どうもです。いよいよ今年も残すところあと1日ですね。本日のエントリーはSIGRRAPH ASIA番外編ということで、僕なりに考える海外就労の今をお伝えできれば!っと思います。
今年もブログやシーグラフを通じて、海外就労を目指す色々な方と出会ったり、メールフォームから色々な質問を頂きました。本当にありがとうございます。
そんな中、自分なりに”海外就労”という物について、再確認する上でも、良い機会と成りました。
今年出会った(メールフォームなどからの質問も含めて)海外就労を目指す人の多くが、海外就労の良い部分、メリットしか見えていないという事に気がつきました。
海外就労に関してお話、メール交換させていただいた人の多くが学生であったり、日本のCG業界に不満を持つ人たちだったりと、海外就労で何がしたいのか?という明確な目的、目標を持っている人が非常に少なく感じました。
これらの原因として、僕なりに考えてみたのですが、近年では僕のブログをはじめ、鍋潤太郎さんの海外就職の手引きや海外で働いている日本人アーティストが一時帰国された際に行われるセミナーなどを通じて、今までよりも容易に海外就労についての情報を集めやすい!という背景があると思います。
当然ですが、僕も含めて日本人アーティストには海外就労を通じて、良い経験、ワールドスタンダードな仕組み、技術を学んで、日本に持ち帰って欲しいという願いから、色々とポジティブな部分、メリットなどを伝えてきましたが、残念ながら情報過多で、少し頭でっかちになっている学生や海外就労を目指す方が増えて来た様に思います。
これは僕自身にも少しは責任があるのかな?っという思いで今回のエントリーを書くことにしました。
以前のエントリー”海外就職のデメリットとリスク ”でも述べましたが、海外就労に関してはメリットも非常に大きいですが、デメリットも伴います。
必ずしも海外就労は成功する訳ではありませんし、今後、学生(特に日本人学生)は、海外就労において、同じ学生という立場では、他国の人たちより、圧倒的に不利だという部分を認識する必要があります。
例えば、技術が同じレベルであれば、アジア諸国の学生と日本の学生では日本の学生の方が圧倒的に不利です。これはコミュニケーションの問題とコストの問題です。
現在、ハリウッド映画の制作の多くは、アウトソースで行われており、世界中で制作されています。
そんな中で、コストを少しでも安く抑えるために、アジア諸国へのアウトソースも積極的に行われています。
そこにジュニアレベルで、しかも英語が話せないローカルの学生よりもコストが高い日本人を雇うメリットはプロダクションにはありません。
そういう意味で、新卒でいきなりの海外就労というのは不可能ではありませんが、非常に難しいというのが現状です。
また、日本で働いておられる会社員、フリーランスを含むプロの方でも同様です。コストとコミュニケーションの問題から、どこの国でも海外就労経験がない人をあえてVISAサポートまでして雇うメリットというのは非常に少ないです。
コミュニケーション能力に乏しく、コスト的にも高い日本人が海外就労を勝ち取るのは並大抵のことではありません。
そこにあえて挑戦する!海外で働きたい!っと思う人たちの動機、目的が、最近は少し安易なように感じます。
僕が意見交換させて頂いたプロ、学生を含む方々の多くが
・日本のCG業界への労働環境への不満を理由に海外就労を目指したい!
・最近、海外で働いている日本人が増えたので自分も働いてみたい!
・国内で働いてみて、うまく行かないので海外で働いてみたい!
などなど、どちらかといえば、不満が原因で海外就労を考える人も増えて来た様に思います。もちろん、動機は人それぞれなので、安易に否定できませんが、僕自身が意見交換させて頂いた方々は非常に動機が薄いというか、情熱的な物にかけている気がしました。
どうしても海外じゃないといけない!海外でないとできない!だから海外に行く!という強い意志が感じられる人は非常に少ないと感じました。
僕自身は常に日本人アーティストの海外就労に関しては賛成ですし、挑戦してほしいと思っていますが、決して安易な気持ちでは成功はなしえない!失敗した時にリスクを伴うということを、再度、確認して頂きたいと思い、今年最後のエントリーをこういう形で行わせて頂きました。
かといって、リスクを恐れていても何も出来ないし、結局は海外就労できるか、できないか?っ手のは個々人の選択、 裁量なので。。。。非常に難しい所ではあるとおもうのですが。
ただ、僕自身は今後も海外のプロダクション事情や海外就労についての情報は出来る限り発信して行きたいですし、海外就労を目指す方々の手伝いが出来ればと思っています。
今年最後のエントリーが、少々重い話になってしまいましたが、 日本国内を早々に諦めて、海外就労へと安易に考える人たちが増えてきたのでは?っと思い、警報を促す意味でも今回のエントリーを書かせて頂きました。
最後になりましたが、今年一年、ブログを愛読していただいた皆様、公私共々お世話になった日本のプロダクションの皆様!今年一年本当にありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願い致します!
来年は新春企画として”外国人が日本で働くためには!? 第3回~第6回”までを連日でお伝えできればっと思っています!
それでは、来年も一年よろしくお願い致します!
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