2010年6月30日水曜日

【その他】 帰国に伴って更新不定期のご連絡

帰国に伴ってネット環境が使用できるのが、インターネットカフェかマクドナルドしかないので、帰国までしばらく不定期更新になると思います。
(おそらく帰国して、すこし落ち着くまでは更新できないかもしれません。。。)

次回内容は”英語会話能力、必要性性以上に大事なコミュニケーション能力について”か”海外武者修行 その5 今後の展望について”を予定しています。

次回更新まで今しばらくお待ちください。
Eiji

2010年6月28日月曜日

【生活】 海外武者修行 その4 ふりかえる成功と失敗

さて、本日は僕の海外修業体験記の第四回目です。無事にALとの契約を終えて、僕の海外修業も一段落した訳ですが、自分なりに成功した点と失敗した点をふりかえってみようかと思います。

成功した点
これは色々とありますが、まずは一番大きな成功は海外プロダクションへ転職できたこと自体が大きな成功だったと思います。
また、自分の夢でもあった長編映画の制作に参加できたこと。家族との素晴らしい時間を共有できたことが大きな成功でした。
そもそも海外転職の目的が長編映画制作への参加、仕事と家庭の両立だったので十分に目的を果たせたと思います。
また、家族そろって異国の文化や環境で暮らせたことは、今後の大きな財産になると思います。
本音を言えば、もう1,2年はシドニーに留まりたかったですけどね(^^;

他には仕事面でも、海外プロダクションのパイプライン、ワークフローを体験できたことは大きな成功だと言えると思います。
ただ、アメリカ大手のプロダクションやWetaから来たアーティストはALのパイプラインとワークフローに文句ばかり言っていましたが。。。。
「なんだこのツールは!Wetaにはもっと便利なツールがあるのに!!」とか「なんでこんな単純な作業がオート化されてないんだ!!!」とかとか。僕からすればALのツールですら、目から鱗だったのに。。。。。
いったいアメリカ大手のプロダクション、Wetaはどれほど充実したパイプライン、ワークフロー、ツールが構築されているのか興味津々です。僕自身、一度はそういう経験をしてみたいものです。

あとは外国人の友達が多くできたこと。人材ネットワークが一気に広がりました。英語も日本に居た時よりかは多少は進歩したと思います。特に人材ネットワークが広がったのは、今後の職探しに大きな助けとなると思います。
ソフトやツールに関しても、新しい知識を得たし色々なことを勉強できました。新しいことだらけで、苦労する点も多かったですが、それも良い経験だったと思います。

失敗した点
大きな失敗は3つあります。一つは家庭の問題です。家族で一緒に過ごすという目的で海外に来た訳ですが、僕の契約延長と妻の妊娠、出産もあり8カ月の海外生活のうち、3か月を日本とシドニーで別々に過ごす羽目になったことです。シドニーで生活している間は、本当に充実した素晴らしい時間を過ごせましたが、思った以上に別居状態が長くなってしまって、妻に負担をかけたことは大きな失敗でした。

もう一つの失敗は契約期間の失敗です。僕自身は、もう少し契約を延長してもらうつもりでいたし、十分に延長してもらうだけの自信もありました。しかし、少し考えが甘かったようです。
そもそもプロダクションに仕事がない時点で延長はありえないのです。当たり前のことですが。
ALは現在のプロジェクトが終わると、次のプロジェクトまで少し期間があるようで、コアメンバーですら数カ月のOFFに入り、休養をとったのち、新しいプロジェクトに臨むようです。
だから、コアメンバー以外のアーティストはほとんど契約を延長できない状態です。もちろん次にプロジェクトが控えていれば、契約延長も更新も可能なのでしょうが、そもそも仕事がない時点でアウトです。
ここら辺は、僕の認識不足もあり、考えが甘かったっと反省しています。

最後の失敗はお金に関する失敗です。これは契約期間にも関係することですが、僕自身は1年から2年ぐらいはシドニーに留まるつもりでいたので、家具や家電、生活必需品を新規で購入しました。新規といっても格安の物を選んだんですが、それでも結構な出費になりました。
ま~~、初めての土地なので、土地勘もなく中古やレンタルがあることすら知らなかったので、仕方がないと言えば仕方がないですが。。。。
結局は帰国の際に、それらは処分するか、売買するしかなく金銭的にかなりの無駄遣いになってしまいました。
また、引越しに関しても、東京から実家の大阪へ、大阪からシドニーへ、シドニーから大阪へ!とまさに引越し支出のオンパレード。せっかく日本よりも良い給料をもらっていたにも関わらず、貯蓄という面で、ほとんどが移動費用、生活必需品の購入で相殺されてしまったことは大失敗でした。契約期間がもう少し長ければ、もう少し貯蓄はできたと思うんですが。。。。。
生活費も税金も思った以上に高くて、思いのほか貯蓄ができなかったのは大きな失敗でした。
ただ、この失敗は次に活かせる失敗なので、授業料を払って勉強できたと思って、前向きに考えることにしています(笑
それにしても短期間での海外引っ越しは本当にお金っかりますね。。。(^^;

ちなみに、独身の方は同僚数名とルームシェアをすれば、格段に家賃と生活費を抑えることができます。さすがに、僕は小さな子供がいたので、夜泣きや育児で迷惑をかけれないので、ルームシェアという選択肢はなかったですが、独身の方にはお勧めです。英語の勉強にもなるし一石二鳥です。参考までに。

仕事面での失敗は、やはり慣れるまでに思った以上に時間がかかったこと。制作ツールや環境の違いから、日本でできていたことが十二分に発揮できなかったこと。それに伴って、スーパーバイザーや同僚に迷惑がかかってしまったことが挙げられます。ただ、個人的には色々なことが経験できたので、良かったとは思っていますが。

まとめ
トータル的に初めての海外就職、海外生活としては成功だったと言えると思います。失敗も次に活かせる失敗だったし、僕自身は今回の武者修行については、満足のいく内容だったと思います。僕の今後に関しては、次回の”海外修業 その5 今後について”で心境を語りたいなっと考えています。

これから海外を目指す方が、僕の成功と失敗を参考に、更なる成功を収めてくれることを祈りつつ、今後も海外の生の情報がお届けできればっと思います。
また、例によって質問などがあれば、メールフォームより受け付けていますので、お気軽に連絡していただければと思います。

2010年6月27日日曜日

【質問】 質問にお答えします! その7

ふ~~、引越し作業も落ち着いたし、無事に2回目の面接も終わったのでブログ更新。
本日は質問シリーズ第7回目です。今回の質問はバリエーションに富んでますね。
それでは質問に答えさせていただきます。

23.就職、転職などにおいて、企業によって見る部分は全く違うと思います。スキル、人間性、過去に携わってきた作品などなど。北田様が海外への転職活動をされるにあたって、あちら(AL)側の企業の方が最重要視したされていたこととは何だったと思われますでしょうか?
僕が実際に採用側の人間ではないので、これは推測ですが、人間性ではないと思います。なぜなら海外プロダクションの多くは海外から人材雇用する場合、電話面接になります。数回の電話面接で人間性を把握するのは難しいでしょう。
(シーグラフや海外プロダクションのリクルーターが各国を回って行うJobフェスタなどを除く場合)
だから、僕が評価されたのは、やはり以前の会社での経歴、仕事の内容、作品が評価されたのだと思います。
人間性などは、やはり一緒に働いてみないとわかりませんから。ただ、一度一緒に働いて、人間性が評価されれば、次につながる可能性は非常に高くなります。新しいプロジェクトが始まるときに再度お呼びがかかるかもしれないし、一緒に働いた仲間が会社を紹介してくれたりもします。

24.海外でも日本のゲームは有名なので、SQUARE-ENIXに勤められていたこと時に携わった作品なども大きく影響していたりするのでしょうか?
これは非常に大きな影響があったと思います。特に僕のデパートメントのスーパーバイザーがFF好きということもあり、僕にとっては非常に幸運な出会いだった言えます。
電話面接の際も、質疑応答以外で話題を持てたことは、採用に向けて大きな影響があったっと思います。
日本のゲームメーカーは海外でも非常に評価が高いです。採用する側にとっては、日本の有名ゲームメーカーで働いていたことは一種の保障になるのかもしれません。

25.個人で自主制作などされた作品の方も技量を測る上での参考になされたのでしょうか?
参考にされていると思います。仕事というのは基本的にグループ作業です。仕事の作品だけでは個人の技量をはかるのは難しいでしょう。
もちろん職種によっては、仕事の作品だけでも十分に技量をはかることはできると思いますが、僕のような背景屋は、複数人で一つのロケーションを作ることが多いので、仕事の作品を見せるときは、自分が何処をどのように担当したか?を詳細に相手に伝える必要があります。
そういう意味で、個人作品は相手に自分のスキルを見せるための好材料にはなると思います。

