2010年5月31日月曜日

【質問】 質問にお答えします! その3

本日は皆さんから頂いた質問に対して、僕が答えさせていただくコーナー第三回目になります。

色々な人から質問を頂くのですが、質問される方も色々と考えさせられる質問もあり、僕自身、非常に勉強になってます。
さて、それでは早速、答えさせていただきます。

12.北田さんも映像プロダクション出身とのことですが、どのようにしてSurfacerになろうと決めたのでしょうか?
これは僕がなりたくてなったと言うよりも、ならざるをえなかったという方が正解かもしれません。
実はALにコンタクトをとった時点ではモデラーでの応募だったんですが、モデラーの仕事がほとんど終わっている為、Surfacerとしてならオファーを出すという話に途中からなったので。

僕はSFやロボットが大好きなので、できればそういったSF映画のモデラーになりたかったんです。
でも、textureの作業も嫌いじゃなかったし、何より海外で働けるなら!という事でオファーを承諾しました。
海外ではモデリングとテクスチャーと言うのは分業されていますが、僕はどちらの作業も好きなので、特に嫌と言う気持ちはありませんでした。今ではむしろモデリングよりもテクスチャー作業の方が好きなくらいです。

以前いた映像プロダクションで一通りの作業は経験しましたが、やはり僕に向いているのはモデリングとテクスチャーだと言う事をスクウェアで再確認できました。それ以降は、モデリングとテクスチャーと言うプロセスに拘りを持って仕事をするようになりました。
今後もモデラー、テクスチャーアーティストとして働ければ本望ですね(笑

13.海外の企業で使用されるアプリケーション(Photoshop、Mayaなど)と、日本の企業で使用されるアプリケーションの違いについて教えて頂きたいです。
これはなかなか鋭い質問だと思います。ジェネラリストが多い日本と、スペシャリストが多い海外では使用されるソフトウェアも若干違います。

メインで使用されるソフトウェアに関しては、MAYA、3ds MAX、XSIと同じですが、海外の映画の場合はほぼMAYAだと考えていただいて良いと思います。
TVCや一部のプロダクションではMAXやXSIなども使用していると聞きますが、ほぼMAYAメインだと思います。BlurStudioなどは昔から3dsMAXを使用していることで有名ですね。

モデリング関しては、基本的にどのソフトウェアで作成しても、コンバートしてしまえば大差ないので、特に問題ないと思いますが、ALではモデリングはMAYAです。

スカルプティングに関しては、海外プロダクションの多くはサブディビジョンサーフェースを使用するので、MuboxやZbrushなどのスカルプトソフトウェアと併用して、ディティール作ってます。

テクスチャーに関してはPhotoshopメインですが、最近ではZbrushやMudboxなどの3Dペイントツールで、でそのまま仕上げてしまう事も少なくないです。その他にはBodyPaint3Dなども使用します。
海外の主流は3Dペイントが主流になりつつあり、Photoshopで最初から最後まで仕上げると言うのが、少し困難な状況になりつつあります。

アニメーションに関してもALではMAYAが主力です。他のプロダクションでは、どういったワークフローになっているのかわかりませんが、おそらくMayaを使用していると思います。すいません専門外なのでなんとも言えません。

VFXに関しては、各プロダクションで多種多様なソフトを使用していると思います。Houdini、RealFlow、AfterBurn、など。その他にはWetaのように流体シュミレーターを独自に開発するところもあります。
海外プロダクションの多くはレンダリング出力(EXR)の関係から、ハードウェアレンダリングを使用しているところは少ないと思います。

レンダリングに関しては、最近でこそVrayやMentalRayといったレイトレースベースのレンダラが注目を集めて、映画のショットによっては使われたりしていますが、やはりいまだに海外プロダクションの多くがRenderManをベースにしたレンダラを使用しています。
ちなみにALではMayaManという自社開発のMaya to R見たいなのを使用しています。HayperShadeでmayaのshaderを作るようにRendermanのshaderを作ったりできます。これは市販されていて購入可能です。たしかヴァージョンは2008ぐらいで止まっていますが。。。。

