2013年2月8日金曜日

外国人が日本で働くためには! 第六回

以前から企画していた新コーナー第6回目です。

前回記事はこちら
外国人が日本で働くためには! 第一回
外国人が日本で働くためには! 第二回  
外国人が日本で働くためには! 第三回  
外国人が日本で働くためには! 第四回 
外国人が日本で働くためには! 第五回 



日本人が海外で働くためのブログ、エントリーを基本に書いてきましたが、今回はその”逆”で、外国人が日本で働くためには?とう切り口で、日本で働いた経験がある現役の外国人アーティストにインタビューを試みています。
外国人が日本で働くためには何が必要か?日本企業は何を変えるべきか?など大胆にインタビューを行いました。


シリーズ6回目の今日はジェネラリストにスポットを当ててのインタビューです。

※ 今回のインタビューは個人への配慮を考え、個人名を公開していません。ご了承ください。


-Please introduce yourself and give us a brief summary of your work experience.
自己紹介と簡単な職歴の紹介をお願いします。

I'm XXXXXX 29 years old.
I graduated from Supinfocom Arles (France) in 2006 and I built 5 years
experience of Computer graphics production in Japan.
In january 2007 I worked 1 year as a cg Generalist in a start up new studio with my friend.
After spending a year and half with Polygon pictures as a Layout artist, my
skills for story telling has been polished.
In mid 2009 I decided to become a freelance artist in which I had a chance
to direct and to manage production as a CG Generalist.
My last experience in Japan was between November 2010 and August 2011 when I
was working as a Lighting TD in Square Enix.

XXXXXXと言います。29歳です。フランスのSupinfocom
Arlesを2006年に卒業して、日本のコンピュータグラフィックスのプロダクションで5年間働きました。

2007年に、1年間CGゼネラリストとして友人と共に新しいスタジオの立ち上げたのために働きました。
ポリゴンピクチャーズでレイアウトアーティストとして1年半働き、ストーリーテリングのスキルを磨くことができました。
2009年の半ばには、フリーランスのアーティストになることを決心しました。CGゼネラリストとして監督やプロダクションの管理をするチャンスを得ることができました。
日本で最後に働いたのは、2010年の11月から2011年の8月までで、スクエアエニックスでライティングTDをしていました。


-What was your job title and your responsibilities? How long did you work in Japan?
あなたの職種と役割を教えてください。また、あなたは日本でどれぐらい働きましたか?

I worked in Japan for almost 5 years.
日本ではほぼ5年間働きました


-In general, how did you feel about working in Japan?(or more specifically, pros and cons?)
あなたは日本で働いてみて、どう感じましたか?具体的に長所や短所などあれば教えて下さい。

After I started freelancing in 2009 and that I could have the trust of some
of the clients I felt very comfortable and happy working in Japan.
during the time I was a freelance artist and while I was in Square enix I
could let my creativity express. I felt my potential used properly and I
could learn a lot at the same time.
So I ended my experience in Japan on my best feet. I'm very happy.

HOWEVER The two first year was a big shock for me.
I was fresh from school but I realized that even big companies would have
huge trouble of management. (for example to start modeling without having a
storyboard / to never set their mind and start doing something that we will
have to be redo from A to Z later).
All of those wrong process which will bring extreme deadline and crazy
overtime.
To be honnest at that time I couldn't believe my eyes such decisions were
done.
My friend and I were advising and pushing at every meeting the right
step for a CG production but we could never really transmit our knowledge.
We felt down because of that.
The project was a big lose of money, a big potential thrown by the window
and we didn't know what to say to improve the situation. They would not
listen.
I believe the ego of the company was the main issue.

To sum up, I think that if you are on your own as a freelance artist, or if
you are inside a company which as a solid pipeline. Working in Japan as a
foreigner is very enjoyable.
Only some few hierarchy problems will occur but it didn't bother me much.