26.キャラクターアニメーターを目指し、海外進出を考えています。そこで、次のステップアップのために国内ゲーム会社を次のステップにっと考えています。その反面、ゲームから映画に職がえするのは難しいと聞きました。実際のところはどうなんでしょうか?
僕はリアルタイムレンダリングの経験がないので、具体的に答えるのは難しいですが。。。
確かにゲーム(リアルタイム)から映像、映画(プリレンダー)に職変えするのは難しいという話を聞いたことがあります。
僕自身は、最終的に映画の仕事を将来的にやりたい!っと思っていたので、就職先を選ぶ時もリアルタイムは選択肢にありませんでした。とにかくプリレンダーを主にしている会社を探した記憶があります。
最終的に自分が映画の仕事をしたいと思うのであれば、やはり映像プロダクションか、映像部門を専門に持ったゲームメーカーへの就職、転職が海外への近道な様な気がします。
逆に海外ゲームメーカーを目指すのであれば、国内ゲームメーカーへの転職が近道のような気もします。
最終的には、自分が何処を目指すか?によって次のステップを考えられてはいかがでしょうか?
ちなみに、ALで僕のデパートメントにリアルタイム出身者は居ませんでした。他のデパートメント(アニメーターやライティング)にリアルタイム出身者がいたかどうかは不明です。
この辺は海外で働いている方で、詳しい方が居ればフォローをお願いします。

27.海外就職を目指しているのですが、国内の会社では、どのような傾向の会社に入社すれば、海外へ就職するための基礎力が身につきますでしょうか?私はかねてからFXに興味があり、北田さんのブログに描かれていた『VFXは特殊で、人手が少ない』というのを目にし、VFXを専攻しようか考えております。
どういった会社に就職するのが海外転職への基礎力が身に着くのかは、正直僕にはわかりません。
特にVFXとなると僕の専門外なので、なおさらです。。。(^^;
ただ、やはりVFXは少し特殊だと思うので、分業制をしいてる会社を探すのがよいのではないでしょうか?
分業制だとVFXに特化した仕事ができるので、VFXアーティストを目指すのであれば、専門的に勉強した方が良いと思います。

今回は専門外な質問が多かったので、うまく答えられたかどうかわかりませんが、参考になれば幸いです。

2010年6月24日木曜日

【予告】 質問にお答えします! その7

ちょっと面接と帰国、引越しの準備でバタバタしています。これから帰国まで少し不定期更新になるかもしれません。

そして、質問が少し溜まってきているので、次回は「質問にお答えします! その7」を予定しています。
質問がある方は、例によってメールフォームよりご連絡ください。

Eiji

2010年6月23日水曜日

【etc】 Really thanks! for Animals!

Hi everybody.

I leave Animal Logic in this week. I want to tell the feeling of gratitude to you.
So I send message to you by this mail.

My first overseas life was very hard and I excited.
You touched to me very kindly who cannot speak English. I was helped with your advice and kindness.
Since my skill was insufficient, I made you a lot of trouble. However, you followed up me.
I am really thankful to you. You and Sydney are special for me.
When possible, I want to return to Sydney and to work together with you again.

Thanks AL and Sydney!!!I got great experience and made a lot of friends in Sydney.
Please keep in touch by Linkedin or email

mail ; eiji0915@gmail.com
Linkedin ; http://www.linkedin.com/profile?viewProfile=&key=45310746&trk=tab_pro

To Surfacers

Yann
Especially I am thankful to you. Because You gave me the chance to work with Animal Logic.
And I'm knowing that I was helped by you always. Really thanks, Yann
Please contact me when come to Japan. I will guide Japan for you anytime.
If you want to go to Japanese VFX prodaction, I can guide for you anytime:)
See you again soon! My best boss! Yann.

Emiliano
You always helped when the trouble happened to me And you taught technical skill for me.
Thanks you for your technical advice! please contact me when come to Japan!
See you again! Nice Italian guy! Emiliano.

Fred
I think that you are the artist who helped me most.
I will not forget the over-night sitting work spent together with you!
Thank you for your help and hard work! See you again! Hard worker Fred!

Jens
You talked to me most first. I remember the thing at that time clearly.
I respect your sculpture skill. Your sculpture skill is really wonderful.
Good luck in your future! See you again Zbrush master! Jens!

David
You always made me laugh in cheerful word. You seemed to be my good English teacher:)
I do not forget "Fuck" said many times while you are working.
See you again! the cheerful Spanish! David.

Stephen S
At first, I thought you to be the scary guy. But my thought was wrong.
You were a cheerful drinker and dancer. You should dance "Bon odori" with me in Japan:)
See you again! The cheerful drinker Stephen S!

Sweekim
When do you finish your contract? I return to the home country a little early.
I hope that I work together with you in your countly! See you soon! Soccer loving guy! Sweekim!

Greg
I was not able to speak so much with you. However, I am thankful to you who gave the chance to work with Animal Logic.I will study English very hard. When I can speak English very well, you should drink Japanese Sake together with me.Thank you very much. You gave me a chance to working in Animal Logic. See you again! The Master Greg:)

Caroline
I was looking forward to your joke mail. Your joke always changed the office to a cheerful atmosphere.
See you again! The cheerful production manager! Caroline:)

Alfonso
Hi Poncho! I had few opportunities to work together with you. But I know that you are great modeler!
Please contact me when you come to Japan! See you again. The Yoga master Poncho:)

To HR and other

Caitlin
You were my wonderful adviser. Thank you very much for considering my family.
I think that I want to work with you again in the future. Please contact me if you need my help:)
I will go back here for you anytime. See you again Caitlin:)

Patricia
If you did not take charge of my ONLINE APPLY, possibly I was not able to work with Animal Logic.
Thank you for your phone interview. See you again! My best recruiter! Patricia:)

Esther
You were great help to my VISA acquisition. And Your advice was exact and appropriate.
Thank you for your advice. See you again! My best HR Esther!!

Zoe
I hardly talked you. But I remenber that I was helped your work reference when I rent my place in Sydney.
Thank you for your work reference. See you again! The beautiful HR Zoe:)

To the coworker who went away

Sanj
It was great meeting for me Sanj. Please keep in touch with me as long as possible.
Please do your best in the new office. If you come to play in Japan, please contact me!
See you again! super great coordinator Sanj!

Fabio
Do you enjoy in Japan? Do you also enjoy your off? Please do your best even if you go to weta!
Good luck in your future with Akari:) See you again! cheerful Italian guy! Fabio

Daniel G
Hey brother! how are you? I remember the home party held in your place.
How is next company? Are you enjoying a new life like a life in Sydney?
When you come to Japan, you should contact with me! See you again! my Mexican brother! Daniel G!

Camela
How are you? We have to meet again in Japan:) And We should held the Karaoke party in Japan! See you soon! pretty girl Cam!

Eva
How are you? What are you doing when you come back to Spain? Do you enjoy your new life?
When you go to Japan again, we should meet up in Japan. See you again! Sexy Spanish girl:)

Alice
You left the company. However, I discover you every day. Why do you play pingpong? :)
Your appearance seems to be a Japanese. I thought that you were Japanese, when it saw for the first time.
See you again! Pingpong girl! Alice.

Gary
How are you? You were always doing rock climbing. Are you climbing the rock now?
You shoud come to Japan and you should go to "Imekura" with me:)
See you again! The rock climer! Gary!

Stephen M
How are you? Did you come back to your country?
Please contact me when you come to Japan. I will guide you in Japan.
See you again! Stevie!

Erik
How are you? How about your home country Canada? Do you enjoy your new life?
I want to work together with you as long as possible! See you again! gaiant Erik:)

Ana
How are you? How is your child? I wanted to talk with you about child and family:)
When I can speak English well, I will ask you about your child.
See you again! The great mam! Ana:)

To Japanese coworker

シゲさん
シドニーでは公私共々お世話になりました。新しい職場はどうですか?もう慣れましたか?
こちらは出産もあるので、一旦帰国してからの新しい職場探しになります。
お互い海外生活大変ですが、また一緒にお仕事できれば嬉しいです。シドニーでは本当にお世話になりました。

Jack Matsumoto
シドニーでは色々とお世話になりました。まだお互い次の職場がはっきりしていませんが、また一緒に仕事できれば嬉しいです。
その時は、また家族ぐるみでお付き合いさせて下さい。色々とありがとうございました。これからもお互い頑張りましょう!

Yuko
何だかんだで、以前の会社で4年。ALで半年、一緒に仕事してるよね?
時には厳しいことも言っちゃったけど、今後もどこかで一緒に仕事できればいいよね。
また、日本帰ってきたら、皆で集まって食事行きましょう!!!残りの契約期間頑張ってね!

Good luck in your future!
Eiji


2010年6月22日火曜日

【生活】 海外武者修行 その3 はじめての仕事!はじめての経験!

