2010年9月29日水曜日

【CG】 Shader type について

さてさて、お待たせしました。ようやく画像の準備が出来たので、簡単にですがShaderのTypeについて紹介したいともいます。

今回、紹介させていただくShader TypeはAdd TypeとMix Typeです。

最もベーシックなShader TypeはAdd Type(Maya Shaderなど)のShaderになります。そして、物理ベースで良く使われるのがMix Type(Mental RayのMiaなど)のShaderです。
AddとMixどう違うのか?なかなか言葉で説明するのは難しいので、画像を交えながら紹介したいと思います。
まず、Shaderの構成要素は大きく別けて3つあります。


  1. Diffuse
  2. Reflection
  3. Toransparency(Refraction)
この3つがShaderを構成する大きな要素になります。Specularに関しては、CG世界だけの嘘の表現なので、今回は要素として削除していますが、分類するとReflectionと同じ分類になると思います。

今後、Shaderとは何か?と言う部分を学んでいただく上で、非常に重要なことなので、この構成要素をしっかりと覚えて置いてください。






それでは、実際に画像を交えながら、Shader typeについて紹介していこうかと思います。
まずはリニア環境で、白いボールを表現したいと思います。多くの方は白色=RGB255、もしくはH0%,S0%,B(V)100%だと思っている人が多いかもしれませんが、リニアな環境(現実の世界)では、人が純白の白色として認識しているのは、だいたい80%程度の反射率しか持っていません。
そして、中間色(ハーフグレイ)は実は50%ではなく、リニアな環境では17%~18%の反射率の灰色を指します。
これらの知識はCGよりも、むしろ写真の知識に近いかもしれません。中間グレイはリニア環境では17%~18%だと覚えて置いてください。

そして、実際にDiffuce80%にShaderを設定、リニア環境でレンダリング。ガンマを掛けて戻した画像が下記です。
(地面が実は18%グレーの設定です。)




ご覧のように人が見て、白い玉と判断できるような画像になりました。実際にShaderの中身はこんな感じになってます↓


ここまではADD、MIX共に同じですね。

次はミラーボールを表現したいと思います。現実世界で100%Reflection物質と言うのは、おそらく存在しませんが、今回はわかりやすくするためにDiffuse0%、Reflection100%のミラーボールを作って見ました。



Shaderの中身はこんな感じです↓

ここでもADD、MIX共に問題ありませんね。

それでは次にはじめに作った白い玉Diffuse80%に、Refrection100%を追加してみましょう。

明らかに違いが現れましたね。これはShader内で下記のようなことが起こっているからです。↓


Add typeのshaderではDiffuseとReflectionがたされ、反射率が100%を超えてしまいました。これはリニアな世界(現実世界)では発光物となってしまいます。ところがMix typeのshaderでは、Refrectinが100%でDeffuseが0%になっています。これがADDとMIXの大きな違いです。

続いて、これらのShaderにTransparency80%とindex of Refraction(屈折)1.4を追加して見ました。

shader内はこんな感じで、大変な事に!!!!↓



ご覧頂いても解ると思いますが、Add typeのShaderはDiffuse+Refrection+Transparencyと言う計算で成り立ちます。
しかし、Mix type(物理ベース)の場合は上から順にTransparency、Reflection、Diffuseという様に重なっていますので、仮にDiffuse100%、Refrection100%でも、Transparencyが100%であれば、完全な透明物体になります。

例)Diffuse10%、Reflection50%、Toransparency50%だと、透明度50%、鏡面反射率50%、拡散反射率0%の半透明なガラスのような質感になります。Deffuseは強制的に0%です。
BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)を無視した場合ですが、これにBRDFが絡んでくると、また違った結果になるのですが。。。
今回は、そういった難しい話は無しで、単純なADDとMIXの違いについて紹介させて頂きました。

