2012年10月5日金曜日

【CG】 モデリング基礎編 その5 回答前編

またしばらく更新が滞ってしまいました。この所はフリーランスの仕事が忙しくブログに時間を割くことが出来ませんでした。

モデリングチャレンジと題して、皆様に課題を出していたモデリング講座ですが、回答を示さないまま中途半端な状態が続いていましたので、今回は回答前編ということで、僕が作成したサイコロ、ネジ、ナット、ボルトのモデルデータ(objファイル)を公開したいと思います。

本来であれば、ブログで丁寧に解説しながら、回答できればと思っていましたが、時間が避けないまま中途半端になるよりは。。。っと思いデータの公開、配布を決意いたしました。

今回、公開させていただくデータはあくまでもトレーニングの一環として作成したデータですので、ポリカウントなどは配慮していません。実際のプロジェクトでは更なるディテールを求められることもありますし、もっと軽いラフな形状を求められる場合もあります。

また、今回のモデルデータでは三角ポリゴンを使用せず、すべて四角ポリゴンで作成しています。
これもトレーニングの一環ですので、実際のプロダクションでは三角ポリゴンを使用する時もありますし、一体成形で作らず、パーツを分けたぶっさしモデリングで作成する場合もありまし、エッジループを使用しないでモデリングする場合もあります。
 実際のプロダクションでは求められる要素によって、クオリティ、アプリーチの方法は様々です。
今回、配布したモデルデータがすべての正しい解という訳ではありません。参考程度に考えていただければっと思います。

ただ、すべてを四角形ポリゴンで作成し、実際に一体成形された物は、一体成形で作成する。
これはモデリングに必要な観察力表現力(PhotoshopWorldTips参照)を身につけるには非常に良いトレーニングです。

また、以下のことをご了承頂いた上でダウンロードください。

  1. データの流用などはご自由にお使いください。ただし商用での利用は禁止とさせていただきます。あくまでも個人利用に限らせていただきます
  2.  データをダウンロードしたことでの、不具合に関しては一切の責任を負いません。
  3. データ公開は本日より7日間限定で行います。
  4.  質問などあれば、メールフォームにて受け付けますが、多少、お返事にはお時間がかかります。
上記をふまえた上で、下記リンクより、モデルデータをダウンロードしてください。

■モデルサンプル1(サイコロ、ネジ、ナット、ボルト)
(配布期間終了いたしました)


次回は回答後編ということで、ホイール、サスペンションのモデルデータの配布を予定しております。

2012年8月27日月曜日

外国人が日本で働くためには! 第二回

以前から企画していた新コーナー第二回目です。

前回記事はこちら
外国人が日本で働くためには! 第一回

 日本人が海外で働くためのブログ、エントリーを基本に書いてきましたが、今回はその”逆”で、外国人が日本で働くためには?とう切り口で、日本で働いた経験がある現役の外国人アーティストにインタビューを試みています。
外国人が日本で働くためには何が必要か?日本企業は何を変えるべきか?など大胆にインタビューを行いました。


今回の第回二目は、日本人の妻を持ち日本語、英語を自在に操る現役FX TD。バンクーバーにある大手プロダクションで現在は勤務しています。

※ 今回のインタビューは個人、企業への配慮を考え企業名や個人名など一切公開していません。


-Please introduce yourself and give us a brief summary of your work experience.
自己紹介と簡単な職歴の紹介をお願いします。

I've started seriously drawing and painting about 20 years ago. I went to art college and worked with pencils, paints and watercolors as well as prints and eventually computers. Professionally I started of as an illustrator but quickly moved into computer games as a modeller and texture artist. I became increasingly technical and my last 3 jobs have been as a VFX TD.

私は約20年前に絵を描き始めました。私は美術大学へ進み、鉛筆、絵の具や水彩画などを学びました。最終的に私はコンピュータで絵を描くようになりました。専門的に私はイラストレーターとしてのスタートでしたが、迅速にモデラーやテクスチャアーティストとしてのコンピュータ·ゲーム産業へ移りました。私はますます技術的になり、私の3つ目の仕事が現在のVFX TDとなっています。

-What was your job title and your responsibilities? How long did you work in Japan?
あなたの職種と役割を教えてください。また、あなたは日本でどれぐらい働きましたか?

