さて、少し前回のモデリング基礎編から期間があいてしましましたが、今回はモデリングの中でも、僕が特に気を使っているベベル(面取り)について紹介したいと思います。
ベベル(面取り)はオーガニックモデルやキャラクターモデルを作る際には、あまり頻繁に行う作業ではありませんが、ハードサーフェースを作る際には非常に重要な要素になってきます。
そして、僕がモデリングの際に綺麗なトポロジー(不正が無い)を作ることと同じぐらい、最も気をつけている作業の一つです。
ベベル(面取り)はスケール感を作る上で、非常に重要な要素です。また、面を取ることでオブジェクトに綺麗なハイライト(スペキュラー、リフレクション)を与えることが出来ます。
それでは、一言でベベル(面取り)と言っても、実はいくつかの方法と用途があります。
今回はそれらの方法と用途について紹介できればっと思います。
<面取りを行わない場合(サブディヴィジョン不適用)>
上記図の様に遠景に私用するモデルの場合やマットペイント用のベースモデルなどの場合は、あえてベベルを行わない場合がほとんどです。
面を取ることでスケール感が損なわれ、ミニチュアのように見えてしまいます。
また面取りを行うことで、遠景のモデルにも関わらず、ポリゴン数の増加にも繋がります。
上記のような理由から、遠景モデルではベベル(面取り)を行わないことが多いですが、プロダクションによっては、遠景近景関係なく
きっちりとリアルスケールの面取りを行うプロダクションも存在します。
<ベベル機能を用いたい面取りの場合(サブディヴィジョン適用可)>
これはMAYAやMAXのモデリングツールを使用して面取りを行うケースです。基本的には近中景用のモデルを作成す時に、よく用いられる方法です。またセグメント(分割)次第では、面取り後にサブディヴィジョンを適用することも可能です。
ベベル機能は便利で非常に扱いやすいので、使用されている方も非常に多いと思いますが、僕は大きな面を作るとき以外は、ほとんど使用する事がありません。
僕がベベル機能を使用しない理由はいくつかありますが、最も大きな理由はベベルの幅が選択されたエッジですべてが均等になり、スケール感、リアリティが損なわれる。
また、面取り後の角に三角ポリゴンや多角形ポリゴンが出来たり、モデリング終了後の修正で面取りの幅、間隔の修正を修正したい時に、修正が非常に困難であるという点で、僕はよほど大きな面を作る時以外はベベル機能を使用しません。
この辺は、個人の好みもあると思いますが(^^;
<エッジループとサブディヴィジョンを用いた面取りの場合>
この方法は近景モデルやヒーローモデルを作成する際に作成する方法で、面を取りたいエッジを中心に左右に1本ずつエッジを足す方法です。この方法は最も海外プロダクションで多く用いられている方法です。そして、僕が最も好んで行う面取りの方法でもあります。面や角が常に平面に保たれて居いることが多いので、サブディヴィジョンを適用することが前提のモデリング方法になります。
また、この方法で面取りを行った場合、角の不正な多角形や三角形の発生を防ぐことも出来、モデリングが終了した後でも、エッジループの間隔を調整することで
UVの破綻を来たすことなく、簡単に面取りの幅を調整することが可能です。またサブディヴィジョンを適用することで、非常に現実世界に近い形の面取りを行うことが可能です。
ベベル(面取り)の方法や用途、サブディヴィジョンの適用、不適用はプロダクションのルールやワークフローなどにより異なります。一概にこれがベストな面取りの方法です!というのはありませんが、海外で作成されるモデルの多くは、エッジループとサブディヴィジョンを用いたモデリングが非常に多いです。海外就職を意識される方は、この方法を意識してモデリングに取り組まれたはいかがでしょうか???
質問や不明な点などあれば、お気軽にメールフォームかツイッターなどでご質問頂ければと思います。
次回は更に具体的なエッジループを用いたモデリング方法、テクニックをいくつか紹介したいと思います。
勉強になります、ベベル多様していたのでものすごく参考になりました。まだCG憶えたてですが将来は自分も海外で活躍できようになりたいので頑張ります!
返信削除>ごっさむさん
返信削除決してベベルが悪いわけではないですし、ベベルを使ってはいけないと言う訳ではないですよ。ただ、ベベルは万能ではないので、長所と短所を理解する必要はあると思います。