ADD、MIX以外にも、RendermanのなんとかShader(空っぽの器に、自分で要素をたして行ったり、順番を入れ替えたり自由にカスタマイズできるALで使ってたヤツ。名前忘れた)や透明度よりも鏡面反射を一番上にしたGlass type(ALで使ってたEYE shader)などの、様々なShader Typeがありますが、今回はベーシックなAddとMixについて紹介させて頂きました。

ちなみにどのタイプのShaderを使っても、リニア環境の基礎知識、Shaderへの基礎知識、反射率や色の基礎知識を持っていれば、どのshader typeでも同じ様な表現をすることが可能です。
海外で活躍するシニア、リード、TD、Shader writerは、当たり前の用にこれらの知識を持っています。
逆にこれらの知識がない状態で、リニア環境でのリニアレンダリングというのは、非常に困難だということです。

リニア環境というのは、ある種、現実世界をシュミレーションする行為に近いからです。だからこそ、実写合成で最も良く用いられる方法なのですが。

ちなみにLegend of the Guardiansの場合はリニアフローではありましたが、shaderの多くはAdd typeの物を使用していました。
Future Animetionという事もあり、特に実写合成する必要がなかったのが主な理由ですが、それでもやはりフォトリアルなテイストを目指していたので、必然とみんな物理ベースな考え方を意識してTextureを書いていましたが(^^;
物理ベースというのは、Deffuse何%、Reflection何%、Transparency何%という感じて、常に反射率を意識してTextureを書く、Shaderを設定する、反射率がトータルで100%を超えないようにする考え方です。
Shader typeというのは、それらをユーザーフレンドリーな形の仕様にしただけの物なので、基礎知識さえあれば、レンダラーが変わろうと、反射率が変わる訳ではないので、同じような絵を作る事は理論上可能です。あくまでも、理論上ですが。。。

さて、次回は今回の続きで、なぜ物理ベースのShaderが良く使用されるのか?なぜ、物理ベースである必要があるのか?を僕の見解と経験を交えて紹介して行きたいと思います。
そして、物理ベースの理詰めな絵作りの限界についても紹介したいと思います。

長文、お付き合いいただいてありがとうございました。間違い、質問などあれば、コメントやメールフォームからご指摘頂ければと思います。

僕も日々勉強、日々精進!!!です!

【CG】 業界を目指す学生とプロの意見交流会実施しました!

なかなかShader周りの事に触れられなくて申し訳ないです。色々と画像とかも準備して、少し本格的に説明したいので、準備に時間がかかってます。今しばらくお待ちください。
毎日400人近くの人が見に来てくれているのに、申し訳ないです。

そんな中、今日は恵比寿にて、「業界を目指す学生とプロの意見交流会」っと銘打って、学生とプロの交流会を実施しました。

発端はMelonさんからとある大学生を紹介され、CG屋との間に交流を持ってほしいと頼まれたのが始まりです。
僕自身、学生と交流を持つのは何年振りでしょうか????

プロと学生の間で色々な意見交換、質疑応答がなされました。業界の厳しい現実や問題点、良い所、悪い所などなど。色々な話が出ました。
もちろん、プロ同士での意見交換も多々ありました。

学生さん、デジタルフロンティアさん、PPIさんをはじめ、約20名近くの方が最終的には集まりました。色々なプロダクションの方と意見交換できたことは、学生には良い刺激になったと思います。
これを機会に、こういった場をもう少し広げられたらな~~っと思いました。

最近、僕自身のやる気が仕事の忙しさに相殺される形で、なかなか仕事以外での活動と言うのが出来なかったんですが
今回は本当に良い機会でしたし、盛りだくさんの3時間でした。
本日、参加された皆様!お疲れ様でした。本日、参加できなかった皆様、申し訳ありません。
次回、どこかで同じような機会を設けたいと思いますので、よろしくお願いします。

2010年9月23日木曜日

【その他】 次回予告 Shaderについて

さてさて、最近はバタバタしており更新が滞っていて申し訳ありません。
海外就職に向けて少し動きがあったり、今週いっぱいはもう少しバタバタしそうなので
本格的な更新は来週以降になると思います。