I worked for several years as a game artist in a small company in Osaka before briefly working as a TD for a group of freelancers. It must have been 5 years altogether.
とあるフリーランサーのグループのTDとして働く以前に、私は大阪の小さな会社のゲームアーティストとして数年間働いていました。それは全部まとめ5に違いない。

-In general, how did you feel about working in Japan?(or more specifically, pros and cons?)
あなたは日本で働いてみて、どう感じましたか?具体的に長所や短所などあれば教えて下さい。

Working in Japan can be hard but also very interesting. Most of the difficulty for me was with noise. It's hard to explain but I find Japanese offices quite noisy. Living in Japan is quite good actually. I love the predictable weather, excellent restaurants, quirky everythings, onsen, and a thousand other things. 
And hey, stop living your life staring at mobile phones. Just saying. ;)

日本で働くことも非常に興味深いですが、非常に難しくもあります。私にとって最も難しかったのが雑音です。それを説明するのは難しいですが、私は日本の事務所がかなりうるさいと気づきました。実際には日本での生活は非常に快適で素晴らしいです。私は予測可能な天候、素晴らしいレストラン、風変わりな何もかも、温泉、幾多の事を愛しています。

そして私はただ言います。携帯電話を見つめるだけの人生を送るのはやめてください(笑



-What do you think are the differences between the working styles of Japanese companies and western-based companies?
あなたは日本の企業と欧米の企業のワークスタイルの違いについてどう思いますか?
Small companies work very much in a similar manner but there is a huge difference when compared to large western facilities. Clients in Japan want very fast results and often require major changes at the last minute. The Japanese are remarkable at what the can produce but it only works up to a point. You cannot pump out Avatar quality CG on a shoestring budget with a brief that changes 150% at 11.55pm. 

The dynamics of big projects is completely different. It is much more methodical and resource intensive than what you have at most, or any shop at all. Imagine spending weeks on a single effect, even months, with all the staff and hardware. You need big clients with deep pockets to do this.

小さな会社は、同様のやり方で非常に似た働き方をします。しかし、大きな欧米の会社と比較した時、大きな違いがあります。日本のクライアントは非常に迅速な結果を望み、土壇場で大きな変更をしばしば要求します。日本人、彼らが作り出すことができる物で、目を見張る物が存在するが、それはただ極一部のみで動作します。あなたは11.55pmに150%を変更する概要とわずかな予算でアバター品質CGを作り出すとはできません。

大きなプロジェクトのダイナミクスは完全に異なっています。あなたが持っている物、あるいはお店で購入する物より、それははるかにより順序正しい、また集中的な資源です。想像して下さい、個人で数週間働く効果と、スタッフ全員とハードウェアで何カ月も働く効果について。あなたはこれを行うためには深いポケット(予算?という意味なのかな???)と大きなクライアントを必要します。

-What elements do you think Japanese companies should change to improve the working experience of foreign artists?
外国人アーティストが日本で働くためには、日本企業は何を変える必要があると思いますか? 
Speak English! If you want to work internationally it is necessary to use an international language. It's difficult, it's inconvenient but that's the way it is. English isn't my mother tongue nor that of many of my coworkers but it is so important yet so lacking in Japan. However, if you have mostly local or national clients, of course it is not necessary.

英語を話す!あなたが国際的に活躍したいなら、それは国際的な言語を使用する必要であります。それは難しく、それは不便だが、それが現実です​​。英語は私の母語ではありません、また私の同僚の多くも英語が母国語ではありません。英語は日本に欠けています。しかし英語は非常に重要です。しかしながら、あなたが国内のクライアントのみを持つ場合は、もちろん英語は必要ありません。


-What elements do you think are necessary in an artist if he/she wants to work in Japan?
外国人アーティストが日本で働くためには、何が必要だと思いますか?
Be lucky. I don't know of any secret sauce to making it in Japan. Some fail, some succeed, and luck has a lot do with. Try and see!

幸運であること。私は日本でそれを作ることにおいて、他の秘密のソースを知りません。いくつかの失敗、いくつかの成功をするかもしれませんが、運が非常に大きいです。試してみてください!

-Including myself, many Japanese artists have been leaving the country to work overseas. How do you feel about this?
私自身も含めて、多くの日本人アーティストが海外で働くために、日本を離れています。それについてどう感じますか?

