2012年12月31日月曜日

【CG】 SIGRRAPH ASIA 番外編 自分なりに考える海外就労!

どうもです。いよいよ今年も残すところあと1日ですね。本日のエントリーはSIGRRAPH ASIA番外編ということで、僕なりに考える海外就労の今をお伝えできれば!っと思います。

今年もブログやシーグラフを通じて、海外就労を目指す色々な方と出会ったり、メールフォームから色々な質問を頂きました。本当にありがとうございます。
そんな中、自分なりに”海外就労”という物について、再確認する上でも、良い機会と成りました。

今年出会った(メールフォームなどからの質問も含めて)海外就労を目指す人の多くが、海外就労の良い部分、メリットしか見えていないという事に気がつきました。

海外就労に関してお話、メール交換させていただいた人の多くが学生であったり、日本のCG業界に不満を持つ人たちだったりと、海外就労で何がしたいのか?という明確な目的、目標を持っている人が非常に少なく感じました。

これらの原因として、僕なりに考えてみたのですが、近年では僕のブログをはじめ、鍋潤太郎さんの海外就職の手引きや海外で働いている日本人アーティストが一時帰国された際に行われるセミナーなどを通じて、今までよりも容易に海外就労についての情報を集めやすい!という背景があると思います。

当然ですが、僕も含めて日本人アーティストには海外就労を通じて、良い経験、ワールドスタンダードな仕組み、技術を学んで、日本に持ち帰って欲しいという願いから、色々とポジティブな部分、メリットなどを伝えてきましたが、残念ながら情報過多で、少し頭でっかちになっている学生や海外就労を目指す方が増えて来た様に思います。

これは僕自身にも少しは責任があるのかな?っという思いで今回のエントリーを書くことにしました。

以前のエントリー”海外就職のデメリットとリスク ”でも述べましたが、海外就労に関してはメリットも非常に大きいですが、デメリットも伴います。
必ずしも海外就労は成功する訳ではありませんし、今後、学生(特に日本人学生)は、海外就労において、同じ学生という立場では、他国の人たちより、圧倒的に不利だという部分を認識する必要があります。

例えば、技術が同じレベルであれば、アジア諸国の学生と日本の学生では日本の学生の方が圧倒的に不利です。これはコミュニケーションの問題とコストの問題です。
現在、ハリウッド映画の制作の多くは、アウトソースで行われており、世界中で制作されています。
そんな中で、コストを少しでも安く抑えるために、アジア諸国へのアウトソースも積極的に行われています。
そこにジュニアレベルで、しかも英語が話せないローカルの学生よりもコストが高い日本人を雇うメリットはプロダクションにはありません。
そういう意味で、新卒でいきなりの海外就労というのは不可能ではありませんが、非常に難しいというのが現状です。

また、日本で働いておられる会社員、フリーランスを含むプロの方でも同様です。コストとコミュニケーションの問題から、どこの国でも海外就労経験がない人をあえてVISAサポートまでして雇うメリットというのは非常に少ないです。

コミュニケーション能力に乏しく、コスト的にも高い日本人が海外就労を勝ち取るのは並大抵のことではありません。

そこにあえて挑戦する!海外で働きたい!っと思う人たちの動機、目的が、最近は少し安易なように感じます。

僕が意見交換させて頂いたプロ、学生を含む方々の多くが

・日本のCG業界への労働環境への不満を理由に海外就労を目指したい!
・最近、海外で働いている日本人が増えたので自分も働いてみたい!
・国内で働いてみて、うまく行かないので海外で働いてみたい!

などなど、どちらかといえば、不満が原因で海外就労を考える人も増えて来た様に思います。もちろん、動機は人それぞれなので、安易に否定できませんが、僕自身が意見交換させて頂いた方々は非常に動機が薄いというか、情熱的な物にかけている気がしました。

どうしても海外じゃないといけない!海外でないとできない!だから海外に行く!という強い意志が感じられる人は非常に少ないと感じました。

僕自身は常に日本人アーティストの海外就労に関しては賛成ですし、挑戦してほしいと思っていますが、決して安易な気持ちでは成功はなしえない!失敗した時にリスクを伴うということを、再度、確認して頂きたいと思い、今年最後のエントリーをこういう形で行わせて頂きました。

かといって、リスクを恐れていても何も出来ないし、結局は海外就労できるか、できないか?っ手のは個々人の選択、 裁量なので。。。。非常に難しい所ではあるとおもうのですが。

ただ、僕自身は今後も海外のプロダクション事情や海外就労についての情報は出来る限り発信して行きたいですし、海外就労を目指す方々の手伝いが出来ればと思っています。

今年最後のエントリーが、少々重い話になってしまいましたが、 日本国内を早々に諦めて、海外就労へと安易に考える人たちが増えてきたのでは?っと思い、警報を促す意味でも今回のエントリーを書かせて頂きました。

最後になりましたが、今年一年、ブログを愛読していただいた皆様、公私共々お世話になった日本のプロダクションの皆様!今年一年本当にありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願い致します!

来年は新春企画として”外国人が日本で働くためには!? 第3回~第6回”までを連日でお伝えできればっと思っています!

それでは、来年も一年よろしくお願い致します!

2012年12月25日火曜日

【その他】SIGGRAPH ASIA 2012 in Singapore 後編

さて、本日のエントリーはシーグラフアジア2012での懇親会での模様をお伝えできればと思います。

参加者は、教員、学生、学校関係者6名、日本からお越しのプロの方々25名、現地で働く業界関係者8名の計39名の方々に懇親会に参加して頂きました。本当に遠いところありがとうございました。

この懇親会は、日本とシンガポールの情報交換会の場として設けさせていただきましたので、ほとんどの方々が飲み食い、そっちのけで情報交換、意見交換に有意義な時間が設けられたと思っています。

僕も多くの方の考え方、意見を聞かせて頂きましたが、日本からお越し頂いた方で、特に大きな企業、プロダクションで働いておられる方の共通意見として”日本の業界全体を盛り上げる!”というのが一つのキーワードだったように思います。

特に先日スクウェアエニックスから発表された”Agni's Philosophy FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO”でリードアーティストを勤められた岩田さんと再会、意見交換出来たことは僕にとっても非常に有意義でした。

実は岩田さんとはスクエニ入社時にヴィジュアルワークスでFF12で一緒に 仕事をしており、実に8、9年ぶりぐらいの再会ではなかったでしょうか?岩田さん自身、FF12を終えられてから実機チームに移られたため、ほとんどまともに会話する機会がなかったということもあり、本当に久しぶりです!という感じでした。

その他にも企業、プロダクションなど、第一線で活躍されている方々と意見交換させて頂きましたが、皆さんが口をそろえて言われたいたのが”業界全体を盛り上げる”っと言うことでした。

自社ではなく、業界全体で盛り上げていかないと、本当に世界に取り残されてしまう!そういった危機感が参加された方々から伝わって来ました。

これは技術的な部分と商業的な部分、両方から言えることだと思います。

そんな中で、最近ではスクエニさん、PPIさん、DFさんをはじめ、多くの会社が業界のこと思い、自社の技術をどんどんと公開、発表し、それらの一部をフリーのソフトウェアとして配布するなど、今までに見られなかった動きが出てきました。

この動きは僕自身、非常に興味深く、海外のプロダクションや会社では自社の技術をアピールするために当たり前のように行われていることなのですが、なぜ?今の時期になって各社がこのような動きになってきたのか?僕自身、非常に興味があったので、実際に技術公開されている会社、プロダクションの方に伺いました。

多くの方の意見は

「すでに自社で技術を隠し持って、沈んでいる場合ではない。隠し持ったまま沈んでも、その技術に意味がなくなる。」

「自社の利益のために技術公開しないという会社も多く存在するが、そうすることで外から情報が入ってこなくなる。情報を発信することで、より多くの情報を得られる。」

「自分達の最新技術だ!っと隠し持っていても、それは国内だけの話で、実は海外のプロダクションでは同じようなことが、何年も前から行われていた技術で、実は最新の技術でも何でもなかった。そんな物を持っていても仕方がない。どんどん技術発表して、お互いに切磋琢磨して、技術向上させたほうが健全だ!」

などなど、意見交換させた頂いた多くの方は、自社の利益というよりは、業界全体でどうすれば、盛り上げて世界に追いつけるか?といことに重きを置かれている方々の存在は目立ちました。
また、情報公開、情報発信を行うことで、より多くの情報を得ることが出来るのもメリットの一つだと思います。情報公開することで、海外で働く日本人アーティスト、外国人アーティストが日本の会社、プロダクションに興味を持つことが出来ます。

僕自身は、日本人が外国人に遅れをとっているとは思いませんが、プロダクションレベル、マネージメントという部分に関して(主に仕組みという部分)に関しては、大きな差を感じていました。

そういった部分の遅れを、日本の企業、プロダクションで働いている方たちも感じ始め、実際に行動に移されていることに、僕自身も刺激を受けました。
今後も、僕自身がどういったことで、日本の業界に貢献できるかわかりませんが、僕自身が出来ることから、少しずつやっていければっと!改めて思いました!

懇親会を通じて、多くの方がお互いに刺激を受けれたと思います。今後も、お互いが住んでいる地域、国に関わりなく、日本の業界のために刺激しあえる関係を気づければ!そんな気持ちにさせられました。

次回はSIGGRAPH ASIA 2012 in Singapore 番外編 ということで、少し海外就労についてエントリーできればと思っています。

2012年12月20日木曜日

【宣伝】les miserables

さて、本日は明後日21日から公開が始まる”les miserables”(邦題:レ・ミゼラブル) についての宣伝です。僕が関わったハリウッド映画、第6作目になります。
監督Tom Hooper!ヒュージャックマンやラッセルクロウ、アンハサウェイなど、豪華キャストで送る大作です。

Official Web

日本語Official Web

IMDB


Les Misérables - Extended First Look


Les Misérables - International Trailer

主に僕が担当した箇所は中世ヨーロッパの町並みを再現した背景のモデリングとテクスチャー中心ですが、今作は群集用のデジダブルにも挑戦してます。人とかオーガニック系はあまり得意じゃないんですが(^^;

今作はクレジットもされているので、ぜひ劇場にてお楽しみ頂ければなっと思います。
また、僕とは別の会社の日本人アーティストも今作に参加されています。クレジットで日本人の名前をいくつ見つけられるか?とかとか、長いクレジットでもお楽しみ頂ければ!っと(笑

2012年12月13日木曜日

【その他】SIGGRAPH ASIA 2012 in Singapore 前編

さて、先日シンガポールにて開催されたSIGGRAPH ASIA 2012 in Singaporeにて、社内見学会を日本から来られた方を対象に開催させて頂きました。また、懇親会では学生や日本で活躍される方とシンガポールで活躍されているアーティストの交流を深めるべく、懇親会を開催させて頂きました。

そんな中、SIGGRAPH ASIAや懇親会を通じて、僕が感じたことなどを今回のエントリーでまとめられればっと思います。

まずはSIGGRAPH ASIA。中日に会場を訪れましたが、少々規模の小ささに驚かされました。僕自身、本家のSIGGRAPH含めて、初めてのSIGGRAPHだったので非常に楽しみにしていたのですが。。。ちょっと残念な感じでした(^^;

それでも一部では、海外のプロダクションがJOBフェア的なことをしていたり、セッショントークなどがあったりっと、来場者の注目を集めるブースも幾つかありました。

午後からはエレクトリックシアターを見に行きましたが、シーグラフアジアということで、アジア勢の作品が多かった気がします。日本からは「宇宙兄弟」をはじめ、いくつかの作品が入選していました。入選作品の中には、道徳的にどうなの?政治色が強すぎて、ブーイングと喝采が入り混じる作品もありました。入選作品はどれもレベルが高く、アジア勢の躍進が非常に印象的でしたね。

あとエレクトリックシアターを見ていて特徴的だったのが、レンダラーですね。僕が見た限り、作品の7割ほどはレイトレーサー特有のノイズを確認することができました。
レイズ系レンダラーやスキャンライン系のレンダリングソフトは残りの3割程度で、作品の多くがレイトレーサーを用いていたことは、時代の流れなのかなっと??? 感じましたね。

