎編 その5を予定しています。皆さんの参考になれば幸いです。

4 件のコメント:

  1. ちなみにうちは三角ポリよりも四角形でコンケーブしたポリとかスフィアの頂点のような超過したバーテックスはエラー原因でNGっす。

    返信削除
  2. >たくぽん
    あ、それうちもNGだよ。次回はエラーに起しやすいトポロジーでも紹介することにする~。

    返信削除
  3. 初めまして。ゲームのBGモデラーとして働いている者です。

    モデリング基礎編、大変興味深い内容で参考にさせて頂きます!次回も楽しみにしています。

    返信削除
  4. 今回も非常に参考になる記事ありがとうございます。
    背景モデラー目指して頑張ります!

    返信削除