It is a global industry and everybody moves around all the time. It is a problem in the sense that we find it hard to settle down and live a normal life. I wish there was a serious international movie industry in Japan. I really believe that you have some of the most amazing artists in the world. You are dedicated, hard working and never complaining people and how great it would be to produce world class vfx in Japan. 

Build a Pixar studio in Yakushima and I'd drop everything and go there in a heart beat! Seriously, forget Tokyo, it's small, expensive and stressful. Plonk a bunch of artists and a world class facility into the gorgeous Japanese countryside and I guarantee you first class quality at low cost, with happy staff, family and businessmen. That is my dream!
それがグローバル産業です。また、誰でも常に動き回ります。私たちが落ち着き、正常な生活を送ることが難しいという意味では、それは大きな問題です。私は真剣に国際的な映画産業が日本であってほしいっと願っています。私は本当にあなたが(日本人が)世界で最も素晴らしいアーティストのいくつかを持っていると信じています。
懸命に働いて、不平を言わないアーティスト、そして、日本で世界クラスvfxを生産することがどれくらい素晴らしいでしょうか。
 

もし屋久島ピクサースタジオができたら、私は熱いハートを持って、すべてを投げ捨ててそこに行くでしょう!真剣に東京を忘れて下さい。それは小さくて高価でストレスだ。芸術家の群れ、および豪華な日本の田舎、地方(カントリーサイド)で世界クラス設備ができたら、私は幸福なスタッフ、家族および実業家と共に、低コストであなたにファーストクラスの品質を保証します。それは私の夢です。

-Please give a message to those who are willing to work in Japan or those Japanese artists who want to work outside of Japan.
日本で働きたい外国人、もしくは海外で働きたい日本人に対して、メッセージをお願いします。

Try it, but have a backup plan my dear friends.
挑戦して下さい。しかし、バックアッププランも用意して下さい。

以上がインタビューになります。私自身、英語に関しては、まだまだ未熟な部分が多々ありますので、翻訳に間違いがあるかもしれません。メール、コメント欄より、ご指摘頂ければ、後日修正いたしますので、お気軽にご指摘頂ければと思います。

まだまだ幾つかインタビューの翻訳が残っているので、すべてを終えた後に、僕なりの考えをまとめらればよいかな?っと思っています。

【宣伝】Total Recall and The Bourne Legacy

さてさて、更新がかなり滞り気味でしたが久しぶりの更新です。
久しぶりの更新で申し訳ないのですが、僕が関わった映画の宣伝させて頂きます。

一つは日本でもすでに公開されているトータルリコール、もう一つは9月28日より全国公開予定のボーンレガシーです。

Total Recall
公式WEBサイト
IMDB Total Recall



The Bourne Legacy (9月28日より全国公開予定)
公式WEBサイト
IMDB The Bourne Legacy



残念ながらトータルリコールではクレジットを貰えませんでしたが、俳優やストーリーは一新され、非常に見応えのあるアクション映画に仕上がっています。特にKate BeckinsaleとJessica Bielのアクションシーン、演技には注目してみてほしいですね!また業界関係者の皆様はVFX必見です!!

ボーンレガシーはボーンシリーズの4作目となり、主演はJeremy Renner。前3部作の続編ではなく、あたらしいエージェントの物語。
こちらも迫力あるアクション、随所に効果的に使われているVFX!必見です。VFXはトータルリコール程の派手さはありませんが、非常によい仕上がりになっていると思います。
こちらではクレジット貰えてので、ぜひクレジットで僕の名前も探して下さいね!

2012年6月12日火曜日

【宣伝】The Dark Knight Rises coming soon

さて、いよいよ全米公開(日本公開は7月28日)まで1ヶ月を切りましたね。そんな訳で、本日はThe Dark Knight Risesについて、少しだけ宣伝させて頂きます。

ここでは多くを語ることは出来ませんが、今の会社に移ってから最初に携わった映画です。あまり多く関われた訳ではありませんが、僕が初めて携わったライブアクション系(実写系)の映画と言うことになります。

詳細は下記にてご確認ください。担当個所も一瞬ではありますが、TRAILERに映ってますw
本編では、もう少し長い時間使われていると思いますので、ぜひ興味のある方は劇場に足を運んで頂き、楽しんで頂ければと思います



Official Web Site
Official Web Site Japan 
IMDB
Trailers

全米では日本より1週間ほど早い7月20日公開ですが、日本でも7月28日より全国公開の予定です。
ぜひぜひ劇場にて、バットマン最終章をお楽しみ下さい!