コンポジットに関しては、海外と日本では大きく違うと言えます。レイヤーベースのAEが主力の日本国内に対して、海外のプロダクションの多くはShakeやNukeなどのノードベースのコンポソフトを使用しているところが多いです。
AEが海外で主力コンポソフトでない理由の一つが.EXRのマルチレイヤに対応していない点や映画などの高解像度の画像を取り扱った場合、非常にレスポンスが悪い。
日本ではあまりなじみのない.EXR出力によるマルチレイヤですが、海外の映画の多くはリアニアレンダリングによる.EXRのマルチレイヤで出力されます。それに対応していない時点でAEは海外で主力コンポソフトとなりえなかったのでしょうね。。。最近のバージョンでは対応しているのでしょうか?
詳しい方がいればフォローお願いします。

っと言ったように、モデリング、テクスチャー、アニメーションあたりまでは日本とさほど変わらないソフトウェアを使用していますが、それ以降の工程が日本と海外では少し異なるのではないでしょうか?
僕自身、まだ多くの海外プロダクションを経験した訳ではないので、多少、現実と異なる部分もあるかと思いますが、概ね遠からずという感じだと思います。参考程度に読んでいただければ良いかと思います。

今回は専門用語が多数出てきたので、学生さんなどには少し内容が難しかったかもしれません。。。
またメールフォームより質問して頂ければ、わかる範囲で対応はして行こうと思います。

次回は海外プロダクションで就職しやすい(人材不足)な職種について少しだけ紹介できればと思っています。

4 件のコメント:

  1. 海外も商用ソフトが多く使われているのですね。
    Blenderのようなフリーソフトも沢山使われていると思ってました。

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  2. 商用ソフトはLAでも主流ですね。
    小中規模プロダクションは商法ソフト+商用プラグイン
    小中規模でも自社スクリプトやプラグイン、ツール(ソフト)を開発できるところはカスタマイズして使っています。
    大規模なプロダクションはほとんど自社ツールを持っていますし、場所によってはかなりカスタマイズされているようです。
    どうすれば効率的にショットが作れるか?、また思ったような映像が作れるか?という視点でソフトやツールの使い方を考えていけば、市販のソフトもそこそこいけるのだと思います。

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  3. >匿名さん
    Melonさんがフォローしていただいた様に、多くは商用ソフトを使用しています。開発力のあるプロダクションに関しては、商用ソフト+自社ツールです。大きなプロダクションになれば、ソースコードの開示契約をして、独自のソフトに改良しているプロダクションもあります。

    僕の認識不足かもしれませんが、Blenderを実際にポストプロダクションに入ってから使用しているという話を聞いたことがありません。
    ここ最近、Blenderが急激な勢いで成長しているのは知っていますが、実際に仕事で使用したという話を聞いたことがないです。
    実際のところ、使われてたりしているのでしょうか。。。

    >Melonさん
    フォローありがとうございます。個人的に思うことですが独自に開発するツールと言うのは、ある目的のためだけに作られたものが多いので、非常に便利で扱いやすいものが多いと感じています。
    商用だと、どうしても売るために色々な機能を追加された状態ですが、ほとんど使わない機能も多いので、そういう意味では、やはり開発力があるプロダクションと言うのはうらやましいですね。

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  4. AEに関しては前verのCS4からpulg-inが附属しててEXRの
    マルチレイヤーに対応してて読み込み速度も上がってます。
    海外スタジオでもモーション・グラフィック系とかを
    中心に使われていると思いますが、制作スタジオで
    メイン・ツールとして扱われないのはグループ作業には
    向いてないせいだと思います。
    誰が何を変更したのか、エフェクトをどこに追加したらイイのか?
    分業的なワークフローには非常に対応しづらいソフトです。

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