さて、少し時間が空いてしまいましたが、前回の続きです。アメリカから仕事がアウトソーシングされることで、アメリカ以外の国ではチャンスであり、自国の産業を発展させるための大きなチャンスです。というメリットの話をしましたが、今回はアメリカからアウトソーシングされることでのデメリットを私見ですがご紹介できればと思います。
まずは、そもそもなぜアメリカからアウトソーシングされるか?と言うことを考えた時に、他国にアウトソーシングすることでコストが安く抑えられる!というメリットが根底にあります。
つまりアメリカ国内で制作するよりも、他国で制作したほうが、予算を安く押さえることができるのです。
なぜ、予算が安く抑えられるのか?それは税制優遇処置で税金を安くしたり、もともとアウトソーシングされる国の物価その物が安かったりっと、とにかく色々な要因は考えられますが、アメリカ国内で作るよりは、遥かに安い予算で映画を作ることができます。
しかし、予算が安くなると言うことは、それだけアーティストのサラリーにも直接影響してきます。
予算の少ない映画だと当然、雇えるアーティストの数にも限界がありますし、高給で働いていたアーティストも自分のサラリーを維持できなくなってきたりします。
そうすると、アーティスト同士が、お互いに仕事を得るために自分のサラリーを下げないと仕事を得ることができなかったり、仕事を得るための算段を色々と考えないといけません。
また仕事が世界中にアウトソーシングされたことで、今まで継続して、毎年大きな仕事を受注していたプロダクションが、プロジェクトとプロジェクト間が数ヶ月から半年と空きができたりして、常に一定数のアーティストをプロダクションが維持できなくなってきたりします。
その結果、アーティストの契約期間が極端に短くなってきているのが、現状です。FeatureAnimationの場合なら1年から2年の契約が見込めますが、LiveActionの場合、ほとんどが半年契約、長くても一年未満と言うのが、シドニーの現状です。
これはシドニーに限ったことではないと思いますが、世界中に仕事がアウトソーシングされたことで、映画の予算低下のために、仕事の継続的な確保、ある一定数の人員を確保できないと言う制作プロダクションが増えてきました。
当然ですが、プロダクションが閉鎖されれば、アーティストの働く場が更に無くなってしまいます。そうすると、また仕事を得るために色々な算段を立てなければならなくなります。
今の映画業界において、一つの会社で長く働くと言うのが、非常に難しくなってきているように感じます。これは僕が実際に就職活動、転職活動をして、実際に肌で感じたことですね。
今後、数年後がどうなっているかは、まったく想像できませんが、当分はアウトソーシング、予算低下、プロダクション、アーティストの価格競争は、当分続くのではないでしょうか???
実際に就職活動を通じて、僕はそう感じました。。。。。
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