2012年5月25日金曜日

【CG】 モデリング基礎編 その4 エッジループの作り方

さて今回も引き続き、モデリング基礎編です。今回はエッジループを具体的にどうやって作るか?三角形はどうやって無くす?と言うことに注目して紹介して行きたいと思います。

まずは前回のエントリーでも紹介したとおり、エッジループで面をとる場合は、基本的には面を取りたいエッジの左右に1本ずつエッジを足した、最終的にはサブディヴィジョンを適用して、面を取る方法です。

【四角形】
一番基本的な面取りは下記のような四角形の面取りですね。
四角のそれぞれの角に中心に、左右上下にエッジを1本ずつ足すことで面取りすることが可能になります。



【円柱】
続いては円柱を作る場合ですね。円柱を作る上で最も重要なのが、円を形成するための頂点数です。ただ、形状が円柱に見えれば、それでOK!という訳ではありません。円柱を作成する場合に、僕が最も多く使う頂点数は8,16,32,64の8の倍数です。続いて状況に応じて6、12、24、48、などの6の倍数を使用します。デフォルトの10の倍数も不可ではありませんが、リダクションする際に、2で割った場合、最小頂点数が5と言うことで、上面、底面の三角形を処理できなくなりるので、特定の理由が無い限り、僕の場合は10の倍数はほとんど使用しません

こんな感じで、円周の周りに1本ずつエッジを足して、上面、底面の三角形を図の様に処理してあげれば、すべてを四角形に保つことが出来ます。


【球】
球に関しては、基本的に面取りを行う必要はありませんので、頂点超過(1つのバーテックスに対して、何本ものエッジが集まっている状態)と三角形の処理方法だけを紹介させて頂きます。
 こんな感じに頂点を処理すれば、頂点超過や三角形はなくなります。



続いては円柱の応用編として、背景には欠かせないパイプの作り方ですね。パイプを作成する場合、下図左のように、円柱同士をぶっさす感じでモデリングしてもかまわないのですが、この場合、突き刺した部分の接合部に溶接跡などのテクスチャーを描くの非常に困難になってしまいます。
(遠景でそういった汚しや溶接部分を描く必要が無い場合は問題なし)そこで、下図右のように繋げて(一体形成でモデリング)、エッジを足すことで、溶接して出来たかのような、繋ぎ目を再現することが出来ます。




他にも3本のエッジを1本に減らす方法や柔らかい曲面とシャープな曲面をエッジの感覚を調整することで、車のボディの形状のような複合的な形状を作成する方法などもありますが、それらはまた次回に紹介したいと思います。

上記で紹介した様な方法はエッジループを使った面取りを行うための基本事項ですが、本日紹介した方法だけでも、色々な形状をを作るための応用がききます。ぜひ、覚えていただき、実践されてみてはいかがでしょうか???

そして、以前ツイッター限定で出題した、北田栄二のモデリングチャレンジ!!!の回答と言うわけではありませんが、課題1から4までのワイヤーフレームを公開させて頂こうと思います。

※北田栄二のモデリングチャレンジ
ルールは至って、シンプル。サブディヴィジョンを適用する前提で、課題の形状をエッジループを使い面取りを行う。ただし、多角形、三角形の使用は禁止!一体形成された形状は、同様にポリゴンでも一体形成で作ること!ぶっさしモデリングは禁止!

課題1 サイコロ




課題2 ナットとネジ(ネジ穴は螺旋状に形成すること。)





課題3 ホイール


課題4 サスペンション



っという感じで、応用させれば色々な形状をエッジループを使って(サブディヴィジョンを適用させるため)作ることが出来ます。今回はほんの一例に過ぎませんが、ぜひ一度、皆さんもエッジループを使った面取り、サブディヴィジョンを適応させる前提のモデリングにチャレンジしてみて下さい!!!

