2011年9月7日水曜日

【CG】 職種色々 その4

さて、本日は職種色々も第4回目です。今回はLighting ArtistとCompositorについてのご紹介です。

僕はLiveActionの経験がほとんど無いので、基本的にはFeatureAnimationでの役割紹介になります。
日本の場合はLightingArtistがFeatureAnimationでもLiveActionでも兼任、同一のアーティストが受け持つケースが多いと思いますが、海外でもFeatureAnimationに関しては、その傾向が出てきています。
ただ、これはプロダクションによって、随分と違ってくると思うので一概には言えないですが、僕が経験したプロダクションはLightingArtistがCompまで仕上げるケースがほとんどでした。
それじゃ、Compositorは居なかったのか?と言うとそういう訳ではなく、Compを専門にしている人は少数ですが存在しました。
少数のCompositorの役割としては、LitingArtistがCompをするための雛形Treeを作成したり、スクリプトでコンポのためのサポートツールを作成したりと、どちらかと言えばCompositorと言うよりはCompTDのような役割を果たす人が多かったように思います。
その中でも、さらに少数のCompsitorは難しい合成ショットやFXがらみのテクニカルなショットなどを専門に担当している人も居ましたが、基本的にはLightingArtistが最終Compまで手掛けていました。
おそらく、LiveActionの場合だと、全然違った役割になってくるんでしょうね。

【Lighting Department】
この職種に関しては、純粋にLightingだけをしているArtistと言うのは、ほとんど居ないのではないでしょうか?LightingArtistはRenderingという部分で、非常にテクニカルなスキル、知識を求められることが多いので、多くのArtistはLightingTDというテクニカル職で呼ばれることが多いです。また、Rendering時にトラブルが発生したときに、何が原因でレンダリングに不具合が出たのか?などトラブルシュートに必要なRendering、Shadeingに対する高い知識が求められる職種でもあります。最終的な絵を作る上でアーティスティックな職種だと思われがちですが(もちろん絵作りのための感性も重要ですが)、非常に高いテクニカルな知識も求められる職種です。

Lighting職種色々
-Lighting Supervisor
-Lead Lighting Artist
-Lighting TD
-Lighting Artist

基本的な業務の内容としては、ショットベースのシーン構築(ほぼツールで自動化)の後、Lighting、Renderingという部分が主な業務内容になりますが、プロダクションによっては、Compまで担当するケースも存在します。逆にRenderingでPath出ししてPrecompまでして、最終CompはCompositorが引き継ぐプロダクションもあり、これはプロダクションにより大きく異なると思います。LiveActionを主に作業しているプロダクションでは、Comp専任のCompositorと言うのが常識だと思いますが、FeatureAnimationの場合は必ずしも、専任Compositorが居る訳ではないと言うのが近年の傾向のような気がします。

これは僕の個人的な意見ですが、LiveAction、FeatureAnimationに関わらず、最終Compは専任のCompositorが行いべきだと、僕は常々思っています。やはりLightingとCopmositingでは求められる知識、技術に違いがありますし、実際の映画制作に置き換えたときに、照明さんが、Film編集するって言うのは、何かしら違和感を覚えます。
だから、僕自身はCompはあくまでもCompositorが行うべきだと言うのが、僕の考えですが、最近の傾向としてはLitingArtistが兼任するケースが非常に多くなってきています。

【Compositing Department】
基本的にはLightingArtistから出力されたRenderPathを基に合成、出力するのが主な業務です。海外の場合は、日本と違いCompにはノードベースのソフト(Nuke、Shake)を使うのが主流で、映画でAfterEffectsを使用して、Compしているケースは非常に少ないと思います。

また、海外ではLiveAction、FeatureAnimationに関わらずリニアフローでCompされることがほとんどなので、出力されるRenderImagesはOpenEXRフォーマット(Float)が主流で、sRGB出力(8bit)されることはほとんどありません。この辺は、日本と海外で非常に大きな違いだと言えると思います。日本ではリニアフロー自体が、それほど理解されておらず、根付いていないので、未だにsRGB出力が主流になっています。最近では国内でも徐々にリニアーフローも広がりつつあるようですが、その理解度は、海外プロダクションに比べれば、まだまだ低いと言わざるをえません。

Comp職種色々
-Composite Supervisor
-Lead Compositor
-Compositor
-CompTD

これはCompだけに限らないのですが、僕が経験したプロダクションでは、同じCompositorという職種でも、業務の難度や重要度で仕事が振り分けられていました。Jr、Midle、Seniorによって同じデパートメントでも、業務内容が細かく分業されていて、Compの場合はJrはマスク切ったり、バラ消ししたり、Midleは簡単な合成を中心にJrのフォロー、Seniorは難しいショット、メインショットなどの合成、スクリプ作成など、細かく分業されていましたが、他国、他プロダクションでも同じような分業をしていたかは不明です。

FeatureAnimationの場合は基本的には実写合成が無かったので、LightingArtistがCompを行い、最後の仕上げ、カラコレなどは専任の数名のCompositorが行うスタンスでした。

またCompTDは基本的には合成作業は行わず、フィルタやインハウスツールの作成、自動化のためのツール作成、メンテナンス、テクニカルフォローを中心に業務を行っていたので、僕の印象としてはCompositorという印象は非常に薄く、テクニカルアシスタント的な立ち位置だったように思います。

※今回も僕の専門外の職種ですので、あくまでも僕が経験し、見聞きした内容です。他国はこんな感じで作業してます!とか補足があれば、ぜひぜひフォローアップして頂けると幸いです。

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