次回の更新予定は”Shaderについて”です。物理ベースのShaderからADD、MIX、GLASSタイプと色々とありますが、簡単にShaderとは?見たいな感じで紹介できればと思います。

昨今、リニアレンダリング、イメージベースドライティングやRaytrace、GIが幅を利かせはじめ、レンダリング=絵作りというニュアンスから、徐々に光のシュミレーションと言う物理的なことまで考えなくてはいけなくなってきました。

そんな中で、簡単にですがShaderとは?見たいな感じで紹介できればと思います。
一応、Surfacerと言う事で、この辺は専門に絵作りしてる訳ですが、昨今は色々な事を覚えないと
まともにレンダリングすら出来ない状態になり、色々と大変だなっと。

もちろん、レンダリングはボタンを押せレンダリングできるんですが、トラブルが発生した時に内部的なことを知らないと、何が原因でレンダリングできないのか?とか。なぜ、このオブジェクトはレンダリングがこんなに遅いの?とか?

質感を設定するのを専門にしている職種なので、ある程度はその辺の基礎知識は抑えておきたいところです。そんなこんなで、次回はshaderについて、ちょこっとだけ紹介しようかと思ってます。

ま~~、CG自体が作り物なのに、なぜ物理的なことをやる必要性があるかなどなどもご紹介したいと思います。

2010年9月15日水曜日

【宣伝】 Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole

さてさて全米公開まであと10日をきりましたので、今日は僕がSurfacingArtistとして制作に参加した映画「Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole」の宣伝も兼ねまして、今までに発表されたMusic Video、Trailer、TV spotなどのご紹介をさせて頂きます。

'In a Monsoon' - Soren learns to fly

The music video preview for the film "Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole,"

Legend of the Guardians - TV Spot #1
Legend of the Guardians - TV Spot #2
Legend of the Guardians - TV Spot #3

Legend Of The Guardians: The Owls Of Ga'Hoole -- Trailer #1

Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole -- Trailer #2

Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole - Behind-the-Scenes Featurette

日本公開は10月1日です。ぜひぜひ、皆様、劇場へ足を運んで下さい。
よろしくお願いします!!!!

Eiji

2010年9月14日火曜日

【CG】 モデリングの種類

さてさて、今日は誰もが知っているモデリングのエッジ処理についてご紹介。
え?そんなの基礎だし誰でも知ってるでしょ!!!でも、基本なんで皆で復習しましょう!
【ハードエッジサーフェーシング】


polygonで見るとこんな感じ↑。そして、レンダリング画 ↓


【ソフトエッジシェーディング】
Polygon的にはこんな感じ↑。んで、レンダリングするとこんな感じ↓


ここまでは実機ゲームや実機イベントムービー、プリレンダーでよく使われる最もベーシックなシェーディングです。
これから紹介するSubdivisionサーフェースは少々異なります。


【サブディビジョンサーフェース】


polygon上ではこんな感じ↑でも、レンダリングするとこんな感じ↓

このSubdivisionSurafaceは一見、ただ単にスムースがかけっられただけのレンダリング画像に見えますが
実はちょっと違います。もちろんMayaSubdivisonのように単に分割を増やすだけの物もありますが
RenderManSubdivisonのようにポリゴンからマイクロポリゴン化して計算するSubdivisonもあります。
(もちろんMentalRayのSubdivisin(Approximation)もマイクロポリゴンとして計算しますが。。。この話は難しくなるので割合)

そして、多くの人が知らないのが、このSubdivisionSurfaceはレンダラーによって内部的に扱う分割方法が違うので
同じメッシュの割りでも、RenderManでレンダリングした場合、MentalRayでレンダリングした場合、Mayaレンダーでレンダリングした場合など、それぞれ形が微妙に異なります。
言っておきますが、レンダダラーのアンチサンプルによるシルエットが違う!っていうレベルではなく、本当に形状が変わります。
特に尖った形状(先端が三角ポリゴンの集合だった場合)というのは、大きくシルエットが変わります。モデラーにとっては一大事です!
(クライアントが気づかなければ、問題なしという話もありますが。。。)

