Sarfacing Artisってどんな仕事?ということで今回はSurfaing Artistについて紹介したいと思います。
日本ではあまり聞きなれない職種だと思いますが、仕事の内容はほぼTexture Artistと同じで、Textureを描くことが主です。それではなぜTexture Artisと呼ばないのだろうか?
これは僕の推測ですが、ZbrushやMudboxでスカルプトもするからだと思います。スカルプトという作業は2.5Dと表現される事が多く、まさにモデリングとテクスチャーの中間に位置する作業です。
会社やプロダクションによって違いますが、スカルプトをModelerが行うケースと、Texture Artistが行うケースがあります。
ALの場合は、後者でmodelerは本当にモデリングしか行いません。UVを開くのもSurfacerの大事な仕事の一つです。
Surfacing Artistと一言でも言っても、2種類に分けることが出来ます。Hard SurfaceとSoft Surfacerです。
Soft Surfacer(Character Surfacer)はその名の通り、やわらかい物を主にします。キャラクターやモンスターなどです。キャラクター専属と理解していただいた方がわかりやすいと思います。
Hard Surfacer(EnvSurfacer)は逆に硬いものを主にします。石、木、鉄、鉱物、植物など様々です。環境(背景)専属と理解していただければ良いと思います。
人によっては、その両方をこなす人もいます。
僕はこの10年間、背景一筋です。Hard Surfacingのみを仕事にしてきました。根っからの背景やです。逆にキャラ作ってくださいと言われた、モデリング含めて無理ですね。断言できます(笑
それではSurfacingの仕事内容について、紹介していきたいと思います。
1.まず、第一の仕事はモデラーからモデルをもらって、UVを展開します。
UVを展開してる最中にモデルに不正ポリゴンや多角形ポリゴンが含まれてたりすると、一度モデルをモデラーに返して修正してもらいます。
そして、再びUVを展開します。モデラーからもらったモデルが常にクリーンアップされてる訳ではないので、不正なポリゴンがないかを見つけるのもSurfacerの仕事の一つです。
2.UVを展開し終えると、次にZbrushやMudboxで表面の形状をモデリング(?)していきます。これは主にDsplacementMapなどに使う事が多いですが、カラーマップのベースにしたりもします。
3.スカルプトが終われば、いよいよTextureをPhotoshopで描き始めます。人によって描き方は多種多様ですが、特にルールはないので自由にやってます。ただ、Textureの名前付けにはルールがあり、名前を見れば、大体、どこのパーツで何のマップか判断できるようになってます。
この辺は日本だと明確にルール化されていないプロダクションが多いのではないでしょうか?意外と名前付けは面倒くさいですが、ルール化されてると考える必要がないので、作業短縮にもつながります。
4.ある程度、テクスチャーを書き上げていくと、今度はMayaでShaderNetworkを組みます。海外プロダクションの多くが、InhouseShaderを社内で作っている所が多いと思います。ALに関しても、ほぼ100%インハウスですね。
5.後はレンダリングと修正を重ねながら、細かい調整をしていきます。調整が終わればスパーバイザーのチェックを受けるためにターンテーブルを作成します。
※1ターンテーブルとは、モデルを中心にカメラを360度、モデル、カメラ固定でライトを360度回転させて、モデルの形状、質感をチェックするための画像です。
主に晴天、曇り、夕暮れ、夜などのライトセットが組まれており、セットされたライトのみでチェックを行います。シーンカメラでチェックする事はあっても、シーンのライトでSurfacerがチェックする事はありません。
Surfacerの仕事は、あくまでもセットライトの中で、正しい質感設定を作るだけです。
6.スパーバイザーの承認があられれば完成です。完成したAssetに関しては、Lighting Departmentに渡され、初めてシーンのライトでレンダリングされます。
7.ライティングされたAssetに問題がなければ、これで一つの流れが終わりです。問題があった場合は、5に戻って問題解決と再調整を行います。
大体、Surfacing Artistの仕事の流れはこんな感じでしょうか???
あと良くありがちな事なのですが、最終的に出来上がった絵が、自分が設定した質感と全然違う事があります。良い意味でも悪い意味でも。
しかし、それに対してSuparviserやArtistがLightingやCompoに文句を言う権限はありません。
せっかく苦労して作ったのに!っと思うかもしれませんが、LigtingやCompoの時点で、質感、見え方が違うのは、ディレクターや演出家の意図でそうしているので、質感ではなく演出に属する事になります。
(この時、実際にshaderの設定が変えられるのでなく、Compoで上から素材を重ねた結果、違った見え方をするだけであって、実際に設定したshaderを作り変えられている訳ではないので、基本的に誰も文句は言いません。)
演出に対して文句をつけれるのはプロデューサーやスポンサー、監督だけです。
だから、良い意味でも悪い意味でも、最終的なルックが自分の設定した物と違う事もしばしば存在します。
今回はかなり多くの専門用語が出てきたと思いますが、もしわからない事など在れば、メールフォームからご質問頂ければ、日記か個別でお答えさせて頂きます。
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