さて、僕の海外修行体験記も第三回目を迎えました。海外で働いた人なら、誰しもが経験した!経験するだろうことを紹介してみたいと思います。

なれない環境、言葉、文化の中で生活したり、仕事したりと言うのは、自分が思っている以上に慣れるのに時間がかかると言う話を以前ブログで書いたと思いますが、はじめて仕事した時に体験したことを今日は紹介したいと思います。

まず、初めての海外生活で大変だったのが、普段の当たり前の生活を、当たり前にすることが大変でした。僕の語学力不足もあるのでしょうが、言葉は通じないし、何をするにも壁を感じました。
とにかく生活が落ち着かないと、仕事どころではありません。僕の場合は、僕も妻も初めての海外生活だったし、子供も生後8ヶ月程度だったので、本当に普通の生活を取り戻すだけでも大変でした。
生活が落ち着くのに大体1ヶ月ぐらいはかかると思います。それから、ようやく仕事に集中できる環境になります。

仕事も日本と全然違うワークフロー、異なったソフト。多くのインハウスツールなど、環境が日本とまったく違います。日本で当たり前にやっていた事が全然出来ません。CG初心者に戻ったように錯覚すらしました。実は僕は素人だったんじゃないか???って何度も思いました。簡単な修正にも思っている以上に時間が懸かって何度も凹みました。

特に違いを感じたのは日本のようにモデルを作りこむのではなく、シンプルなモデルにディティールはすべてディスプレイスメントで作り込んでいるのには、度肝を抜かれました。。。。
今までモデルで造形していた物を、描かなくてはいけなかったのです。。。。海外では何処も主にレンダーマンベースでサブディヴィジョンを使用していると思うのですが、これが僕にとっては初体験。
(レンダーマンサブディヴィジョンの使用経験はあったんですが、モデルがシンプルすぎて、そこに驚きました。)

他の海外プロダクションが同じようにシンプルなモデルを使っているかは解りませんが、ALの木や草、岩のモデルははサブディヴィジョンかけた瞬間に、けっこう細かいディティールが無くなってしまうので、細かいディティールはすべてディスプレイスメントで作りこみました。
もともとMudboxは触ったことあったんですが、Zbrushは触ったことが無かったので、まずツールを覚えるのに四苦八苦。ツールが使えるようになっても、他のアーティストと同じクオリティを出すのに四苦八苦。
インハウスシェーダーに関しても、ネットワークの組み方が全然日本と違うので、ここでも四苦八苦。
唯一普段と同じように使いこなせたのはPhotoshopだけでしょうか?Mayaに関してもカスタマイズされていて、なかなか馴染めませんでした。
もう!まさに入社したての新入社員の心境でした。それでもやはりツールは道具ですね。使い込んでいくうちに慣れてきて、徐々に思い通りの物が作れるようになってきます。
本当なら残業してでも、作業したり、ソフト覚えたりしたかったんですが、規則で残業は許可が必要だったし、限られた時間で他のアーティストと同じものを作らないといけないプレッシャーはけっこう辛かったですね。
特に僕の入社時期には、プロジェクト自体が過渡期に入っていて、ほとんど時間的な余裕が無かったので、なおさら自分の出来の悪さに凹みました。。。
それでも、何だかんだで色々な事を覚えたり、仕事の環境に慣れたり、ツールが扱えるようになって、他のアーティストと同じようなクオリティが出せるまで1ヶ月以上はかかったっと思います。

生活が落ち着いて、仕事に慣れるまで計2ヶ月ほど費やしました。今考えれば、何をそんなに焦っていたのか不思議に思いますが、初めての事ばかりで、いきなり何でも上手くできる訳がありません。

これから海外転職する人、しようと思っている人も僕と同じように、素人に戻ったような錯覚をすると思います。そんな時は、僕の経験から言えることは慌てずどっしりと構えて、自分のペースで作業するようにして下さい。
いくら焦っても日本と同じようにできる訳ではないです。焦って実力以上の物が発揮される訳でもありません。
慌てず、焦らずどっしりと構えて下さい。先方のプロダクションもスーパーバイザーも仕事はじめて数週間で結果を出せという様な無茶は言わないと思います。
ある程度、試用期間を見てくれると思います。そして、慣れたきてからペースアップ、クオリティアップしていけば問題ないと思います。

っと偉そうなことを言っても、僕自身は焦り慌てふためいて、自分の駄目さに何度も凹み、妻に「俺は駄目だ!」っと何度も愚痴を聞いてもらったり、日本の友達に慰めてもらったりしていたので(^^;
皆さんも同じような心境に陥ったら、僕のブログのことを思い出して頂ければっと思います。

初めてのことで全てが上手く行く訳ないので、失敗は失敗で次へ繋げれば良いと思います。これは自分自身にも言い聞かせていることですが。

あと海外転職を考えている人は、日本語対応しているソフトでも、出きるだけ英語版を使用する方がいいと思います。それだけでも、慣れるまでの時間を相当短縮できると思います。

【質問】 質問にお答えします! その6補足 国民健康保険

本日、無事に僕のデパートメントの仕事が終わりました♪昼以降、暇だったので国民健康保険について地元の役所に問い合わせしてみました。

前回のブログで国民健康保険も任意で継続可能と書きましたが、これは海外在住期間が6ヶ月未満の方(海外出張扱い?)だけが加入できるようです。
6ヶ月以上にわたって、海外に住所を置く人は加入は出来ないと役所の人に言われてしまいました。。。
僕が問い合わせをした時、僕の契約が当初は半年だったので、任意で継続可能ですっと言われたようです。
ただ、この場合は日本に住所がないと任意継続できないので、住所を両親の実家に移すなりして、住民税を半年間払い続ける必要性も出てきます。もちろん、住民税自体が前年度の給料を基準に支払われるでしょうから、結構な額を払う必要があるでしょうね。
単身で海外在住する場合は、妻、子供だけ日本に残して、そのまま国民健康保険に移行すればよいのですが、家族全員で半年以上の海外在住をされる場合は、基本的に国民健康保険の加入は出来ないようですね。
この辺も海外転職する上で、少し不便を感じます。なぜなら、正月やお盆など、日本に一時帰国した際に、子供が病気になった、事故で入院したなどと言うときに、全額自己負担になってしまうからです。

形式上、妻と子供だけを日本に残すとして、国民健康保険に加入するとしても、住民税は支払わなければならないので、医療費自己負担と住民税+国民健康保険料のどちらが得か?っていうバランスも難しいですよね?
小さな怪我や病気だけなら良いですが、事故や大病で入院っとなると相当な額を自己負担しなければいけなくなるし。難しいですねこの辺は。。。。

僕は現在、以前勤めていた会社の保険を任意継続(最長2年まで)しているので、あと1年は大丈夫ですが、それ以降は日本での医療はすべて自己負担ということになります。
国民年金は任意で継続できて、国民健康保険が任意継続できないのは、少し不思議な気もしますが、法律なのでこればかりは仕方がないですね。

自分たちだけなら良いのですが、やはり子供が小さいと医療のことは色々と考えてしまいます。

補足:念のため、海外転職を考えている方は、直接、自分自身で役所に問い合わせてみてください。

2010年6月20日日曜日

【質問】 質問にお答えします! その6

本日は前回の育児と貯蓄に関して大きな反響を頂きました。皆様も僕と同じく将来の育児や自分たちの生活について色々と考えていらっしゃるようです。

そこで、今回はオーストラリアでの育児、生活、レジャーについての質問と、オーストラリアの年金について質問を頂きました。それほぼ僕も詳しい訳ではないのですが、わかる範囲で答えささせて頂きます。

20.北田さんは年金はどのようにされいますか?毎月、日本の国民年金を納めているのでしょうか?
僕は今のところ国民年金を払っています。確かに将来的にもらえるかどうか不安はあります。個人的に貯金をした方がお金をためれるかもしれない?っとも考えましたが、妻と相談して結局は国民年金を支払うことにしました。

理由は色々とありますが、どこかの国で永住権的なものを取得しない限りは、日本人である以上、仕事のオファーがない、Visaの有効期限が切れたなど、帰国を余儀なくされた場合は日本で働かざるをえません。そういった最悪の状況も考えつつ、国民年金は今後も支払い続けるつもりです。
国民年金は海外在住でも支払い続ける事は可能です。支払う義務があるかどうかは不明です。。。
あと補足ですが、国民健康保険も任意で継続する事が出来ます。
(これは僕が役所で確認した時にできると役所の人が言っていましたが、少し情報が不確定なので調べ直す事にします。少々この件に関してはお待ちください。)
僕は現在、以前の会社の保険を任意継続で2年間加入しています。一応参考までに。

21-1.オーストラリアを始め、海外でも年金があるんですか?
他の国では解りませんが、オーストラリアではスーパーネーションと言う年金?(退職金制度?)見たいな物があります。これは永住権者、外国人労働者関係なく加入できます。
(加入義務があるかどうかは不明です。)
これは日本の年金と違い、労働者が負担するのではなく、雇い主が国の機関(?)に対して支払います。ニュアンス的には退職時にもらう退職金的な物を積み立てる感覚でしょうか?ただ、積み立てるお金に関しては、自己負担ではなく、雇い主負担で行われます。
スーパーネーションは退職時に申請すれば、もらうことが出来ますが。。。これがなかなかの曲者で、一人1回しか申請できなかったはずです。
(不確定な表現で申し訳ないですが、確か1回だけの申請だったと思います。)
だから、僕のように再びオーストラリアで働くかも?しれないっと思っている人は、申請せずにそのまま留めておきます。
そして、二度とオーストラリアに戻ってこない!っと判断した時点で申請すると言う感じでしょうか?
オーストラリアで働いている人(永住権者)は、このスパーネーションを目当てに50歳程度で退職する人が多いと聞きました。

21-2.もしあるのであれば、永住権の獲得するとどうなるか、国籍、現住所の関係性が知りたいです。
スーパーネーションとは別に、日本の国民年金のような物がオーストラリアにあるかどうかわかりませんが、あるとしたらおそらく永住権者しかもらえないと思います。もらえるのはオーストラリア国籍を持った人、オーストラリアで永住を認められた人だけだと思います。