<三角ポリゴン補足>
業務上、プロダクションによっては三角ポリゴンは使用不可というプロダクションも存在しますが、僕個人の考えでは、状況やレンダラーに応じて、三角ポリゴンの使用は可能だと言うのが、僕の考えですが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースにしたレンダラーを使用しているので、三角形を使用したモデルや頂点超過があるモデルの場合、時折、レンダリング時にエラーが出たり、三角ポリゴンや頂点超過部分だけレンダリング出来きない!と言うようなこともありますので、常日頃から三角形や頂点超過を極力使用しないモデリングを心がければ!っと思います。また、正しいトポロジーはリグやアニメーション、レンダリングにも優しいく、エラーもすくなくなりますからね!


【多角形ポリゴン補足】
僕のモデリング知識において、基本的に多角形ポリゴンは使用禁止です。理由は色々とありますが、先ほども述べましたが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースとしたレンダラーを多く使用しています。そのため多角形ポリゴンはサブディヴィジョンを適用した際に、トラブルになることが非常に多いです。そのため海外プロダクションの多くは多角形ポリゴンの使用を禁止しています。

次回も引き続き、モデリング基礎編 その5を予定しています。皆さんの参考になれば幸いです。

2012年5月20日日曜日

【CG】 モデリング基礎編 その3 ベベルとエッジループ

さて、今回も引き続きモデリングの基礎編。今回はベベルとエッジループを使った面取りの違いがわからない!という質問を頂いたので、前回のエントリーを少し補足する感じで、ベベル機能を使った面取りとエッジルールを使った面取りの違いについて紹介できればと思います。

まずは簡単な四角形を使ってベベル機能を使った面取りとエッジループを使った面取りを比較してみようと思う。


<ベベルを使った面取りの場合>
見ていただければ解ると思いますが、赤く表示された部分に三角形のポリゴンが発生したのを確認することが出来ると思います。これはMAYAベベル特有の機能かもしれませんが、複数のエッジが集まる頂点の処理に問題を持っています。またUVを展開した後にUVのボーダーエッジになっているエッジにベベルを使うとUVが破綻して壊れてしまう!というバグにも近い仕様がMAYAベベルにはあります。前回のエントリーでも述べた通り上記理由から、僕はベベル機能をほとんど使用することがありません。これはもちろん好みの問題もあるので、一概に正解というのはありません。



<エッジループを使った面取りの場合>


エッジループを使った面取りと言うのは前回のエントリーでも説明しましたが、面を取りたいエッジを中心に、左右に1本ずつエッジを足して、中心のエッジから左右のエッジの距離を調整して、面取りを行う方法です。
 この方法の利点は、ブロックモデル(プロキシーモデル)などに、そのままエッジを足す(多少、手を加える必要はあり)ことで、ハイモデル、ヒーローモデルへの流用が可能という点が大きな利点です。
また、ブロックモデル(プロキシーモデル)の段階でUV展開しておいても、UVのほとんどを変えることなく流用できることも利点の一つです。 ただ、この方法でモデリングした場合は、サブディヴィジョンを使用することが前提となりますので、MentalRayなどのレイトレーサーで扱う場合は、多少レンダリングに負荷がかかるモデリング方法だと言えると思います。


続いてはベベル機能を使って出来てしまった多角形や三角形がレンダリングに与える影響をご紹介したいと思います。

下記の図はベベル機能を使って作ったジオメトリです。上面に多角形と三角形があるのが確認できると思います。



こちらの下図は実際にレンダリング時に処理させる(レンダラーにより分割方法は異なる)多角形のワイヤーフレームになります。RenderManを代表とするReyes系のレンダラーはレンダリング時に、すべてのジオメトリをマイクロポリゴンと言う四角ポリゴンに変換しますが、MentalRayを代表とするRaytrace系のレンダラーは、レンダリング時にすべてのジオメトリを三角ポリゴンに変換することが多いです。なので、レンダラーがRaytrace系であれば大きな問題になりませんが、レンダラーがReyes系の場合は、多角形がある場合は、レンダリングにエラーが出てしまい、レンダリング出来ないケースも少なくありません。



※マイクロポリゴンをビューポート上で可視化させることは出来ませんので、今回は割愛させていただきます。

下図は同様にエッジループを使って面取りを行ったケースです。どのポリゴンもほぼ正四角形に近い状態で保たれています。
(サブディヴィジョン適用前なので、形状はブロックモデルの時と変化ありませんが、サブディヴィジョンを適用することで角が丸く面を取ることが出来ます。)