翌日は午後13時からと17時から、計2回のDNEG社内見学会を実施させて頂きました。総勢22名の方にDNEG SINGAPORE オフィス見学して頂き、答えられる範囲での意見交換、情報交換、質疑応答をさせて頂きましたが、米や豪と違って、特徴的な物はなく、ただのオフィスビルなので、日本とそれほど代わり映えしなかったのでは?っと思うところもありました(w

っということで、本日は前振りだけですw 次回はメインの懇親会で行われた意見交換、情報交換に関して、僕なりに感じること、思うことがありましたので、次回エントリーでご紹介できればと思っています。

今後も日本のプロダクション、アーティストと海外プロダクション、アーティストの架け橋になれるよう、微力ながら地道に活動していければと思っています。
今回、会社見学会にご参加頂いた皆様、遠いところ、わざわざ来て頂きありがとうございました。

2012年11月7日水曜日

【Inter BEE2012】THE VISION OF DOUBLE NEGATIVE SINGAPORE

突然ですが、11月14日から16日まで開催されるInterBee2012において、我社(Double Negative Visial Effects Singapore)の特別講演が決定いたしました。
当初、シンガポール支社代表兼クリエイティブディレクターのNathan McGuinness(元Asylum Visual Effects社長)が来日を希望していましたが、仕事の都合の断念。
代わってシンガポール支社のCG SupervisorであるZoe Cranleyが来日することとなりました。

講演内容は"THE VISION OF DOUBLE NEGATIVE SINGAPORE"

<以下InterBee2012より抜粋引用>
イギリスの名門VFXスタジオDOUBLE NEGATIVE。ハリー・ポッター、バットマン・ビギンズをはじめ数々のハリウッドの大作を手掛ける同社の14年の足取りをたどります。
また、2009年にアジア進出を果たし、DOUBLE NEGATIVE SINGAPOREを設立。アジアでの制作、そしてアジアの才能とのコラボレーションの同社のビジョンが明かされます。

またZoeの他にModhing SupervisorのJosh Robinson、SeniorGeneralistTDのYuichiro Yamashita氏の来日も決定致しました。
ブース出展、内容など特別講演以外の詳細は未定ですが、おそらくはブース出展することになると思われます。
講演は平日の早朝ということで、参加するのは難しい方も、多いと思いますが、これを機会に、ぜひ講演に参加して頂きDOUBLE NEGATIVE SINGAPOREの事を広く知って頂ければと思います。

<詳細>
WEB:http://www.inter-bee.com/ja/

お申し込み:http://www.inter-bee.com/ja/2012/conference/content_forum.html

場所:幕張メッセ・国際会議場2階 国際会議室

日時:11月14日(水) 10:00 - 11:00

講演内容:THE VISION OF DOUBLE NEGATIVE SINGAPORE

講演者:Zoe Cranley(CG Supervisor at Double Negative Visial Effects Singapore)


また、シンガポール支社代表のNathan McGuinnessは元Asylum Visual Effectsの社長していた人物で、Asylum時代には日本人限定で求人を出したほどの親日家でもあります。
今後、日本人を対象としたジョブフェアなども行われる可能性もありますし、プロジェクトの始動にともない大規模募集を行う可能性も大いにあります。
今後はDnegSGの動向にはぜひ注目していただければと思います。また、忙しい中、講演聴講は難しいかもしれませんが、興味がある方は、ぜひお申し込みして頂ければと思います。
ブース出展の有無、内容、詳細に関しましては、随時、ツイッター、FB、ブログを通じて更新させて頂きます。

*1 Asylum Visual Effects(US)は2010年12月に閉鎖されました 。
*2 個人のリンク先はLinkedInのProfileです。LnkedInアカウントをお持ちでない方は閲覧できない可能性があります。

2012年10月25日木曜日

【SHIGGRAPH】シーグラフアジア2012 懇親会

シーグラフアジアに来られる方を対象にした懇親会、情報交換会を企画いたしました。
開催日時は11月30日19時30分からを予定していますが、諸事情により変更になる場合があります。
まずは、どれほどの参加希望者が居るのか?確認させて下さい。

参加希望者は本ブログのメールフォームより懇親会参加希望のタイトル名にて、本名、連絡先(Eメール)をご記入の上、送信ください。

*参加できない方も、参加できない理由(他のシーグラフイベントと重なったなどなど)を明記頂ければ、極力、多くの方に参加して頂くために日時を変更する可能性があります。

参加資格
映像、VFX、ゲームに関わる社会人、講師、学生の方であれば、だれでも参加出来ます。

開催日時
11月30日(金曜日) 19:30より開始
(変更の可能性あり)

開催場所
シンガポール某所(未定)

懇親会に関する詳細、変更はツイター、FB、ブログを通じてご連絡させて頂きます。
質問などありましたら、メールフォームよりお気軽にご連絡下さい。

北田栄二

2012年10月21日日曜日

【CG】 モデリング基礎編 その5 回答後編


モデリングチャレンジと題して、皆様に課題を出していたモデリング講座ですが、今回は回答後編ということで、ホイールとサスペンションのモデルデータを配布したいと思います。


前回と同様に今回も公開させていただくデータはあくまでもトレーニングの一環として作成したデータですので、ポリカウントなどは配慮していません。実際のプロジェクトでは更なるディテールを求められることもありますし、もっと軽いラフな形状を求められる場合もあります。

今回もモデルデータでは三角ポリゴンを使用せず、すべて四角ポリゴンで作成しています。
これもトレーニングの一環です。

 実際のプロダクションでは求められる要素によって、クオリティ、アプリーチの方法は様々です。
今回、配布したモデルデータがすべての正しい解という訳ではありません。参考程度に考えていただければっと思います。

ただ、すべてを四角形ポリゴンで作成し、実際に一体成形された物は、一体成形で作成する。
これはモデリングに必要な観察力表現力(PhotoshopWorldTips参照)を身につけるには非常に良いトレーニングです。

また、以下のことをご了承頂いた上でダウンロードください。

  1. データの流用などはご自由にお使いください。ただし商用での利用は禁止とさせていただきます。あくまでも個人利用に限らせていただきます
  2.  データをダウンロードしたことでの、不具合に関しては一切の責任を負いません。
  3. データ公開は本日より7日間限定で行います。
  4.  質問などあれば、メールフォームにて受け付けますが、多少、お返事にはお時間がかかります。
上記をふまえた上で、下記リンクより、モデルデータをダウンロードしてください。

■モデルサンプル2(ホイール、サスペンション)
(配布期間終了いたしました) 


今回の課題では前回のサイコロ、ボルトやネジなどに比べて、曲線も多いので、前回までの課題よりは何度は上がっていると思います。特に難しいのはホイールの一体成形でしょうね。このあたりは経験ですので、数こなして作り方を覚えるしかないのかな?っと(^^;



2012年10月5日金曜日

【CG】 モデリング基礎編 その5 回答前編

またしばらく更新が滞ってしまいました。この所はフリーランスの仕事が忙しくブログに時間を割くことが出来ませんでした。

モデリングチャレンジと題して、皆様に課題を出していたモデリング講座ですが、回答を示さないまま中途半端な状態が続いていましたので、今回は回答前編ということで、僕が作成したサイコロ、ネジ、ナット、ボルトのモデルデータ(objファイル)を公開したいと思います。

本来であれば、ブログで丁寧に解説しながら、回答できればと思っていましたが、時間が避けないまま中途半端になるよりは。。。っと思いデータの公開、配布を決意いたしました。

今回、公開させていただくデータはあくまでもトレーニングの一環として作成したデータですので、ポリカウントなどは配慮していません。実際のプロジェクトでは更なるディテールを求められることもありますし、もっと軽いラフな形状を求められる場合もあります。

また、今回のモデルデータでは三角ポリゴンを使用せず、すべて四角ポリゴンで作成しています。
これもトレーニングの一環ですので、実際のプロダクションでは三角ポリゴンを使用する時もありますし、一体成形で作らず、パーツを分けたぶっさしモデリングで作成する場合もありまし、エッジループを使用しないでモデリングする場合もあります。
 実際のプロダクションでは求められる要素によって、クオリティ、アプリーチの方法は様々です。
今回、配布したモデルデータがすべての正しい解という訳ではありません。参考程度に考えていただければっと思います。

ただ、すべてを四角形ポリゴンで作成し、実際に一体成形された物は、一体成形で作成する。
これはモデリングに必要な観察力表現力(PhotoshopWorldTips参照)を身につけるには非常に良いトレーニングです。

また、以下のことをご了承頂いた上でダウンロードください。

  1. データの流用などはご自由にお使いください。ただし商用での利用は禁止とさせていただきます。あくまでも個人利用に限らせていただきます
  2.  データをダウンロードしたことでの、不具合に関しては一切の責任を負いません。
  3. データ公開は本日より7日間限定で行います。
  4.  質問などあれば、メールフォームにて受け付けますが、多少、お返事にはお時間がかかります。
上記をふまえた上で、下記リンクより、モデルデータをダウンロードしてください。

■モデルサンプル1(サイコロ、ネジ、ナット、ボルト)
(配布期間終了いたしました)


次回は回答後編ということで、ホイール、サスペンションのモデルデータの配布を予定しております。

2012年8月27日月曜日

外国人が日本で働くためには! 第二回

以前から企画していた新コーナー第二回目です。

前回記事はこちら
外国人が日本で働くためには! 第一回

 日本人が海外で働くためのブログ、エントリーを基本に書いてきましたが、今回はその”逆”で、外国人が日本で働くためには?とう切り口で、日本で働いた経験がある現役の外国人アーティストにインタビューを試みています。
外国人が日本で働くためには何が必要か?日本企業は何を変えるべきか?など大胆にインタビューを行いました。


今回の第回二目は、日本人の妻を持ち日本語、英語を自在に操る現役FX TD。バンクーバーにある大手プロダクションで現在は勤務しています。

※ 今回のインタビューは個人、企業への配慮を考え企業名や個人名など一切公開していません。


-Please introduce yourself and give us a brief summary of your work experience.
自己紹介と簡単な職歴の紹介をお願いします。

I've started seriously drawing and painting about 20 years ago. I went to art college and worked with pencils, paints and watercolors as well as prints and eventually computers. Professionally I started of as an illustrator but quickly moved into computer games as a modeller and texture artist. I became increasingly technical and my last 3 jobs have been as a VFX TD.

私は約20年前に絵を描き始めました。私は美術大学へ進み、鉛筆、絵の具や水彩画などを学びました。最終的に私はコンピュータで絵を描くようになりました。専門的に私はイラストレーターとしてのスタートでしたが、迅速にモデラーやテクスチャアーティストとしてのコンピュータ·ゲーム産業へ移りました。私はますます技術的になり、私の3つ目の仕事が現在のVFX TDとなっています。

-What was your job title and your responsibilities? How long did you work in Japan?
あなたの職種と役割を教えてください。また、あなたは日本でどれぐらい働きましたか?

I worked for several years as a game artist in a small company in Osaka before briefly working as a TD for a group of freelancers. It must have been 5 years altogether.
とあるフリーランサーのグループのTDとして働く以前に、私は大阪の小さな会社のゲームアーティストとして数年間働いていました。それは全部まとめ5に違いない。

-In general, how did you feel about working in Japan?(or more specifically, pros and cons?)
あなたは日本で働いてみて、どう感じましたか?具体的に長所や短所などあれば教えて下さい。

Working in Japan can be hard but also very interesting. Most of the difficulty for me was with noise. It's hard to explain but I find Japanese offices quite noisy. Living in Japan is quite good actually. I love the predictable weather, excellent restaurants, quirky everythings, onsen, and a thousand other things. 
And hey, stop living your life staring at mobile phones. Just saying. ;)

日本で働くことも非常に興味深いですが、非常に難しくもあります。私にとって最も難しかったのが雑音です。それを説明するのは難しいですが、私は日本の事務所がかなりうるさいと気づきました。実際には日本での生活は非常に快適で素晴らしいです。私は予測可能な天候、素晴らしいレストラン、風変わりな何もかも、温泉、幾多の事を愛しています。

そして私はただ言います。携帯電話を見つめるだけの人生を送るのはやめてください(笑



-What do you think are the differences between the working styles of Japanese companies and western-based companies?
あなたは日本の企業と欧米の企業のワークスタイルの違いについてどう思いますか?
Small companies work very much in a similar manner but there is a huge difference when compared to large western facilities. Clients in Japan want very fast results and often require major changes at the last minute. The Japanese are remarkable at what the can produce but it only works up to a point. You cannot pump out Avatar quality CG on a shoestring budget with a brief that changes 150% at 11.55pm. 