22-1.オーストラリアでお住まいの地域での公園や、自然というとどんな感じでしょうか?
シドニーで働く場合、住むとすればシティと呼ばれるシドニーの中心地近郊に住む事になると思います。
シドニーは自然と近代都市が見事に融合したバランスの良い街だと思います。シティからバスで15分~30分も移動すれば、色々なビーチに行く事が出来ます。サーフィンやビーチバレーなども楽しめるビーチが多数あります。
またビーチには、テトラポットで作られた子供専用の波が静かなエリアがあり、そこで子供を海に慣らしたりすることができます。
ただ、日本のような潮溜まりがある訳ではないので、残念ながら潮干狩りなどのようなことはできません。
また、シティ近郊には大きな公園が多数あり、休日は多くの家族連れでにぎわいます。また、記念日などにはイベントも多彩です。
車を持っている場合は、相当色々なところを散策できて楽しいと思います。仮に車がなくても海辺、山、子供の遊び場、公園、ショッピングなどに不便を感じた事はありません。
特にキッズプレイスと呼ばれる子供の遊び場がいたる所にあります。
キッズプレイスは折で囲われて、地面が芝生、ウッドコート、人工ゴムなどで加工された子供たちの遊び場で、遊具なども多数設置されています。
地面が加工されているので、転んだりしても怪我の心配はありません。また、遊具にも安全を考慮した作りのもが多く、安心して遊ばせる事が出来ます。
あと補足ですが、世界の外交官、大使館員にアンケートを取った結果、シドニーは子育てのし易さ世界第1位だそうです。第2位はシンガポール、3位がバンクーバーらしいです。

22-2.また、週末などは、子供連れだとどんなレジャーがあるでしょうか?
僕は子供が小さかったので、週末は子供を連れて近所の公園やビーチで散歩した後に、カフェでブランチというのが定番でした。
あとは大きなショッピングセンターで、お茶や食事を楽しみつつ、1日ショッピングという事もできます。
動物園や世界遺産(ブルーマウンテン)なども近郊にあるので、足を伸ばしてみるのも楽しいかと思います。動物園はシティからフェリーで40分程度。ブルーマウンテンも車で1時間半程度の場所にあります。日帰りでいけるので、非常に便利です。
更に足を伸ばせば、ポートスティーブンスという大きな砂丘があり、ここでは砂上バギーにのって遊ばせたりする事ができます。
あとシドニーではBBQが盛んで、大きな公園では至るところにBBQ場があります。BBQ場じゃなくても、BBQはやりたい放題です。同僚のオージー曰く、オーストラリアでBBQはスポーツだそうです(笑
一家に一台、BBQセット!が常識みたいですね。。。僕は持っていませんでしたが(^^;

外食も多少割高になりますが、色々な国の食事を楽しむ事が出来ます。特にオーストラリアで人気のある食事は、日本食とタイ料理、中華料理、インド料理などです。特にタイ料理は日本食と並んで人気があり、非常に美味しいです。タイ料理は1プレート8ドル~12ドル程度で食べれるので、欧米食に比べて非常に割安です。欧米食のレストランの場合は1プレート20~40ドル程度かかってしまうので、家族で食事でかけると、すぐに100ドル、200ドルかかってしまいます。

さて、今回は年金とシドニーでの生活について答えさせていただきました。いかがだったでしょうか?

2010年6月18日金曜日

【その他】 お礼とお詫びと補足

本日は皆様にご報告させていただきたい事が3点あります。お礼、お詫び、補足の3点です。

-お礼-
気が付けば、ブログをはじめて1ヶ月。わずか1ヶ月で1万7000以上のアクセスを頂きました。一日500~多い日では800近いアクセスを頂いています。はじめた時は、まさかこれほどの反響があると思っていなかったので、本当に嬉しい限りです。また、色々なCG系サイトでもご紹介して頂き、本当にありがとうございます。今後も皆様に海外情報や経験、生の声を伝えて行くことが出来ればっと思っています。今後とも北田 栄二の海外武者修行をよろしくお願い致します。

-お詫び-
皆様に一言お詫びしたい事がございます。それは僕のブログでよく使う”海外”という表現。これは非常にあいまいな表現で、読んだ皆様が誤解を招く恐れがあると思い、この場を借りてお詫びしたいと思います。
”海外”という表現を使うと、基本的には日本以外の外国すべてと言う事になります。ただ、僕がブログで海外と言うと、基本的にはオーストラリアのことだと思って下さい。
もちろんオーストラリア以外の情報も含まれているので、僕は”海外”という表現をしていたのですが、あまりにも広いあいまいな表現だったと反省しています。
一口に海外と言っても、様々な国や地域があります。それをすべて含んだかのような表現をしてしまって、海外転職を目指す方たちの誤解を招いてしまったかもしれません。
僕のブログで記したことがすべて、全世界のプロダクションで当てはまる訳ではありません。ただ、そう思われても仕方がないような表現が多々ありましたので、この場をおかりしてお詫び申し上げたいと思います。

-補足-
上記でも述べましたが、僕がブログで示した事が、すべての国、プロダクションに当てはまる訳ではありません。ただ、僕自身の情報収集のポリシーとしては、生の声(自身の経験や自分で調べたこと、僕の知人、友人から直接集めた情報)のみを、お届けしたいと思っています。だから、今までブログで記した情報に関しては、すべて生の情報です。ネット、雑誌等に掲載されたているソース不明な情報は一切掲載していません。

しかし、僕自身で経験した事だけではないので、多少現実とことなる部分もあるかと思います。
また、生の情報とは言え、知人、友人を通じて聞いた情報には、タイムラグがあります。必ずしもそれが今現在、正しい情報とは限りません。そういったことをご理解していただいた上で、海外転職のための参考にして頂ければと幸いです。

今後もよりいっそう、自分のため、皆様のために海外での生きた情報を提供し続ける事ができるよう、日々精進していきたいと思います。
今後も、北田栄二の海外武者修行をよろしくお願い致します。

Eiji

2010年6月17日木曜日

【生活】 海外武者修行 その2 海外での貯蓄と育児

本日は妻子持ちで海外転職を目指している方たちのために、海外での育児と貯蓄について紹介させて頂きます。

本音で話ますと、海外で育児をしながら貯蓄をすると言うの少し難しいかも知れません。貯蓄は十分可能ですが、日本に居るときと大差はないと思います。単純に金銭だけを目的に海外転職を考えているならば、おそらく日本国内でフリーランスとして地道に仕事をしている方がお金は稼げると思います。
理由は色々ありますが、それは後ほど説明したいと思います。

給料だけを考えると日本よりも海外の方が単価が高く、日本よりも貯金が出来そうな気がしますが、実は海外では税金が非常に高く、家賃、子供用品、託児所、日本人学校など、日本に比べて非常に高いです。

税金は給料の25%~40%ぐらいです。所得が多くなるにつれて、税金も高くなります。

シドニーでの家賃は、以前のブログでも紹介しましたが会社の近郊に家族で生活するための物件を借りた場合、月々2000ドル前後は必要になります。

託児所はパブリックの託児所でも一人一日80ドル~100ドルかかります。毎週5日預けた場合、100ドル×20日=2000ドル。子供が二人いる場合は、その倍です。
(基本、海外転職してお子様がいる場合は、奥様は専業主婦になると思うので、基本託児所に預ける必要はないと思います。)

学校に関しては、パブリックの学校は永住権を持っている人と、持っていない人で学費がことなります。もちろん永住権を持っている人は、ほとんど無料に近い学費で通学できます。しかし、永住権を持っていない、もしくは日本人学校に通学させるとなると、かなりの費用がかかります。

子供用品に関しては、日本の倍の値段です。例えばパンパース24枚入りで18ドル~20ドルです。
ミルク、離乳食品、子供ケア用品なども日本に比べて種類も少なく、値段は1.5倍ぐらいでしょうか?
おもちゃやベビーカーなどは、日本と比べて同じぐらいの値段でしょうか?

医療に関しても、日本より遥かに高い医療費が必要です。特に小さな子供が居る場合は、医療とは切っても切り離せないでしょう。

車は本体こそ日本と同じような値段で購入できますが、保険や維持費などは日本よりも高いです。ガソリンも税金が非常に高いので、日本の倍値ぐらいでしょうか?
(僕は契約期間が短かったこともあり、移動は徒歩か公共バス、電車を利用してました。)

あと駐車場代に関しては、場所にも寄りますが週100ドル。月で400ドル程度必要になります。
こう考えると、いったいいくらもらえば貯金できるのか?逆算してみたくなりますね。。。。。。

しかし、贅沢をせず普通に家族で生活する分には、十分な収入を得ることはできると思います。
ただ、貯蓄となると少し話は別になります。まず、契約期間!もちろん契約が長ければ長いほど貯蓄できます。
僕のように半年~1年で、国を行ったり来たりすると、属に言う引越し貧乏になってしまいます。せっかく貯蓄しても、引越し代ですべたが水の泡?っということになりかねません。同じ国で長く働ければ働くほど、貯蓄はできるでしょう。
オーストラリアでは福祉厚生がしっかりしているので、ほとんどの人が貯蓄をしません。こちらの人は毎週給料をもらって、毎週散財します(笑
しかし、日本は福利厚生がしっかりしていないので、どうしても将来のために貯蓄をしなければいけません。 安定という事だけを考えるなら、絶対に日本で働いている方が安定していると言えると思います。