でも、こういうことを基礎知識として知っているモデラーさんは日本では非常に少ないです。
レンダラーを複数使う場合以外は、大きな問題にもなりませんが、複数使う場合は、こういった知識を持っていれば、この問題に対処するためにある程度、尖った場所にあらかじめエッジを増やして対応したりする事が出来ます。
もちろん、根本的な分割方法がそれぞれ違うので、まったく同じという訳には行きませんが、お互いの差を近づける事が出来ます。
(もしくは、元のメッシュにスムースを掛けて、レンダリングすれば、どのレンダラーでレンダリングしても同じ結果にはなりますが、それはあくまでもスムースなので、Subdivisonの恩恵を受ける事ができません。)

SubdivisonSurfaceは昔からよく使われている世界で最もポピュラーなモデリング方法の一つですが、日本では一向に馴染みがありません。。。
ここ最近、ようやく使い始めたという感じでしょうか???日本の場合は、どうしてもレンダーがMentalRayやVrayなどRaytraceをベースにしたレンダラーが主力だという事もあるかもしれません。
レンダラー(特にRaytrace)、サブディビジョン、ディスプレイスメントマップ、サンプルリング。。。この辺を絡めてくるとかなり話がややこしくなるので、今回は割合しますが、Subdivisonを単なるスムースとして安易に使うのは間違いです!っと言いたいだけです。
正確に言うと、スムースとして使うのは間違いではないけど、単なるスムースではないという事をご理解ください。
特にRenderman(Reys)ならまだしも、MentalrayなどのRaytracerの場合は特に注意が必要です。
特にキャラ以外での使用、背景など広大なロケーションでSubdivisonを使うと思いもよらないレンダリング時間を要求される事もしばしばあると思います。

う~~~ん、なんかいまいちまとめきれてない気がしますが。。。(^^;
とりあえず、モデリングにも色々な種類があるよ!って話でした。

間違いあれば、こっそりメールフォームから教えてください。こっそり修正しておきます(^^;

2010年9月12日日曜日

【紹介】 * little things of mine * 色々書けたらイイと思う

さて、次回からは少しテクニカルな話が続くので、その前にぜひご紹介したいブログがあるのでご紹介させて頂きます。

Digital Domain Technical Directorの鈴木ますおさんのブログです。

* little things of mine * 色々書けたらイイと思う

TDと言う事もあり、テクニカルな部分の基礎知識について書かれたエントリも多く非常にためになります。
日本の多くのアーティストが基礎知識がないままに、HDRI、レイトレース、GI、リニアワークフロー、リニアレンダリングなどを使う傾向にありますが、今後はCGとは別のもっと物理的な部分での基礎知識というのがアーティストレベルでも必要になってくると僕自身は考えているので、そういう意味では非常にためになるブログだと思います。

次回からは少しテクニカルな話が続くと思います。まずは基本から抑えていきましょう!
僕自身、まだまだそういった知識に鈍い部分もあるので、復習、勉強も兼ねて紹介したいと思います。

2010年9月11日土曜日

【CG】 フォトリアルとデフォルメ

さて、今回のブログの内容はフォトリアル(写実的表現)とデフォルメ(絵的表現)について紹介したいと思います。

ま~、僕が関わったきた作品やTIPSなどを見て頂いても解ると思いますが、フォトリアルとデフォルメどちらが得意?って言われたら間違いなくフォトリアルなテイストの方が得意です。
いつもの事ですが、これは僕の個人的なフォトリアルとデフォルメについての見解ですので、万人が同じ見解ではないと言う事をご理解ください。


学生さんや実際に働いているアーティストの方でも、勘違いされている方が多いと思いますが、フォトリアルな物を作るのと、デフォルメされた物を作るのとでは、遥かにデフォルメされた物を作る方が難しいです。
フォトリアルには”実写”と言う答えがありますが、デフォルメと言うのには答えがありません。