The dynamics of big projects is completely different. It is much more methodical and resource intensive than what you have at most, or any shop at all. Imagine spending weeks on a single effect, even months, with all the staff and hardware. You need big clients with deep pockets to do this.

小さな会社は、同様のやり方で非常に似た働き方をします。しかし、大きな欧米の会社と比較した時、大きな違いがあります。日本のクライアントは非常に迅速な結果を望み、土壇場で大きな変更をしばしば要求します。日本人、彼らが作り出すことができる物で、目を見張る物が存在するが、それはただ極一部のみで動作します。あなたは11.55pmに150%を変更する概要とわずかな予算でアバター品質CGを作り出すとはできません。

大きなプロジェクトのダイナミクスは完全に異なっています。あなたが持っている物、あるいはお店で購入する物より、それははるかにより順序正しい、また集中的な資源です。想像して下さい、個人で数週間働く効果と、スタッフ全員とハードウェアで何カ月も働く効果について。あなたはこれを行うためには深いポケット(予算?という意味なのかな???)と大きなクライアントを必要します。

-What elements do you think Japanese companies should change to improve the working experience of foreign artists?
外国人アーティストが日本で働くためには、日本企業は何を変える必要があると思いますか? 
Speak English! If you want to work internationally it is necessary to use an international language. It's difficult, it's inconvenient but that's the way it is. English isn't my mother tongue nor that of many of my coworkers but it is so important yet so lacking in Japan. However, if you have mostly local or national clients, of course it is not necessary.

英語を話す!あなたが国際的に活躍したいなら、それは国際的な言語を使用する必要であります。それは難しく、それは不便だが、それが現実です​​。英語は私の母語ではありません、また私の同僚の多くも英語が母国語ではありません。英語は日本に欠けています。しかし英語は非常に重要です。しかしながら、あなたが国内のクライアントのみを持つ場合は、もちろん英語は必要ありません。


-What elements do you think are necessary in an artist if he/she wants to work in Japan?
外国人アーティストが日本で働くためには、何が必要だと思いますか?
Be lucky. I don't know of any secret sauce to making it in Japan. Some fail, some succeed, and luck has a lot do with. Try and see!

幸運であること。私は日本でそれを作ることにおいて、他の秘密のソースを知りません。いくつかの失敗、いくつかの成功をするかもしれませんが、運が非常に大きいです。試してみてください!

-Including myself, many Japanese artists have been leaving the country to work overseas. How do you feel about this?
私自身も含めて、多くの日本人アーティストが海外で働くために、日本を離れています。それについてどう感じますか?

It is a global industry and everybody moves around all the time. It is a problem in the sense that we find it hard to settle down and live a normal life. I wish there was a serious international movie industry in Japan. I really believe that you have some of the most amazing artists in the world. You are dedicated, hard working and never complaining people and how great it would be to produce world class vfx in Japan. 

Build a Pixar studio in Yakushima and I'd drop everything and go there in a heart beat! Seriously, forget Tokyo, it's small, expensive and stressful. Plonk a bunch of artists and a world class facility into the gorgeous Japanese countryside and I guarantee you first class quality at low cost, with happy staff, family and businessmen. That is my dream!
それがグローバル産業です。また、誰でも常に動き回ります。私たちが落ち着き、正常な生活を送ることが難しいという意味では、それは大きな問題です。私は真剣に国際的な映画産業が日本であってほしいっと願っています。私は本当にあなたが(日本人が)世界で最も素晴らしいアーティストのいくつかを持っていると信じています。
懸命に働いて、不平を言わないアーティスト、そして、日本で世界クラスvfxを生産することがどれくらい素晴らしいでしょうか。
 

もし屋久島ピクサースタジオができたら、私は熱いハートを持って、すべてを投げ捨ててそこに行くでしょう!真剣に東京を忘れて下さい。それは小さくて高価でストレスだ。芸術家の群れ、および豪華な日本の田舎、地方(カントリーサイド)で世界クラス設備ができたら、私は幸福なスタッフ、家族および実業家と共に、低コストであなたにファーストクラスの品質を保証します。それは私の夢です。

-Please give a message to those who are willing to work in Japan or those Japanese artists who want to work outside of Japan.
日本で働きたい外国人、もしくは海外で働きたい日本人に対して、メッセージをお願いします。

Try it, but have a backup plan my dear friends.
挑戦して下さい。しかし、バックアッププランも用意して下さい。

以上がインタビューになります。私自身、英語に関しては、まだまだ未熟な部分が多々ありますので、翻訳に間違いがあるかもしれません。メール、コメント欄より、ご指摘頂ければ、後日修正いたしますので、お気軽にご指摘頂ければと思います。

まだまだ幾つかインタビューの翻訳が残っているので、すべてを終えた後に、僕なりの考えをまとめらればよいかな?っと思っています。

【宣伝】Total Recall and The Bourne Legacy

さてさて、更新がかなり滞り気味でしたが久しぶりの更新です。
久しぶりの更新で申し訳ないのですが、僕が関わった映画の宣伝させて頂きます。

一つは日本でもすでに公開されているトータルリコール、もう一つは9月28日より全国公開予定のボーンレガシーです。

Total Recall
公式WEBサイト
IMDB Total Recall



The Bourne Legacy (9月28日より全国公開予定)
公式WEBサイト
IMDB The Bourne Legacy



残念ながらトータルリコールではクレジットを貰えませんでしたが、俳優やストーリーは一新され、非常に見応えのあるアクション映画に仕上がっています。特にKate BeckinsaleとJessica Bielのアクションシーン、演技には注目してみてほしいですね!また業界関係者の皆様はVFX必見です!!

ボーンレガシーはボーンシリーズの4作目となり、主演はJeremy Renner。前3部作の続編ではなく、あたらしいエージェントの物語。
こちらも迫力あるアクション、随所に効果的に使われているVFX!必見です。VFXはトータルリコール程の派手さはありませんが、非常によい仕上がりになっていると思います。
こちらではクレジット貰えてので、ぜひクレジットで僕の名前も探して下さいね!

2012年6月12日火曜日

【宣伝】The Dark Knight Rises coming soon

さて、いよいよ全米公開(日本公開は7月28日)まで1ヶ月を切りましたね。そんな訳で、本日はThe Dark Knight Risesについて、少しだけ宣伝させて頂きます。

ここでは多くを語ることは出来ませんが、今の会社に移ってから最初に携わった映画です。あまり多く関われた訳ではありませんが、僕が初めて携わったライブアクション系(実写系)の映画と言うことになります。

詳細は下記にてご確認ください。担当個所も一瞬ではありますが、TRAILERに映ってますw
本編では、もう少し長い時間使われていると思いますので、ぜひ興味のある方は劇場に足を運んで頂き、楽しんで頂ければと思います



Official Web Site
Official Web Site Japan 
IMDB
Trailers

全米では日本より1週間ほど早い7月20日公開ですが、日本でも7月28日より全国公開の予定です。
ぜひぜひ劇場にて、バットマン最終章をお楽しみ下さい!

2012年5月25日金曜日

【CG】 モデリング基礎編 その4 エッジループの作り方

さて今回も引き続き、モデリング基礎編です。今回はエッジループを具体的にどうやって作るか?三角形はどうやって無くす?と言うことに注目して紹介して行きたいと思います。

まずは前回のエントリーでも紹介したとおり、エッジループで面をとる場合は、基本的には面を取りたいエッジの左右に1本ずつエッジを足した、最終的にはサブディヴィジョンを適用して、面を取る方法です。

【四角形】
一番基本的な面取りは下記のような四角形の面取りですね。
四角のそれぞれの角に中心に、左右上下にエッジを1本ずつ足すことで面取りすることが可能になります。



【円柱】
続いては円柱を作る場合ですね。円柱を作る上で最も重要なのが、円を形成するための頂点数です。ただ、形状が円柱に見えれば、それでOK!という訳ではありません。円柱を作成する場合に、僕が最も多く使う頂点数は8,16,32,64の8の倍数です。続いて状況に応じて6、12、24、48、などの6の倍数を使用します。デフォルトの10の倍数も不可ではありませんが、リダクションする際に、2で割った場合、最小頂点数が5と言うことで、上面、底面の三角形を処理できなくなりるので、特定の理由が無い限り、僕の場合は10の倍数はほとんど使用しません

こんな感じで、円周の周りに1本ずつエッジを足して、上面、底面の三角形を図の様に処理してあげれば、すべてを四角形に保つことが出来ます。


【球】
球に関しては、基本的に面取りを行う必要はありませんので、頂点超過(1つのバーテックスに対して、何本ものエッジが集まっている状態)と三角形の処理方法だけを紹介させて頂きます。
 こんな感じに頂点を処理すれば、頂点超過や三角形はなくなります。



続いては円柱の応用編として、背景には欠かせないパイプの作り方ですね。パイプを作成する場合、下図左のように、円柱同士をぶっさす感じでモデリングしてもかまわないのですが、この場合、突き刺した部分の接合部に溶接跡などのテクスチャーを描くの非常に困難になってしまいます。
(遠景でそういった汚しや溶接部分を描く必要が無い場合は問題なし)そこで、下図右のように繋げて(一体形成でモデリング)、エッジを足すことで、溶接して出来たかのような、繋ぎ目を再現することが出来ます。




他にも3本のエッジを1本に減らす方法や柔らかい曲面とシャープな曲面をエッジの感覚を調整することで、車のボディの形状のような複合的な形状を作成する方法などもありますが、それらはまた次回に紹介したいと思います。

上記で紹介した様な方法はエッジループを使った面取りを行うための基本事項ですが、本日紹介した方法だけでも、色々な形状をを作るための応用がききます。ぜひ、覚えていただき、実践されてみてはいかがでしょうか???

そして、以前ツイッター限定で出題した、北田栄二のモデリングチャレンジ!!!の回答と言うわけではありませんが、課題1から4までのワイヤーフレームを公開させて頂こうと思います。

※北田栄二のモデリングチャレンジ
ルールは至って、シンプル。サブディヴィジョンを適用する前提で、課題の形状をエッジループを使い面取りを行う。ただし、多角形、三角形の使用は禁止!一体形成された形状は、同様にポリゴンでも一体形成で作ること!ぶっさしモデリングは禁止!

課題1 サイコロ




課題2 ナットとネジ(ネジ穴は螺旋状に形成すること。)





課題3 ホイール


課題4 サスペンション



っという感じで、応用させれば色々な形状をエッジループを使って(サブディヴィジョンを適用させるため)作ることが出来ます。今回はほんの一例に過ぎませんが、ぜひ一度、皆さんもエッジループを使った面取り、サブディヴィジョンを適応させる前提のモデリングにチャレンジしてみて下さい!!!

<三角ポリゴン補足>
業務上、プロダクションによっては三角ポリゴンは使用不可というプロダクションも存在しますが、僕個人の考えでは、状況やレンダラーに応じて、三角ポリゴンの使用は可能だと言うのが、僕の考えですが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースにしたレンダラーを使用しているので、三角形を使用したモデルや頂点超過があるモデルの場合、時折、レンダリング時にエラーが出たり、三角ポリゴンや頂点超過部分だけレンダリング出来きない!と言うようなこともありますので、常日頃から三角形や頂点超過を極力使用しないモデリングを心がければ!っと思います。また、正しいトポロジーはリグやアニメーション、レンダリングにも優しいく、エラーもすくなくなりますからね!