なんだか、ここまでの話を聞いていると妻子持ちで、海外転職するメリットがあるのか疑問に思う方もいると思います。
しかし、単純な金銭だけの計算だけではなく、色々なことを考慮すれば妻子持ちの方にこそ海外転職をしてほしいと思います。

まずは労働時間です、確実に海外の方が労働時間は短いです。また、プライベートな時間を確保しやすい生活環境、習慣です。帰宅時間は日本で働いている時よりも、早い時間に帰宅できます。特に子供が小さい間と言うのは、成長が早く、その瞬間、瞬間を子供と過ごすことが出来ます。これは父親、母親にとって大きなメリットです。
(時給換算すると日本よりはかなり良い収入だと言えると思います。ただ、子供に関する出費も多いですが。。。)

次に日本にはない大自然。大きな国立公園など、日本では経験できようなことを子供に経験さしてあげることが出来ます。

また子供だけでなく、自分自身も海外でないと経験できないことを沢山経験できます。仕事もそうですし、違った文化、習慣を実際に体感する事が出来ます。海外旅行と海外生活はまったく別のものです。
それだけに苦労も多いと思いますが、苦労に見合った経験ができると思います。

それだけのためにリスクを犯して海外転職するかどうか?と言う問題は各個人の価値観によりますが、僕にとっては家族と過ごす時間と言うのは特別なものであり、特に子供が小さい間は、できるだけ子供と一緒に過ごしたかったので、海外転職を決意しました。
もちろん、自分のやりたいことが海外にあったというのも大きな理由の一つですが。

ちなみに補足ですが、次に行く可能性があるかもしれない国!シンガポールについて少し調べてみました。
税金は10%程度だと聞いています。家賃は月2000シンガポールドル前後。
託児所に関しては、一人1700シンガポールドル。その他、食費、公共料金などは日本の半分程度だと聞きました。
車に関しては、日本の3倍ぐらいの値段かかかるそうです。治安に関しては、国の人口に対して、警官の数が非常に多く、治安は良いと聞きました。
ただ、シドニーほどの国土がないので、どちらかと言えば近代都市(東京)に近い感じでしょうか?
自然はシンガポールには皆無に近いと聞きましたが、近隣諸国の観光地までフェリーが比較的安価で出ているので、週末は南国リゾートで家族と過ごすという手もあるそうです。
(ただ、さすがに安いと行っても、毎週はいけませんが。。。。)

また、その他にも妻子持ちの方、独身の方で質問などがあれば、メールフォームより質問していただければと思います。わかる範囲でお答えしたいと思います。

2010年6月16日水曜日

【宣伝】 Legend of The Guardians Theatrical Trailer

今日は”海外武者修行 その2”を予定していましたが、本日、Legend of The Guardiansの最新トレーラー第二弾が公開されましたので宣伝させて頂きます。

今回のトレーラーは前回の物と違い完成版です。劇場で上映されるFIXショットが使われています。
だから、同じシーンでも前回の物と若干雰囲気が変わっていると思います。
今回も少しだけですが、僕が汗水流して頑張ったロケーションが使われているので、ぜひ見て下さい。

公式サイトで見ると少し重いので、YouTubeで見るといいかも知れません。
やっとここまで来ました。。。長いようで短かったけど、僕の初めての海外フィルムデビュー作です。
(まだ上映まで3ヶ月以上あるんですがね。。。)

公式Webサイト
http://legendoftheguardians.warnerbros.com/

YahooHD(公式)
http://movies.yahoo.com/movie/1810150180/video/20343086

YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=EaAuXrrs2TE


次回こそは”海外武者修行 その2”を予定しています。

2010年6月15日火曜日

【生活】 海外武者修行 その1 初めての海外生活

さて、僕のALとの契約も残るところ2週間を切りました。仕事の方は少し落ち着いてきましたが、まだ完全に終わったわけではないので、何かとバタバタしてます。

E3の話題に触れるかブログのネタに迷ったんですが、仕事が忙しいのもあって、あまりE3に関しては情報が集められなかったので、帰国までの間に、僕のシドニーでの初めての海外武者修行を4、5回にわたって振り返ろうかなっと思います。

第一回目は、初めての海外生活について紹介したいと思います。

多くの人は海外旅行はあるけど、実際に海外で家を借りて生活するのは初めてだと思います。僕もそんな一人でした。正直、英語の喋れない僕が海外で生活できるのか?仕事できるのか?家族を養っていけるのか?色々な事が不安でした。
特に僕の場合は生後8ヶ月の子供を伴っての、初めての海外だったため、本当に色々なことで戸惑いました。
日本ならすぐ出来る事も、こちらでは言葉の壁、文化の違いなどあり、はじめのうちはほとんどの事が上手く行きませんでした。そんな教訓を生かすために、海外生活に向けて、まず何をはじめにしないといけないか?ざっくりと紹介したいと思います。

-海外引越のための準備
-Visa取得のための書類集め
-現地での口座開設
-現地で携帯電話取得
-現地での家探し
-現地での水道高熱会社との契約
-家具、家電の購入

大体、上記に挙げたことがすべて完了すれば、何とか普通の生活を送るための準備が整います。

-海外引越しの準備
基本的には、国内の引越しと同じですが、国によっては持ち込めない物(特にペット、穀物の種子など)があるので、引越しの際には十分注意する必要があります。大体は海外引越し専門の業者であれば、詳しいと思うので、見積もりを出す際にでも確認する事をオススメします。
また、海外引越しには船便、航空便がありますが、ほとんどの方は船便を利用する事になると思います。船便は航空便に比べて安く、多くの荷物を運ぶ事が出来ます。反面、航空便に比べて時間は大幅にかかってしまいますが、おそらくこの段階では、現地での住所も決まっていないので、船便で問題ないかと思います。ちなみに、船便での引越しの場合、行き先にもよりますが現地に荷物が到着するまで1ヶ月~3ヶ月程度必要になります。
また、勤める会社によっては引越し費用をいくらか負担してくれる会社もあるので、それも電話面接などの際に確認すると良いと思います。
(ALの場合はVisa取得費用全額、引越し費用、飛行機代を含めた上限A$6000を補助してくれました。日本円で50万弱でしょうか?あと家が見つかるまでの間のホテル滞在費2週間分も会社が負担してくれます。正直、この金額では片道の飛行機代と引越でなくなります。帰りは全額自腹で帰国する必要があります。)

補足:生活家電、家具、車などは、まず持っていくことが出来ません。持っていくと莫大な費用がかかります。引越しは必要最低限の物だけを持って行って、現地で購入する事になると思います。

-Visa取得のための書類集め
これは国によって、提出書類が違うので、一概にこれが必要というのは難しいですが、注意したいのは大学、もしくは専門学校などの最終学歴の卒業証書です。紛失してる方もいると思いますので、そういう方は再発行の手続きを早めに取っておくと良いと思います。
また提出書類荷関しては、国によっては英訳して提出する必要があるので、もし英訳が必要な場合は多少お金がかかりますが、翻訳業者などを使うとより確実です。

-現地での口座開設
現地に到着したら真先にやらないといけないことですね。現地の銀行に直接行って、口座開設するのも一つの手ですが、会社から特に銀行の指定が無い場合などは、日本にも勤め先にもある外資系の銀行で、あらかじめ日本国内で口座を開設していくと、いくらか現地での手間が省けます。
ただでさえややこしい手続きを英語ではなく、日本語で行えるので、精神的にかなり楽です。

-現地での携帯電話取得
これは家を借りる時や、現地の銀行などから緊急の連絡を受けるために必要になります。不動産会社によっては、電話連絡できない人には、賃貸してくれないケースもあるので、必ず携帯で取得するようにして下さい。海外ではプリペイド式の手軽なものから、レンタル、月額契約の物まで様々な種類の携帯があります。
このあたりは契約期間や自分の用途にあった物を選ぶといいと思います。

-現地での家探し
これは非常に苦労すると思います。もし1週間や2週間で家が見つかればラッキーです。大体1ヶ月弱はかかると見たほうが良いと思います。また、必ず現地で有名な不動産サイトがあるので、日本で前もって現地の家賃、支払方法などを調べておくと良いでしょう。
賃貸するためには、不動産屋さんに行って、インスペクション(不動産見学?)をして申し込みをするのですが、必ず他の人と競合することになると思います。申し込みが一人だった場合でも、不動産屋によっては貸してくれないケースもあります。
(現地での収入実績がないので、家を借りれないケースがあります。)
そこで、会社からワークリファレンスと言う書類を書いてもらいます。これは会社が僕に対して年間いくらで契約しています。という保証書のようなものです。いわゆる会社が保証人ですよと証明してくれる書類です。
これがあるのとないのとでは、不動産屋の態度が違います。会社の人事に相談して、用意してもらうと比較的スムーズに運ぶと思います。

-現地での水道高熱会社との契約
これもまた非常に面倒な手続きなので、できればネットで申し込みできる会社と契約すると便利です。電話のみで受け付けている場合は、英語の話せる人に代わりに手続きしてもらうか、思い切って自分で契約するしかありません。シドニーの場合は、無料の通訳サービスがあるので、そちらを利用すると通訳を介して、契約する事が出来ます。また、賃貸物件によっては、水道費が家賃に込みの場合もあります。