フォトリアルな物と言うのは、実物をじっくり観察して、現実に基づく形状を表現したり、実際の正しい情報を詰め込む事で表現できます。用は論理的なことを勉強すればフォトリアルな画像と言うのは誰にでも作れます。
しかし、逆にデフォルメされた画像を作るには、現実に基づく情報を逆に省いていかなければならないし、時には形状を変形させる必要すらあります。簡単に言うとデフォルメされた絵を作るためには、アーティスティックなセンスが求められます。
だから、デフォルメされた絵と言うのは、フォトリアルな絵を作るより難しいのです。

学生さんなどの作品では、デフォルメされたキャラやクリーチャーの作品が多いと思いますが、僕はそれらをデフォルメとは認識していません。
なぜなら、それはデフォルメされたのではなく、フォトリアルな物を作れずにデフォルメだけを求めた結果だからです。

僕の中でデフォルメと言うのは、フォトリアルな物を作れた上で、あえてそれらの情報をはぶき、形状を変更する事で表現されると考えているからです。
もちろん、反対される意見もあるかと思いますが、フォトリアルな物が作れないのに、デフォルメだけを表現されてもまったく説得力がありません。

ピカソは独特な表現をしていますが、彼の絵画とは裏腹に、彼のデッサンは実に写実的です。
僕はCGでも同じだと思っています。以前のブログでも言いましたが、大事なのは実際の物を見る観察力と見たものを表現する表現力がCGでも大事なのです!
観察力なき表現力には、まったく説得力がありません。しかし、正直、学生さんレベルでハイレベルな写実的な表現を身に着けるのは難しいでしょう!
なぜなら、観察力と言うのは普段から注意深く物を観察する事で身につけられますが、表現力は経験やセンスを必要とするからです。

僕にはそういった芸実的なセンスというのが乏しいので、非常にデフォルメされた表現と言うのは難しいっと感じます。
デフォルメした方が得意という人は、芸術的なセンスを持っているのだと思います。もちろん、写実的な表現が出来た上での話ですが。


ま~~、今回の話はあくまでも個人的な見解ですので、別の意見も存在すると思いますが、僕の見解としては、デフォルメ>フォトリアルという構図です。

次回は”モデリングの種類について”か”使ったことがある≠使いこなせる”を紹介したいと思います。

2010年9月8日水曜日

【仕事】 近況報告 国内編 その1

さてさて、国内復帰して1週間が経過しました。今の会社にも慣れてきて、少し気持ちにもゆとりが出てきました。

そして、少しずつ問題も見えてきました。大きな問題から小さな問題。
現状、把握しただけで年内に解決できないかもしれない問題もありそうです。

ま~~~、結論から言えば、当たり前の事ですが、やはり日本だな!っと(苦笑)
ただ、会社としては現状だと駄目だと言う危機感も持ってるし、変えないといけないと言う雰囲気も伝わってきます。

現に僕の所属しているプロジェクトのモデリングチーム(3割~4割程度が外国人)では早い人で8時には出社してるし、遅い人でも10時までには絶対に出社してます。
帰る時間は、自分のタスクと締切日にもよりますが、早い人は18時には帰るし、遅い人でも極力9時までには退社するようなスタンスで頑張っています。

他のデパートメントはどういう感じになっているのか、把握するにはもう少し時間が必要ですが、まずは身近なところから、自分の経験や知識を還元できればいいのかな?っというスタンスで働いています。

ワークフローやパイプラインは、実制作をしながらの構築と言う事もあり、多少混乱している部分もありますが
コーディネーターチームの皆さんやワークフローチームの皆さんの頑張りもあり、徐々にですが大きな骨組みを作りつつあります。
はじめて作ったワークフロー、パイプラインが最良と言う事は、まずあり得ないので、実際の真価が問われるのは、今後のことになると思います。

ここは焦らず、じっくりコツコツ地道にです。一朝一夕でワークフローやパイプラインが確立されるなら苦労はしません。
僕も出来る限り、知恵をお貸し出来ればな~~っと思う次第です。


