ここ最近、就活も兼ねて色々なプロダクションをリサーチしているのですが、少し気になることがあります。
それは世界のCGプロダクションが、悪い意味で徐々に日本化してきているのでは?っと思うことがあります。
主なリサーチ方法は、実際に働いている友人や知り合いを通じてリサーチしているのですが、徐々にサラリーのレートが世界的に下がってきている気がします。
これは税制優遇処置などで、比較的生産コストが安いアメリカ以外の国で制作されていると言うのも多少影響があるのかもしれません。
アメリカに比べてインド、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどは物価も安く、制作コストは現地通貨で支払われるため制作費を安く抑えることが出来ます。
(為替や現地の物価だけでなく、税制優遇、その他諸々の理由があると思いますが。。。)
ロンドンなどはアメリカよりも遥かに物価が高いですが、税制優遇などの影響もあり、やはりアメリカ国内よりも制作コストがやすくなるんでしょうね。ここ近年のロンドン勢のプロダクションの勢いは留まるところを知りません。
現在の多くのハリウッド映画は、世界中で作られています。その影響もあり、徐々にアーティストに対する単価と言うのが下がって来ている気がします。
特にアジア人(インド、中国、台湾、シンガポール、日本)は、人件費が安い割には、一生懸命働くので、何処のプロダクションでも重宝されると聞きました。
もしかすると現地のフリーランスを雇うよりも、海外から人件費の安いアジア人を雇った方が会社としてはコストが抑えられるのかもしれません。
当然、会社としては同等のスキルを持った人なら、間違いなく人件費が安い方を選ぶでしょう。それは経営者としては当たり前の判断です。そうなると今まで高給取りだった現地のフリーランスは当然失業危機になります。
仕事が無いと困るので、当然自分のサラリー、レートを安くして、仕事を探そうとします。
そうすると同等のスキルを持っているほかのフリーランスも、仕事を獲る為にレートを同じように下げなくてはいけなくなります。
こうした連鎖反応が徐々に、アーティストのサラリーを下げているような気がします。
そして、色々リサーチして最近わかったことは、徐々に何処の会社も、残業手当、休日出勤手当てに関してシビアになってきているということです。
海外プロダクションでも中小のプロダクションだと普通にサービス残業しているところもあると聞きます。 また、仮に残業手当が発生してもお金に返金するのではなく、OverTime分は有休に変換する企業もあります。
(ALも契約内容によっては、残業が休日に変わる契約者もいます。お金か休暇か選べる契約もあります。)
イギリスなどでも締切前になると、多くのアーティストが残業、休日出勤を強いられます。もちろん、締切のある僕らの仕事は、締切前になれば当然、残業、休日出勤も発生するでしょう。
しかし、中にはそれらを無償で強いるプロダクションもあると聞きます。これは僕たちアーティストにとって重大な問題になってきます。
皆が右に習えで、仕事を獲る為にサービス残業や無償での休日出勤をしてしまうと、普通に働いているアーティスト(定時出社、定時帰宅)の職が失われていくと言う事です。
少し大げさな発想かもしれませんが、現にそういうプロダクションが増えてきていると言う事です。
もちろん仕事を獲るのは大事な事です。しかし、皆が仕事を得るためにレートを下げ、サービス残業、休日出勤をしていては、デフレと同じです。どんどんどんどん単価が下がるだけで、業務内容は変わらず辛い思いばかりをしなければいけません。
現状ではサービス残業、無償休日出勤を強いるプロダクションの方が少ないと思いますが、今後どうなっていくかは解りません。制作費が安いプロジェクトでも、クオリティは下げられない!と言うような状態も多々出てくるでしょう。
そういった問題を今後は真剣に考えていかないといけないんだな~~っと、ふと思った次第です。
数年後、数十年後のCG業界はどうなっているのでしょう?僕にはにまったく想像がつきません。
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