-家具、家電の購入
ここまでくれば、後は新生活に向けた家具、家電の購入。新生活のためのインテリア選び。ここで注意しておきたいのは、契約期間にもよりますが、多くの家具は現地において帰らなければなりません。国外へ持ち出すためには買った以上の費用がかかります。契約期間が長いのであれば、それなり物を購入しても良いと思いますが、最終的には売るか捨てるかと言う選択肢になるので、家具や家電はレンタルで済ませると言う手段もあります。もしくはIKEAなどで安く買い揃えて、帰国の際は現地の友人やオークションで売買すると言う手段もあります。

ざっと書きましたが、これだけ終わってやっと普通の生活をおくための準備が出来ます。そして、現地の環境、言葉、文化になれて、普段と変わりない生活が送れるまで、更に1ヶ月から2ヶ月は必要になるでしょう。

本当に初めての海外生活は大変な事が多いと思います。しかし、その苦労に見合った経験もいっぱいできると思います。

次回は妻子持ちで海外転職を目がしている人のために、生活費から貯蓄に関して、子供にかかる費用などについて紹介したいと思います。

2010年6月13日日曜日

【質問】 質問にお答えします! その5補足

さて、ようやく明日完全オフで仕事休めそうです。久しぶりの完全オフです。明日は羽伸ばすぞ~~。
ってことで、こんばんはエイジです。

昨日の回答に対して、確信的な質問がありましたので、補足ということでお答えさせて頂きます。

昨日のブログで”ツールを扱うスキルも大事ですが、もっと基本的なことを学ぶ方が僕は大事だと思います。”っと書きましたが、そもそも基本とは具体的にどういうことを指すのでしょうか?

確かに僕は基本と言う部分に具体的に触れていません。これは人それぞれ色々な考え方があると思います。僕が考える基本とは観察力表現力です。

例えば、モデリング、アニメーション、ライティング、VFXなどにしても、必ず制作前にリファレンスとなる素材を探したり、見たりすると思います。
僕のが以前PhotoshopWorldでTIPSを掲載させていただいた時にも書いたことですが、物を作る上で必要な能力は観察力と表現力だと僕は考えています。

【参照】
Texture Mapping 基本編
Texture Mapping 応用編

特にモデリングやテクスチャーに関しては、デザイン画や2Dイラストを3Dにおこす作業です。しっかりとイラストやデザイン画を見て(観察力)、自分が観察したものを3Dに越す(表現力)が必要です。
TIPSにも書きましたが、表現力と言うのはある程度経験や場数を踏まないと養うのは難しいと思います。目で見た物を形に起こすという言うのは以外に難しい作業です。だから色々な物をモデリングしたり、描いたりして、慣れる必要があります。

しかし、観察力に関しては、普段から色々な物を見ることで養う事が出来ます。映画とかVFXじゃなくて、普通に街中にある壁にしても、アスファルトにしてもそうです。注意深く観察すると汚れや壊れ、ひびなどが付いています。

あ、あの汚れぐらいがかっこいい!あの錆び方は変わってる?何であんなところが汚れてるんだろう?
汚れたり、錆びたり、壊れたりするのには、必ず原因があります。そういうことを普段から観察していれば、自然と観察力は養われます。

表現力と言うのは、自分が目にした、観察したものを形にする能力です。これは数をこなしたり、場数を踏まなければ、なかなか養うのは難しいでしょう。

具体的な例で説明すると、好きなアニメ、漫画などを見て、それを自分が真似て描こうとします。
おそらく多くの人が、似ていない、何か違う?っと言った感じになるでしょう。
模写は非常に観察力と表現力を養うのに良い方法だと思います。例えば、一枚の建造物の写真を元に、同じものを3Dで作ろうとします。はじめは上手くいかないでしょうが、何度も何度も作り直したり、修正していくうちに、徐々に似てきます。これは目で見た物(観察力)を形にする(表現力)が養われていくからです。

アニメーションやライティング、VFXにしても同じです。アニメーターは人や動物の動きを見たり、研究したり(観察力)して、それをアニメーション(表現力)にして行きます。
ライターは実際の撮影証明や普段の街並みの証明を見たり、研究したり(観察力)して、ライティング(表現力)して行きます。
VFXでも同じです。実際の爆発や煙、炎、水などを見たり、研究したり(観察力)して、エフェクトを作って(表現力)行きます。

だから、僕が考える基本とは、物事をよく観察する事観察したものを形にしていく表現力を養う事です。
自分の観察力や表現力を確認するには、模写(真似して作る)してみると、すぐに確認できると思います。

観察力はツールの力をかりなくても、色々な物を見たり、写真に取ったりする事で養えます。
特にモデラーやテクスチャーアーティストを目指す人は、普段から注意深く街中を見ていると、いっぱい優れた素材が落ちていますよ。

ま~~、僕が観察力の大事を教えてもらったのは、SEでお世話になったMattePainterさんからの受け売りですけどね(笑
このことを教えてもらって、本当に僕の作品に対する考え方、アプローチが変わりました。そして、自分で言うのも変な話ですが、自分の目で見てもわかるぐらい作品のクオリティが上がりました。

観察力と表現力!非常に大事です!

ちなみに僕は芸大や美大を出た訳ではないので、絵もかけないし、デッサンも彫刻も出来ません。しかし、こういったスキルは非常に観察力と表現力を養うには非常に有効なスキルです。
デッサンや彫刻経験のある方は、モデリングもテクスチャーも呑み込みが早いし、リテイクも少ないです。
今更ながら、アナログのスキルの大事さを改めて実感しています。かといって、デッサンや彫刻の経験が必要か?と聞かれれば、あるに越した事はないけど、無くてもデジタルアーティストにはなれます。僕が実際に慣れてますから。その点は安心しても大丈夫だと思います。

【質問】 質問にお答えします! その5

さて、今日は学生さんからの質問を一通りまとめてみました。業界、海外を目指す学生さんの参考になれば幸いです。


15.専門学校や大学を卒業して、すぐに海外就職する事は可能でしょうか?
不可能ではないと思いますが、日本の専門学校、大学を卒業してすぐ海外就職と言うのは少し難しいかもしれません。
一つはVisaの問題です。Visa取得には同職種で何年か実務経験が必要になる場合があり、Visaを取得しないと、そもそもその国内で働けないと言う現実があります。
もしくは現地の大学や専門学校を卒業して、現地就職と言う手段もあります。カナダやオーストラリアなどはワーキングホリデーなどを利用して、英語を勉強しながら職を探すと言う手段もありますが、不可能ではないですが、かなり難しいかと思います。

16.日本でCG専門学校の教師になるとして、その学校に3Dペイントソフトが導入されていなかったら、どういう処置を取ると思いますか?
その学校により色々な考え方や教え方があるので、一概に言えませんが、僕のソフト(ツール)に対する考えとしては、ツールはあくまでも効率よく作業するための道具でしかありません。
良いツール=ハイクオリティにはならないというのが僕の考えです。もちろん色々なツールを扱えた方が就職するには有利かもしれません。そういう意味で3Dペイントソフトの導入を学校に進めるかもしれませんが、基本的にはすべてPhotoshopで制作可能だと思います。
3Dペイントソフトを使う大きな理由がUVのつなぎ目を隠すと言うことと、複雑な形状を3Dでペイントする事で作業効率が上がるという点にあると思います。しかし、その点を気にしなければ、Photoshopでも十二分にハイクオリティな作品を作る事ができると思います。僕が過去に携わった作品で3Dペイントを使用した作品はありません。僕が3Dペイントツールを本格的に扱うようになったのはALに来てからです。

17.これからCGを勉強しようと思っているのですが、MayaやMAXなど色々なソフトがあると思いますが、使用するソフトは何を選べばいいでしょうか?
僕は過去にストラタ→LightWave3D→3dsMAX→Mayaと色々なツールを渡り歩きましたが、ツールに対するこだわりは余りありません。どのソフトを選ぶかは、将来的にどういった業界に就職したいか?就職したい業界、会社がどんなソフトを使用しているか?によると思います。
現状、海外の映画業界では主にMayaが好んで使われているようです。

18.学生では使用できるソフトに限りがありますが、北田さんはどのようにして色々なソフトを覚えたのでしょうか?
僕が学生時代に扱えたソフトはLightwave3DとPhotoshop、イラストレーターぐらいでした。ソフトを覚えた(使いこなせるようになった)のは、就職して仕事で使うようになってからでした。
学生の時は、本当に何も出来ない駄目な学生だったと思います。専門学校にはストラタ3Dしか導入されてなかったし、独学で覚えるしかなかったですね。友人がアカデミック版のLightWaveを購入したりしていたので、友人宅に押しかけて触らせてもらったり、作品を作りながら覚えました。
ほとんどは職場で、仕事をしながら覚えたソフトばかりです。

19.最近では類似の3Dペイントソフトが多数出ていますが、どれを選べば良いのでしょうか?違いなどを教えていただけないでしょうか?
3Dペイントというのがどういったソフトをさすのか、僕には少しわかりませんが、おそらくはZbrushやMudbox、BodyPaint3Dなどのことを指しているのだと思います。

どれも似た類似ソフトですが、BodyPaint3Dに関しては、他のソフトと違ってスカルプティングできません。ZbrushとMudboxは非常に似た類似ソフトですが、Mayaユーザーの場合はMudboxの方が扱いやすいかもしれません。同じオートデスク商品と言う事で、インターフェース、パースビューのスクロール、パン、ムーブの操作がMayaと同じです。その他にもMayaとの類似点が多くあります。
その分、機能的には非常にシンプルなつくりになっています。