2009年にフリーランスを始めてからは、複数のクライアントの信頼を得ることができて、日本で働くのは心地よく幸せな経験でした。フリーランスのアーティストだった頃と、スクエアエニックスで働いていた時は、自分の創造性を発揮することができました。自分の潜在的な能力を使うことができたと思いましたし、同時に多くのことを学びました。日本での経験を最高の状態で終えることができて、非常に満足しています。

でも、最初の2年間は大きなショックを受けました。
私は学校を卒業したばかりでしたが、大きな会社でも管理の点で大きな問題があることが分ったのです。(例えば、ストーリーボードを始めることなくモデリングを始めたりとか、最初に何をするか決めずに何かを始めようとすれば、終いには何から何までやり直すことになってしまうでしょう。)

そういった間違ったプロセスによって締め切りはきついものとなり、時間外労働が果てしなく続きます。正直に言って、当時はどうしてそんな決定がまかり通ってしまうのか自分の目を疑いました。わたしの友人と私は、ミーティングのたびにCG制作を正しい方向に進めようと、盛んに(自分たちの考えを)広めて押し進めようとしました。でも決して自分たちの知識を伝達することができず、そのせいで落ち込みました。

プロジェクトはお金を無駄遣いして、大きな可能性は投げ捨てられ、私たちはこの状況を打開するためにはどうすれば良いのか分りませんでした。彼らはまったく耳を貸さなかったし、会社のエゴこそが主たる問題だと思いました。

まとめると、もしあなたが自分で働くフリーランスのアーティストか、あるいは確実なパイプラインのある会社に勤めているのであれば、日本で外国人として働くのは楽しいです。多少、組織の階層構造の問題はありますが、それほど私には問題になりませんでした。



-What do you think are the differences between the working styles of Japanese companies and western-based companies?
あなたは日本の企業と欧米の企業のワークスタイルの違いについてどう思いますか?

 I don't know if I'm the best person to answer that questions since I worked
only few months in professional environment in France.
I'm not sure that what I'm gonna say apply as a generality in all company
across the globe. I just write down how I felt with my experience.

It seems that overseas, great ideas are never far away. Everyone as a chance
to grow.
Of course the hierarchy is important to direct a project but the best idea
wins, no matter who came up with it.
It creates an environment where everybody is happy to contribute with
something. You feel part of the project and you are more willing to give
your heart, it keeps you more excited.
It makes me remember when I was a student and that everybody was helping
each other to achieve their goals.
In Japanese company you feel more isolated, a little bit cut from the
overall, you feel like an antz doing is job. This make your day a little bit
long.

There are also some differences like make your work condition more
comfortable to produce better result.
Some Japanese company doesn't care much about your health, your work space
or the overtime you do for free. They expect you to give your life to them.
The longer you stay at work the better they look at you, I don't share this
point of view and I prefer to be in best health to use my full potential.

その質問に対して自分の答えが適切なものになるかどうかは分りま
せん。なぜならフランスではプロとしてほんの数ヶ月しか働いてないからです。世界中の会社で共通して言えるようなことは、自分の口からは言えないと思います。ですから、とりあえず自分の感じたことを述べておきます。

海外では、一番優秀なアイデアがものを言います。全員に成長するチャンスがあります。確かにプロジェクトを率いていく上で階層的な考え方は重要ですが、最高のアイデアが勝利します。それを誰が考えだしたかに関わらずです。みんなが何かに貢献することが楽しくなるような環境を作り出しています。プロジェクトの一員として、あなたが心から(プロジェクトに)打ち込みたくなるような、あなたがいつでも熱心に参加できるような環境です。みんながお互いを助けゴールを目指すことができた、自分の学生時代を思い起こします。日本の会社では、働いている人たちの間にもっと距離があって、全体的に何か足りない部分があって、まるで働きアリのような気分になります。このせいで1日が長く感じます。

その他、労働環境を良くすることでより効率良く結果を得られるようにする、などの違いもあります。日本では会社によっては、(社員の)健康についてあまり気にかけることがないようです。まるで人生のすべてを(会社に)捧げることを期待しているかのようです。より長い時間職場に居る人をより優遇しているように見えます。私はこの点は賛成でなく、自分の能力を最大限に活用するためには最高の健康状態でいることを望みます


-What elements do you think Japanese companies should change to improve the working experience of foreign artists?
外国人アーティストが日本で働くためには、日本企業は何を変える必要があると思いますか? 

I would say to be more open to the way foreigner do things, to let some
space for our ideas. To trust foreigner.
To improve work condition (depending the company, I was quiet happy with
Square enix)
Eventually to implement an accessible langage for us. For example English.
I probably have more things to say but it doesn't pop up in my mind right
now.

