2010年9月11日土曜日

【CG】 フォトリアルとデフォルメ

さて、今回のブログの内容はフォトリアル(写実的表現)とデフォルメ(絵的表現)について紹介したいと思います。

ま~、僕が関わったきた作品やTIPSなどを見て頂いても解ると思いますが、フォトリアルとデフォルメどちらが得意?って言われたら間違いなくフォトリアルなテイストの方が得意です。
いつもの事ですが、これは僕の個人的なフォトリアルとデフォルメについての見解ですので、万人が同じ見解ではないと言う事をご理解ください。


学生さんや実際に働いているアーティストの方でも、勘違いされている方が多いと思いますが、フォトリアルな物を作るのと、デフォルメされた物を作るのとでは、遥かにデフォルメされた物を作る方が難しいです。
フォトリアルには”実写”と言う答えがありますが、デフォルメと言うのには答えがありません。

フォトリアルな物と言うのは、実物をじっくり観察して、現実に基づく形状を表現したり、実際の正しい情報を詰め込む事で表現できます。用は論理的なことを勉強すればフォトリアルな画像と言うのは誰にでも作れます。
しかし、逆にデフォルメされた画像を作るには、現実に基づく情報を逆に省いていかなければならないし、時には形状を変形させる必要すらあります。簡単に言うとデフォルメされた絵を作るためには、アーティスティックなセンスが求められます。
だから、デフォルメされた絵と言うのは、フォトリアルな絵を作るより難しいのです。

学生さんなどの作品では、デフォルメされたキャラやクリーチャーの作品が多いと思いますが、僕はそれらをデフォルメとは認識していません。
なぜなら、それはデフォルメされたのではなく、フォトリアルな物を作れずにデフォルメだけを求めた結果だからです。

僕の中でデフォルメと言うのは、フォトリアルな物を作れた上で、あえてそれらの情報をはぶき、形状を変更する事で表現されると考えているからです。
もちろん、反対される意見もあるかと思いますが、フォトリアルな物が作れないのに、デフォルメだけを表現されてもまったく説得力がありません。

ピカソは独特な表現をしていますが、彼の絵画とは裏腹に、彼のデッサンは実に写実的です。
僕はCGでも同じだと思っています。以前のブログでも言いましたが、大事なのは実際の物を見る観察力と見たものを表現する表現力がCGでも大事なのです!
観察力なき表現力には、まったく説得力がありません。しかし、正直、学生さんレベルでハイレベルな写実的な表現を身に着けるのは難しいでしょう!
なぜなら、観察力と言うのは普段から注意深く物を観察する事で身につけられますが、表現力は経験やセンスを必要とするからです。

僕にはそういった芸実的なセンスというのが乏しいので、非常にデフォルメされた表現と言うのは難しいっと感じます。
デフォルメした方が得意という人は、芸術的なセンスを持っているのだと思います。もちろん、写実的な表現が出来た上での話ですが。


ま~~、今回の話はあくまでも個人的な見解ですので、別の意見も存在すると思いますが、僕の見解としては、デフォルメ>フォトリアルという構図です。

次回は”モデリングの種類について”か”使ったことがある≠使いこなせる”を紹介したいと思います。

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