Zbrushは3Dスカルプティング、ペイントにかなり特化したソフトだと言えます。その分高機能化されているので、Mudboxよりも多少扱いが難しいかもしれません。インターフェースもかなり独特なので、少し癖のあるソフトだと思います。ま、慣れるまでの問題だと思いますが。。。

まとめ
今回は学生さんからの質問をまとめて答えさせて頂きました。学生さんからの質問と言う事で、ツールに関する質問が非常に多かった印象です。
ここでルールに関する、僕の考えを少し述べさえていただきます。僕は基本的にツールに対する拘りはなく、ツールはあくまでも生産性、効率を上げるための道具だと思っています。必ずしもハイエンドツール=ハイクオリティという考えを持っていません。
僕が学生時代にストラタ3Dを学び、卒業制作のためにLightWave3Dを勉強しました。
はじめに就職した映像プロダクション(?)では3dsMaxを使用していたので、LightWave3Dの知識は何の役にも立ちませんでした。そこで3dsMax(日本語版)を4年弱使いましたが、次に転職した会社がMaya(英語版)をメインに使っていたので、4年間かけて覚えたMAXの知識は何の役にも立ちませんでした。。。

僕のツールに対する考えはあくまでも道具です。画家が絵具、筆を使うのと同じで感覚でツールを使っています。もちろんツールによって得意、不得意な分野、癖などのような物もあると思いますが、扱うのは人間です。
だから、ツールに対する拘りはありません。現に僕は会社を変えるたびにメインツールが変わっています。しかし、1ヶ月から2ヶ月もそのツールを使っていれば、それなりに扱えるようになってきます。
はじめは扱いにくい道具でも、使っていくうちに徐々に慣れてきて扱えるようになるものです。
ツールは仕事で使っていれば嫌でも覚えられます。ツールを扱うスキルも大事ですが、もっと基本的なことを学ぶ方が僕は大事だと思います。

なぜなら、僕自身が基本を無視して、ツールの扱い方ばかりに固執したため、後々の苦労が絶えなかったからです。僕が基礎知識の大事さを理解したのは、働き出して数年たってからでした。

また大きな会社ならすぐにツールやプラグインも購入してくれるでしょうが、小さなプロダクションではそう言う訳にも行きません。限られたツール、期間、条件での制作を余儀なくされます。
限られた条件の中で、最大限の仕事をしなければいけません。ツールがないから出来ません。プラグインがないから、納期に間に合いませんという言い訳は通用しません。
厳しい言い方かもしれませんが、それが現実です。そして、ALでもさえも常に最先端のツールを使っている訳ではありません。ソフトのヴァージョンはすべて数年前の物です。
限られたツール、期間、条件で、どうやったらニーズを満たす物が作れるのか?ニーズを満たすためにはどうすべきか?現場ではツールを扱うスキルも大事ですが、そういった考え方はもっと大事になってきます。

2010年6月11日金曜日

【宣伝】 Legend of Gurdians(邦題:ガフールの伝説)

今日は僕が参加しているプロジェクトの宣伝をさせて頂きます。
僕の知らない間に、邦題の公式WEBサイトが出来ていたようです。

公式WEBサイト(邦題)
http://wwws.warnerbros.co.jp/guardiansofgahoole/

公式WEBサイト(オリジナル)
http://legendoftheguardians.warnerbros.com/

う~~~ん、邦題の方は少しかっこ悪いですね。。。。
見るならオリジナルの方が良いかもしれません。

あとフォトギャラリーに僕が担当したロケーションを見ることが出来ます。ぜひ、そちらもご覧下さい。
トレイラーに関しては、劇場CMということで、出来は7割程度ですね。
近々、第二弾のトレイラーも発表されると思うので、発表された際にはブログで紹介させて頂きます。

おまけです。英語ですが監督ザック・スナイダーの話が少しだけ聞けます。
Legend Of The Guardians [HD]- Behind the Scenes Clip
http://www.youtube.com/watch?v=7yR3XZ-AA_c&feature=player_embedded


次回は”質問にお答えします! その5”です。学生さんからの質問をいくつか頂いたので紹介したいと思います。

2010年6月9日水曜日

【予告】 次回予告 生産性と創造性 その2

いまいち仕事が落ち着かないので、本日は次回の予告のみです。

次回は前回の「生産性と創造性 その2」です。あまりにも具体的な例が出ていないので解りづらいなという反省も込めて、実際にどういった仕事の仕方、振り分け方をしているのが、例を交えながら紹介したいと思います。


【宣伝】
~「ハリウッドCG業界就職の手引き」を推薦します~
http://cghollywood.bufsiz.jp/
推薦させて頂きました。海外就職を考えている方は、ぜひ一度読んでみてください。

Eiji

2010年6月6日日曜日

【質問】 質問にお答えします! その4

結局、金曜日から土曜日の夜まで会社にこもりっきりでした。こんばんは。

さて、予告していた通り、今日は質問に答えるコーナー4回目です。今回の質問もなかなか海外就職を目指す人には参考になるのではないでしょうか???

14.採用が決まってから仕事が始まるまでの間に、引越しや書類関係の手続き、会社関係の事など、色々とやる事があったと思いますが、どの様なスケジュールでこなされたのですか?

僕の場合は相当余裕がなかったですね。初めてのコンタクトから電話面接を行うまで1ヶ月の待ち。
初めての電話面接が終了して2回目の電話面接までが約2週間の待ち。その後1ヶ月待って3回目の電話面接で、契約の具体的な内容が決まり、3日後に正式オファー。
正式にオファーをもらったのが9月末。契約書にサインしたのが10月1日でした。

海外プロダクションの多くは、応募してもすぐに反応はないと思います。早くて数週間後、遅くて数ヵ月後とかにようやくコンタクトをとれると言うのがほとんどだと思います。
もしくは応募したけど、何も音沙汰なしでフェードアウト、自動転送メールが来て終了。というケースもめずらしくないです。
もし応募して、すぐにリクルーターからのコンタクトがある場合は、脈ありと見て良いと思います。

実際のところ、僕は契約までにこぎつけるのに3ヶ月~4ヶ月。その間は、電話面接以外は待ちが基本です。契約してから働きだすまでが1ヶ月でした。
契約書にサインしてから1ヶ月でVisaのための必要書類、手続き、海外への引越し作業などすべてこなしました。
実際、前の会社を退社したのが10月末日だったのですが、11月4日にはシドニーへ行って家を探したり、色々な手続きをしたりしながら、11月9日からはALで働き始めてました。
今思うと、本当に必死でしたね。10月末に仕事辞めて、その後は11月の1週目にはシドニーで働き始めてましたから。
幸いシドニーには日本人で僕の知り合いが滞在していたので、週末に車で家探しを手伝ってもらったり、色々とサポートしてもらいました。

その後、2週間ほどで家が決まり、家具や必要物品を揃えて、生活ができるまでに1ヶ月ほどかかりました。家族をシドニーへ呼び寄せたのは12月に入ってからですかね?子供も小さかったし、僕も妻も始めての海外生活だったので、すべてが大変だったという記憶しかありません。
本当に落ち着いて住めるようになるまで2ヶ月ほどはかかりましたね。

僕の印象としては、契約書にサインするまでも大変ですが、契約書にサインしてからの方がもっと大変です。Visaの書類、海外引越し、現地での家探しなどなど問題は山積みでしたから(^^;
なれない環境、なれない言葉など、自分が思っている以上に順応するのに時間がかかりましたね。

15.VFX artistというのは、煙や爆発、水などをつくるエフェクトアニメーターの事でしょうか?VFX Artistについてもう少し詳しく教えて下さい。
その通りです。世界で人材難な職種と言われています。 またプロダクションによっては火チーム、水チーム、煙チームなどに分かれて仕事をしているプロダクションもあります。逆に色々なエフェクトを一人でショット単位でこなすプロダクションもあり、仕様は様々です。
専門外なので、あまり詳しい事は言えませんが、海外プロダクションの多くはHoudiniと言うソフトを使用しています。特に最近はHoudiniTD募集やHoudini経験者優遇、Houdiniに限定した募集などもでてきています。もちろんHoudiniだけではなく色々なソフトを使用してエフェクトは作られています。
中には流体シュミレーターなど独自でソフトウェアを開発しているプロダクションもあります。
個人的に他の職種に比べて、VFXと言うのはかなりな特殊職だと思っています。


さて、今回は就職にいたるまでの経過、VFXartistに関しての質問でしたがいかがでしょうか?
VFXartistに関しては、専門外なのであまり詳しくはお答えできませんでしたが、詳しい方がいればフォローお願いします。

次回は”生産性(ワークフロー、パイプライン)と創造性(アーティスティック、クリエイティヴィティ)”について紹介したいと思います。

2010年6月3日木曜日

【予告】 次回予告 質問にお答えします! その4 

不意な急ぎの仕事が発生したため、申し訳ありませんが今週一杯は休載を予定しています。

次回は「質問にお答えします その4」を予定しています。
例によってメールフォームより質問は承り中です。

Eiji

2010年6月2日水曜日

【CG】 ここ最近思うこと。。。

ここ最近、就活も兼ねて色々なプロダクションをリサーチしているのですが、少し気になることがあります。
それは世界のCGプロダクションが、悪い意味で徐々に日本化してきているのでは?っと思うことがあります。
主なリサーチ方法は、実際に働いている友人や知り合いを通じてリサーチしているのですが、徐々にサラリーのレートが世界的に下がってきている気がします。
これは税制優遇処置などで、比較的生産コストが安いアメリカ以外の国で制作されていると言うのも多少影響があるのかもしれません。
アメリカに比べてインド、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどは物価も安く、制作コストは現地通貨で支払われるため制作費を安く抑えることが出来ます。
(為替や現地の物価だけでなく、税制優遇、その他諸々の理由があると思いますが。。。)