【多角形ポリゴン補足】
僕のモデリング知識において、基本的に多角形ポリゴンは使用禁止です。理由は色々とありますが、先ほども述べましたが、海外プロダクションの多くはRenderManをベースとしたレンダラーを多く使用しています。そのため多角形ポリゴンはサブディヴィジョンを適用した際に、トラブルになることが非常に多いです。そのため海外プロダクションの多くは多角形ポリゴンの使用を禁止しています。

次回も引き続き、モデリング基礎編 その5を予定しています。皆さんの参考になれば幸いです。

2012年5月20日日曜日

【CG】 モデリング基礎編 その3 ベベルとエッジループ

さて、今回も引き続きモデリングの基礎編。今回はベベルとエッジループを使った面取りの違いがわからない!という質問を頂いたので、前回のエントリーを少し補足する感じで、ベベル機能を使った面取りとエッジルールを使った面取りの違いについて紹介できればと思います。

まずは簡単な四角形を使ってベベル機能を使った面取りとエッジループを使った面取りを比較してみようと思う。


<ベベルを使った面取りの場合>
見ていただければ解ると思いますが、赤く表示された部分に三角形のポリゴンが発生したのを確認することが出来ると思います。これはMAYAベベル特有の機能かもしれませんが、複数のエッジが集まる頂点の処理に問題を持っています。またUVを展開した後にUVのボーダーエッジになっているエッジにベベルを使うとUVが破綻して壊れてしまう!というバグにも近い仕様がMAYAベベルにはあります。前回のエントリーでも述べた通り上記理由から、僕はベベル機能をほとんど使用することがありません。これはもちろん好みの問題もあるので、一概に正解というのはありません。



<エッジループを使った面取りの場合>


エッジループを使った面取りと言うのは前回のエントリーでも説明しましたが、面を取りたいエッジを中心に、左右に1本ずつエッジを足して、中心のエッジから左右のエッジの距離を調整して、面取りを行う方法です。
 この方法の利点は、ブロックモデル(プロキシーモデル)などに、そのままエッジを足す(多少、手を加える必要はあり)ことで、ハイモデル、ヒーローモデルへの流用が可能という点が大きな利点です。
また、ブロックモデル(プロキシーモデル)の段階でUV展開しておいても、UVのほとんどを変えることなく流用できることも利点の一つです。 ただ、この方法でモデリングした場合は、サブディヴィジョンを使用することが前提となりますので、MentalRayなどのレイトレーサーで扱う場合は、多少レンダリングに負荷がかかるモデリング方法だと言えると思います。


続いてはベベル機能を使って出来てしまった多角形や三角形がレンダリングに与える影響をご紹介したいと思います。

下記の図はベベル機能を使って作ったジオメトリです。上面に多角形と三角形があるのが確認できると思います。



こちらの下図は実際にレンダリング時に処理させる(レンダラーにより分割方法は異なる)多角形のワイヤーフレームになります。RenderManを代表とするReyes系のレンダラーはレンダリング時に、すべてのジオメトリをマイクロポリゴンと言う四角ポリゴンに変換しますが、MentalRayを代表とするRaytrace系のレンダラーは、レンダリング時にすべてのジオメトリを三角ポリゴンに変換することが多いです。なので、レンダラーがRaytrace系であれば大きな問題になりませんが、レンダラーがReyes系の場合は、多角形がある場合は、レンダリングにエラーが出てしまい、レンダリング出来ないケースも少なくありません。



※マイクロポリゴンをビューポート上で可視化させることは出来ませんので、今回は割愛させていただきます。

下図は同様にエッジループを使って面取りを行ったケースです。どのポリゴンもほぼ正四角形に近い状態で保たれています。
(サブディヴィジョン適用前なので、形状はブロックモデルの時と変化ありませんが、サブディヴィジョンを適用することで角が丸く面を取ることが出来ます。)


下図では同様にRaytracer(レンダラーにより分割方法は異なる)でレンダリングするときの分割線になります。見ていただければ解ると思いますが、すべてのポリゴンを正四角系に近い状態で保っていたため、分割された三角形も、ほぼ左右対称で同じ形状に分割されているのがわかると思います。これはリグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングを行う上で非常に重要なことです。モデラーはただシルエットをモデリングするだけではなく、正しいトポロジーをキープすることも非常に重要な役割の一つです。正しいモデリングを行うことで、リグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングでのトラブルの多くを防ぐことが出来ます。


続いてエッジループを使った面取りを具体的に図をまじえながら紹介したいと思います。図の左側はサブディヴィジョン適用前、右がサブディヴィジョン適用後になります。見ていただければ解ると思いますが、サブディヴィジョン適用前は、ブロックモデルの時と何も変わりません。ただ、エッジが足されているだけです。もちろんUVも同じです。


こちらは上記モデルよりもエッジループの幅を広くした物です。ブロックモデルのときの形状は、UV共に変わりませんが、サブディヴィジョン適用後の面取り具合に違いがあるのが確認できると思います。これがエッジループを使った面取りという訳です。左右のエッジの幅を広くしたり、狭くしたりすることで、面取りの角度を調整する面取りの方法です。
※この方法を用いる場合、すでにUV展開の作業を終えた場合は、エッジを動かすのではなく、エッジを加えた後に、古いエッジを削除するようにしてください。バーッテックスやエッジを動かすことで、UVが歪んだり、破綻してしまいます。


続いてはおまけで、なぜ多角形がいけないのか!?と言うことご紹介したいと思います。まず下図のような多角形平面を作成してみました。見た目は非常に綺麗な平面ですが、レンダリング時の分割線を見てみると。。。。。。


こちらがレンダリング時の分割線です。見ていただければ解ると思いますが、どの三角形も形状が異なり、細く長く伸びた三角形になっていることが確認できると思います。

Raytracerの場合は、レンダリング時に三角ポリゴンに変換するので、多角形でも完全平面であれば、問題なくレンダリングすることは可能ですが、湾 曲した曲面や完全平面でない場所に、細く長く伸びた三角形があると、Raytracerでもレンダリングのエラーになる場合があります。最近はレンダラー も発達して、多少の不正なポリゴンなどでも、内部的に自動処理して、レンダリングすることも可能ですが、必ずしもレンダラー側で処理できるとは限りませ ん。特にReyes系のレンダラーの多くは多角形ポリゴンをサポートしていません。(特にサブディヴィジョンを扱う場合は特に問題になることが多いで す。)

なので、モデラーは格好いいシルエット、モデルを作ることも重要ですが、内部的に正しいトポロジーも同時に作成する必要があります。背景やハードサーフェースに比べて、特にキャラモデラーを目指す方は、特に正しいトポロジーと言うのを意識された方が良いでしょう。キャラの場合は、リグ、アニメーション、シュミレーション、レンダリングと多肢のセクションと関わることになります。
正しいトポロジーでなかったために、不要な問題、トライアンドエラーを抱えてしまい、他セクションに多大な迷惑をかけることにもなりかねません。


と言うことで、今回はベベルとエッジループを使った面取りの比較を行ってみました。今後、モデラーを志す学生さんや、モデリングについての知識を深めたい方の参考になれば幸いです。

あと補足ですが、ベベル機能、三角形ポリゴンが悪い、使用しちゃいけない!という訳ではありません。要は長所と短所を理解して、使い分ければどちらも非常に便利な 機能です。

すべてを四角で、極力正四角形に近い状態にトポロジーを保つと言うのは、非常に長い時間を要し、困難な作業です。ある程度の経験も必要になってきます。なので、要はレンダラーなどの長所、短所を理解した上で、迅速かつ適切な方法を選択すると言うことに限ると思います。

ちなみに僕はレンダラーがMentalRayやRaytrace系だった場合、けっこう三角形は使ったりします。ベベルは個人的にあまり好きじゃないので、レンダラーに関わり無くほとんど使用しませんがwこの辺は、何度も言いますが、好みの問題ですね(^^;
あと多角形は絶対に使いませんね。レンダリングだけでなく、アニメーションやリグ、シュミレーションにも悪影響がでますので。

次回は更に掘り下げて、トポロジーについてご紹介できればと思います。

2012年5月13日日曜日

【CG】 モデリング基礎編 その2 ベベルとスケール

さて、少し前回のモデリング基礎編から期間があいてしましましたが、今回はモデリングの中でも、僕が特に気を使っているベベル(面取り)について紹介したいと思います。

ベベル(面取り)はオーガニックモデルやキャラクターモデルを作る際には、あまり頻繁に行う作業ではありませんが、ハードサーフェースを作る際には非常に重要な要素になってきます。

そして、僕がモデリングの際に綺麗なトポロジー(不正が無い)を作ることと同じぐらい、最も気をつけている作業の一つです。

ベベル(面取り)はスケール感を作る上で、非常に重要な要素です。また、面を取ることでオブジェクトに綺麗なハイライト(スペキュラー、リフレクション)を与えることが出来ます。

それでは、一言でベベル(面取り)と言っても、実はいくつかの方法と用途があります。
今回はそれらの方法と用途について紹介できればっと思います。


<面取りを行わない場合(サブディヴィジョン不適用)>


上記図の様に遠景に私用するモデルの場合やマットペイント用のベースモデルなどの場合は、あえてベベルを行わない場合がほとんどです。
面を取ることでスケール感が損なわれ、ミニチュアのように見えてしまいます。
また面取りを行うことで、遠景のモデルにも関わらず、ポリゴン数の増加にも繋がります。
上記のような理由から、遠景モデルではベベル(面取り)を行わないことが多いですが、プロダクションによっては、遠景近景関係なく
きっちりとリアルスケールの面取りを行うプロダクションも存在します。




<ベベル機能を用いたい面取りの場合(サブディヴィジョン適用可)>


これはMAYAやMAXのモデリングツールを使用して面取りを行うケースです。基本的には近中景用のモデルを作成す時に、よく用いられる方法です。またセグメント(分割)次第では、面取り後にサブディヴィジョンを適用することも可能です。
ベベル機能は便利で非常に扱いやすいので、使用されている方も非常に多いと思いますが、僕は大きな面を作るとき以外は、ほとんど使用する事がありません。
僕がベベル機能を使用しない理由はいくつかありますが、最も大きな理由はベベルの幅が選択されたエッジですべてが均等になり、スケール感、リアリティが損なわれる。
また、面取り後の角に三角ポリゴンや多角形ポリゴンが出来たり、モデリング終了後の修正で面取りの幅、間隔の修正を修正したい時に、修正が非常に困難であるという点で、僕はよほど大きな面を作る時以外はベベル機能を使用しません。
この辺は、個人の好みもあると思いますが(^^;


<エッジループとサブディヴィジョンを用いた面取りの場合>



この方法は近景モデルやヒーローモデルを作成する際に作成する方法で、面を取りたいエッジを中心に左右に1本ずつエッジを足す方法です。この方法は最も海外プロダクションで多く用いられている方法です。そして、僕が最も好んで行う面取りの方法でもあります。面や角が常に平面に保たれて居いることが多いので、サブディヴィジョンを適用することが前提のモデリング方法になります。
また、この方法で面取りを行った場合、角の不正な多角形や三角形の発生を防ぐことも出来、モデリングが終了した後でも、エッジループの間隔を調整することで
UVの破綻を来たすことなく、簡単に面取りの幅を調整することが可能です。またサブディヴィジョンを適用することで、非常に現実世界に近い形の面取りを行うことが可能です。

 ベベル(面取り)の方法や用途、サブディヴィジョンの適用、不適用はプロダクションのルールやワークフローなどにより異なります。一概にこれがベストな面取りの方法です!というのはありませんが、海外で作成されるモデルの多くは、エッジループとサブディヴィジョンを用いたモデリングが非常に多いです。海外就職を意識される方は、この方法を意識してモデリングに取り組まれたはいかがでしょうか???