そして、入社前から聞いていたことですが、PPIのコーディネーターさんは本当に優秀です。まずCGの知識を持ったコーディネーターと言うのは、本当に日本には少ないはずなのに、よくこれだけ集まったな!っと言うのが正直な感想です。
ただ、やはり海外プロダクションに比べれば、アーティストに対する比率で言えば、まだまだ不足気味ではあると思いますが
各デパートメントに1名のコーディネーターが張り付きで仕事をしているプロダクションは、おそらく日本国内だとPPIだけではないかな?っと思います。
(他にそんなプロダクションがあれば、すいません。僕の見識不足ですね。。。)

あとビックリしたのが、国内とは思えないぐらい英語があちらこちらで飛び交ってます。
日本人でも英語を話す方が、多くいるのにもビックリしました。
そして、英語の出来ない方のために、英語翻訳のためのトランスレーターがいるのにも驚きです。

正直、社内の公用語が2言語というのは、トランスレーターを介するので、効率という面では
一元化した方が良いとは思いますが、日本で社内全部英語というのも無茶な話なので
現状では最良の方法なのかな?っと思います。

まだまだ勤めて1週間なので、解らない事の方が多いですが、お互いの意見をぶつけあったり、雑談したり、お酒飲んだり(金曜限定のHappy Friday、Beer's O'clock)などなど、良い意味でも悪い意味でも活気のある会社だと思います。

まだまだ、やらないといけないことは山積みですが、少しでも業界活性に尽力できればっと思います。


あと補足、宣伝ですが、現状まだまだ人材募集を行っているそうなので、興味のある方は下記のHPからApplyしてみてはいかがでしょうか???
背景モデラー、キャラモデラーも人材募集しているそうなので、もし僕と一緒に仕事がしたいという方がいらっしゃれば、ぜひ応募してみてください!!!
http://www.ppi.co.jp/


次回はフォトリアルとデフォルメについて、僕の見解を紹介したいと思います。

2010年9月4日土曜日

【仕事】 近況報告 海外転職 後編

さてさて、次回に引き続き、今回も僕の海外転職、近況報告です。今日はコンタクトが取れている最後の会社です。

【最後の会社】
最後の一つは、つい先日の出来事です。今年中に海外転職は難しいかな?っと思い始め、家族で上京するための家探しや、引越しの準備をしていた時のことです。
アメリカ西海岸の某ゲーム会社のシネマティクスチームのモデリングスーパーバイザーから1通のメールが届きました。
元々、この会社は今年の5月ごろに駄目元でapplyした会社で、しかも募集してる人材がキャラテクスチャーアーティスト。

だめだろうな~~っと思いつつApplyしたんですが、7月ごろにスーパーバイザーから連絡があり
「作品をみたよ。私たちは幾人かの背景モデラーを探しています。そしてあなたもその候補の一人です。可能性の話だけど、あなたを雇うかもしれない。できれば、ハードコピーも送って欲しい。」
っという内容のメールが届きました。
それで、先月帰国していた、□時代の同僚(その会社で働いている)にハードコピーを渡してもらうようにお願いしました。
その後、友人が帰国してから数日後に、スーパーバイザーから
「デモリールのハードコピーをありがとう。いくつか質問があるので、数日中に電話するかもしれない。」っとメールが来ました。このスーパーバイザー、実は元スクウェア時代の同僚で、他の会ったことがないリクルーターからのメールよりも信憑性、可能性があると判断した僕は、契約目前だった賃貸契約をキャンセル。

家族での上京、引越しを取りやめ、単身赴任を決意。もし、具体的に話が進んだとき、年明け早々に、また引越し?とかなったら洒落にならないぐらいの出費がかさむからです。
もちろん、現時点では可能性でしかないので、この先どう転ぶかはまったくわかりません。
ただ、家族と話をして、僕の優先度が国内よりも海外にあるのであれば、常に海外引越しを念頭において、国内で活動する必要がありました。

結局、僕の仕事のために、今回も妻や子供が犠牲になってしまった訳ですが。。。
元々スクウェアを辞めた大きな理由の一つが、家族との時間を持つ事が一つの目的でした。
もし、予定通り年末まで単身赴任で過ごせば、今年に限っては1年の半分を別々に生活することになります。
毎回、僕の仕事のために家族には色々と負担をかけてしまってます。本当にこれで良いのかな?っと思うことがしばしばありますが、理解ある家族に感謝しつつ、もう少し自分の目標に向かって悪あがきしてみようかと思います。

まだまだ32歳(今月で33歳)。これらかも自分の目標に向かって、日々精進!!