ロンドンなどはアメリカよりも遥かに物価が高いですが、税制優遇などの影響もあり、やはりアメリカ国内よりも制作コストがやすくなるんでしょうね。ここ近年のロンドン勢のプロダクションの勢いは留まるところを知りません。
現在の多くのハリウッド映画は、世界中で作られています。その影響もあり、徐々にアーティストに対する単価と言うのが下がって来ている気がします。

特にアジア人(インド、中国、台湾、シンガポール、日本)は、人件費が安い割には、一生懸命働くので、何処のプロダクションでも重宝されると聞きました。
もしかすると現地のフリーランスを雇うよりも、海外から人件費の安いアジア人を雇った方が会社としてはコストが抑えられるのかもしれません。

当然、会社としては同等のスキルを持った人なら、間違いなく人件費が安い方を選ぶでしょう。それは経営者としては当たり前の判断です。そうなると今まで高給取りだった現地のフリーランスは当然失業危機になります。
仕事が無いと困るので、当然自分のサラリー、レートを安くして、仕事を探そうとします。
そうすると同等のスキルを持っているほかのフリーランスも、仕事を獲る為にレートを同じように下げなくてはいけなくなります。
こうした連鎖反応が徐々に、アーティストのサラリーを下げているような気がします。

そして、色々リサーチして最近わかったことは、徐々に何処の会社も、残業手当、休日出勤手当てに関してシビアになってきているということです。
海外プロダクションでも中小のプロダクションだと普通にサービス残業しているところもあると聞きます。 また、仮に残業手当が発生してもお金に返金するのではなく、OverTime分は有休に変換する企業もあります。
(ALも契約内容によっては、残業が休日に変わる契約者もいます。お金か休暇か選べる契約もあります。)

イギリスなどでも締切前になると、多くのアーティストが残業、休日出勤を強いられます。もちろん、締切のある僕らの仕事は、締切前になれば当然、残業、休日出勤も発生するでしょう。
しかし、中にはそれらを無償で強いるプロダクションもあると聞きます。これは僕たちアーティストにとって重大な問題になってきます。

皆が右に習えで、仕事を獲る為にサービス残業や無償での休日出勤をしてしまうと、普通に働いているアーティスト(定時出社、定時帰宅)の職が失われていくと言う事です。
少し大げさな発想かもしれませんが、現にそういうプロダクションが増えてきていると言う事です。

もちろん仕事を獲るのは大事な事です。しかし、皆が仕事を得るためにレートを下げ、サービス残業、休日出勤をしていては、デフレと同じです。どんどんどんどん単価が下がるだけで、業務内容は変わらず辛い思いばかりをしなければいけません。

現状ではサービス残業、無償休日出勤を強いるプロダクションの方が少ないと思いますが、今後どうなっていくかは解りません。制作費が安いプロジェクトでも、クオリティは下げられない!と言うような状態も多々出てくるでしょう。

そういった問題を今後は真剣に考えていかないといけないんだな~~っと、ふと思った次第です。
数年後、数十年後のCG業界はどうなっているのでしょう?僕にはにまったく想像がつきません。

2010年6月1日火曜日

【CG】 人材難な職種について

さて、先週でほとんどの同僚がALを去ってしまったので、僕が所属するデパートメントは僕を含めて4人だけになってしまいました。
アニメーターやライターはどんどん増えるのに対して、モデラー、サーフェーサーは減る一方で寂しい限りです。そんな今日この頃です。こんばんは。

今日は昨日のブログの最後にも書きましたが、海外就職しやすい職種について紹介します。っと書きましたが、海外就職しやすいと言うとかなり語弊があるので、人材難な職種と言う事で紹介させていただきます。

現在、海外プロダクションで最も人材不足なのはVFX artistです。(ShaderWriter除く)
おそらく何処のプロダクションもVFXartist(特にTDクラス)は常に募集していると思います。
VFX TDは、現在世界的に人材難です。ALではインターンからVFXartistを育てようと言う事で募集すらでています。
なぜこれほど人材難なのか?これは僕の個人的な推測ですが、CGをやる上でVFXと言うのは少し特殊な技術、知識が必要になってくるため、成り手が他の職種に比べて少ないからだと考えています。
また仮にVFXが得意だからと言って、VFXartistに応募したとしても、実用レベルに到達している人が少ないため、これほど世界的に人材難な職種になってしまったのだと推測しています。

逆に現段階で、VFXartistとしてそれ相応のキャリアを積んだ人と言うのは、引く手あまたなのではないでしょうか???(推測です)

次に人材難なのは、おそらくLightingTDやMattePainterだと思われます。近年のCG制作の傾向としては、LightingArtistがそのままコンポまで仕上げてしまうケースが多くなっています。
もしくはプリコンポをLightingArtist、最終コンポをコンポジターと言うような感じになりつつあるようです。
そのためLightingTDのようにLightingやテクニカルな部分(ツール制作やShaderに関する知識)に精通していて、なおかつコンポジットも出来ないといけない。そういう意味で、比較的何処のプロダクションでも人材難のため募集している事が多いです。

MattePainterに関しては、ポストプロダクションに入って終盤に多くの募集をけけるプロダクションが多いようです。Mattepaiterは画面の大部分をMattePaintで埋める事ができるので、非常にプロジェクトの終盤に重宝されます。Lightingが間に合わないショットやモデリングはあるけどShaderが付いていないオブジェクトなどは、カメラプロジェクションによるマットペイントで、ショットの背景を完成させる事が出来ます。


逆に募集しても採用が難しい、中々募集していないのが、モデラー、テクスチャーアーティスト、キャラアニメーター、コンポジターです。

モデラー、テクスチャーアーティストに関しては、それほど専門的な知識を必要としないので、まず第一にアーティストの数が多いです。当然ですが、数が多いとそれだけ優秀なアーティストも多くなります。
また、高い費用をかけて海外から人を雇わなくても、自国のアーティストだけで事足りると言うのが現状ではないでしょうか?
そんな競争率が高い職種で、しかも海外で自分のポジションを見つけると言うのは大変な事だと思います。
ただ、僕個人的に思うことは、日本人ほど丁寧で綺麗なモデリングを作る人種はいないのでは?っと思うぐらい日本人と言うのは丁寧な仕事をします。
こちらに来て、ビックリしたのがLeadModerといわれる人たちのモデルの大雑把なことこの上ないです。
酷いモデラーなどは不正ポリゴン、多角形、ダブルエッジ、ダブルヴァーテックスなどなど爆弾いっぱいです。仕事は早いのですが、あまりにもメッシュの割が汚くて、文句を言いに言ったことすらあるぐらい割が酷い物もありました。
だから、悲観的にならずに中身(見た目とスピードも大事ですが)で勝負すれば、十分海外でも就職を勝ち取れると思います。

次にキャラアニメーターは、海外プロダクションでは人気職種の一つです。非常にアーティストの数も多く花形職種だといえます。レベルも非常に高いです。また、海外のアニメーターの多くは、元アニメーター(2Dで絵を描く方の)と言う人も多いので、カット割りアニメーションと言う独特なアニメーションのつけ方をします。
日本のアニメ作業で言うと、原画を描いて、間を動画で補完していくような方法ですね。ちょっと文章での説明が難しいですが、日本のように一コマ一コマキーフレームを打つ方法とは少し違った方法でアニメーションをつけます。
これからアニメーターとして海外を目指す人は、相当良いものを作らないと採用は難しいのではないでしょうか?それほど競争率が激しい職種と言えます。

コンポジターに関しては、先ほど述べましたが、近年LightingArtistがそのままコンポまで仕上げるケースもめずらしくないです。そのため募集人数が年々減ってきていると聞いています。
プロジェクト終盤には大量採用するプロダクションもあるようですが、あくまで一時的な物です。
各プロダクションに古くからいるコンポジター(古い人だとFilmの時からの人もチラホラ)がほぼ専属と言う形でいるので、新しくその中に入っていくのは非常に困難だと言わざるをえません。
また、コンポジターは多く人が年配(30歳後半から40歳以上)の人が多く、これからCGを始める、もしくはコンポジターとして、海外就職を目指している人は、それ相応の努力が必要だと思います。

あと番外編ですが、ShaderWriterも職種としては海外で非常に重宝されますが、日本ではShaderを書くということ自体を学ぶのが難しです。

かなり主観的な見方も入っているかもしれませんが、人材難な職種や採用されにくい職種について紹介させていただきました。
色々と書きましたが、あくまでも参考程度にして下さい。採用されやすい、採用されにくいは多少あっても、現に海外で活躍している日本人は大勢います。しっかり自分がなりたい職種を見定めて、良いデモリールを作れば、きっと海外就職への道は開けて来ると思います。

これは自分自身にも言い聞かせている事ですが、日々精進して、諦めずに頑張ってください。