質問や不明な点などあれば、お気軽にメールフォームかツイッターなどでご質問頂ければと思います。

次回は更に具体的なエッジループを用いたモデリング方法、テクニックをいくつか紹介したいと思います。

2012年5月4日金曜日

外国人が日本で働くためには! 第一回

以前から企画していた新コーナーです。 日本人が海外で働くためのブログ、エントリーを基本に書いてきましたが、今回はその”逆”で、外国人が日本で働くためには?とう切り口で、日本で働いた経験がある現役の外国人アーティストにインタビューを試みました。
外国人が日本で働くためには何が必要か?日本企業は何を変えるべきか?など大胆にインタビューを行いました。



今回の第一回目は、日本人の妻を持ち日本語、英語、中国語を自在に操る現役アニメーター。LucasAnimationSingapore、ILM(US)を経て現在はBlueSkyStudioでアニメーターとして、活動されているジェーソン・ホー氏にインタビューを試みました。


※今回のインタビューは個人、企業への配慮を考え企業名や個人名など一切公開しない予定でいましたが、彼の好意で会社に直に問い合わせして頂き、本名、企業名を公開しても大丈夫との承認を頂きましたので、今回のインタビューは企業、個人名を公開した形でのインタビューとなります。


-Please introduce yourself and give us a brief summary of your work experience.
自己紹介と簡単な職歴の紹介をお願いします。

My name is Jason Ho. I am a Singaporean currently working in the US for Blue Sky Studios. I've also worked at Industrial Light + Magic in San Francisco prior to joining Blue Sky.

私の名前はジェーソン・ホーです。私はシンガポール人です。私は現在アメリカのブルースカイスタジオで働いています。そして、私はサンフランシスコのILMで働いた後、ブルースカイスタジオに入社しました。

-What was your job title and your responsibilities? How long did you work in Japan?
あなたの職種と役割を教えてください。また、あなたは日本でどれぐらい働きましたか?
I work as an animator at Blue Sky Studios and we're supposed to animate for the project that we're in. I worked in Japan for 4 months only.
私はアニメーターとしてブルースカイスタジオで働いています。私達の役割はプロジェクトのためにメニーションを作成することです。私は日本で4ヶ月だけ働いていました。
-In general, how did you feel about working in Japan?(or more specifically, pros and cons?)
あなたは日本で働いてみて、どう感じましたか?具体的に長所や短所などあれば教えて下さい。

I was very lucky to work for the people who came from Square USA. My immediate boss was very open to running his team through the western approach so I was spared a lot of Japanese workplace cultures which can be quite counter productive at times.
私はスクウェアUSAから帰国した人たちと一緒に働くことが出来て、非常にラッキーでした。私の直属の上司は非常に解放的で、彼のチームを運営させる上で、欧米式のアプローチを行っていたので、私は時々、生産性を高めることが出来、日本の職場文化の多くを免れました



-What do you think are the differences between the working styles of Japanese companies and western-based companies?
あなたは日本の企業と欧米の企業のワークスタイルの違いについてどう思いますか?
The company that I was working in was quite small, so we were more or less required to do more generalist work whereas in western-based companies tends to pigeon hole you into your skill set.

Another thing I noticed is that they weren't very open to suggestions and opinions from 'junior' people. At the same time, there could be a lot of reasons for that. (Scheduling restrictions or maybe the client has something very specific in mind)
私が働いていた会社は非常に小さかったので、私達の会社は欧米ベースの企業でハトの穴にスキルをセット(スペシャリスト化)する傾向がある一方で、多かれ少なかれジェネラリスト的な仕事をする必要がありました。

もう一つ私が気づいた点は、 彼らは”ジュニア”からの提案や意見に対して、あまり好意的ではありませんでした。同時にいくつかの理由があったのかもしれません。
(スケジュール的な制限、またはおそらくクライアントに対する特別な心情か何か。)
-What elements do you think Japanese companies should change to improve the working experience of foreign artists?
外国人アーティストが日本で働くためには、日本企業は何を変える必要があると思いますか?

First thing I would say is to change the working hours of CG companies. Most companies usually start super late (around 10am - 11am) and ends their day at 9-11pm. This leaves the artists with completely no personal life after work hours. Psychologically, it would burn the artist out very quickly and would therefore impact the artists' productivity in the long run.

Be more open to ideas from employees and encourage idea brainstorming within the artists. It would definitely help the team grow as a whole.
まず最初に私は映像プロダクション(CG関係)の労働時間を変えるべきだと言いたい。ほとんどの会社は始業時間が非常に遅く(10時から11前後の就業開始)、そして終業時間は21時から23時ごろです。
これはアーティストが勤務時間後に個人の時間(生活)をまったく持てないことを意味しています。

これらは心理的にアーティストを非常に早く燃え尽きさせます。したがって、これらはアーティストの生産性に長期的な影響を与えるでしょう。

従業員からのアイデアをより開放的にする。私はアーティスト内でアイデアのブレーンストーミングをお勧めします。それは間違いなくチーム全体としての成長に役立つだろう。

-What elements do you think are necessary in an artist if he/she wants to work in Japan?
外国人アーティストが日本で働くためには、何が必要だと思いますか?

1) Speak Japanese. If not, work for a company that has translators.
2) Good health. Trust me, you're going to need it to last there.
3) Be open to their culture. The Japanese are very different culturally as compared to the western society.


1)日本語を話してください。もし、話せない場合は通訳を持つ会社に勤めると良いでしょう。
2)健康第一!私を信じて、あなたはそこに続くために、それらを行う必要があるでしょう。
3)彼らの文化に心を開いて下さい。日本人の文化は欧米の文化と非常に異なっています。

-Including myself, many Japanese artists have been leaving the country to work overseas. How do you feel about this?
私自身も含めて、多くの日本人アーティストが海外で働くために、日本を離れています。それについてどう感じますか?

I don't think that's the case. A lot of Japanese artists I know tend to stay in their own country for multiple reasons. Language being the main reason they shy away from applying to western companies. I do feel that the companies should definitely think of a new approach to making the artist's lives better if they are serious about building on their animation/growing industry.
私はそのケースを考えません。私が知っている日本人アーティストの多くは複数の理由から、自分の国に滞在する傾向があります。主な理由は言語です。彼らは非常に恥ずかしがり屋で欧米企業から離れています。
は、企業は間違いなく、彼ら(アーティスト)がアニメーション/成長産業においてビルドアップ(構築)を真剣に考えている場合、アーティストの生活を良くするために新しいアプローチを考えるべきであると感じています 



-Please give a message to those who are willing to work in Japan or those Japanese artists who want to work outside of Japan.
日本で働きたい外国人、もしくは海外で働きたい日本人に対して、メッセージをお願いします。

To those who want to go to Japan, be prepared to work long hours. I'd advice you to stand up for your own rights. Asking for a compromise whereby you come in earlier and leave earlier so that you have a normal life.

For those who want to work outside Japan, brush up your English and don't be afraid to take that first step. I personally feel that once you step out, you won't look back.
日本で働きたい人へ、長時間働くための準備をして下さい。私はあなた自身のために立ち上がることをアドバイスしたい。早く来て早く帰ることで、以前のような通常の生活を維持するための妥協を求めてください。
日本国外で仕事をしたい人へ!英語力を磨いてください!そして、最初の一歩を踏み出すことを恐れないで下さい。私は個人的に、あなたは一度降りると感じて、後ろを振り返らなくなるでしょう!
Thank you for featuring me in your blog!
私をあなたのブログに取り上げてくれて、ありがとう!




以上がインタビューになります。私自身、英語に関しては、まだまだ未熟な部分が多々ありますので、翻訳に間違いがあるかもしれません。メール、コメント欄より、ご指摘頂ければ、後日修正いたしますので、お気軽にご指摘頂ければと思います。

2012年3月19日月曜日

【CG】 モデリング基礎編 その1 モデリングの種類 後編

さて今日は具体的な面の取り方や穴の空け方をやろうと思っていたんですが。。。。
普通のサブディヴィジョンモデリングとサブディヴィジョンを前提としたモデリングの違いは何ですか?
違いについて教えてください。というメッセージ、メールが何通か頂きました。
基本的にサブディヴィジョンモデリングもサブディヴィジョンを前提としたモデリングも、モデリングの作業的にも、アプローチの方法も同じです。
ただ、サブディヴィジョンモデリングとレンダリング時に適応されるサブディヴィジョンでは得られる結果が異なります。
今回はモデリングと少し離れた話題になりますが、前回のモデリングの種類を補足する感じで、もう少し詳しく説明、紹介したいと思います。

まずサブディヴィジョン(再分割曲面)については、前回も紹介した通りです。
ここで勘違いされやすいのはサブディヴィジョンモデリングとレンダリング時に適応されるサブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンサブディヴィジョン)の違いです。

サブディヴィジョンモデリングはあくまでもモデリングデータとしてサブディヴィジョンを使用します(解り易いのがMAYAの3番表示や単純に面を分割するスムース的表現)
サブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンの場合はレンダーマンサブディヴィジョン?)は、レンダリング時にサブディビジョンを適用します。
サブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンサブディヴィジョン)はポリゴンに対して面分割を調整するのではなく、レンダリング時に映っているポリゴンに対して、どれだけ分割するか?という調整を行います。

長々と文章説明しても難しいので、画像で比較してみましょう!

まず下記のような単純なCubeを用意します。


左がMayaの3番表示(Subd level2)でレンダリングした状態です。右がMentalRayApproximation(ビューポートベースでサブディヴィジョン)を適用したレンダリング画像になります。
遠めにはほぼ同じ形状に見えますが、ズームしてみると大きな違いが確認できると思います。



※もちろんサブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンサブディヴィジョン)もMayaサブディヴィジョン(スムース)の様に、単純に面を分割するだけの設定も可能ですが、あえて違いを解って頂く為に、今回はビューポートベースでポリゴンを分割しています。

これがサブディヴィジョンモデリングとサブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンサブディヴィジョン)の大きな違いです。
海外の大手プロダクションの多くは後者の様なレンダリング時にサブディヴィジョンを適用する方法を用いています。

そして、サブディヴィジョンアプロキシメーション(レンダーマンサブディヴィジョン)を適用する前提で、モデリングも行う必要があります。
モデリングの作業的には、サブディヴィジョンモデリングもサブディヴィジョンアプロキシーメーションを適用してレンダリングする場合でも、同じようなアプローチを行いますが、そもそも日本の多くのプロダクションはレンダリング時間の負荷を考慮して、サブディヴィジョン自体を使用していいないプロダクションがほとんどだと思います。

これはRaytracer系とRays系というレンダラーの違いも大きいと思いますが、日本のプロダクションではCM、映画、アニメ、フル3Dアニメなど多様な対応を一つのプロダクションで行わなければいけないという背景もあると思います。

と言うことで、今回は前回の補足ということで、サブディヴィジョンモデリングとサブディヴィジョンアプロキシメーションの違いを紹介させて頂きました。

次回はサブディヴィジョンを用いない(日本式モデリング)とサブディヴィジョンを前提としたモデリング方法の違い、面の取り方、穴の空け方を紹介したいと思います。

※あくまでも日本と海外大手プロダクションのモデリングの仕様の違いについて紹介する物であり、これはサブディヴィジョンの使用を強要する物ではありません。

2012年3月17日土曜日

【CG】 モデリング基礎編 その1 モデリングの種類 前編

今回は”モデリング基礎編”と題しまして、何回かに分けてモデリングの基礎知識、基礎技術を紹介していければっと思っています。

まず今回はモデリングの種類について。
モデリングには大きく分けて3種類(MAYA限定)の方法があります。
左からNURBS(Non-Uniform Rational B-Splines)モデリング、POLYGONモデリング、SUBDIVISIONモデリングの3種類です。




■NURBS(Non-Uniform Rational B-Splines)モデリング
NURBS((Non-Uniform Rational B-Splinesの略)曲線と言われる曲線を元に面(サーフェース)を作成していくモデリング方法です。
このモデリング方法は綺麗な曲面を持つ車や工業製品を製作する時に向いているモデリング方法です。