しかし、数日後といいながら未だにメール、電話共に連絡なし。ここはさすがアメリカンクオリティ。
オーストラリアでもそうでしたが”next a few days soon" って言って、数日後に連絡来たためしがない。
大体、数週間後のことが多いので、もうしばらく待ってみます。あまり音沙汰なしなら、またこっちから連絡しなければ!!!

【仕事】 近況報告 海外転職 前編

さて、前回は国内での活動についての近況報告をさせて頂きましたが、今回は僕の海外転職についての近況報告をさせて頂きたいと思います。

正直に言いますと、まだ結論が出た会社がないので、現状で報告するのはどうかな?っと思っているのが正直な気持ちです。
ただ、行く人かの人から「海外転職頑張ってください」とか「応援してます。自分も将来的に海外で働きたいので、ブログ読んでます。」とか「北田さんが海外で働くことで、国内で海外志向の人の励みになるのでは?」とかとか色々な意見を頂きました。

僕が海外で働きたいのは、もちろん自分の目的(家族と夢の両立)を目指して頑張っている訳ですが
それを見て(読んで)共感してもらったり、応援してもらったり、なんか不思議な感じです。

勿論、僕の経験や技術を日本のCG業界に還元できれば、業界発展につながると思い、このブログをはじめた訳ですが、思いのほか反響も大きく、色々な人と知り合う、繋がるきっかけにもなりました。

僕の行動が海外転職を目指している人の励みになるのなら、中途半端な状態でも現状報告してもよいのかな?っという気にもなりました。
正直、この3ヶ月色々な会社(10社ほど)にAPPLYしましたが、リクルーターやスーパーバイザーと直接コンタクトが取れた会社は、現在4社のみです。結果が出ている訳ではないので、社名は控えさせて頂きます。

【最初の会社】
まず一番初めに私にコンタクトを取ってくれたアジアのハブにある某有名プロダクション。こちらの会社とは、電話面接、直接会う面接の計2回面接し、かなり具体的な内容までリクルーターと話をつめました。
ただ、なかなか返事が返ってこず、こちらから催促したところ「現状で、具体的なオファーは出せない。もし、他社からオファーがあるなら、あなたはそちらのオファーを受けるべきです」っとリクルーターから返事をもらいました。
僕のALの同僚の幾人かも、同じ会社の面接を受けていましたが、同じように突然、コンタクトがなくなったっと言っていました。
おそらく、シーグラフの時期と重なっていたこともあり、シーグラフで望む人材を発掘できたか、他に理由があったのだと思います。
ただ、ALの同僚で上級職(スパーバイザーやTDなどテクニカルな部分に優れた人たち)が、何人かオファーを得ることができました。
ALにも元某(アジアのハブ)プロダクションの人たちが多いので、色々と情報収集してみたところ、年内までに始まるであろう、新しいプロジェクトが思いのほか進んでいない状態で、集めている人たちはテクニカルな部分に特化した人たちだけだと言う話を耳にしました。
これは友人伝の情報なので、定かではありませんが、そういった理由もあり、ぴたりとコンタクトが取れなくなったのかな?っと推測しています。
また、年内までにコンタクトがあるかもしれませんが、あまり脈はないのかな?っと思ています。

【二つ目の会社】
もう一つの会社は、ALでのリバースリクルーティングで連絡をもらった、イギリス4強のうちの一つです。リクルーターから3週間後にCGスパーバイザーが新しい映画のためのスタッフを選考するのでハードコピーを送って欲しいと言われたので、先月送りました。
その後、リクルーターからの音沙汰がないので、そろそろ、こちらから連絡を取って脈があるかないかの確認を取ってみようと思います。