下図では同様にRaytracer(レンダラーにより分割方法は異なる)でレンダリングするときの分割線になります。見ていただければ解ると思いますが、すべてのポリゴンを正四角系に近い状態で保っていたため、分割された三角形も、ほぼ左右対称で同じ形状に分割されているのがわかると思います。これはリグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングを行う上で非常に重要なことです。モデラーはただシルエットをモデリングするだけではなく、正しいトポロジーをキープすることも非常に重要な役割の一つです。正しいモデリングを行うことで、リグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングでのトラブルの多くを防ぐことが出来ます。


続いてエッジループを使った面取りを具体的に図をまじえながら紹介したいと思います。図の左側はサブディヴィジョン適用前、右がサブディヴィジョン適用後になります。見ていただければ解ると思いますが、サブディヴィジョン適用前は、ブロックモデルの時と何も変わりません。ただ、エッジが足されているだけです。もちろんUVも同じです。


こちらは上記モデルよりもエッジループの幅を広くした物です。ブロックモデルのときの形状は、UV共に変わりませんが、サブディヴィジョン適用後の面取り具合に違いがあるのが確認できると思います。これがエッジループを使った面取りという訳です。左右のエッジの幅を広くしたり、狭くしたりすることで、面取りの角度を調整する面取りの方法です。
※この方法を用いる場合、すでにUV展開の作業を終えた場合は、エッジを動かすのではなく、エッジを加えた後に、古いエッジを削除するようにしてください。バーッテックスやエッジを動かすことで、UVが歪んだり、破綻してしまいます。


続いてはおまけで、なぜ多角形がいけないのか!?と言うことご紹介したいと思います。まず下図のような多角形平面を作成してみました。見た目は非常に綺麗な平面ですが、レンダリング時の分割線を見てみると。。。。。。


こちらがレンダリング時の分割線です。見ていただければ解ると思いますが、どの三角形も形状が異なり、細く長く伸びた三角形になっていることが確認できると思います。

Raytracerの場合は、レンダリング時に三角ポリゴンに変換するので、多角形でも完全平面であれば、問題なくレンダリングすることは可能ですが、湾 曲した曲面や完全平面でない場所に、細く長く伸びた三角形があると、Raytracerでもレンダリングのエラーになる場合があります。最近はレンダラー も発達して、多少の不正なポリゴンなどでも、内部的に自動処理して、レンダリングすることも可能ですが、必ずしもレンダラー側で処理できるとは限りませ ん。特にReyes系のレンダラーの多くは多角形ポリゴンをサポートしていません。(特にサブディヴィジョンを扱う場合は特に問題になることが多いで す。)

なので、モデラーは格好いいシルエット、モデルを作ることも重要ですが、内部的に正しいトポロジーも同時に作成する必要があります。背景やハードサーフェースに比べて、特にキャラモデラーを目指す方は、特に正しいトポロジーと言うのを意識された方が良いでしょう。キャラの場合は、リグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングと多肢のセクションと関わることになります。
正しいトポロジーでなかったために、不要な問題、トライアンドエラーを抱えてしまい、他セクションに多大な迷惑をかけることにもなりかねません。


と言うことで、今回はベベルとエッジループを使った面取りの比較を行ってみました。今後、モデラーを志す学生さんや、モデリングについての知識を深めたい方の参考になれば幸いです。

あと補足ですが、ベベル機能、三角形ポリゴンが悪い、使用しちゃいけない!という訳ではありません。要は長所と短所を理解して、使い分ければどちらも非常に便利な 機能です。

すべてを四角で、極力正四角形に近い状態にトポロジーを保つと言うのは、非常に長い時間を要し、困難な作業です。ある程度の経験も必要になってきます。なので、要はレンダラーなどの長所、短所を理解した上で、迅速かつ適切な方法を選択すると言うことに限ると思います。

ちなみに僕はレンダラーがMentalRayやRaytrace系だった場合、けっこう三角形は使ったりします。ベベルは個人的にあまり好きじゃないので、レンダラーに関わり無くほとんど使用しませんがwこの辺は、何度も言いますが、好みの問題ですね(^^;
あと多角形は絶対に使いませんね。レンダリングだけでなく、アニメーションやリグ、シュミレーションにも悪影響がでますので。