■POLYGONモデリング
これは現状、最もスタンダードなモデリング方法の一つです。ポリゴンモデルはポリゴンと呼ばれる面を面単位、または頂点単で編集して、形状を作っていくモデリング方法です。
もちろん向き不向きはありますが、ほとんどの形状をこの方法で作成することが出来ます。
またナーブスモデリングと違い、他のソフトへの形状移行が正確に行えるのもポリゴンモデルの特徴の一つです。

■SUBDIVISIONモデリング
ポリゴンモデルにベクトル情報を加えて、少ない頂点で綺麗な曲面を作るモデリング方法です。
基本的には頂点、面を編集するポリゴンモデルと考え方は同じですが、得られる結果が異なります。
分割方法は各ソフトウェアで微妙に異なります。


上記の3種類が主なモデリング方法ですが、実際に制作現場で使われているのは8割がポリゴンモデルで、残りの2割程度がナーブスモデリングです。
ただ、最終的にはナーブスで作成された形状もポリゴン化してしまうことが、ほとんどなので
制作現場で使われるモデリング方法は、ほぼポリゴンモデルだと思って頂いてかまわないと思います。
一部の会社などではナーブスモデリングを主にしている会社もあると聞きますが、僕の経験上では、ほぼすべてのモデルがポリゴンで作られていました。
そして、僕自身もうねったチューブやパイプ、スプリングなどの特殊な形状以外は、ほぼ100%ポリゴンモデルで作成します。

海外プロダクションの多くは基本的にはポリゴンモデリングでモデルデータを作成しますが
レンダリング時にサブディヴィジョン※1(再分割曲面)を使用するプロダクションがほとんどなので、実際のポリゴンモデルよりも滑らかな曲面でレンダリングされます。

※1再分割曲面
簡単に言うとレンダリング時にポリゴンを再分割(スムース)する様なニュアンスです。
厳密に言うと、MentalRaySubdiveやRendermanSubdiveなどレンダリングで使用するソフトウェアによって、ポリゴンの分割方法は微妙に異なります。


日本のプロダクションでは多くの会社がMentalRayやVrayなどのレイトレーサーをレンダリングに使用していますが
海外プロダクション(特に大手の映画系プロダクション)は、RenderManなどのRays系を使用している会社がほとんどです。
レンダラーの違いから、日本ではあまり馴染みがないサブディビジョンですが、海外プロダクションの場合は、多くのプロダクションが
レンダリング時にサブディヴィジョンをかける事を前提にモデリングデータを作成します。
そのため、僕の知る限りでは、日本のプロダクションと海外プロダクションでは、モデリングの方法が大きく異なります。


Raytracer系とReyes系ではレンダリング時にSubdivesionを使用した際のレンダリング負荷は圧倒的にRaytracerの方がレンダリングに負荷が掛かるため、日本ではサブディヴィジョンは、あまり使われていないのだと思います。

特にサブディヴィジョン+ディスプレイスメントを使用した時の負荷はRaytoracerの方が負荷は圧倒的に大きいです。
これはレンダリングのアルゴリズムに根本的な違いがあるのが原因なのですが、この当たりはモデリングの基礎の話とは少し外れるので割愛。

もしかすると、キャラなどは日本でも、すでにサブディヴィジョンありきのモデリングになっているかも知れませんが。。。
この辺は僕の専門外な部分なので、日本でキャラモデリングを専門にされている方のフォローアップに期待したいところですね。(^^;

今回は少し小難しい基礎理論的な話になってしまいましたが。。。次回からはもう少し具体例、図解をまじえながらモデリングの基本的な面取りの方法や
穴のあけ方、曲面の作り方、日本のモデリングと海外のモデリングの違いについて紹介していければと思います。

次回はモデリング基礎編 その2 正しいトポロジー!です。

2012年3月11日日曜日

【CG】サイコロの作り方

ツイッターの方では、文章だけでサイコロ(課題)の作り方、答えを呟きましたが、ここでは図解もまじえてご紹介できればと思います。

挑戦してくれた今泉さん田島くんありがとう!

1、
まず最初にリファレンスとなるサイコロによってベースの四角の形が違うので、まずはサイコロの目は考えずに、四角の形状だけを作ります!!(ベベル具合や角の丸みなど)
ちなみに僕がリファレンスにしたサイコロは、他の2人に比べて、かなり角が丸いですね(^^

今泉さん作のサイコロ
田島くん作のサイコロ



2、
次にサイコロの目を考慮して、1で作成した四角にエッジルールツールなどを使って均等なエッジ(分割線)を加えます。この時のエッジの加え方は図を参照にしてみてください。




3、
いよいよ問題のサイコロの目ですが、この時、どの目から作るか???で、後後の作業効率が変わってきます。
おそらく一番効率的に他の面を作れるのは"5"なので、5の目から作ります。5の目を作る時も4分の1だけを作ってしまえば、あとはミラーしてしまえばOKですね。




4、
"5"の目が出来てしまえば、サイコロの目の半分以上が出来たことになります。次はこの出来た"5"の目だけEXTRACT、DUPLICATEして再利用します。そして、2、3、4、6を作ります。
ワイヤーフレームを見ていただけると解ると思いますが”5の目”と”他の目”には多くの共通点(共通のトポロジー)が確認できると思います。




5、
あとは残った1の目を作ります。(これも5と同様に1/4だけ作ります。)




6、
それから、一番初めに作った四角(目の無い形状だけのモデル)に各サイコロの目を配置して、最初に作った四角の面を削除。目のある面と入れ替えてコンバイン、マージバーテックス。




7、これでサイコロの完成です。すべて四角ポリで不正のない綺麗なトポロジーの完成です。
(ただすべてが均等で正確だとCGぽっくなってしまうので、最後にわざと不均等な箇所、ゆがみなどを作ってやると、非常にリアリティが増します。Photoshop World TIPS参照



もちろん、モデリングは千差万別、色々な作り方、アプローチの方法があるので、僕の作り方が正解という訳ではありません。

ただ僕がこの課題で確認したいのは

1、綺麗なトポロジーであるか?(トポロジーについて理解しているか?)

2、サイコロの目を作る時のアプローチの方法。
アプローチの方法は人それぞれですが、どうすれば早く、綺麗に作れるのか?それを常に考えることが重要です。


多角形や不正なポリゴンが、なぜ問題なのか?おそらく、それすら知らない人も日本には多いと思います。
というか、海外でも認識薄いモデラーは非常に多いですが。。。(^^;

これはデザイナーの問題では無く、教育の問題(教育機関、会社での教育も含む)だと思います。
モデリングやトポロジーについて正しい知識、技術を教えることが出来る講師、先生、上司が少ないことと
不正なトポロジーがなぜ問題なのか?ということへの意識が低いことが原因だと思われます。

それでは不正なポリゴンがなぜいけないのか???
一番クリティカルな問題はやはりレンダリングトラブルの原因になると言うことですね。
僕の中では、どんなにかっこいいモデルでも、レンダリングが出来ないモデル=ゴミと一緒です。
もちろん正しいトポロジーだけど、データが重いという場合は、全くの別問題です。こういう場合は、解決策はいくらでもありますが、不正なデータというのは、トラブルの原因になっている不正、エラーを探すだけでも、相当な時間を浪費しますからね。

次に問題になってくるのが、アニメーションやリグなどに悪影響を与えます。特にデフォームするような場合に、不正なポリゴンや多角形があると、正しい結果を得ることが非常に難しいです。

綺麗なトポロジーというのは、UVを展開する上でも、非常に効率的に楽に展開できます。ところが!!いたるところに三角形や多角形、不正ポリが存在すると。。。。エッジを選択するだけでも一苦労します。。。
綺麗で不正のないトポロジーと一言で言ってしまえば、簡単ですが、非常に実践するためには多くの時間と経験が必要になってきます。
綺麗なトポロジーを作るためには、普通にモデリングするより遥かに時間が必要になります。
しかし、綺麗なトポロジーでモデリングすることで、リグのセットアップ、シュミレーション、アニメーション、レンダリングなどへ与える好影響は非常に大きいです。

とにかく、何をするにしてもクリーンで綺麗なトポロジーを作るということは、モデリングと言う分野においても非常に重要なことです。

次回は、何回かに分けて、正しいモデリングのトポロジー、正しいモデリングの基礎知識を図解をまじえながら紹介できればと思います。

2012年2月20日月曜日

【CG】 シンガポール 生活編

さて、今回は前回に続きシンガポール 生活編です。

シンガポールの会社からオファーを受けて、いざ!シンガポールで働くにあたり
直面する問題点やシンガポールの生活についてご紹介させて頂きます。

まず、そらく一番多い問題が金銭の問題だと思います。特に家族連れの方や、ゲームメーカーで長く働いた方は、おそらく日本で働いていた時と同じ程度、もしくは多少少ない金額を提示されると思います。
(これは僕が実際にLucasSingaporeやDnegSingaporeからオファーを得た経験に基づく物です。)

これにはいくつか理由があります。

①シンガポールは税金が非常に安いので、以前の職と同額のオファーだった場合、実質的な手取りは増えたことになります。

②ゲーム系(実機、シネマティクス含む)とは映画では必要とされるスキルが異なるため、前職がゲーム系だった場合、過小評価される傾向がある。

③シンガポールの会社規定で査定(前職の給料を考慮した上で)されたオファーであっても、円高(1ドル60円程度)の影響で安く感じる。

④他国で働いた経験がない場合
(日本で映画の経験があっても、他国の会社で働いた経験が無い場合は、過小評価に繋がる場合があります。)

上記の理由から、出されたオファーの金額が低く、家族でリスクを犯してまで、シンガポールに引越しできず、オファーを断った友人を幾人か知っています。

海外の会社を何社か経験した人であれば、また評価は違ってくると思いますが、日本から初めてシンガポールへ行く方は、上記の理由から多少少ない金額を提示される場合があります。


次に直面する問題が家探しです。
シンガポールは非常に土地が狭く、賃貸、売買含めて非常に不動産が高いです。右肩上がりの天井知らずと言うのが現状です。
したがって、一人身で海外経験が全く無い人の場合のオファーだと間違いなく、家を借りるだけのオファーを得るのは難しいと思います。
仮に家を借りたとしても、給料の半分、もしくはそれ以上が家賃で無くなる!?と言うのも珍しくありません。
これは日本人に限らず、現地の人も同じ状況です。多くの人は家族と住む、もしくはルームシェアして生活していると言う人が多いです。

日本では給料の3割が家賃と言いますが、シンガポールでは給料の4割から5割以上が家賃と言う人も居ます。
もちろん、安い物件もありますが、それでもシンガポールでの家探しは非常に困難です。

簡単にですがHDB(国営住宅)の平均は2000ドル前後から
コンドミニアムだと最低でも3000ドル前後からになります。

そのため、現地の人は結婚するまで、家族と住むと言うのが当たり前で、結婚してから自分で家を構える人がほとんどらしいです。

大きな問題は上記二点になります。

シンガポールのメリットとしては、税金が安く、家賃以外の物価は日本よりも安いので、よほどの贅沢をしない限りは、一人身でも家族でも充分に生活することは可能です。ただ、日本円で将来の蓄えを!っと考えている人には向かない国かもしれません。どこの国に行っても、今は円高ですしね(^^;

こまごました問題もありますが、上記2点の問題さえクリアしてしまえば、シンガポールは非常に暮らしやすい国だと思います。
初めての海外生活をする人には、家賃の問題以外は非常に敷居が低い国だと言えると思います。日本人も多いですし、インターネットも早い!日本語に困ることもありませんw
あと僕の実際に住んだ感覚だと日本と同等、もしくはそれ以上に治安が良いかもしれません。

っということで、今回はシンガポールの生活事情についてご紹介させて頂きました。

2012年1月27日金曜日

【CG】 シンガポール その1 応募編

今日はシンガポールのことについて、少しだけ紹介させて頂きます。
まずはこちらの記事をご紹介♪

海外目指す方必見!『Double Negative シンガポール』より人材募集のお知らせ

CGトラッキングさんに掲載をお願いした後、全くフォローアップできなかったので、少し遅れましたが
こちらの記事について、少しだけフォローアップさせてもらいます。

記事を読んでいただければわかると思いますが、今年は人材募集しますよ!っというお知らせです。
そして、海外就労するにしても、どうやって申し込むのか?何をすれば良いのか?ってことで、簡単にですが説明させて頂きます。

まず、申し込みをする前に下記のサイトで詳細と申し込み方法を確認してください。

http://www.dneg.com/jobs/

まず、申し込みに必要な物はResumeとCoverLetter、DemoReelが必要になります。
Resumeとは日本で言う履歴書のような物です。CoverLetterは希望職種や志望動機などを明確に明記した挨拶文的な物です。
DemoReelは自分の技術、今までに関わった作品などを、相手にアピールするための、最も重要な自分自身のポートフォリオだと思ってください。

上記三つがまず、必要になります。もちろん、文面はすべて英語で記載されているのが大前提です。
間違っても、日本語で書かれた履歴書を送らないで下さいね。

申し込み方法やデモリールの作り方など、初めて海外の会社に申し込む方は、下記の今泉さんのサイトを参考にすると良いかもしれません。

海外で通用するデモリールの3つのルールと5つのステップ

【SHIGGRAPH】シーグラフに向けて!デモリール編!