【三つ目の会社】
もう一つの会社もイギリスの会社で、こちらは多くの友人が勤めている会社です。もちろん、イギリス4強の一つです。こちらは早くから、連絡を取り合っていたのですが、新しいプロジェクトが9月から始まるらしいので、その時にポジションに空きがあれば、連絡します。っということだった。
9月になったので、こちらも、その後音沙汰がないので、こちらから連絡を取って、脈があるかどうか確認したいと思います。

って感じで、僕の海外転職は現在進行形です。最後の会社は、話が少し長くなりそうなので、また次回。
次回は”近況報告 その3”です。お楽しみに~~。

2010年9月1日水曜日

【仕事】 近況報告 その1

さて、もう知ってる人は知ってると思いますが、今年年内一杯は、海外からの返事を待つ形で国内プロダクションでお世話になることにしました。
お世話になるプロダクションはPOLYGON PICTURESです。そして、今日が初出社日でした。

いくつかの国内プロダクションからもお声を掛けて頂いたのですが、最終的にPPIさんでお世話になることを決めました。
理由は色々ありますが、最大の理由は会社の考え方ですね。日本国内に囚われることなく、積極的に海外案件の営業をしているたこと。そして、村本さん(元Weta)の存在も非常に大きかったです。

あとは国内プロダクションにも関わらず、非常に多くの外国人を雇用しているということ。しかも、ただの外国人ではなく、一流のプロダクションで働いた経験のあるアーティストも非常に多いということです。
僕と一緒に仕事をすることになるLead modelerのAndreas(元Weta)やLighting/CompのNico(元Dneg)とSandrine。その他にもインド、シンガポール、台湾などアジア系も含め、全体の約20%ほどが外国人であること。

外国人のアーティストが日本人より優秀という訳ではないですが、彼らから日本人のアーティストが学ぶことは大いにあると思います。特に国外のプロダクションはどういう仕事のやり方をしているのか?
どういったソフトを使用しているのか?どういったワークフローで作業するのか?パイプラインをどう構築するのか?学ぶべきことは多いと思います。

他にも色々と理由がありますので、箇条書き(笑
  • 村本さん、チヤマさん、ワークフローチームを中心に本気で日本国内にパイプラインを構築しようとしていること。僕もそのお手伝いが出来れば。
  • 人数だけで言えば、間違いなく国内最大規模のプロダクションであること。人数が多ければ、それに比例して優秀な人も増える。勿論、その反対でジュニアも多くなりますが。
  • 環境は人を育てる。色々な人種、シニア、ミドル、ジュニアなど様々なレベルの人と仕事をすることで、自分も成長できる。
  • 僕が海外志向で、短期でしか働かないのを理解した上で、必要としてくれたこと。
  • 意外と元□組で、一緒に仕事をした人が多い。
ま~~、こんな感じでしょうか?デメリットはしいて言うならお金ですかね(苦笑
AL、元□時代含めて給料は多少減りました。(PPIさんごめんなさい)
でも、逆に言うと給料が多少下がっても働く価値があるのでは?っと自分の中で思ったからこそ、PPIさんを選らんだんですが。

そんなこんなで、年内一杯はPPIさんで、海外案件を中心に仕事をしたいと思います。その間に、現在APPLYしている会社の返事を待つという形になります。日本の皆様、PPIの皆様、これから短い間ですが、よろしくお願いいたします。 できるだけ、僕の数少ない海外経験を還元できればっと思います。

あと立ち居地的には、フリーランスですので出向はしているもののPPIの社員という訳ではありません。
海外生活、海外転職、海外のワークフロー、パイプラインについてご興味がある方は、ご連絡いただければ、情報交流会を開きたいと思います。PPIさんの内情はNDA結んだんで話しませんが(笑)

次回は僕の海外転職の現状、近況報告をしたいと思います。