次回は更に掘り下げて、トポロジーについてご紹介できればと思います。

2012年5月13日日曜日

【CG】 モデリング基礎編 その2 ベベルとスケール

さて、少し前回のモデリング基礎編から期間があいてしましましたが、今回はモデリングの中でも、僕が特に気を使っているベベル(面取り)について紹介したいと思います。

ベベル(面取り)はオーガニックモデルやキャラクターモデルを作る際には、あまり頻繁に行う作業ではありませんが、ハードサーフェースを作る際には非常に重要な要素になってきます。

そして、僕がモデリングの際に綺麗なトポロジー(不正が無い)を作ることと同じぐらい、最も気をつけている作業の一つです。

ベベル(面取り)はスケール感を作る上で、非常に重要な要素です。また、面を取ることでオブジェクトに綺麗なハイライト(スペキュラー、リフレクション)を与えることが出来ます。

それでは、一言でベベル(面取り)と言っても、実はいくつかの方法と用途があります。
今回はそれらの方法と用途について紹介できればっと思います。


<面取りを行わない場合(サブディヴィジョン不適用)>


上記図の様に遠景に私用するモデルの場合やマットペイント用のベースモデルなどの場合は、あえてベベルを行わない場合がほとんどです。
面を取ることでスケール感が損なわれ、ミニチュアのように見えてしまいます。
また面取りを行うことで、遠景のモデルにも関わらず、ポリゴン数の増加にも繋がります。
上記のような理由から、遠景モデルではベベル(面取り)を行わないことが多いですが、プロダクションによっては、遠景近景関係なく
きっちりとリアルスケールの面取りを行うプロダクションも存在します。




<ベベル機能を用いたい面取りの場合(サブディヴィジョン適用可)>


これはMAYAやMAXのモデリングツールを使用して面取りを行うケースです。基本的には近中景用のモデルを作成す時に、よく用いられる方法です。またセグメント(分割)次第では、面取り後にサブディヴィジョンを適用することも可能です。
ベベル機能は便利で非常に扱いやすいので、使用されている方も非常に多いと思いますが、僕は大きな面を作るとき以外は、ほとんど使用する事がありません。
僕がベベル機能を使用しない理由はいくつかありますが、最も大きな理由はベベルの幅が選択されたエッジですべてが均等になり、スケール感、リアリティが損なわれる。
また、面取り後の角に三角ポリゴンや多角形ポリゴンが出来たり、モデリング終了後の修正で面取りの幅、間隔の修正を修正したい時に、修正が非常に困難であるという点で、僕はよほど大きな面を作る時以外はベベル機能を使用しません。
この辺は、個人の好みもあると思いますが(^^;


<エッジループとサブディヴィジョンを用いた面取りの場合>



この方法は近景モデルやヒーローモデルを作成する際に作成する方法で、面を取りたいエッジを中心に左右に1本ずつエッジを足す方法です。この方法は最も海外プロダクションで多く用いられている方法です。そして、僕が最も好んで行う面取りの方法でもあります。面や角が常に平面に保たれて居いることが多いので、サブディヴィジョンを適用することが前提のモデリング方法になります。
また、この方法で面取りを行った場合、角の不正な多角形や三角形の発生を防ぐことも出来、モデリングが終了した後でも、エッジループの間隔を調整することで
UVの破綻を来たすことなく、簡単に面取りの幅を調整することが可能です。またサブディヴィジョンを適用することで、非常に現実世界に近い形の面取りを行うことが可能です。

 ベベル(面取り)の方法や用途、サブディヴィジョンの適用、不適用はプロダクションのルールやワークフローなどにより異なります。一概にこれがベストな面取りの方法です!というのはありませんが、海外で作成されるモデルの多くは、エッジループとサブディヴィジョンを用いたモデリングが非常に多いです。海外就職を意識される方は、この方法を意識してモデリングに取り組まれたはいかがでしょうか???

質問や不明な点などあれば、お気軽にメールフォームかツイッターなどでご質問頂ければと思います。

次回は更に具体的なエッジループを用いたモデリング方法、テクニックをいくつか紹介したいと思います。