海外で行われているやり方についてもっとオープンであるべきでは
ないでしょうか。私たちのアイデアを取り入れる余地をつくる必要があるのではないでしょうか。もっと外国人を信頼してください。労働環境を改善して(これは会社によって異なります。私はスクエアエニックスでは満足していましので)、最終的には外国人と親しく会話できるように、例えば英語を実践的に使えるようにすることが必要でしょう。他にもまだあると思いますが、今思いつくままを書いてみました。


-What elements do you think are necessary in an artist if he/she wants to work in Japan?
外国人アーティストが日本で働くためには、何が必要だと思いますか? 

Love for Japan, understanding the culture, patience, and to know Japanese
language.


日本に対する愛情ですね。文化を理解して、根気強く、
そして日本語を知ることです。


-Including myself, many Japanese artists have been leaving the country to work overseas. How do you feel about this?
私自身も含めて、多くの日本人アーティストが海外で働くために、日本を離れています。それについてどう感じますか?
Personally for me it was a hard decision to leave Japan. I miss Japan and my
friends there a lot. I spent a very positive experience in Japan and I'm
cherishing this.

We always says: "the grass is greener on the other side of the fence". But
in leaving Japan I didn't expect to find something better but something
different.
We all know nowhere is really perfect, the only good choice is to follow
what your heart guide you.
I follow my heart and I decided to leave Japan to be with my family and more
recently to build a more stable situation with my wife who is Malaysian.
個人的には日本を離れるのはつらい決断でした。
日本とそこに住んでいる友達を懐かしく思います。日本で非常にポジティブな経験をすることができましたし、私にとっては大事な思い出です。

「他人の芝生は青い」とはよく言われることです。でも、より良い何かを、あるいは何か別のものを探そうと思って日本を離れたわけではありませんでした。どこかに完璧な場所などなく、正しい道というのは、自分が選んだ道でしかないのだということを。皆さんもご存知でしょう。

自分の家族といっしょにいるために、特に最近はマレーシア人の妻との関係をより強固にするために日本を離れることに決めたのです。それが私の選んだ道でした。


-Please give a message to those who are willing to work in Japan or those Japanese artists who want to work outside of Japan.
日本で働きたい外国人、もしくは海外で働きたい日本人に対して、メッセージをお願いします。

The hardest is to make the decision to make the positive change in your
life.
Once the decision is made and you are happy with it, you'll be happy, you'll
make your friends and family happy and every obstacles on your way will
appear to be easy to go over... like a game.

To start a new life in an "unknown" country is extremely rich and will bring
you better understanding, not only about your career but also on yourself.
This experience helps to build up self confidence as well, However in order
to get the best of the experience of it, we have to open our mind and our
heart to differences.
I wish those peoples who are willing to leave their country to find a career
overseas all my best and not too worry because nothing can go wrong.

人生にポジティブな変化をもたらすために決断するのは最も難しい
ことです。決断できたら、あなたはそれでハッピーな気持ちになり、幸せに暮らすことができて、あなたの友達も家族もハッピーになります。どんな障害も乗り越えるのは簡単に思えるでしょう。まるでゲームのようです。

「まったく未知の」外国で新しい生活を始めることは非常に実りのある経験であり、あなたのキャリアだけでなくあなた自身を理解するのにも役立つことでしょう。自分に自信を持つきっかけにもなりますが、その一方で(国外で働く)経験を最大限に活用するためには、広い心でオープンな気持ちになり(あなたの国との)違いを受け入れる必要があります。
これから国外で働こうという人たちに、幸運を祈っています。あまり心配する必要はありません。決して間違った結果にはならないのですから。

以上がインタビューになります。
とりあえず、今回のインタビューで一区切りです(全六回)。今後もこういったインタビューを継続的に行っていければ良いっかな?っとは思っていますので、企画としては今後も続けていきます。

次回はインタビュー企画総括です。今までのインタビューを元に、自分なりの考えをまとめられればっと思います。

今回もDr.D時代の同僚で、現在はアメリカのREEL FXでTD職にあるナカムラタツヤ氏に翻訳をお手伝いして頂きました。



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