ここで応募するに当たっての注意点。これか会社によっても注意点は異なるので、必ず応募する会社のWebページで詳細を確認してから応募してください。
フォーマットににそぐわない物は、問答無用で弾かれるケースもめずらしくありません。何せ、応募の数が圧倒的に多いですからね。

DnegSGの場合は、以下のことを注意する必要があります。
  • Resume,CoverLetterをメールに添付して送る。
  • 2D、3Dのアーティスト志望の人はDemoReel(ダウンロード可能なMPEGフォーマット)のURLを記載する。
  • 2D、3Dのアーティスト志望の人はDemoReelのShotBreakDownを添付、または記載する。

※ShotBreakDownとは、デモリールの解説書です。自分が何を担当したか?制作期間、使用したソフトなど、DemoReelで伝えられない詳細を記載したデモリールの解説書のことです。

DemoReelで注意する点は下記ですね。

  • 無駄に長く作らない。学生は2分以内。プロフェッショナル(経験者)は3分以内。
  • 自分が最高だと思うショットを選考して、加えてください。DVDで。
  • DemoReel中にもいくつかBreakDownを加えて下さい。(モデラーならワイヤフレーム、トポロジー表示、UVレイアウトなど。コンポジターなら合成素材、合成前、合成後など)
  • 音楽に合わせたデモリールは極力避けて下さい。(デモリールを再生する際は、ほとんどがミュートで再生。映像以外に興味がない。)
  • 応募したからといって、返事が必ず返ってくるわけではない。(日本の様に不採用通知などの連絡は一切無い)

っと、注意点はこんな感じでしょうか?簡素に英語を翻訳しただけのような気もしますが。。。(^^;

さ!準備ができればいざ応募です!

次回は”シンガポール その2 生活編”です。実際にオファーを得て、いざシンガポールで就労するとなった時に陥りやすい問題点などをご紹介。

2012年1月25日水曜日

【CG】日本の映像会社に物申す!お礼とお返事(第4回)

さて、本日はコメント頂いた方々へのお返事最終回です。
予想通りというか(思ったよりも遥かに少なかったですが)、必ずこう言った意見も必ず出てくると思っていました。
反論という訳ではないですが、僕なりの意見でお返事させて頂きます。

<以下引用>

この記事の言ってる事が全く同意出来ないです。応募する外国人は日本のこのプロダクションで是非とも働きたい!
と思ってコンタクトをしてきて受け入れる会社がこの値段でなら雇ってもいいよと言ってきてるわけですよね。
それで何で怒り狂うんでしょうかww 逆にうけます、それ。 日本のプロダクションがそういう人を求めて無いのに物申すって言って
Linkdinをやれよって何か考えが低レベルでは無いでしょうか?日本での仕事で会社側が積極的に外国人の高スキルの人材を高値で採用しまくって
ビザや日本語のフォロー等々の手間をかけてまでやれる財力も案件ほぼ皆無かと思います。
個人的にはこういった日本のガラパゴス的なCGの仕事は大好きです。
完全分業でサービス残業が無く海外で仕事を探せば良いだけでわざわざ日本に来てまで仕事する必要は無いのではと思います。
海外のやり方を日本でやろうと思って日本の会社の中で海外ではこうなんだ!だから日本のCGは遅れてるんだ!忙しくてみんなが頑張ってやってる中で
残業代も出ないしとさっさと帰っていったりとかされたら本当にウザイだけですわ。
そうなると外国人や海外経験の日本人でも採用するのに躊躇するでしょうに。
そういったわけでそういうやり方が好みなら一生海外で働いて暮らせば何の問題も無いでしょう。

>この記事の言ってる事が全く同意出来ないです。応募する外国人は日本のこのプロダクションで是非とも働きたい!
>と思ってコンタクトをしてきて受け入れる会社がこの値段でなら雇ってもいいよと言ってきてるわけですよね。
>それで何で怒り狂うんでしょうかww
僕は個人的には国は違えど、同じ業界、職業、職種であれば、ある程度、前職の経歴、給料は考慮されるべきだと考えています。
例えばですが、CG歴10年で、以前の会社で毎月50万もらっていた人が、日本の会社から受けたオファーが月15万だとしたらどうでしょう?
少なくとも、僕なら、その会社の対応に対して、少なからず怒り(呆れる?)を覚えます。
そして、この場合、その会社がハイスキルな外国人を積極採用しないのであれば、外国人に対して、オファーは出すべきではないと思います。
不採用の理由を応募者に伝える必要はないと思いますが、オファーを出した以上、その会社はその外国人を必要としたと判断できます。
しかし、オファーの内容が前職とあまりにも、かけ離れた内容だと、馬鹿にされたと思っても仕方がないと思います。

オファーを出す場合、ある程度、前職の経歴は考慮するが、日本語が話せないから、当社規定での精査の結果
このオファーの内容になったなどの前職との差に対する説明があっても良いのかな?っと個人的には思います。

>逆にうけます、それ。 日本のプロダクションがそういう人を求めて無いのに物申すって言って
>Linkdinをやれよって何か考えが低レベルでは無いでしょうか?
日本のプロダクションがそういった人を求めていないのであれば、先ほども言ったようにオファーは出すべきではないと、個人的には思います。
ハイスキルな外国人を安く使おう!っと馬鹿にしているっと勘違いされてもおかしくないと思います。

LinkedINに関しては、既に世界中でビジネスに有効利用されているSNSですし、すでに出来上がっているスキームを利用しないのは勿体無いです。
グローバルに作品を作ろうと考えている会社で、そういった情報に疎いのでは、グローバルに仕事をする上で成功は難しいのでは?
っと思いオススメしているだけで、決して強制している訳ではありません。
低レベルな話だとも、ハイレベルな話だとも思っていません。ただ僕自身の意見を真剣に記載しているだけです。

>海外のやり方を日本でやろうと思って日本の会社の中で海外ではこうなんだ!だから日本のCGは遅れてるんだ!
僕は日本のCGが世界から遅れているとは思っていません。むしろ個人レベルで見れば、日本人アーティストの方が優秀なぐらいだと思います。
ただ、ここ近年は海外のプロダクション、特に同じアジア勢(インド、台湾、韓国、シンガポールなど)に比べて停滞気味だと感じています。
このままだと、いずれは産業的にも、技術的にも、アジア勢に遅れを取るのでは?っと危惧しています。
僕個人的には、優秀な外国人を積極的に採用することで、他国、他社からの情報、技術を国内に取り入れる最良かつ最速の方法だと思っています。
ただ、外国人を積極採用する上で、多くの問題があるのは事実ですが。

>個人的にはこういった日本のガラパゴス的なCGの仕事は大好きです。
>忙しくてみんなが頑張ってやってる中で残業代も出ないしとさっさと帰っていったりとかされたら本当にウザイだけですわ。
好きな仕事を好きなだけ出来る環境というのは、僕も大事だと思います。しかし、僕たちは学生作品や趣味でCG(半分趣味に近しい部分はありますが)で
仕事をしている訳ではないので、ある程度、公私混同は避けるべきだと思います。自分が出したい、クライアントが求めるクオリティが
サービス残業(奉仕)しないと出せないのであれば、そのクオリティをノーマルタイム(定時時間内)に出せる方法を考えるべきだと思います。
仕事である以上は、決められた時間、決められたバジェットで、それに見合った結果を出すのがプロだと思います。
深夜までサービス残業(奉仕)しなければ、終らすことが出来ない、クオリティを出せないというのであれば、それは産業として破綻していると僕個人的には思います。
破綻した産業、国というのは衰退する一方ですからね。僕はその部分を危惧しています。

>そういったわけでそういうやり方が好みなら一生海外で働いて暮らせば何の問題も無いでしょう。
現実問題として、多くの優秀な日本人が海外に出て行ってしまっています。多くの方が日本に戻ったとしても、働く場所が無ければ、それは日本の空洞化に繋がります。
おしゃらてた用に、優秀な日本人、海外のやり方が好きな方は、PRを取得し、永住する人も増えてきていると聞いています。
これでは日本の空洞化、ガラパゴス化は進む一方だと危惧し、僕なりにブログを通じて、警報を促しているに過ぎません。

追記
非常に興味深い記事を教えて頂いたので追記しておきます。
ゲーム開発者の平均年収、既婚率は 初の実態調査

以上で、コメント頂いた方へのお返事はすべてお返事できたと思います。今回のエントリに上げた方のコメントは、僕にとっても非常に興味深い内容でした。

次回はシンガポールでの生活事情などをお伝えできればと思います。

2012年1月14日土曜日

【CG】日本の映像会社に物申す!お礼とお返事(第3回)

さて今回も前回に引き続き、コメント頂いた方へのお返事です。

<以下引用>
昨日意見を書こうかどうか悩みましたが、皆さんが言いたい事をすべて言ってくれていました。
匿名の皆様は私同様、北米10年戦士だと思われるのですが、そもそも、日本のHRにはFilm production coresを受けたHRがいませんよね?
その下で働くのと、知識のない方の下で働くのは大手の方なら身にしみて分かっていられると思います。採用のしかたが日本とは異なります。
北米でVISAを取る為の資格は日本よりもっと厳しく、仕事を続けていくことに関しても、VFXは全てプロジェクト単位での契約の為3Dアニメーションよりもかなり短い期間です。
どなたかが仰ったとおり、日本で満足な仕事が取れなずに、文句を言われる方たちは外国で働くという事を安易に考え過ぎなのだと思いますよ。
北米の日本のみなさん、大学の学士をもち、かつ必死でコミニケーションを取るための語学力をつけ、かつ経験と技術力のすぐれた人だけが生き残れるのではないかと。
置き換えれば、それが出来ない外国人が日本で働くことも又不可能なのではないでしょうか?

