さて、今回はいよいよRoots 会社編 最終回(長文)です!!!僕がVWの研究開発チームと一緒にShader開発に従事していた頃です。僕に大きな影響を与えたエンジニアさんと出会いました。それはgShaderの開発者でもあるryuさんとの出会いです。お互い社内での交友はあったのですが、一緒に仕事をしたのはこの研究開発チームに合流してからだと思います。
ryuさんはフランスでの就労経験を持ち、僕に海外での就労や技術、特にShaderやRenderingに関する多大な知識を与えてくれました。おそらく、このryuさんとの出会いが、僕に海外を意識させるきっかけになったのだと思います。
その後、しばらくして僕は結婚、出産という転機を迎えます。以前のエントリでも紹介したと思いますが、この転機が僕の生活を一変させました。仕事中心の生活が家庭中心の生活へ。この時、僕は会社の正社員で制作現場(某プロジェクト)ではモデリングチームのリードと言う立場でした。本当なら会社を優先させるべき立場だったのかもしれません。。。
しかし、僕の中で、常にこのままで良いのか???という葛藤がありました。P先輩はモデリングチームのスーパーバイザーという立場でもあり、今まで通り会社、仕事中心の考え方でしたが、結婚、出産した僕に色々と気は使ってくれていたと思います。。。それを僕自身、解ってはいたのですが。。。
それでも、僕とP先輩との考え方に徐々に溝が生まれてきました。。。。
そんな時です。僕がスクウェアでの時間のあり方について考えさせられる出来事が起きたのは。。。
子供が生まれて首が据わり、ハイハイを徐々にはじめて、つかまり立ちをし始める頃まで、ずっと僕は某プロジェクトの車をモデリングしていたのですが、一向にFIXしませんでした。もちろん、僕の力不足というのもあったのですが、子供があっという間に成長していくのに対して、僕は車のモデリング一つ仕上げられない。。。子供の成長とは裏腹に、自分がまったく成長していないような錯覚に陥りました。。。
錯覚では無く現実かも知れませんが。。。。(^^;
そして、僕は自分の技術が未熟なのも解っていたし、そんな未熟な僕が現場を離れ、徐々に他人を管理するという立場を強いられて居たのも、葛藤の原因の一つかも知れません。もちろん、管理職を拒絶するという権利もあったのですが、給料や日本での今後の生活を考えれば、管理職になるしかないのかなと自分に言い聞かせていましたが。。。自分の気持ちに嘘はつけませんねw
家庭と仕事の両立を目指したい、現場に留まりたいという自分の気持ちとは裏腹に、管理職をしなければ行けない現実と事情。徐々に自分の中でフラストレーションが溜まってきました。。。。
そして、自分の携わっているプロジェクトは一向に前に進まない。他の海外メーカー、映画会社などはコンスタントに大作を毎年繰り出してくるのに対して、僕たちは足踏み状態。。。。
(僕がこのプロジェクトに携わっている間に、トランスフォーマー1、2が公開され、アサシングリードなど大作ゲームのムービーも続編が次々と出されていました。。。。)
国内映画ですら、僕が一つのプロジェクトに携わっている間に大作映画を完成させていきました。
(林さんや帆足さんが携わった、山崎監督のALWAYS 3丁目の夕日、続・ALWAYS 3丁目の夕日など)
家族と過ごせない、多大な時間を犠牲にしているのに、自分は何も成長していないっと確信した瞬間かもしれません。そんな中、同期ではputonさんが海外転職のためVWを去り、鈴木卓矢くんも後を追うよ海外へと出て行きました。
僕は先輩から「充実した仕事、金銭、仕事と家庭の両立全てを満たすのは理想で、どれかを犠牲にしないと無理だよ。」とアドバイスを受けましたが、実際に海外のアーティストはそれらを実現させています。
それから、僕はVWでも数少ない妻子持ちの先輩たちに物事を相談する事が多くなりました。
そして、僕は海外への道を模索し始めたのです。。。
同時に、プロジェクトの途中で、お世話になったディレクターやP先輩、僕を慕ってくれていた(?)後輩たちを置いて会社を去るのか?という悩みもありましたし、この時点では僕自身、プロジェクトを最後までやり遂げてから、会社を去りたいという気持ちもありましたから。
この時期は、本当に常に何かと葛藤していた記憶しかありませんねw
そんな中、会社の都合もあり、僕は携わっていたプロジェクトを一旦離れて、キングダムハーツバースバイスリープのムービー部分のsets&propsスーパーバイザーという仕事をすることになりました。
この頃からですね、FF13に携わっていた、幾人かの優秀な人たちがVW去らざるをえなくなり(理由は読者の方のご想像にお任せします。)、会社の都合もあり、僕の携わっていたプロジェクトも一時中断せざるをえなくなりました。
このプロジェクト一時中断と会社からの希望退職者募集という出来事が、僕の海外転職を決定つける出来事になりました。結局、僕はいつ再開されるかもわからないプロジェクトと自分の欲求を天秤にかけて、自分の欲求を優先させたのです。
そしてAnimal Logicからのオファーをきっかけに、お世話になったP先輩との溝は決定的な物となり、お世話になった人たちに多大な迷惑をかけることを承知の上で、KH BBS終了と同時に会社を去る決意をしました。
正直、僕の退社の仕方は、決して良い退社の仕方ではなかったと思います。どちらかと言えば恩を仇で返す類の物なのかもしれません。
それでも、僕は自分自身の決断は間違いではなかったと確信していますし、後悔もしていません。実際に海外に出たことで、自分の知識と技術は向上し、一時的ではる物の家庭と仕事の両立を実現する事も出来たのですから。
今は育児の関係でシドニーと日本の二重生活で、結果的に家族を犠牲にしてしまっていますが、次の転職先が海外であれ国内であれ、妻子も同行を承諾してくれています。そういう意味では、これからが僕たち家族の理想に向かった本当のスタートなのかもしれませんね。
今回はかなりプライベートに近い部分まで詳細にお伝えしたのは、僕と同じような悩みを持った人が、業界には大勢居るのでは?っと思い、そういった人たちの参考になれば!また、僕自身も帆足さんや林さんのように良い意味で他の方に影響を与えられるような存在になれればと思い、今回のエントリを書かせて頂きました。
逆に、こうした記事を書くことで、色々な人に迷惑が掛かってしまうかもしれないのですが(^^;
今回は僕のRootsについて描いていきましたが、それじゃ、僕の終着点、目標は?という事で!
次回は僕のゴール、終着点、目標について紹介して行きたいと思います。
読んでくれた方、長々と駄文を読んでいただきありがとうございました(笑
Thank you for share your story
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