現に私の隣の英人は日本語を学び、新人研修をへて、日本人式でにほんで数年皆様ご存じの会社で働いていたそうです。
そういう努力なしには外国のを採用するのはどこの会社でも難しいと思われます。採用側だけの問題ではなく、働く側の努力も必要ではないでしょうか。
北米でも、英語が話せて、かつ現地に住む人、VISAが必要がない人、それでも見つからなければ特別プログラムで簡単にVISAが取れる国の人(NAFTA)
給料が安いかつ経験がある順序がありますからね。

>そもそも、日本のHRにはFilm production coresを受けたHRがいませんよね?
おそらく居ないと思います。出来ればFilm production coresについて、もう少し詳しくフォローアップして頂けると幸いです。僕自身も非常に興味があります。

>採用のしかたが日本とは異なります。
これは僕自身も何度かの面接や採用を経て、痛感しています。本当に採用方法が日本とは全く異なっていると感じています。僕なりに経験した日本と海外の採用方法の違いについても、後々紹介できればと思っています。その時は、ぜひまたご意見頂ければと思います。

>日本で満足な仕事が取れなずに、文句を言われる方たちは外国で働くという事を安易に考え過ぎなのだと思いますよ。
>北米の日本のみなさん、大学の学士をもち、かつ必死でコミニケーションを取るための語学力をつけ、かつ経験と技術力のすぐれた人だけが生き残れるのではないかと。
これは北米だけでなく、オーストラリアでも同様だと感じています。僕も海外に出ることの難しさよりも、海外で働き続けることの方が難しいと、ここ数年で実感しました。
僕が大事だと思うのは、なぜ海外で働きたいか?という動機、目的だと思います。(これは外国人が日本に来る場合も同じだと思いますが)
個人的にはそこが曖昧だと成功するのは難しいと思っています。あと個人的には海外で働く方が、日本で働くより、数倍の労力が必要だと実感しています。それでも、僕は海外で働きたいですが(^^;

>置き換えれば、それが出来ない外国人が日本で働くことも又不可能なのではないでしょうか?働く側の努力も必要ではないでしょうか。
確かにおっしゃる通りだと思います。

<以下引用>
興味深く読ませてもらいました。毎度ありがとうございます。
この問題は難しいですね。海外の有能な方が日本でもスムーズに仕事が出来れば、世界の良い文化も流れやすくなりますし、日本のアーティストにもとても刺激的な事だと思います。
しかし、お金の面では難しいですね。英語だから扱いにくいと言う事よりも、会社としてその能力が売り上げに直結しなければ採用が難しいでしょう。
日本でそれほどの仕事がないのも事実ですし、日本ではまた別の能力が評価されるという事ではないでしょうか。
仕事って技術だけでなくコミュニケーションが大事ですから日本語が話せない=仕事ができないになってしまっても仕方がない事です。
海外の有能な方を受け入れるには、それだけの仕事が日本で動かない限りは、海外アーティストが理解する意外ないかと思います。
とは言え、今後の日本では世界を視野に仕事を広げていかないといけないと思いますし、北田さんの考え方はとても共感できます。

>この問題は難しいですね。海外の有能な方が日本でもスムーズに仕事が出来れば、世界の良い文化も流れやすくなりますし、日本のアーティストにもとても刺激的な事だと思います。
本当にこの問題は難しいと思っています。だからこそ、今回はあえて題材としてエントリさせて頂きました。
同じ事がインドやシンガポール、台湾など同じアジア諸国で出来ていて、なぜ日本で出来ないのか?
(これは言葉の問題が非常に大きいと思いますが)何とか優秀な外国人がスムーズに日本でも働ける環境が作れればっと個人的には思います。

>会社としてその能力が売り上げに直結しなければ採用が難しいでしょう。
>日本でそれほどの仕事がないのも事実ですし、日本ではまた別の能力が評価されるという事ではないでしょうか。
それは先ほど、誰かが仰られた用に日本と海外の会社では採用方法が異なるから、当然、評価されるポイントも違うのでしょうね。それは僕も十分理解できます。

>仕事って技術だけでなくコミュニケーションが大事ですから日本語が話せない=仕事ができないになってしまっても仕方がない事です。
これは僕が一番初めにシドニーに渡った時に感じました。技術的には問題なくても、コミュニケーションのミスで何度か作業をやり直したり
聞き間違えて、違う箇所を修正したりなどなど。これはコミュニケーションがきちんと出来れば、防げたミスです。
しかし、コミュニケーションが取れない、出来ないから、外国人を採用しないのでは、優秀な外国人の採用機会を失いかねません。
そういう意味では、本当にこの問題は解決が難しいのだなっと実感しています。

>今後の日本では世界を視野に仕事を広げていかないといけないと思いますし、北田さんの考え方はとても共感できます。
ありがとうございます。個人的には僕は無理に日本人が海外で働く必要はないっと思っています。ただ、考え方に関しては
国内だけでなく、世界に目を向けた考え方であってほしいとは思っています。もちろん、海外で働きたいと思っている人は
どんどん挑戦するべきだと思いますが。

>日本人も我慢してるんだから我慢しろといった村八みたいな意見は論外だと思います。これが業界の現実であり、ブレイクスルーを阻んでいる原因なんじゃないですか?
これだけが原因ではないと思いますが、この問題も日本のブレイクスルーを阻んでいる原因の一つだと思います。

>日本と海外の実力差の部分を無視して議論しても意味がないと思います。
ここで言われる実力差というのはアーティストのレベルでしょうか?それともプロダクションのレベルでしょうか?
僕個人的には日本のアーティストは本当に優秀だと思いますよ。ただ、プロダクション、マネージメントという管理する部分に関しては、海外プロダクションは日本よりきっちりとしていると思います。


さて、今回でほぼすべての方のコメントにお返事できたと思いますが、僕自身、非常に驚いた。
興味深いコメントを残された方へのお返事が残っていますので、そちらは次回にお返事させて頂ければと思います。

2012年1月8日日曜日

【CG】日本の映像会社に物申す!お礼とお返事(第2回)

さて、前回のエントリに引き続き、コメント頂いた方々へのお礼とお返事をさせて頂きたいと思います。


>外国人ですが、日本は厳しいですね。
色々な面(Visaや福利厚生)で日本は外国人に対して少し厳しいのは事実だと思います。
ただ、個人的にはもっと改善してほしいとは思っています。

>日本人の10年戦士でも、同じく敬意など払われない。
僕個人の考えとしては、日本のすべての会社がそういう状態だとは思いたくないですね。
ただ今回のようなケースも存在するので、判断が難しい部分だとは思います。

>実際海外アーティストは面倒ですよ、専門性高すぎるし、日本人に比べりゃ我が強いし。
確かに専門性が高すぎて、日本の職場にフィットしないというのは解ります。
そして、日本人は事なかれ主義というか、当たり触りがないことを好む傾向にあると思うので
我の強い外国人が国内の会社にフィットしないのも解る気がしますね。

>それでも雇うメリットはクオリティの向上ですが、日本はまだそのクオリティを求めてないと思う。
>あと2-5割のクオリティの向上に10倍のバジェットを払わないと思う。
この部分に関しては、正確にはバジェットを支払えないというのが正しい表現のような気がします。
どこのプロダクションもクオリティアップはしたいと考えていると思いますが、実際問題として、そこまでのバジェットが得られないのが日本の現状だと思いますが、日本の市場を考えると、ベースのバジェットには限界があると思うので、何かしら外から資金を引き込むか、限られた予算の中で試行錯誤していくしかないのでしょうね。。。

>そして経営者は、デザイン、映像など、わかる人が必要です。
>ピクサーのような企業は、残念ながらあと、20年かかかるかもです。
僕個人としては、確かにそういう要素を持った経営者も必要ではないかと思います。
ビジネスとしての両立は本当に難しいと思います。日本にもピクサーのような会社ができれば良いと思います。
僕もそういった会社が日本にも出来るように、微力ながら尽力できればと思います。

>「経歴」を武器にしたければ、まず、「一流の中の一流」になる努力をすべきではないでしょうか。
これに関しては、僕の表現に誤りがありましたね。正確には経歴ではなく実績と表現した方が正しいかと思います。
僕たちの業界では、どこの会社、プロジェクトで、自分がどういう役割を果たして、どういった部分に貢献できたか?
どういった技術を持っているのか?というのが採用する上で重要視されると、僕自身の体験から感じます。
なので、いくら立派な経歴(レジュメ、履歴)があっても、技術、実力が伴わなければ
おっしゃられた用にくだらないオファーに繋がるのかもしれませんね。
僕らの業界では実力を見極めるためにデモリールを作成し、それに伴ったショットブレイクダウンという詳細解説書(?)のような物を
提出し、何度かの面接を経て、その人の実力を見極めます。
ただ、今回のケースはそういった手順がきちんと踏まれていなかったのが、個人的に非常に残念に感じます。

>国が変われば、自国で絶賛されてようがされていなかろうが、そこでどれだけ頑張れるか?どれだけ力が出せるかです。
確かに一理あると思いますが、僕個人の意見としては、僕が身をおく業界は他国であろうと、自国であろうと
それ相応の実績、実力があれば、評価される業界だと思っています。今回はその部分が尊重されなかったケースだと個人的には思っています。

>日本のCG業界の社長さんで、そんなに景気のいい人をみたことがないですけどね。
>結局、権利を持ってる仕事でないかぎり、
>労働時間でしかお金をとるすべがないですからね。
僕も日本の業界に長く身を置いていましたが、そこまで景気の良い話は聞いたことが無いです。
ただ、労働時間でしかフォローしきれない現状を何とか変えたいとは思っています。

<以下引用>

「日本のプロダクションで特に人材採用をする立場にある人にはLinkedInのアカウントを持つべき」
「日本のプロダクションも応募者に対して、その理由や会社規定にのっ取ったオファーであると説明する必要がある」
この2つの問題は「日本のプロダクションが外国人とどうコミュニケーションを取るか」という問題であって
外国人に他国と同じ水準のオファーをするかどうかとはまた別に考えるべきではないでしょうか。

日本の現場の状況を知らずに応募して、なぜこんな低いオファーしかもらえないのか、と不満を言っている方達の気持ちはよく分かります。
でも怒る前にバケーションでも何でもいいから日本に行ってみて、そこで暮らせるか、そして働けるか自分で考えてみる、という方向に現状持ってくしかないんじゃないでしょうか。
それが日本で何ができるかを考えるために最も有効な手段ではないでしょうか。
その手間を惜しむくらいなら、果たして日本で働く価値があると言えるでしょうか。
日本を出て海外で暮らしている人たちも、いきなりヘッドハンティングされたというような人以外は
それぞれ準備なり覚悟なりを持って渡航されたのではないでしょうか。
外国人が日本に来る場合にも同じことが当てはまると思うのですが。


>「日本のプロダクションで特に人材採用をする立場にある人にはLinkedInのアカウントを持つべき」
>「日本のプロダクションも応募者に対して、その理由や会社規定にのっ取ったオファーであると説明する必要がある」
>この2つの問題は「日本のプロダクションが外国人とどうコミュニケーションを取るか」という問題
確かに日本人は外国人慣れしていない人が大多数だと僕も感じています。しかし、この問題を解決しない限りは
グローバルな作品作り、会社作りは難しいと僕は思っています。外国人とのコミュニケーションは今後の課題だと思います。

>外国人に他国と同じ水準のオファーをするかどうかとはまた別に考えるべきではないでしょうか。
これは別に考えるべきだと僕も思います。しかし、仕事を行う上で、コミュニケーション能力は非常に重要な要素だと思うので
日本語が出来ない外国人=低評価という部分も理解できなくは無いです。ただ、その部分だけをフォーカスしたのでは、優秀な外国人を
日本に引き込む機会を失うので、非常に難しい問題だと感じています。

>でも怒る前にバケーションでも何でもいいから日本に行ってみて、そこで暮らせるか、
>そして働けるか自分で考えてみる、という方向に現状持ってくしかないんじゃないでしょうか。
僕が紹介する多くの友人は、一度ないし何度か日本へ行った経験のある人たちばかりです。日本の文化、環境の違いなどについて
理解してもらった上でないと、正直、怖くて紹介できません(^^;

>まぁ夢のない業界だよ。
それを言われると非常に悲しいですね。。。。

>確かに各国のVFX業界ではLinked-inを始めとした人員採用の流れができていて、新たな知識やスキルを持った人たちが
>そのストリームを流れている感じですね。日本でも人を採用するときにすでに出来上がっているそのスキームを利用しないのはもったいないですね。
僕も既に出来上がっているスキームを利用しないのは非常に勿体無いと思います。

非常に多くのご意見、ご感想を頂いたので、今後も出来る限り丁寧にお返事させて頂きたいと思っています。まだ、お返事を返せていない匿名の皆様、今しばらくお時間を頂ければと思います。

2012年1月2日月曜日

【その他】 新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。昨年は仕事に始まり、仕事に終った年だったように思います。
今年はシンガポールという新天地での仕事、生活が始まりました。去年はシドニー、日本と家族バラバラの生活でしたが、今年は家族との時間を大切にしつつ、新天地での仕事も頑張っていければと思います。

こちらのブログでも、今後も出来る限り生の情報を皆様にご提供できればと思っています。
今年も皆様、よろしくお願い致します。

北田 栄二